ホンダ シビック ツアラー(HONDA Civic Tourer)は、2014年にホンダUKが、拡大傾向にあるCセグメントステーションワゴン市場向けに発売を開始したツーリングワゴンです。
エンジンは、ガソリンの1.8L(i-VTEC)とディーゼルの1.6L(i-DTEC)をラインアップしています。2015年モデルでマイナーチェンジが行われ、新型シビック タイプRと共通イメージのフェイスが与えられました。
走りの楽しさと実用性を実現させたホンダ シビック ツアラーは、今のところ、日本での発売予定の発表はありませんが、YMワークスでも新車の逆輸入を承っております。
この記事の目次
ホンダ シビックツアラーの特徴
シビックツアラーは、5ドアハッチバックのシビックをベースにリアオーバーハングを235mm延長した派生モデルのツーリングワゴン。全長は4520mm、全幅は1770mm、全高は1440mm、車重は1300-1350kg程。サイズ的にはこのクラスの平均的なもので、国内版のジェイドに比べ、130mm短く、90mm低く、5mm狭くなっています。
また、空力性能に優れたシビック5ドアのスタイリングをさらに進化させたスポーティーなデザインとなっており、2014年には、イギリスのBTTC(ツーリングカー選手権)に参戦、好成績を残すなど走りにも定評があります。
エクステリア
基本的にはロー&ワイド、ロングなフォルム。デザインの特徴としては、ボンネットからAピラー、ルーフにかけて流れるようなラインを持ち、空力特性を高めたフォルムと抑揚のあるサイドライン、力強く張り出した前後フェンダーによりダイナミックさとエレガントさを表現しています。2015年仕様では新型シビック タイプRと共通イメージのフェイスとなっています。
インテリア
ベースとなるハッチバックモデルのシビックを継承。インパネはダッシュボード上部にデジタルスピードメーター、通常位置の中央にアナログタコメーターを配する個性的なもの。包まれ感の高い、ドライバーファーストのコクピットになっています。
ツアラーコンセプトのワゴン車ということもあり、室内空間や使い勝手も考慮されています。ボディは横から見るとリアオーバーハングの延長がよく分かり、これによりクラストップレベルの624Lを誇る荷室容量や室内空間の拡大を実現しています。荷室はリアシートを倒すと容量1668Lの広大でフルフラットな空間に拡大されます。リアシートは独特の縦型収納も可能になっています。
エンジン・パフォーマンス
搭載されるエンジンは前述の通り、ガソリンの1.8L(i-VTEC、MT/AT)とディーゼルの1.6L(i-DTEC MT)の2種類が設定されています。142ps/174Nmを発揮する1.8L i-VTECガソリンエンジンは、過不足ない性能は持つものの、ドラスティックな動力性能を持つわけでもなく、燃費的にも平凡。前世代的なNAエンジンで積極的に選びたくなるものではないですが、国内での使用を考えるとATはこれしかありません。ちなみに0-100km/h加速は9.5秒、最高速は210km/h(MT車)と発表されています。
一方、1.6L i-DTECターボディーゼルエンジンはトピックの多い注目のエンジンです。EURO6規制をクリアする新世代クリーンディーゼルとして、高い静寂性能と燃費・環境性能を実現し、シビックの他CR-V等にも搭載が進んでいます。120ps/300Nmを発揮し、アクセルレスポンスが良いことも特徴です。欧州複合基準燃費は26.3km/L、海外試乗記等では実燃費でも20.0km/L前後をマークするそうで航続距離も1000km級とか。0-100km/h加速は10.5秒、最高速は195km/h(MT車)と発表されています。
駆動系・足回り・乗り味
国産メーカーの車両であっても走りの質が求められる欧州仕様車は、国内とは異なるサスペンションセッティングがなされているのが一般的です。シビックツアラーもその例に洩れず、欧州車然としたセッティングがなされています。ノーマルグレードでもその素性の良さは感じられると思います。さらに、上級グレードのリアサスペンションはザックス製ダンパーによる「アダプティブ・ダンパー・システム」が採用されています。路面や走行状況に応じ、「ダイナミック」「ノーマル」「コンフォート」の3段階に調整でき、より快適かつスポーティーな走行を可能にしています。
