トヨタ アイゴ(Toyota Aygo)はトヨタとプジョー・シトロエンが共同開発した小型車で、プジョー 108やシトロエン C1の兄弟車です。ヨーロッパでは人気があり、2014年には2代目となる新型が登場しました。
トヨタブランドながら輸入車として日本には正規導入されていませんが、全長3.4mの扱いやすい大きさや経済性の高さで、日本で乗るのにちょうど良いモデルです。
YMワークスでは、この新型アイゴを、日本で使いやすい右ハンドルと2ペダル仕様でイギリスより並行輸入いたします。
この記事の目次
日仏合作チェコ生まれ、トヨタ アイゴの特徴
“I Go”というフレーズから生まれたとも言われるトヨタ アイゴを作るのはチェコの都市、コリーンに本拠地を置くトヨタ・プジョー・シトロエン・オートモービル(TPCA)です。ヨーロッパでのシェア拡大を目指すトヨタとPSAプジョーシトロエンの思惑が一致したことで、2002年に設立されました。
日本では首都プラハの美しい景色などで知られるチェコですが、実は世界有数の工業国という一面も併せ持ちます。特に自動車製造に関しては、戦前からタトラなどの先進的な自動車で知られ、世界の注目を集めていました。冷戦下では東側だったチェコの自動車は独自の進化を歩みましたが、工業水準の高さは保たれました。更にTPCAでは生産技術や品質管理をトヨタ全面的にが担当し、盤石の体制を敷いています。
初代アイゴの発売は2005年のこと、以来プジョー 107、シトロエン C1の3車種と合わせて年間30万台ペースで製造、2013年までにアイゴ単体でも76万台以上を売り上げるヒット作となりました。アイゴのヒットの背景は品質の高さに加えて、発売当時はこのクラスのモデルとしてはヨーロッパでは珍しかった5ドアが設定されたことです。それ以前、ヨーロッパのこのセグメントではパーソナルユースを念頭に置いた3ドアが主流でしたが、アイゴの登場で同様のコンセプトを持つモデルが増えることになりました。
2代目のトヨタ アイゴの開発は早くも2008年にはスタート。以来じっくりと6年の歳月をかけて開発され、プジョー 108、シトロエン C1と一緒に、2014年の発売に至りました。3兄弟の中でも個性的なデザインで一番話題を呼んだアイゴのチーフデザイナーは、英国トヨタのデビッド寺井氏。鉄腕アトムが好きだという彼が率いる英国トヨタの開発チームは、アイゴ自らの存在が生み出したライバル勢に対抗すべく、日本の漫画文化を参考にした独特な魅力を放つ個性的な小型車として、新しいアイゴを作り上げたのです。
2014年 トヨタ アイゴのPV(80秒)
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個性を主張するエクステリア
アルファベットのXをモチーフにしたアイゴのフロントマスクは、とにかく強烈なイメージ!更にXのモチーフはリアでも反復されています。同じメーカーの上位車種と共通の文法を持たせる小型車が多い中で、アイゴのエクステリアは小型車でしか得られない価値観があることを提案し、かつ体現しています。膨らみのあるダブル・バブル・ルーフはデザイン上のインパクトは勿論、良好な居住性、特にヘッドクリアランスの確保にも貢献、オプションの2トーンカラーを選ぶと、更にアイゴの個性を引き立たせることが出来ます。先代で採用されていた低コストとスタイリングを両立させたガラス製のテールゲートは、今回も継承されています。
使いやすいインテリア
インテリアは個性的ながら、実用性や機能性も両立しています。また先代の弱点とされていた質感の向上も図られています。特に目を引くのがロボットの顔の様な大きなセンタークラスターで、ここにはオーディオとエアコンのスイッチがまとめられています。そして、このセンタークラスターや両側に広がるダッシュボード、更にシートなどのカラーコーディネートも楽しむことが出来るのです。多彩な選択肢を是非コンフィグレーターでお試しください。
上級グレードに標準装備されるディスプレイオーディオは7インチで、スマートフォンのミラーリングが可能です。ラジオが日本では放送されていないデジタル放送用で受信できないなどの制約はありますが、AUXやUSBなどの外部入力に対応しています。
定評あるエンジン
