2019.06.19

プジョー 新型508を解説、日本未発売モデルの概要やスペック、販売価格他、正規輸入の可能性や右ハンドル車の並行輸入情報も掲載。

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「この方向で攻めてきたか!」あまりの大胆な変化に、真っ先に浮かんだのはこのフレーズでした。今回紹介するのはプジョーのフラッグシップモデル。プジョーのフラッグシップと言えば他社のライバルと比べて落ち着いたものが多いイメージでしたが、最近デビューしたこのモデルはこれを大きく覆すものでした。

ここではプジョーの最新フラッグモデル、生まれ変わった508を解説。アバンギャルドに生まれ変わったビッグライオンの魅力に迫ります。後半では並行輸入の方法についても紹介します。

モデルの概要

508はプジョーのDセグメントに属するモデルで、同社のフラッグシップの役割も担います。

プジョーの500番台モデルの歴史を遡ると、1968年の504に辿り着きます。中型モデルであった404の後継としてデビューした504は、手堅い設計のFRモデルのため耐久性も高く、欧州をはじめ世界中で愛されたモデルになりました。特に南米ではフランス本国で生産終了後、21世紀目前の1999年まで生産されたロングセラーモデルになりました。日本にも正規導入され、特に1970年代のオイルショックの頃には燃費の良いディーゼルエンジンを搭載した504Dが人気となりました。一見コンベンショナルなイメージのある504ですが、派生モデルに自動車デザイン界の巨匠、ピニンファリーナがデザインを手がけた流麗なボディを纏うクーペとカブリオレがありました。このようにプジョーが実用モデルをベースに流麗なクーペを作る手法は、その後の406クーペなどにも受け継がれています。504の後継は1979年にデビューした505です。504と同じく手堅い設計の505も世界中で販売され、日本にも導入されました。しかし、1989年にデビューした605が505の実質的な後継車となったため、500番代のプジョーの歴史は一旦幕を下ろします。

プジョー 504(1968年)

プジョー 504(1968年)

プジョー 505(1979年)

プジョー 505(1979年)

505がフェードアウトしてから20年以上が経った2011年、508(初代)として久々に500番台のプジョーが復活しました。508は407と607を統合したモデルとなり、500番代モデルが再びフラッグシップの役割を担うことになりました。ボディタイプはセダンの508とステーションワゴンの508SWがあり、プラットフォームはシトロエンC5(2代目モデル)と共有しています。日本市場にも508と508SWが導入されました。当初はガソリンエンジンモデルのみでしたが、2016年にディーゼルのBlueHDiモデルが追加。市場でも高い評価を得ています。プジョーの500番台モデルでディーゼル仕様が正規輸入で導入されたのは、504D以来です。

プジョー 607(1999年)

プジョー 607(1999年)

プジョー 508(初代モデル:2011年)

プジョー 508(初代モデル:2011年)

2018年のジュネーブショーでデビューしたのがフルモデルチェンジした2代目508です。プジョーは以前からモデルチェンジの度に下一桁の数字を繰り上げていましたが、308と同じく、このモデルも名前は変わらず2代目508となりました。欧州市場には同年販売開始。日本市場へはまだ導入されておらず、2019年の導入開始と言われています。

プジョー 508 紹介動画(約1分10秒)

ハイライト

エクステリア

大胆に生まれ変わったファストバックに注目

プジョー 508SW

プジョー 508SW

ボディタイプは5ドアの508と、ステーショワゴンの508SWがあります。508の先代モデルは4ドアセダンでしたが、今回のモデルは5ドアになりました。4ドアセダンのようなトランクリッドがありつつも大きく開くリアハッチをもつこのボディはメーカー自身「ファストバック」と呼んでいます。ワイドアンドローな見た目から大分大きいように見えますが、実際は全高、全長共に先代モデルよりもダウンサイジングされており、ライバルと比べると若干コンパクトなぐらいです。

デザインは今回のモデルチェンジで最も変化した箇所のひとつ。従来は冒頭の通り、同じフランス車でもシトロエンなどと比べると代々落ち着いた雰囲気のあるプジョーのフラッグシップですが、今回は一気にアバンギャルドでデザインコンシャスなものに様変わりしました。これは2017年のジュネーブモーターショーで参考出品されたショーモデル、「INSTINCT CONCEPT」がモチーフと言われています。

プジョー 508(フロント)

プジョー 508(フロント)

プジョー 508(リア)

プジョー 508(リア)