総評
欧州仕込みの走りが味わえる、成熟した大人のツーリングワゴン。シビックの名こそ与えられていますが、プレミアム感もそれなりにあり、かつて、アコードワゴンを乗っていた方にも十分納得できる仕上がりになっていると思います。
ホンダシビックツアラー2014のプレス動画
シビックツアラーが2014年、BTTCに参戦
イギリスで毎年開催される人気ツーリングカーシリーズであるBTTC(British Touring Car Championship)に、ホンダユアサレーシングチームは、2013年までシビックハッチバックで参戦していましたが、2014年シリーズはシビックツアラーに変更、1994年のボルボ 850エステート以来のワゴン車による参戦で話題となりました。
「ワゴンは遅い」という悪しき前例による前評判を覆し、常に上位争いに食い込み、優勝も数回実現するパフォーマンスを発揮しましたが、総合チャンピオンには至らず、2015年は新型シビック タイプRで参戦しています。
2014年シビックツアラーテスト走行動画@BTCC
1.6L i-DTECを搭載したシビックツアラー、燃費のギネス記録を達成
ターボディーゼルエンジン、1.6L i-DTECを搭載したホンダ シビックツアラーは、Cセグメントクラスにおいてトップレベルの燃費性能を実現したステーションワゴンとして注目されていますが、2015年5月末には、このターボディーゼルエンジン 1.6L i-DTECを搭載したシビックツアラーが「燃費ギネス世界記録に挑戦する」と発表されました。EU全土を25日間かけて周遊し、約1万3千キロの走行して、「EU24カ国をいかに低燃費で周遊するか」にチャレンジするそうです。
先日、新記録を達成したとの発表がありました。
「ホンダ シビック、欧州24か国周遊で燃費ギネス新記録…35.5km/リットル」
※2015年7月7日 ホンダEU発表、Responseより
ライバルと評価と評判は?
シビックツアラーは、価格も比較的高めの設定で、ホンダのブランドバリューと合わせ、プレミアムワゴン的な存在です。イギリス生まれらしい、欧州車然とした乗り味とスポーティーなハンドリングはかなりの高評価。ワゴンモデルでは重要な積載性も水準以上で、独自のリアシートの縦型フォールディング等もあり、使いやすいとの評判です。あとは肝心のエンジン。新世代ターボディーゼルモデルは燃費・環境性能・静寂性・動力性能、アクセルレスポンス等の幅広い面で、ライバルと同じ土俵にあり、そのいくつかは優位に立ってはいますが、ガソリンモデルは前世代のNAエンジンで、取り立てて評価することが難しいのも現実です。しかも、ATはこれしか選べない・・・。
欧州では人気のあるカテゴリーなので、ライバルは強豪揃いです。いくつか例を挙げると、フォード フォーカス エステート、ボクスホール アストラ ツアラー、ルノー メガーヌ エステート、プジョー308SW、フォルクスワーゲン系ではゴルフ エステート、セアト レオンST、アウディA3スポーツバック等々。ほぼ全モデルがターボディーゼルに加え、ガソリン車でもダウンサイジングターボを搭載し、動力性能と燃費・環境性能を両立させています。価格を考慮すると、2.0L エコブースト 250psを搭載するフォーカスST エステートや1.6Lのハイパワー版アストラ ツアラー、等も選べてしまいます。フォルクスワーゲン系も同様に上位グレードが対象になってきます。
望まれるのは、日本国内で既にステップワゴンやジェイドに搭載され、高い評価を得ている「1.5L VTEC ターボ」の早期搭載です。ステップワゴンよりも100kg以上軽量なシビックツアラーなら、より高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。可能ならDCT仕様だともっといい。1.5L VTECターボのDCT仕様がラインアップされれば、シビックツアラーの魅力は大幅にアップすると思います。
ホンダ シビックツアラーのベストバイは?
