今回は、ボルボXC40について紹介します。
スウェーデンの自動車メーカー、ボルボから販売されているコンパクトSUVがXC40です。このカテゴリーは激戦区のひとつとして、様々な自動車メーカーがしのぎを削っていますが、XC40はその中でも引けを取りません。
安全性の高さでは従来から定評があるボルボ車ですが、その性能はメルセデス・ベンツにも引けを取らないと引き合いに出されるくらいです。さらに最近のモデルでは高級感がいっそう磨かれ、いまや高級車ブランドのひとつに肩を並べるといってもいいほどです。2018年に誕生したXC40も例外ではなく、コンパクトなボディに高い走行性能とスポーティな空間・質感の高さなどが共存しています。
ここではルックスや走行性などを紹介することで、XC40のどんな点が注目されているのかを詳しく説明します。
この記事の目次
モデル概要
SUVのジャンルも、オフロードユースを重視したモデルからオールマイディに使えるモデルまで多岐にわたります。ボルボ XC40はその中でも、シティーユースに重きを置く「都市型SUV」というコンセプトで開発されました。
ボルボではXC40を「コンパクトSUV」と謳っていますが、全幅は1,800mmを大きくオーバーし、狭い路地に入り込むのはためらいを感じるかもしれません。
日本に輸入されるXC40には、48Vハイブリッドを搭載したグレードとプラグインハイブリッドモデルがあります。欧州仕様には、ディーゼルエンジンモデルやモーターだけで走行するピュアEVも設定されていますが、2021年2月時点で日本国内には輸入されていません。
またスウェーデン本国では、数種類のエンジンが搭載されたグレードが多数存在しますが、日本国内向けとしては売れ筋が見込まれるグレードを中心として輸入されています。
XC40の駆動方式は、SUVとして様々な路面に対応できるAWD(全輪駆動)に加え、XC40をより手軽に楽しめるFF(前輪駆動)のモデルも用意されています。またヨーロッパ仕様にはMTモデルも存在しますが、日本にはAT仕様のみが輸入されます。
現代の乗用車には、衝突軽減ブレーキをはじめとした安全装備が充実していますが、XC40も先進の安全・運転支援装備を全グレードに標準装備します。数多くの機能が、ドライバーや乗員の安全で快適なドライブをサポートしています。
ほかにもXC40ならではの特徴は数多くあります。エクステリアやインテリア・走行性能など様々な角度から、その個性を掘り下げていきましょう。
ハイライト
XC40のエクステリア
高級感が凝縮されたボルボブランドならではの美学
ボルボXC40のエクステリアは、ひとめでボルボ車とわかる個性豊かなフロントグリルをもち、優雅さの中にも正統派SUVとしてのスポーティで力強い装いをまとっています。
そのフロントマスクですが、T字型のLEDヘッドライトや張り出したフロントグリル・また立体的な造形のフロントバンパーにより、XC40の力強さがいっそう強調されています。
XC40は、リヤビューからもまたスポーティな雰囲気を醸し出されています。L字型のLEDテールライトはボディサイドに回り込むデザインで、大きく張り出したルーフエンドスポイラーとともに、幅広のボディをよりワイドに魅せています。
これらエクステリア上の特徴が、北国スウェーデンで生まれたというアイデンティティの高さやアーバンな空気をあわせもつおしゃれな一台として、ドライバーを至福のひとときに誘うのです。
このように、XC40にはボルボとしての深いこだわりが凝縮されており、独創性のたるスタイルは、都会でもひときわ高い存在感を放つのです。
XC40のインテリア
コンパクトSUVの中に広がるアーバンな快適空間
XC40がもつスカンジナビアの独創性や都会的な雰囲気は、そのインテリアにも現れています。
厳選された素材がもつ質感の高さや、込められたクラフトマンシップが随所に感じられるXC40のインテリアは、乗車するごとドライバーだけでなく全ての乗員を特別な気持ちにさせます。特に、オプションで装着できるパノラマガラスサンルーフから降り注ぐ光や、優れた座り心地のシートなどが乗員の五感を刺激し、高い満足を味わうことができるのです。
インテリアの素材は、高級感があふれるだけではありません。例えば車内のカーペットは100%リサイクルされた素材を使用しており、XC40がもつモダンなスタイルの中にもサスティナビリティが共存しています。
またXC40は、SUVとして使い勝手のよさも特徴のひとつです。十分な乗員スペースとラゲッジルームを両立させていますが、必要に応じて60:40の分割可倒式シートをアレンジすることでより便利に使いこなせます。
XC40のインテリアには、醸し出す雰囲気だけでなく、SUVならではの高い実用性が形として現れています。
XC40に搭載されるパワートレイン