プジョーのアイコンである吊目のヘッドライトは幅広く、グリル上に配置される508のエンブレムも含めかつての名車、あの優美な504クーペのような雰囲気。そのなかにもヘッドライトから伸びるLEDのラインはまるでライオンの牙のような獰猛さを感じます。一方リアはクーペのような流麗なルーフライン描き、終端に向けて少しすぼんだデザイン処理に504のセダンの姿を彷彿させます。

プジョー INSTINCT CONCEPT(2017年)

プジョー INSTINCT CONCEPT(2017年)

プジョー 504クーペ(1974年)

プジョー 504クーペ(1974年)

低く構え、スタイリッシュに生まれ変わった508ですが、そのなかにも500番台プジョーとしてのヒストリーがしっかり込められています。

インテリア

エクステリア以上にアバンギャルド

インテリアはエクステリア以上にアバンギャルドです。プジョーは2代目308などで「i-Cockpit」と呼ばれる新世代のインテリアコンセプトを掲げていましたが、508では「New Peugeot i-Cockpit」に進化。まるで自動車ではない新しい乗り物かのようなこのインテリアは、大画面のタッチクリーンを中心としたインパネやシフトノブ周り、タッチスクリーン下のピアノのようなスイッチ類、そしてメーターを上から眺めるような配置の小径のステアリングなど、どこも印象的。これはショーモデルがそのまま飛び出してきたような感覚になりますが、アバンギャルドな奇抜さだけを求めたものではなく、最新の人間工学に基づいて設計されています。

508のインテリア

508のインテリア

508のデジタルメーターパネル

508のデジタルメーターパネル

目を引く大画面のインフォテントシステムは、クラス最大級の10インチサイズ(Activeグレードのみ8インチ)。サイズが大きいのに加えHD画質と高精細なもの。同じくメーターパネルもフルデジタルになっており、12.3インチとこちらもクラス最大級。メーター情報だけでなく、ナイトビジョン機能として夜間の歩行者検知情報なども表示できます。

508のフロントシート

508のフロントシート

広大なラゲッジを備えたリフトバックに進化

広大なラゲッジを備えたリフトバックに進化

インテリアトリムには質の良いフルレザーも用意されています。各部の樹脂パネルの当たりはやわらかく、ウッド素材も自然な風合いです。アバンギャルドなデザインと上質なインテリアトリムの組み合わせは、今までのプジョーとは一線を画する艶やかさ。これは同じPSAグループのDS7クロスバックにも通じる世界観です。

そしてフラッグシップモデルとしてオーディオにも力を入れています。一部グレードにはFOCALのHiFiオーディオシステムを装備。FOCAL(フォーカル)とはフランスの高級カーオディオメーカーです。このオーディオを採用していることからも、508がフレンチプレミアムであることをアピールしているように感じます。

パワートレイン

プラグインハイブリッドも追加予定

英国仕様のパワートレインはガソリン/ディーゼルそれぞれ設定されています。

  • 直列4気筒 1.6L ガソリンターボ PureTech225 225PS
  • 直列4気筒 1.5L ディーゼル BlueHDi130 130PS
  • 直列4気筒 2.0L ディーゼル BlueHDi160 160PS
  • 直列4気筒 2.0L ディーゼル BlueHDi180 180PS

ガソリンエンジンはハイパワーな1.6L PureTechターボ1種類のみの設定。ディーゼルはリフターにも採用されている新世代の1.5L BlueHDiと、チューンの異なる2種類の2.0L BlueHDiの計3種類が設定されています。

これらに加え、プラグインハイブリッドの投入予定がアナウンスされていますが、現時点では発売されておりません。

トランスミッションは1.5LのBlueHDi130のみに6MTが設定される以外は、8速ATのEAT8が設定されています。最近PSAの各モデルがEAT6から順次置き換えを進めているこのEAT8は、信頼性の高さで評判高い日本のアイシンAW製のもの。トルクコンバーター式ならではの滑らかな変速フィーリングをEAT6から受け継ぎつつ、多段化でよりきめ細やかな変速と低燃費化を実現しています。

滑らかな変速フィーリングが魅力のEAT8

滑らかな変速フィーリングが魅力のEAT8

サスペンション

GTグレードはアクティブサスペンションを装備

サスペンションにはフロント:マクファーソンストラット、リア:マルチリンクを採用。これに加え、アクティブダンパーを組み合わせたアクティブサスペンションがGTグレードに標準装備されています。(一部グレードにもオプション設定)

乗り心地はしなやかで落ち着いたもの。プジョーといえば猫脚ですが、アバンギャルドな508も例外ではないようです。温厚な乗り心地に軽快なハンドリングを備えた乗り味は歴代プジョーのフラッグシップの傾向をしっかり受け継いでいるようです。

