2020.10.18

508プジョースポールエンジニアードを徹底解説します

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プジョーは2020年9月24日「508 PEUGEOT SPORT ENGINEERED」を公開しました。プジョーの市販車として製造してきたなかで、もっともパワフルなモデルになります。508Fastback(セダン)と508SW をベースとして新次元のパフォーマンスを生み出すべく、プジョースポール(PEUGEOT SPORT )が開発したスポーツモデルです。
プジョーの歴史は長く、世界で始めての量産自動車メーカーです。また、世界初のタイムレースで優勝したのもプジョーです。その後もWRCやル・マン耐久レースなど数々のレースで輝かしい成績を残しました。プジョースポールは、WRCを戦い抜く中で、プジョー・シトロエングループのスポーツ部門として1981年に、プジョー・タルボ・スポールの名で創設されました。


ベースモデル508Fastback 508SW 
日本では、未発売モデルですが、プジョー508Fastback HYBRIDと508SW HYBRID(共にプラグインハイブリッド以下PHV)がラインナップに加わっています。同じ508のPHVモデルとして、ベースモデルとして比較します。


プジョー508PSEの特徴

 

エクステリア


508HYBRID

Fastbackは、ロングノーズで伸びやかなデザインでありながら、実用性を兼ね備えています。先代と比べるとイメージがガラリと変わり、オーソドックスなセダンから流麗なファストバックスタイルとなりました。低いボディラインとルーフからリアにかけての曲線が美しく、スポーティかつエレガントなデザインへと変貌しました。また、このモデルから採用されたヘッドライトからつながる、牙の様にデザインされたデイタイムライトは、508以降に発表されたモデルでも採用され、これからのプジョーデザインの柱となっていくと思われます。


SWもフロントデザインは同じです。ワゴンでありながら美しくシューティングブレークスタイルとなっています。Dセグメントに位置し、ボディサイズは508Fastbackで、全長4750mm×全幅 1859mm×全高 1403mm508SWは、全長4778mm×全幅 1859mm×全高 1420mm です。

508PSE

フロントサイド、サイド、リヤにアンダースポイラーが装着され、空力性能の向上と共に見た目もよりスポーティに仕立てています。
フロントグリルはブラック、エンブレムはクロームブラックとすることで、より引き締まった印象を受けます。フロントでは、PSE専用のフロントデザインが用いられ、空気の取り込みを伴う大型のスクープを、クリプトナイト色のアクセントがより印象立てています。
ブレーキにも同じカラーを使うことで統一感を出しながら、スポーティモデルであることを感じさせます。また、クリプトナイトの3本のクローを新たなプジョースポールのアイデンティティとしていて、フロントスポイラーとフロント、リアの508エンブレムサイド、Fastbackではリアのフレームレスドアの持ち手部分、SWではフロントフェンダー後方に用いられています。

 

インテリア


508HYBRID


プジョーの新世代コクピット「i-Cockpit」を搭載。操作パネルは、直感的で自然な使用感が得られるようにデザインされています。また、ヘッドアップディスプレイやタッチスクリーンも人間工学に基づいて設計されています。ステアリングホイールは他モデル同様、視界や足下スペースを広くとれるように小さくなっていますが、このステアリングホイールがスポーティでプジョーの魅力を増しています。
ヘッドアップディスプレイは、高解像度12.3インチ大型モニターが採用され、ドライバーの視線の延長線上に、情報を映します。インパネ(インストルメントパネル)の中央には10インチ(日本仕様は8インチ)のタッチスクリーンがタブレットのように配置されています。
シフトレバーは電気式で、ワンタッチ操作が可能。ステアリングホイールには、パドルシフトが備えられています。また、走行モードが変更可能です。
シートは、ゆったり乗れるサイズでサイドサポートもしっかりしています。シートに腰をかければ、仕立ての良さや目を引くピアノの鍵盤を思わせるトグルスイッチなど、プレミアムメーカー並みのレベルに仕上げられています。

508PSE


「i-Cockpit」には、プジョー・スポール・エンジニアードの「クリプトナイト・クロー」を特長とするコンパクトなステアリングホイールと、デジタルヘッドアップディスプレイが装備されています。グラフィックアニメーションや10インチディスプレイには、プジョースポール・エンジニアードのシグネチャーが採用され、特別なモデルであることを感じさせてくれるでしょう。
コンフォートフィットと呼ばれる専用シートを装備します。シート表面はレザー、3Dメッシュ、アルカンターラを組み合わせた個性的なデザインに グレーとクリプトナイトのダブルステッチが施されています。
オーディオは、FOCAL製の Hi-Fiシステムが標準装備されます。

 

パワートレイン


508HYBRID

180psを発揮する直噴1.6リットル直列4気筒ガソリンターボPureTechに、フロントに 109psの電気モーターを組み合わせることでシステム出力として 225馬力の最高出力を発揮します。
トランスミッションは8速 AT(e-EAT8)が組み合わされ前輪を駆動します。
バッテリーは、蓄電容量11.8kWhのリチウムイオン電池を採用し、欧州WLTP計測で76.9km/Lの燃費を誇ります。
EVモードでは新型508Fastbackで最大54km、新型508 SWで最大52kmをゼロエミッション走行が可能です。