エンジンは1KR-FE型ガソリンエンジン1種類で、先代から一貫して採用されている直列3気筒1.0Lです。これは2004年にトヨタとダイハツが開発したもので日本ではヴィッツやiQにも積まれているものと基本的には同じですが、実はインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの1.0L部門で2007年から2010年まで選ばれるなど、高く評価されてきた実力派です。出力こそ69馬力に留まりますが、軽量なアイゴを走らせるのには必要十分で、かつ高い経済性を実現しています。尚、アイゴやヤリス(日本名ヴィッツ)向けの1KR-FEは、ポーランドで製造されています。
燃費・経済性
熟成の進んだエンジンは、低燃費による高い経済性を実現しています。MTモデルならば欧州複合モードで27km/Lを越える燃費は先代よりも大幅に改善しており、また市街地のみでも23.5km/L、郊外では31.5km/Lに達します。先代アイゴにはディーゼルエンジンが設定されていたものの途中で廃止されてしまいましたが、ガソリンの燃費がこれだけ良いならば、廃止されてしまったのも頷けるところです。x-shiftはカタログ上の燃費は僅かに劣りますが、それでも欧州複合モードで26.6km/Lという低燃費です。
駆動系、足回り
5MTと2ペダルMTのx-shiftの組み合わせを介して前輪を駆動します。特にx-shiftクリープ現象なども備わっているので、違和感なく乗ることが出来、特に車庫入れや狭い場所での切り返しでは便利です。
プラットフォームは先代のものを継承していますが、捻れ剛性が向上しています。足回りの設計も基本的には先代に準じてフロントはマクファーソンストラット、リアはトーションビームという構成ですが、前後ともにショックとダンパーは変更されており、またスタビライザーが強化される一方で、トーションビームは軽量化が行われました。この様なブラッシュアップにより、アイゴの乗り心地はフランス車的なしなやかさを持ち、ハイドリングも先代よりも改善されています。尚、ステアリングのロック・トゥ・ロックは3.3回転、最小回転半径は4.7mです。
総評:トヨタ アイゴはシティカーの基本に立ち返ろうとしている
とにかく強烈な個性に目を奪われるアイゴですが、使いやすいインテリアや熟成の進んだパワートレインと足回りなど、シティカーのお手本の様なモデルです。簡素な部分もありますし、パワーに余裕があるわけでもありません。ホットハッチ顔負けの走りが出来るわけでもないですし、もっと長距離に強いモデルも他にあるでしょう。けれども、それはシティカーとしての本質には関係ない部分です。街中を小気味良く走り抜けるための色々な仕掛けが、アイゴには溢れているのです。残念ながら日本でトヨタが販売する見込みはありませんが、並行輸入する価値のあるモデルです。
2014年 トヨタ アイゴの”漫画”(約2分)
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トヨタ アイゴの装備とオプション
エアコンやオーディオ、6エアバッグなどはどのグレードを選んでも全て標準装備です。特に便利な機能としてはオートスピードリミッターがあり、任意に設定した速度以上に上がらなくなります。クルーズコントロールのようにアクセルから足を離すことは出来ませんが、一定速度で走るには便利な機能です。
先ほど述べたとおりカスタマイズ出来るオプションには沢山の選択肢がありますが、中でもおすすめしたいのは2トーンカラーの”Full bi-tone exterior look”です。これはAピラーからCピラーまでと天井をブラックに塗り分けた2トーンで、プライバシーガラスと合わせてOUT STYLEという£395のパッケージオプションとなっていますが、設定できるのは上級グレードx-citeに限られ、またイギリス仕様でx-citeを選ぶとボディカラーがシアンフラッシュ1色のみになるのが難点です。他に注目なのはx-waveと呼ばれる電動キャンパストップの設定です。こちらのx-waveは上級グレードx-pressionの5ドアのみで選択することができるメーカーオプションで、価格は£895と割安です。
更に最近話題の衝突防止自動ブレーキ、トヨタ・セーフティ・センスの搭載も殆どのグレードで可能となりました。これにはレーン逸脱警報なども備わります。£375と安く、是非おすすめしたいオプションです。
2015年 トヨタ アイゴ キャンパストップのPV(約2分)
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トヨタ アイゴのライバルと評価・評判は?
