2015.11.12

コンパクトワゴン、ルノー クリオ エステートを並行輸入いたします。

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ルノークリオエステートGT

ルノーを代表する小型自動車、クリオ(Clio)。日本ではルーテシア(Lutecia)の名前で知られていますが、ヨーロッパにはステーションワゴン仕様の設定があります。それがルノー クリオ エステート(Renault Clio Estate)です。

クリオのホイールベースはそのままに、リアオーバーハングを約20mm延長したクリオ エステートは、標準の5ドアハッチバック仕様のクリオのトランク容量300Lに対して430Lの荷室を持ち、更にルーフレールの装備により、ルーフキャリアにスキー板やスノーボード、自転車なども積みやすくなりました。もちろん、ルノー クリオの車体の小ささによる使い勝手の良さは、エステートになっても継承されています。また5ドアのクリオ同様に”GT”の設定もあり、ルノースポールが手掛けた足回りやシートの組み合わせにより、快適なロングドライブが実現します。

クリオ エステートは残念ながら日本では正規輸入車として販売されておらず、またヨーロッパでもイギリスでは販売されていないために、右ハンドル仕様が選べないのが残念な点ですが、YMワークスでは、この使いやすい大きさのステーションワゴンのGTグレードを、本国フランス仕様にて並行輸入いたします。

 

クリオ エステートの特徴

日本ではルーテシアの車名で知られるルノー・クリオは、ベストセラーとなったルノー・5(サンク)の後継として1990年に登場、以来ヨーロッパでのルノーの販売において主力車種となっています。4代目となる現行のクリオは2012年に発表されましたが、今までと異なり、3ドアの設定がなくなる、スポーツモデルのルノー・スポールを含めて3ペダルMTの設定を大幅に縮小するなど、立ち位置を変化させ、ややプレミアム色の強いモデルとなりました。その背景にはルノー傘下のダチアが、ベーシックモデルの供給を担うという棲み分けが進んだことが考えられます。

今回ご紹介するエステートは3代目に相当する先代クリオ(クリオ3)から追加されたステーションワゴンの派生モデルで、仕向地によってはグランツールの名前で販売されています。このクラスのステーションワゴンは昔から少なからず需要がありましたが、2015年現在は同様のキャパシティを持ち、商品性の高いクロスオーバーSUVの人気が増したために、以前と比べるとやや影が薄い存在になりつつあります。事実、ルノー自身が同クラスにキャプチャーという前輪駆動のクロスオーバーSUVを追加しています。

しかし車高の低さに伴う安定した走行感覚は、クロスオーバーSUVに比べると高速域やワインディングでは依然として優位性があります。また、ルノーはクリオ4で新たにGTグレードを追加設定しています。ルノー・スポールが手掛けたサスペンションなどの専用装備を持つグレードが追加されたことは、クリオエステートが走りを重視したい人のためのモデルという位置づけを更に強めています。

 

2015年 ルノー クリオ エステートの公式試乗動画 New Clio Estate test drive by Renault TV(約4分)

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スタイリッシュさを増したエクステリア

ルノークリオエステートGT

ルノークリオエステートGT

クリオ4のエクステリアは、非常に抑揚に富む、アグレッシブなデザインが特徴です。クリオ3はコンサバ志向だったため、このデザインは大きな驚きを持って迎えられました。低く構えたボンネット、大きなルノーのバッジ、そのラインに合わせる様に低い位置に据えられたフロントドアノブなどは、今見ても尚新鮮さがあります。またBピラーへリアドアノブを埋め込む手法もアルファロメオなどで知られた手法ですが、このクラスの実用車で採用されたことは少なからず話題を呼びました。このようにリアドアを感じさせないデザインの採用には、3ドアの廃止分を補いたいという意図も感じられます。

デザインを担当したのはオランダ人デザイナーで日本のマツダにも在籍したことがあるローレンス・ヴァン・デン・アッカーです。2009年からはルノーでデザイン担当の上級副社長に就任している同氏はクリオ4登場以前にも幾つかのモデルのマイナーチェンジを手掛けていますが、新規にデザインされたモデルとしては、このクリオ4が最初になりました。