時代の流れに対応した48Vハイブリッドとプラグインハイブリッド
ボルボXC40のパワートレインとしては、48Vハイブリッドとプラグインハイブリッド・EV(電気自動車)の3種類があります。
国内に輸入されるボルボXC40のパワートレインはB4・B5といわれるもので、それぞれ最高出力145kW(197ps)・184kW(250ps)を発生させる2.0l直列4気筒ターボに、モーターが組み合わされた48Vハイブリッドです。プラグインハイブリッドに搭載されるエンジンは主に発電の役割を担いますが、132kW(180ps)を発生する1.5L直列3気筒T5ターボエンジンが使用されます。
以前にはノンハイブリッドであるT4やT5が輸入されていましたが、2021年2月時点では全てプラグインハイブリッドに変更されています。
また国内に輸入されていないモデルのパワートレインとしては、T2やT3などのガソリンエンジンやD3というディーゼルターボ・またプラグインハイブリッドのFFモデルに採用されるT4があります。かつては省燃費で環境性能が高いといわれていたディーゼルターボモデルも、日本には輸入されません。
XC40には、新時代の動力源として期待されるEVも設定されていますが、これも日本には未導入です。プラグインハイブリッドには発電用のエンジンが搭載されますが、EVの場合は外部からの電力のみで走行するという違いがあります。
近年のEVは、いずれのモデルもバッテリーをはじめ様々な面において性能が向上しています。XC40のEVモデルも、搭載されるモーターは高トルクによる高い加速性能をもち、0→100km/h加速が4.9秒・航続距離400~418kmという数値を誇ります。
XC40の走行性能
高い走行性能を実現させるため技術の粋を集めたXC40
ボルボ車は従来から、高い安全性能や優れた走行性能を特徴としていますが、XC40にもその哲学は踏襲されています。
XC40の駆動方式は悪路走破性の高いAWDに加え、手頃な価格で雰囲気を楽しむFF仕様もラインアップされています。またサスペンション方式は、フロントがマクファーソンストラット式・リヤがマルチリンク式という、このクラスでは一般的なものです。快適性や操舵性能はもちろん、コストも総合的に考え最適なものが採用されています。
日本国内モデルの場合、XC40のトランスミッションは、Recharge Plug-in HYBRID T5 Inscriptionに7速ATが採用されます。マイルドハイブリッドモデルであるその他のグレードには8速ATが搭載されており、いずれもスムーズな変速や高い効率性や静粛性という特性をもちます。
ヨーロッパ諸国ではMT車もラインアップされていますが、AT車が98%以上を占めるともいわれる日本には輸入されません。今後もMT車の導入は考えられないので、MT仕様が欲しい場合は、必然的に並行輸入という選択肢を選ぶことになります。
もちろんXC40は、現代の乗用車に求められる安全装備や運転支援機能も充実しています。対向車対応機能や歩行者・サイクリスト検知機能などを備えたCity Safety(衝突回避・被害軽減ブレーキシステム)」はその基本となる装備で、危険を未然に察知することで衝突時の被害を最小限に食い止めます。
加えて「全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールや車線維持支援機能としてのパイロットアシスト・道路逸脱回避機能であるランオフロードミティゲーションなどが標準装備されます。
総評
ボルボXC40は、群雄割拠のコンパクトSUVの中でも、ひときわ目立つ安全性能や高級感・走行性能が追求されているモデルとして、高い評価を受けています。
もちろんXC40は安全性に定評のあるボルボ車のひとつとして、ボディ剛性の高さだけでなく安全装備も充実しています。
2021年2月時点において日本国内に導入されるXC40は、装備の充実した買い得グレードを中心としたラインアップです。エントリーグレードは400万円強という価格で購入できますが、駆動方式はFFに限定され、SUVの特徴が活きるAWD車は500万円に手が届くプライスになります。
また日本には、EVモデルであるP8 AWD Electricが輸入されていません。XC40でEVならではの高い静粛性や力強い加速性能を味わいたい人は、並行輸入による購入を検討してみる価値があるのではないでしょうか。
参考スペック
車名 |
VOLVO XC40 Recharge |
搭載エンジン、サンプルグレード |
P8 AWD Electric(EV) |
国内販売価格(オプション無) |
59,985GBポンド(約8,610,000円) |
型式 |
- |
ハンドル位置 |
右 |
ドア数 |
5 |
乗車定員 |
5名 |
全長×全幅×全高 |
4,425mm×1,863mm×1,652mm |
