セアト レオン クプラ280(SEAT Leon CUPRA280)は、スペインに本拠を置くフォルクスワーゲングループのセアトが開発したCセグメントの車です。
レオンは、初代モデルからフォルクスワーゲン(VolksWagen)とコンポーネントを共用し、3代目となるこのレオン クプラ280はゴルフ VIIやアウディ A3の兄弟車になります。とはいえ、クプラ280はゴルフやA3以上にスポーツ性を訴求した車で、日本車ならホンダのTYPE-Rシリーズとも言えるようなホットバージョン。一時的とはいえ、2014年にはニュル北コースのFF車ラップレコードホルダーにもなりました。
欧州では注目株のレオン クプラ280ですが、残念ながら今までのモデルも日本に正規輸入されたことはありませんし、今後も正規輸入の可能性は低いと思います。
YMワークスは、このレオン クプラ280も右ハンドル、6MT/6DSGでイギリスより並行輸入いたします。
この記事の目次
セアト レオン クプラ280の特徴
セアトはスペインの自動車メーカーで1982年にフォルクスワーゲングループに入りました。車名のレオンはスペインの北にあるカンタブリカ山脈の麓にある都市の名前に由来しています。
レオンは初代から、ベースとなるゴルフとコンポーネントを共用していますが、ゴルフよりよりスポーティーなキャラクターを与えられていることが特徴です。
初代のレオンはセアト初のCセグメントカーでしたが、ゴルフの技術をつぎ込むことによって、当初から完成度が高かったたことや、積極的にハイパフォーマンスなバージョンをリリースしていたこともあり、欧州ではゴルフよりも安くてハイパフォーマンスな車と認識されています。
2代目のレオンが登場した2000年代には、セアトは当時のフォルクスワーゲングループの社長フェルディナント・ピエヒによって、グループ内でスポーティーブランドとして定義づけられ、2010年代からは「アウディ・ブランド」部門に属することとなり、同グループ内のランボルギーニからチーフデザイナーが転籍するなど、現在のセアトのデザインイメージを確立する上での大きな動きがありました。
そして、2012年にエクステリア・インテリアのデザインや質感が大きく向上した、3代目となるレオンをリリース。さらに2014年にはFFで初めてニュルブルクリンクで8分を切ったのハイパフォーマンスバージョンであるクプラ280を発売しました。
セアト レオン クプラ280 オフィシャルTVCM動画(約30秒)
LEDヘッドライトが精悍なエクステリア、ボディタイプは3タイプ
3代目レオンは、ボディ幅が拡大され、従来モデルよりもワイド&ローなフォルムを獲得しました。加えて、フロントの逆台形グリルと台形のロワーグリルや標準装備のLEDヘッドライトを縁取るデイライトランプにより、アグレッシブでシャープなイメージが強調されています。足元に目を移すと19インチホイールとエアロパーツが熱い走りを予感させます。
ボディタイプは3ドアハッチバックのSC、5ドアハッチバック、ワゴンボディのSTの3種類から選択できます。速さや走り求めるのか、実用性も求めるのか、によって選ばれるといいでしょう。
心を駆り立てるアルカンターラのスポーツシート、シンプルながら質感の高いインテリア
インテリアは、黒を基調としたシンプルなもの。アルカンターラ地のスポーツシートは今までのセアトレオンにはない上質な素材を使用していますし、オプションでレザーのバケットシートを選択することが可能です。
絶対的な質感はゴルフⅦやアウディ A3にはかないませんが、ライバルのルノー メガーヌ RSと比べても遜色はありません。パーキングブレーキがゴルフと違い手動式であることもスポーツ派にとっては逆に嬉しい装備かもしれません。
フォルクスワーゲン製EA888 2.0TSIエンジンは280ps ミッションは安定の6速DSG
エンジンはゴルフRと同じEA888型直列4気筒2.0TSiを搭載しています。このEA888型はゴルフVIから搭載されたエンジンで、現在もゴルフGTI、ゴルフR、アウディ S3等フォルクスワーゲングループ各社のスポーティーグレードに搭載されており、2.0Lターボエンジンを代表するものの一つです。