508PSE

直噴1.6リットル直列4気筒ガソリンターボPureTechエンジンが、最大出力200ps/6000rpm、最大トルク30.6kgm/3000rpm。フロントとリアに置かれるモーターは、フロント側が最大出力109ps、リア側が最大出力111psを発生します。エンジンとモーターを合わせたシステム出力は355ps/53kgmです。強力なPHVパワートレインの効果で、0~100km/h加速は5.2秒、最高速は250km/h(リミッター作動)の性能を誇ります。
EV航続可能距離は42km、燃費はWLTP計測で50km/Lと下がります。リアモーター追加による電力消費量と重量の増大によるものと思われますが、それでもハイパフォーマンスモデルであることを考えると十分良いと言えると思います。

 

ユーティリティ


パッケージング

508HYBRID
後席は、十分な広さが確保され、ファストバックでもその見た目よりもしっかりと後席の頭上空間が確保され、家族での長距離移動で不満が出ることもないと思います。
センターコンソール後部にはUSB端子と後席エアコン吹き出し口が装備され、どこに座っても快適でゆとりあるドライブが楽しめるのではないかと思います。

508PSE
508HYBRIDと大きな変更はなく、リアのモーター追加によるマイナス要素はありません。


カーゴルーム

508HYBRID
Fastbackで487リットル、SWで530リットルです。これは、モーターとバッテリーが追加されているにもかかわらず、純エンジン車と変わらない数値となっています。
さらに後席を収納すれば、Fastbackで1537 リッター、SWで1780リッターでイメージと違いかなりの収納力を持ち合わせています。

508PSE
リアにモーターを積んでいるにもかかわらず、荷室容量は変わらないとされています。

 

充電管理システム

 


スマートフォンから航続距離を確認でき、いつでもリモートで充電を開始したり、進行状況を把握できます。専用アプリから充電スロットや空調もプログラムすることもできます。
欧州では、急速充電に対応していないPHV車が多いのですが、508は対応しています。

 

安全装備


ナイトビジョン、ストップ&ゴー機能付きアダプティブクルーズコントロール、車線逸脱警告システム、アクティブセイフティブレーキなどの先進運転支援システム(ADAS)を備えます。


シャーシ&サスペンション


508HYBRID

シャーシは、電動化を加速させることを目的に作られたEMP2プラットフォームです。サスペンションは、フロントストラット、リアにマルチリンクサスペンションが採用され、それぞれに最適化されています。
アクティブサスペンションは、路面状況や走行状況、アクセルレスポンスシフトタイミングとも連動してダンパーの減衰力をリアルタイムで制御します。
※アクティブサスペンションは、海外ではGTのみ標準装備となります。

508PSE

コーナーでの機動性を重視し、プジョースポールによってシャーシが強化されています。トレッドはフロントで 24mm、リアで 12mm 拡大。足回りは、アクティブサスペンションが専用に設計されています。
5種類の走行モードが、センターコンソールのモードセレクターで切り可能です。
「エレクトリックモード」は、100%電気駆動となり、日本には設定されていませんが欧州では、都市部にグリーンゾーンが設けられていることがあり、アクセスできるメリットがあります。ゼロエミッションで最高140km/hで走行が可能です。
「ハイブリッドモード」は、状況に応じてエンジンと電気モーターの動力源を自動的に選択し、エネルギー消費を最適化。
「コンフォートモード」は、ハイブリッドモードでさらにサスペンションをソフトにし、快適な走りを実現します。
「スポーツモード」は、360psのパワーでドライビングプレジャーを味わえるモードです。ステアリング、ショックアブソーバー、アクセレーションマッピング、エンジンサウンドを統合制御し、常に最高のパフォーマンスを発揮できます。
「4WDモード」は、滑りやすい路面状況でも最大限のトラクションを確保します。

 

508PSEのライバルモデル


・VWパサートサルーンGTE(日本ではパサート)、パサートエステート(日本では、パサートヴァリアント)GTE
フォルクスワーゲンのパサートのPHVモデルです。2019年にマイナーチェンジが行われ、EV航続距離を延ばすなどの変更がなされています。エクステリアはVWらしい直線基調でシンプルなデザインですが、GTE専用のフロントマスクが用いられ標準モデルと比較するとアグレッシブな印象を受けます。
ボディ形状は、サルーンがセダン、エステートはワゴンとなります。
ボディサイズは、サルーンが全長4775mm×全幅1832×全高1483mm、エステートで全長4873mm×全幅1832×全高1483mmとエステートで全長のみが延長されています。
パワートレインは、1.4ℓ4気筒ガソリンターボエンジン166ps/25.4kg-mとモーター116ps/33.6kgmが組み合わされ、システム出力は215ps/40.7kgmを発揮します。
マイナーチェンジでTraffic AssistがTravel Assistへと進化し0~210km/hで部分自動運転が可能となり、ハンドル保持検出や表示や音声による警告。プリクラッシュブレーキの制動距離の短縮など安全性能が大きく向上されました。
バッテリー容量が9.9kWhから13.0kWhに拡大されWLTP値でEV走行可能距離は、55km程度とされています。