トレッド(前/後) |
1,601mm/1,626mm |
車両重量 |
2,188kg |
最小回転半径 |
11.4m |
最高出力 |
300kW(408PS) |
最大トルク |
- |
燃料タンク容量 |
- |
航続距離 |
400-418km |
タイヤ・ホイール |
235/50R19・19インチ軽合金 |
0-100km/h加速 |
4.9秒 |
最高速度 |
180km/h |
XC40のライバルとなる車種はどんなものがあるのか
ボルボ XC40は、4.5m弱という全長の割にワイドなボディを特徴としています。またエンジン排気量で単純に車格を比較できる時代でもなくなったため、完全なライバル車を探すのは難しいところです。
そんな中でも、BMWのX1やX2・アウディのQ2やQ3は、それぞれのメーカーにおける「コンパクトSUV」として、取り回しのしやすいボディをもっています。全幅こそXC40が大幅に上回りますが、強いて言えばこの辺りのモデルがライバル車といえるでしょう。
またXC40のラインアップにはプラグインハイブリッドやEVもありますが、このサイズのSUVではライバルが見当たらず、一回り大きいBMW X3やアウディe-tronなどがライバル的位置を占めています。
いずれのモデルも、SUVとしての高い使い勝手やパワフルで環境性能の高いパワートレインなど、共通する特徴は多いです。現代の乗用車として安全装備も不足はないので、ライバル車と明らかに違うのはデザインだけと言ってもいいかもしれません。
バイヤーズガイド
2021年2月時点において、日本国内に導入されているXC40のグレードは、
・リチャージハイブリッドT5インスクリプション
・B4
・B4モメンタム
・B4 AWD モメンタム
・B4 AWD Rデザイン
・B4 AWDインスクリプション
・B5 AWD インスクリプション
があります。
現時点では、ハイブリッド仕様やプラグインハイブリッドなど、確実な売れ筋を中心としたグレードを輸入しており、ニッチなニーズには対応していません。
国内導入されていないEVモデル・かつXC40のラインアップ中最も価格の高いグレードとしては、XC40 Recharge P8 AWD Electricがあります。本体価格だけでも860万円以上と、輸入されているプラグインハイブリッドの649万円より大幅にアップしますが、今後主流となることが見込まれるEVの魅力をいち早く味わうことができます。
XC40で国内輸入されていないグレートドとしては、出力の異なるガソリンエンジン搭載グレードやディーゼルエンジン搭載車もあります。輸入されているグレードでも、国内モデルとは異なるパワートレインとの組み合わせが可能で、さらにMT車を選べば高いドライビングプレジャーを堪能することもできます。
これらのモデルは正規輸入されていませんが、並行輸入を扱う業者を通じてオーナーになることが可能です。
日本市場におけるXC40の今後の展開について(2021年現在)
ボルボXC40は、各自動車メーカーの開発技術がひしめくコンパクトSUVの中にあって,
ライバルたちにも引けを取らない確固たる地位を築いています。
また豊富なバリエーションを誇るボルボXC40ですが、全てのモデルが輸入されるわけではありません。EVは今後、日本市場へ導入される可能性も考えられますが、今すぐEVが欲しいという人は、並行輸入を検討してみるしかありません。しかし個人輸入では煩雑な手続きを必要とし障壁も高いので、並行輸入を専門に扱っている業者に依頼すれば満足度の高い買い物ができるでしょう。
並行輸入という選択肢
日本市場に正規輸入されていないモデルでも、並行輸入を行えば日本で所有できます。
一例としてコアカーズを運営する並行輸入車販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したボルボXC40の乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示していますので、参考にしてください。
現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。
また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。
車両詳細画像ギャラリー
関連リンク
カタログダウンロードページ
公式サイト・コンフィギュレーター
https://www.volvocars.com/uk/build/xc40?
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※本記事は2021年2月13日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。