エステート化に際しては左右の窓がテールゲートを通して繋がっている様なデザインが採用されています。これに伴ってリアドアの窓の上下方向の絞り込みは、5ドアモデルと比べて抑えられています。テールランプも専用のものが用意されています。概ね、5ドアよりもスレンダーでスタイリッシュな印象が強まっており、クリオ3エステートがふくよかでボリューム感のあるデザインを採用していたのとは対照的です。

 

飛行機の翼をイメージしたインテリア

ルノークリオ ダッシュボード

ルノークリオ ダッシュボード

クリオ4の斬新なデザインはインテリアでも反響を呼びました。ルノーはこのインテリアについて飛行機の翼をイメージしたと解説していますが、その特色はエステートでも引き継がれています。

センタークラスターは大型タブレットを思わせるピアノブラックのパネルが据えられ、ディスプレイオーディオと空調のスイッチが上下に配置されています。ダッシュボードの色は仕様によっては、エクステリアに合わせて赤や青などにコーディネートされます。

計器類はアナログとデジタルが組み合わせられており、デジタルの速度計の両脇をアナログの回転数計と燃料計が挟んでいます。その他の情報は、複合情報画面に必要に応じて表示される形式で、情報を絞り込んで視認性を高めるという思想が採られています。

 

「TCe120」と「dCi90」、高トルクが自慢のエンジン

ルノー クリオ エステート エンジン

ルノー クリオ エステート エンジン

エステートには3種類のガソリンエンジンと1種類のディーゼルエンジンが設定されています。

今回一番おすすめしたいGTグレードに設定されているのは、”TCe120″こと、ガソリンエンジンの中でも最も強力なH5Ft型の直列4気筒1.2L直噴ターボエンジンで、4900回転で120馬力を、2000回転で19.4kgmを発揮し、特にトルクは2.0Lの自然吸気エンジン並みです。こちらは日本仕様の5ドアのルーテシアでも採用されているものと同一です。その他、ガソリンには直列3気筒0.9Lのターボ、直列4気筒1.2Lの自然吸気の設定があります。

ディーゼルについてはK9K型直列4気筒1.5Lコモンレール式直噴ターボエンジンで、チューニングの違いにより2仕様が存在し、”dCi90″と呼ばれる上級仕様では、4000回転で90馬力を、1750回転で22.4kgmを発揮します。2001年の登場以来長く製造されているK9K型ですが、近年はユーロ6への対応や、タイミングベルトの高寿命化など、熟成が進んでいます。

 

絶対的な経済性よりも走行時のスムーズさを優先した、燃費・経済性

ガソリンモデルの燃費はカタログ上では19.2km/Lという低燃費。ただルノーはEDCで、実際には絶対的な経済性よりも走行時のスムーズさを優先したチューニングを行っていることが知られています。日本の道路環境では、こまめにマニュアルシフトして最適なギア比を任意に選んだ方が、より低燃費で走りやすいと言われています。ディーゼルモデルのカタログ燃費は27km/L超に達しますので、こちらは20km/L前後は走るようです。

 

変速ショックが抑えられた6EDCミッションとフラットライドな足回り

ルノークリオエステートGT

ルノークリオエステートGT

クリオ・エステートは前輪駆動のみで、四輪駆動等の設定はありません。動力を伝えるのは5MTかデュアルクラッチトランスミッションの”EDC”(6段)のいずれかですが、エンジンによって組み合わせは限定されており、6EDCはTCe120とdCi90のみでしか選べず、特にTCe120では5MTを選択することが出来ません。この6EDCはフォードのフォーカスやフィエスタなどで採用例があるゲトラグ製のもので、クラッチは燃費に有利な乾式単板が組み合わせられています。制御は例えば、同じ乾式単板クラッチのデュアルクラッチトランスミッションを持つフォルクスワーゲン勢と比べるとショックレスで、トルクコンバーター式のATに近い運転感覚です。ギア比が離れた段数がなく、MTモードでも小気味よく走ることが出来るのが特徴です。