多くのモデルでこエンジンと組み合わされるミッションは、フォルクスワーゲン自慢の6DSG。老舗のツインクラッチタイプということもあり、EA888型エンジンとともに熟成され、変速速度、キレともに安定感のあるものになってきています。
ゴルフRでは最も高いチューニングが与えられ、300psを発揮するこのエンジンですが、レオン クプラ280ではさすがにFFという駆動方式に配慮したためか280psに抑えられています。
280psでありながら、15.2km/Lの低燃費
EA888型エンジンはハイパフォーマンス志向ですが、燃費性能が大変良いのも特徴です、280psのハイパワー発揮しつつもアイドリングストップ機能などを利用して約15.2km/Lの低燃費を誇り、Co2排気量も156g/kmと優秀です。飛ばせばそれなりに燃費は悪化すると思いますが、エコ重視のドライビングを心がければ、かなりの燃費をマークでき、非常に経済的なモデルでもあります。
メカニカルLSD、DCC装備でハイパワーを路面にしっかり伝達
レオン クプラ280の駆動系は全車が前輪駆動(FF)で、シャーシはフォルクスワーゲン最新のMQBプラットフォームを用い、サスペンション形式はフロントがストラット、リヤがマルチリンクという構成です。ゴルフ同様にダンパーの減衰力や電動パワステの特性を変化させる、DCC(アダプティブシャシーコントロール)やドライブモードセレクトシステムも備え、任意で横滑り防止装置やトラクションコントロールを完全にオフにすることも可能です。
また、レオン クプラ280は唯一レオンの中でメカニカルLSDを装備しており、サーキットはもちろん一般道でも280psのパワーを有効に路面に伝達できます。ちなみに、現在フォルクスワーゲン、アウディの正規輸入車ではメカニカルLSDを装備している車両は無く、レオン クプラ280の性格を端的に示した装備と言えます。
総評:高い走行性能と洗練されたデザインで魅力が増した3代目
レオン クプラ280は3代目になってエクステリアのデザインがぐっと魅力的になりました。質感もそれまでのレオンと比べると各段に向上しています。それでいて、走りへの追求は捨てていません。それは、グループの兄弟車がチャレンジしていないニュルブルクリンクでのタイムアタックを続けていることからも明白です。
さらに、セアト レオン クプラ SC 280(3ドアハッチバック)は、ルノー メガーヌ RS トロフィー275よりも1000£も安く買うことができます。総じて、新しいセアト レオン クプラ280は高い走行性能と洗練されたデザインを得て、とても魅力的な車に仕上がっていると言えるでしょう。
セアト レオン オフィシャルPV動画(約2分半)
ニュル8分切りの実力派ホットモデル。
セアト レオン クプラ280は2014年3月にニュルブルクリンクでFF市販車で初めて8分の壁を破りました。それまでの最速のタイムはルノー メガーヌ RS トロフィーが出したタイムでしたがそのタイムを9秒以上短縮し、8分を切る7分58秒44を打ち立てました。その後、奮起したルノー メガーヌ RS275 トロフィーRに破られるまでの数ヶ月間、市販FF車最速の座を守りました。
クプラ280はFF車最速の座をメガーヌ RSに譲り渡しましたが、2015年5月にはワゴンボディのセアト レオンST クプラ280が市販ワゴン車最速の7分58秒12を打ち立てました(このタイムは先の3ドアのタイムより0.3秒も速いというのですから驚きです)それまでのレコードホルダーであるアウディ RS4 アバント(Audi RS4 Avant)を11秒も上回るタイムだと言うことで、セアトの実力とともにタイムへの執着がよくわかります。
セアト レオン クプラ280 2014 ニュルブルクリンク ラップ 7分58秒 動画(約2分半)
強豪ひしめく激戦区、ライバルと評価・評判は?