GTグレードにはアクティブサスペンションを装備

GTグレードにはアクティブサスペンションを装備

参考スペック

PEUGEOT 508 FASTBACK GT 1.6 PureTech225 EAT8


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,750×1,859×1,403mm
ホイールベース:2,793mm トレッド前/後 1,601 x 1,597mm
エンジン▶︎水冷ガソリンターボ 直列4気筒 フロント横置き
     1,598cc -mm x -mm -.0:1 225PS(165kW)/5,500rpm 300Nm(30.5kgm)/1,900rpm
駆動方式▶︎FF  8AT
懸架装置▶︎前:マクファーソン・ストラット
▶︎後:マルチリンク
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク
タイヤ ▶︎前:235/40R19 後:235/40R19
燃料容量▶︎-L 車両重量▶︎1,420kg 最高速度▶︎250km/h 0-100km/h加速▶︎7.3秒
燃 費 ▶︎17.5km/L(欧州複合基準)-km/L(JC08モード日本仕様参考値)
価 格 ▶︎36,014ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

ライバルモデル

Dセグメントのライバルとして、DSオートモビルズ DS5と、ボクスホール インシグニアを挙げます。

DSオートモビルズ DS5

DSオートモビルズ DS5

ボクスホール インシグニア グランドスポーツ

ボクスホール インシグニア グランドスポーツ

DS5は、近年シトロエンから独立したプレミアムブランド、DSオートモビルズのなかでもSUV以外で最も大きなモデルとなります。アバンギャルドなイメージが強くある歴代シトロエンのフラッグシップに通じるものを持っており、セダンともハッチバックとも違うワンモーションなフォルムのボディに、航空機のコクピットを連想するインテリアなど、ほかのどのライバルにも似ていません。デビューから8年が経過していますが、このアバンギャルドな魅力は最新の508と比べても見劣りすることはありません。しかし、パワートレイン、プラットフォーム共に508と比べると一世代前のものが使われています。

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ほかにも5ドアファストバックとステーションワゴンをもつモデルには、シュコダ シュパーブや、フォード モンデオなどがあります。

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バイヤーズガイド

508のグレード構成はレギュラーモデルが4種類。ベーシックな「Active」をはじめ、10インチの大画面タッチスクリーンを備えた充実装備のグレード「Allure」、眼光鋭いフルLEDヘッドライトや18インチアルミホイールなどスポーティな装いの「GT Line」、アクティブサスペンションを装備し19インチアルミホイールが迫力ある「GT」があります。ほかにもGTに準じた発売を記念した初回限定車の「FIRST EDITION」があります。508SWは今のところ英国仕様のグレード構成は発表はされていませんが、リフトバックと同じく初回限定車のFIRST EDITIONが発売になっています。

508を選ぶなら、最上級グレードのGTにPureTech225とEAT8の組み合わせはいかがでしょうか。乗り心地を求めるなら18インチホイールのGT Lineや、唯一MTが選べる新世代1.5L BlueHDi130ディーゼルユニットも魅力的ですが、今回アバンギャルドな雰囲気に生まれ変わった508とGTのアグレッシブな雰囲気がマッチしていることに加え、ディーゼルよりもハイパワーでシャープなフイーリングのPureTechの方がよりドライビングを楽しめる理由からのチョイスです。

ライバルに対してアグレッシブに牙を向き、アバンギャルドに生まれ変わったビックライオンは、街行く人々を魅了する存在になるでしょう。日本導入の前にいち早く手に入れたい方や、日本仕様で選べなさそうな組み合わせが御希望の方はお問い合わせください。

街行く人々を魅了する美しさです

街行く人々を魅了する美しさです

新型508の日本導入の可能性

先代の508をはじめ、プジョーのフラッグシップモデルは代々日本に導入された実績があるため、2代目モデルが導入される可能性は高そうです。パワーユニットも先代では途中追加されたBlueHDiユニットが好評だったため、新型は当初からガソリン、ディーゼル両方の導入も考えられます。しかし、英国仕様にある全ての組み合わせは導入されず、仕様を絞っての導入になりそうです。

並行輸入という選択肢

日本市場に導入されていない新型508も、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したプジョー 508 FASTBACK GT 1.6 PureTech225 EAT8モデルの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

  • 車名
  • 2年保証付き
    国内乗り出し価格目安

  • (税込・諸費用込)

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

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※本記事は2019年6月19日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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