クリオ4の足回りは搭載するエンジンや車体仕様に応じて細かく設定されていますが、エステートの場合は5ドアに比べると、特にリアサスが積載性に配慮して固められています。更にGTでは大幅にバネレートやダンパー減衰力を上げることで、ロールを減らして良好なハンドリングを特徴としています。

エステートに限らずクリオ4全般、乗り味は総じてフラットライドだと評されており、特に高速巡航時の乗り心地の良さが評価されています。一方で仕様によっては、荒れた路面などでは、大きな入力があった場合に、やや強い衝撃を感じることが指摘される場合もあります。上級グレードの場合はある程度の車重もあるため、しっかりとした足回りのGTをおすすめしています。標準足の場合は16インチの方が相性の方が良いと感じる方が多い様です。

 

総評:クロスオーバーSUV全盛の中で希少なステーションワゴン

ルノー クリオ エステート ラゲッジ 1人乗車

ルノー クリオ エステート ラゲッジ 1人乗車

クロスオーバーSUVが全盛の中で、この様な小さなサイズのステーションワゴンの存在は希少なものです。従って、欲しい方にはピンポイントで条件の合致するモデルとなるでしょう。欧州メーカーのステーションワゴンに注目していたものの、車体の大きさと駐車場環境などが合わず、断念していた方にもおすすめします。

また、ステーションワゴンに車体形状を限定せずとも、高速道路を長距離移動する頻度が高い方にとって、クリオ・エステートは最適解のひとつとなってくれるでしょう。

  • ルノークリオ ダッシュボード
    ルノークリオ ダッシュボード

 

ルノー クリオ エステートの装備とオプション

ルノー クリオ クルーズコントロール

ルノー クリオ クルーズコントロール

冒頭で言及した通り、クリオ自体の成り立ちがややプレミアム志向になったこともあり、どのグレードを選んでも基本的な装備は充実しています。ただ、内装の加飾などはパッケージオプションとなっており、選択出来るグレードが限られます。そのため、例えば光沢のある赤い部品で彩られたステアリングなどを選ばれたい場合は、装備側から逆引きしてグレードを選ぶ必要が生じます。

GTグレードは専用装備として、ルノー・スポールが開発した専用設計のシートや、日産GT-R(R35)と共通のマグネシウム製のパドルシフト、加速Gやエンジン出力をモニタリング出来るRSモニター2.0などが備わります。

 

直接的なライバルは不在?評価・評判は?

クリオ・エステートの最大のライバルはかつてはプジョーの206SWや207SWでした。しかしプジョーは208にSWを設定せず、代わりにクロスオーバーSUVの2008を発売して、フランス車のライバルは不在となりました。

現在のクリオ・エステートのライバルは輸入車としてはフォルクスワーゲン・ポロの兄弟車であるシュコダのファビア・コンビや、セアトのイビサSTが挙げられます。これらはいずれもポロをベースにしたステーションワゴンですがキャラクターは異なり、ファビア・コンビはスクエアな車体形状で、530Lという巨大な荷室を持つことが特徴、一方のイビサSTは荷室を430Lに留め、デザインを重視した印象のあるステーションワゴンです。(本家ポロにもステーションワゴンボディの設定はありますが、販売地域等が限定された、やや特殊な位置づけです)

443Lの荷室容量を持つクリオエステートの場合、コンセプトが近いのはイビサSTですが、イビサSTに対しては、ルノースポールが手を入れたGTグレードを設定していること、強力なガソリンエンジンの設定があることが特徴だと言えるでしょう。

 

ルノー クリオ エステートのベストバイ

装備の充実や、動力性能と足回りのセッティングのバランスなどから、GTがオススメです。もしディーゼルをお求めの場合は、割安ながら装備は充実しているリミテッドがいいでしょう。

ルノークリオエステート

ルノークリオエステート

 

日本未発売のルノー クリオ エステートを並行輸入した場合の乗り出し価格

ルノー クリオ エステートGT(現地価格£22,970)を並行輸入した場合の日本国内乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。