現状では新世代ターボディーゼル車。かの地のようにをMT仕様で乗りたい、という方には、上位2グレードが装備面でもいいでしょう。北海道や地方の広域道路が中心、高速道路の利用が多い場合にはオススメです。どうしてもAT、という方には残念ながら1.8L NAモデルしかありません。普通に走るには不満のない性能かもしれませんが、燃費・動力性能の面からも、1.5L VTECターボ DCT仕様の追加を願うばかりです。タイプRの「2.0L VTECターボ」のディチューン版も搭載されれば面白いと思います。
ホンダ シビックツアラーをイギリスから逆輸入した場合の乗り出し価格
ホンダ シビックツアラーのターボディーゼル車の上位グレードは、前述のような価格設定もあり、かなり高価。イギリスでも最上位グレードは£26,140となっています。単純に円換算して約460-470万円。輸送や手続等の諸費用を考えると頑張っても500万円台半ばといったところでしょうか。
既に生産終了、あるいは新型・後継モデルが発表済のモデルです。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。ご対応ができない場合もございます。
※表示金額はご覧になっている時点での為替レートにて算出しております。
※輸入国からの輸送料、各種税金、検査費用、登録諸費、納車費用(大阪近郊)は全て含まれています。
※正式なお見積り、遠方への納車費用など、改めてご提示いたしますのでお問い合わせください。
ホンダ シビックツアラーのスペック表
車名 | ホンダ シビックツアラー 2015 / Honda Civic Tourer 2015 |
搭載エンジン、サンプルグレード | i-VTEC 1.8L ガソリン EX Plus 5AT |
英国販売価格(オプション無) | £20,085(S)-£26,370(EX Plus) |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | ミラノレッド(STD) アラバスターシルバー(OP/MTL) ブリリアントスポーティブルー(OP/MTL) クリスタルブラック(OP/PRL) ゴールデンブロンズ(OP/MTL) パッションレッド(OP/PRL) ポリッシュドメタル(OP/MTL) トワイライトブルー(OP/MTL) ホワイトオルチド(OP/PRL) |
全長x全幅x全高 | 4590x1770x1480mm |
ホイールベース | 2595mm |
トレッド(前/後) | 1530mm/1530mm |
車両重量 | 約1380kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 5AT |
エンジンタイプ | 水冷直列4気筒SOHC16V i-VTEC |
総排気量/内径x行程 | 1798cc/81×87.3mm |
圧縮比 | 10.6:1 |
最高出力 | 104kw(142ps)/6500rpm |
最大トルク | 174Nm(17.8kgm)/4300rpm |
燃料タンク容量 | 50L |
燃費 | 約15.2km/L(欧州複合基準)- |
ブレーキ形式(前/後) | 前:ベンチレ-テッドディスク/後:ディスク |
タイヤ/ホイール | 225/45R17 / 17インチ軽合金 |
最高速度 | 205km/h |
0-100km/h加速 | 11.4秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車名 | ホンダ シビックツアラー 2015 / Honda Civic Tourer 2015 |
搭載エンジン、サンプルグレード | i-DTEC 1.6L ターボディーゼル EX Plus 6MT |
英国販売価格(オプション無) | £19,755(S)-£26,140(EX Plus) |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | ミラノレッド(STD) アラバスターシルバー(OP/MTL) ブリリアントスポーティブルー(OP/MTL) クリスタルブラック(OP/PRL) ゴールデンブロンズ(OP/MTL) パッションレッド(OP/PRL) ポリッシュドメタル(OP/MTL) トワイライトブルー(OP/MTL) ホワイトオルチド(OP/PRL) |
全長x全幅x全高 | 4590x1770x1480mm |
ホイールベース | 2595mm |
トレッド(前/後) | 1530mm/1530mm |
車両重量 | 約1430kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 6MT |
エンジンタイプ | 水冷直列4気筒DOHC16V i-DTEC |
総排気量/内径x行程 | 1597cc/76x88mm |
圧縮比 | 16:1 |
最高出力 | 88kw(120ps)/4000rpm |
最大トルク | 300Nm(30.6kgm)/2000rpm |
燃料タンク容量 | 50L |
燃費 | 約26.5km/L(欧州複合基準)- |
ブレーキ形式(前/後) | 前:ベンチレ-テッドディスク/後:ディスク |
タイヤ/ホイール | 225/45R17 / 17インチ軽合金 |
最高速度 | 195km/h |
0-100km/h加速 | 10.5秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車両詳細ギャラリー
ホンダシビックツアラーをもっと知りたい方はこちら
・英国ホンダ オフィシャルサイト(HONDA UK)
・英国ホンダ メーカーコンフィグレーションサイト(HONDA UK)
・英国ホンダ カタログダンロード(HONDA UK、英語版、要メール送信)
※本記事は2015年11月25日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。