Cセグメントのハッチバックを中心とするセアト レオン クプラ280のクラスは激戦区です。まずは、ニュルブルクリンクでFF車最速タイムを持っているルノー メガーヌ RS、更にプロトタイプながらメガーヌの最速タイムを4秒近く更新して7分50秒台を達成したホンダ シビック タイプRなどが強力なライバルとなるでしょう。もちろん、同じグループ内のゴルフRやアウディ S3も同じクラスのライバルとなります。駆動方式を考えないのであれば、BMW M135iもスペック、価格共に十分ライバルになり得ます。
メガーヌ RSとシビック タイプRはレオンと比べるとかなりアグレッシブなエクステリアと言えます。バケットシートが標準装備でトランスミッションは6MTのみなど、走りに特化した装備も目立ちます。また、新型RSの追加が待たれるフォード フォーカスもライバルとなるでしょう。
フォルクスワーゲングループ内のゴルフRとアウディ S3は20ps高い出力を持つ同形式のエンジンを持ち、駆動方式も4輪駆動を採用しています。これらの車は兄弟車としてコンポーネントの多くはレオンと共通ですが、インテリアとエクステリアは、より高級感・高品質感のあるもので仕立てられています。なお、アウディ S3にはセダンボディがあるのも特徴です。ゴルフR、アウディ S3とレオン クプラ280をサーキットでタイムアタックした結果、なんとレオン クプラ280が勝利したと言う報告もあります。
また、BMW M135は、少し高価ですが駆動方式がFRであることや直列6気筒ツインターボで326psを発生するパワーユニットを搭載してる点において価値があります。最近マイナーチェンジを行い、かわいい顔つきから精悍な顔つきになりました。
セアト レオン クプラ280をライバルと比べると、どのライバルよりも価格が安く、そのうえサーキットに持ち込めば優秀パフォーマンスを示すことなどから、スペックに対してコストパフォーマンスが高い点に訴求力がありそうです。加えて、ただ、安くて速いというだけでは無く、デザインや質感も相当レベルが上がり、大人のホットモデルとしても魅力的な車になっています。
充実の標準装備とオプション
セアト レオン クプラ280は標準装備が充実しています。まず、走りに特化した装備としては19インチホイール、メカニカルLSD、DCC、走行モード切替機能。加えて、快適・安全装備としてデュアルゾーンエアコン、フルLEDヘッドライト、パーキングセンサー、マルチコリジョンブレーキ等。これらを全て標準で装備していますので、普通に乗る上では、ほとんどオプションを必要としない程の充実ぶりです。
もし、さらに速さを追求したいのであれば、軽量アルミホイール+スペアタイヤレスで軽量化し、ミシュランのレーシングラジアルとブレンボ製ブレーキで足回りを強化した、「クプラ Sub8 パフォーマンスパック」がおすすめです。しかもこのパッケージオプションを装着すると、ホイールと、サイドミラー、フロントグリル周りが黒、白、オレンジで塗装され、見た目にもぐっとスポーツ度が増すこと請け合いです。
この他、アダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、ハイビームアシスト等についてはオプションで装備することが可能です。
セアト レオン クプラ280のベストバイ
セアト レオンを並行輸入で購入するなら、最もハイパフォーマンスなクプラ280をおすすめします。
前述のようにボディタイプは3ドアハッチバックのクプラ SC、5ドアハッチバックのクプラ、ワゴンボディのクプラ STと3種類から選べ、トランスミッションも湿式6速DSGまたは6MTをすべてのボディタイプで選択することが可能です。
また、3ドアハッチバックとワゴンボディは70kgしか違いませんので、どれを選んでも十分なパワーとスピードを手に入れることができるはずです。どのボディにするかは、速さや走りを追及するのであれば、ボディ剛性に優れ、最も軽く小さい3ドアハッチバックを、実用性も求めるなら、5ドアハッチバックやワゴンボディを状況に応じ、選ばれるといいでしょう。
レオン クプラ280を日本に並行輸入した場合の乗り出し価格
レオン SC クプラ280(現地価格£27,910)の右ハンドル車をイギリスより並行輸入した場合の日本国内乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。
既に生産終了、あるいは新型・後継モデルが発表済のモデルです。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。ご対応ができない場合もございます。
※表示金額はご覧になっている時点での為替レートにて算出しております。
※輸入国からの輸送料、各種税金、検査費用、登録諸費、納車費用(大阪近郊)は全て含まれています。
※正式なお見積り、遠方への納車費用など、改めてご提示いたしますのでお問い合わせください。
セアト レオンは輸入車としては、今まで一度も日本に正規輸入されたことがありません。フォルクスワーゲングループのフォルクスワーゲンとアウディが日本で好調なセールスを記録しているため、2社よりも安く同じプラットフォームを採用した車を輸入するとは、今後も考えにくいでしょう。レオン SC クプラ280に乗るには、基本的に並行輸入しか方法がありません。
YMワークスは、欧州製輸入車の国内正規輸入モデルから日本国内未導入モデルの並行輸入まで豊富な経験があります。英国内のディーラー各社とも独自のパイプがあり、車両そのものの並行輸入はもちろん、パーツの供給、各種整備・修理、車検まで、納車後のアフターフォローもなどもきめ細かに対応、安心してお乗りいただける環境をご提供いたします。お気軽にお問い合わせください。