BMW 330e
BMWの3シリーズのPHVモデルです。先代のモデルでは、セダンのみでしたが、最新モデルではツーリングワゴンにもラインナップが拡大されています。
ボディサイズは、全長4715mm×全幅1825×全高1450mmでエクステリアは、キドニーグリルが以前より若干大きくなったが、一目でBMWだとわかるデザインとなっています。
330eは、後輪駆動となりエンジンは、2リッターガソリンターボエンジン184ps/30.6㎏m にモーター113ps/27kgmを組み合わせ最高出力252psですが、エキストラ・ブースト・モード使用時は、システム最高出力292ps/42.7㎏mを誇ります。
バッテリーはトランクの下に収められ、先代の7.7kWhから12kWhへ拡大され、EV航続距離は52.4kmまで可能です。
充電は200V交流の普通充電のみで急速充電には非対応で3~4時間で満充電が可能となります。
「スポーツモード」では、エクストラブースト機能が働き10秒間は高い過給を続けられ、0-100km/hは、5.9秒とされています。
燃料タンク容量は40ℓと若干少なめですが、普段使いとしてEV走行で使うユーザーが多いと想定されるので十分だと思われます。
今後、AWDモデルの「330e xDriveセダン」、「330e xDriveツーリング」がさらにラインナップに追加される予定です。

メルセデスベンツC350e
メルセデスベンツのPHVモデルでボディ形状はセダンのみとなります。ボディサイズは、4,690 (4,705 ) mm×全幅1,810(1,810) mm×全高1,445 (1,430) mm
※()内はAMGライン装着時。
Dセグメントを代表する車と言ってもいいでしょう。ベンツの主力モデルであり、ほかのライバルに比べボディサイズがやや小さめであることも、狭い道が多い日本ではプラスに働いているかもしれません。パワートレインは、2リッターガソリンターボエンジン211ps/35.7kgmを発揮し、モーター122PS/44.9kgmに9速ATを組み合わせます。システム全体のスペックは最高出力320ps71kgmと公表されています。走行モードは「E-MODE」EV走行が最高130km/hまで可能でモーターのみでの航続距離は最大約54km、「HYBRID」エンジンとモーターを併用、「E-SAVE」バッテリーの充電量を維持しながら走行する、「チャージ」走りながらバッテリー充電を行う、これら4つの中からが選択可能です。
荷室下に埋め込まれリチウムイオンバッテリーは13.5kWhの容量があり、充電時間は、メルセデス・ベンツ純正ウォールユニット6.0kW(AC200V電源)を使用した場合、約2時間となる。トランク容量は300ℓ を確保しています。

Volvo V60 T8ツインエンジン
往年のボルボを思わせるスクエアなデザインでありながら、近代的な美しさを併せ持つVolvoのDセグメントカーです。
パワートレインは、2リッターガソリンをスパーチャージャー+ターボのツインチャージャーで過給し、318ps/40.8kgmを発生します。そこにモーター46ps/16.3kgmを合わせて前輪を駆動し、後輪はモーター87ps/24.5kgmで駆動します。
システム出力は、318ps+87ps/40.8kgm+24.5kgmとされライバルの中で最もハイスペックなモデルとなります。
通常AWDモデルでドライブシャフトの入るスペースに長細いバッテリーが配置されているため荷室スペースが犠牲になっていません。
ボディサイズは、全長4760mm×全幅1850×全高1435mmです。
運転モードはエンジン始動時は、「ハイブリッド」であり、標準の走行モードでエンジンとエレクトリックモーターが連動して駆動するモードです。
「ピュア」は、EVモードであり、よほどアクセルを踏み込まなければEVのみで走行します。「コンスタントAWD」は、四輪駆動を維持するモードであり、「パワー」は、最大限のパフォーマンスを引き出すモードです。「インディビジュアル」は、カスタムモードになり自分の好みでベースのモードやステアリングの設定などを変更できます。
ポールスター・パフォーマンス・ソフトウェアを追加すれば、スロットルレスポンス、ギアシフトスピード、精緻なギアシフト、オフスロットルレスポンス、エンジン出力、AWDモデルのトルクが得られ、エンジン出力で16ps、4kgmの増強が見込まれます。

プジョー508PSEの総評

プジョー508PSEは、ベースモデルからユーティリティを犠牲にすることなく、一目で特別なモデルであることを感じさせるエクステア。シートに座れば、目に飛び込んでくる専用のインテリアも非常に魅力的です。
508HYBRIDより燃費は落ちるもののハイパフォーマンスカーとしては、犠牲にしているものが非常に少なく、特別感をしっかり演出しています。

並行輸入という選択肢

日本市場に導入されていないプジョー508PSEの組み合わせも、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したプジョー508PSEの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

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また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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