ルノージャポンでは正規輸入車として導入をしていないため、クリオ エステートに乗るには、基本的に並行輸入となります。

YMワークスは、欧州製輸入車の国内正規輸入モデルから日本国内未導入モデルの並行輸入まで豊富な経験があります。ルノーをはじめ、フランス車、イタリア車の並行輸入はもちろん、各種整備や修理、車検まで、納車後のアフターフォローもなどもきめ細かに対応、安心してお乗りいただける環境をご提供いたします。お気軽にお問い合わせください。

既に生産終了、あるいは新型・後継モデルが発表済のモデルです。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。ご対応ができない場合もございます。

※表示金額はご覧になっている時点での為替レートにて算出しております。
※輸入国からの輸送料、各種税金、検査費用、登録諸費、納車費用(大阪近郊)は全て含まれています。
※正式なお見積り、遠方への納車費用など、改めてご提示いたしますのでお問い合わせください。

 

スペック表

車名 ルノー クリオ エステート / Renault Clio Estate
サンプルモデル GT Energy TCe 120 EDC E6
英国販売価格 €22,970
型式
初度登録 国内未登録新車
車検 受け渡し
走行距離
ハンドル
ドア数 5
カラー ブラングラシエ(標準色)
ルージュフラム(OP/MTL)
ノワールエトワール(OP/MTL)
マロンアルダン(OP/MTL)
グリプラチナ(OP/MTL)
ブルーマルト(OP/MTL)
※OP:有料オプション
※MTL:メタリック塗装
全長x全幅x全高 4277x1732x1433mm 
ホイールベース 2589mm
トレッド(前/後) 1499mm/1498mm
車両重量 1090kg
乗車定員 5名
トランスミッション 6EDC
エンジンタイプ 水冷直列4気筒DOHC直噴ターボ16V
総排気量/内径x行程 1197cc/72.2mmx73.1mm
圧縮比
最高出力 88kw(120ps)/4900rpm
最大トルク 190Nm(19.4kgm)/2000rpm
燃料タンク容量 45
燃費 約19.2km/L(欧州複合基準)
ブレーキ形式(前/後) 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
ホイール 205/45 R17 88V
最高速度 199km/h
0-100km/h加速 9.4秒
特記事項 ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。
車名 ルノー クリオ エステート / Renault Clio Estate
サンプルモデル Limited Energy dCi 90 EDC E6 [ENERGY dCi 90 83 g]
英国販売価格 €21,620 [€20,220]
型式
初度登録 国内未登録新車
車検 受け渡し
走行距離
ハンドル
ドア数 5
カラー ブラングラシエ(標準色)
ブルードゥフランス(標準色)
ジョンエクレール(標準色)
ルージュフラム(OP/MTL)
ノワールエトワール(OP/MTL)
マロンアルダン(OP/MTL)
グリプラチナ(OP/MTL)
グリカシオペ(OP/MTL)
ブルーマルト(OP/MTL)
※OP:有料オプション
※MTL:メタリック塗装
全長x全幅x全高 4267x1732x1445mm 
ホイールベース 2589mm
トレッド(前/後) 1506mm/1506mm
車両重量 1152kg [1071kg]
乗車定員 5名
トランスミッション 6EDC [5MT]
エンジンタイプ 水冷直列4気筒SOHCコモンレール直噴ターボ8V
総排気量/内径x行程 1461cc/76.0mmx80.5mm
圧縮比 15.2
最高出力 66kw(90ps)/4000rpm
最大トルク 220Nm(22.4kgm)/1750rpm
燃料タンク容量 45
燃費 約27.0km/L [約31.2km/L] (欧州複合基準)
ブレーキ形式(前/後) 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
ホイール 195/55 R16 87H
最高速度 176km/h [180km/h]
0-100km/h加速 12.9秒 [12.0秒]
特記事項 ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。

 

車両詳細画像ギャラリー

  • ルノークリオエステートGT
    ルノークリオエステートGT

 

ルノー クリオ エステートをもっと知りたい方はこちら

ルノーフランス オフィシャルサイト(Renault France) 
ルノーフランス コンフィグレーションサイト(Renault France)
ルノーフランス カタログダウンロード(Renault France)

 

※本記事は2015年11月12日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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