スペック表
車名 | セアト レオン SC / SEAT LEON SC |
サンプルモデル | クプラ280(6MT) |
英国販売価格 | £27,910 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 3 |
カラー | エモーションレッド(標準色) モンスーングレー(OP) アイスシルバー(OP) ネバダホワイト(OP) ミッドナイトブラック(OP) アローブルー(OP) ダイナミックグレイ(OP) ※OP:有料オプション |
全長x全幅x全高 | 4236x1810x1423mm |
ホイールベース | 2596mm |
トレッド(前/後) | 1536mm/1510mm |
車両重量 | 1375kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 6MT |
エンジンタイプ | 水冷直列4気筒DOHC直噴ターボ |
総排気量/内径x行程 | 1984cc/82.5mmx92.8mm |
圧縮比 | 9.3 |
最高出力 | 206kw(280ps)/5600-6500rpm |
最大トルク | 258Nm(35.7kgm)/1700-5600rpm |
燃料タンク容量 | 50 |
燃費 | 約14.9km/L(欧州複合基準)- |
ブレーキ形式(前/後) | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ベンチレーテッドディスク |
ホイール | 235/35 R19 |
最高速度 | 250km/h(155mph)リミッターカット |
0-100km/h加速 | 5.8秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車名 | セアト レオン ST / SEAT LEON ST |
サンプルモデル | クプラ280(6DSG) |
英国販売価格 | £29,205 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | エモーションレッド(標準色) モンスーングレー(OP) アイスシルバー(OP) ネバダホワイト(OP) ミッドナイトブラック(OP) アローブルー(OP) ダイナミックグレイ(OP) ※OP:有料オプション |
全長x全幅x全高 | 4543x1816x1431mm |
ホイールベース | 2631mm |
トレッド(前/後) | 1536mm/1510mm |
車両重量 | 1466kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 6DSG |
エンジンタイプ | 水冷直列4気筒DOHC直噴ターボ |
総排気量/内径x行程 | 1984cc/82.5mmx92.8mm |
圧縮比 | 9.3 |
最高出力 | 206kw(280ps)/5600-6500rpm |
最大トルク | 258Nm(35.7kgm)/1700-5600rpm |
燃料タンク容量 | 50 |
燃費 | 約15.2km/L(欧州複合基準)- |
ブレーキ形式(前/後) | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ベンチレーテッドディスク |
ホイール | 235/35 R19 |
最高速度 | 250km/h(155mph)リミッターカット |
0-100km/h加速 | 6.0秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
セアト レオンシリーズ通常モデルのご紹介。
セアト レオンの通常モデルについて簡単にご紹介します。セアト レオンの通常モデルもクプラ280と同様に正規輸入車はありませんが、並行輸入は可能です。グレードはクプラ280を除くと、クプラS、SE、FR、X-PERIENCE SE、X-PERIENCE SE Technologyの5グレードが存在します。
組み合わされるエンジンは、ガソリンエンジンが4種類、1.2TSI(110ps)、1.4TSI(125ps)、1.4EcoTSI(150ps)、1.8TSI(180ps)ディーゼルエンジンが3種類、1.6TDI(110ps)、2.0TDI(150ps or 184ps)の計7種類。トランスミッションはDSGとMTから選択が可能になっています。
基本的にグレードが高くなるほど高性能なエンジンが搭載される設定になっており、ボディタイプは3ドアのレオンSC、5ドアのレオン、ワゴンのレオンSTから選択可能です。
ボディタイプとエンジン、ミッションや選択できるオプションの組み合わせはかなり多彩ですので、詳細は公式サイトに訪問いただいてカタログをダウンロードするか、コンフィグレーターを使ってご希望の一台を見つけて下さい。
車両詳細画像ギャラリー
セアト レオン クプラ280をもっと知りたい方はこちら
・英国セアト オフィシャルサイト(SEAT UK)
・英国セアト メーカーコンフィグレーションサイト(SEAT UK)
・英国セアト カタログダウンロード(SEAT UK)
※本記事は2015年11月12日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。