アイゴのライバルは、まずは兄弟車であるプジョー 108とシトロエン C1が真っ先に挙がります。108やC1はアイゴと同じ生産ラインを流れているのですがデザインは大きく異なり、またアイゴの1.0Lエンジンに加えて、プジョー製の1.2L 直列3気筒エンジンを選ぶことが出来ます。
他のライバルとしてはフォード Kaやボクスホール/オペル アダム、ルノー トゥインゴ、フォルクスワーゲン up!などがあります。このうちフォード Kaとボクスホール/オペル アダムには3ドアしかなく、基本はパーソナルユースを前提にした設計がなされています。またこの2台では、排気量が大きめの直列4気筒エンジンが選べます。キャラクターは異なり、フィアット500の兄弟車であるKaはフィアット製の古くからある1.2LのSOHC、いわゆるFIREエンジンが組み合わせられています。アダムはややプレミアム志向で、GM最新のEcoFlexエンジンは100psに達します。
フォルクスワーゲン up!は、アイゴを研究し尽くして狙い撃ちにしたようなシティカーです。セアト(スペイン)やシュコダ(チェコ)にも兄弟車が設定されていますが、いずれもデザインはVWグループらしいコンサバな雰囲気にまとめられています。ルノー トゥインゴは以前は3ドアでしたが、近年のこのクラスの勢力図の変化に伴い、最新モデルではリアエンジンの5ドアに大きくコンセプトを変えました。エンジン直上の後席と荷室の使い勝手は、やや未知数な部分は否めませんが、挑戦的なモデルです。
アイゴはライバルと比べると、デザインに訴求力があり、また5ドアのシティカーとして見れば装備の面でも秀でています。余裕あるパワートレインを選べない点は欠点と言えるかもしれませんが、頑なにシティカーの基本を貫いているとも言えるでしょう。
トヨタ アイゴのベストバイ
イギリスでのアイゴは£8,845と低価格なベースグレードのxからスタートし、上位グレードのx-play、x-playにアルミホイールとディスプレイオーディオを加えたx-pressionの3グレードを基本として展開されています。また、ここにセットオプションを予め標準装備化した、x-pure、x-cite、x-clusivの3種類の特別仕様車も設定されており、最も高価なx-clusivの5ドアx-shiftが£12,645です。
おすすめはx-citeを選んで2トーンカラーのオプションを加え5ドアにx-shiftを組み合わせた仕様(メイン画像になっているブルーの車両)で、これはアイゴの個性を最大限に引き出しつつも、日本でのファミリーユースに最適な仕様だと考えています。またパーソナルユースならば、3ドアのMTを選ばれても良いかもしれません。多彩なオプションやカラーリングを自分で選ばれたい場合はx-playやx-pressionをおすすめします。
トヨタ アイゴを日本に並行輸入した場合の乗り出し価格
アイゴは今後も、正規輸入車として日本への導入はないといわれています。入手するには並行輸入になるでしょう。
下に、最新為替連動による日本国内での乗り出し価格の目安を表示させていますので、ご参考にしてください。
既に生産終了、あるいは新型・後継モデルが発表済のモデルです。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。ご対応ができない場合もございます。
※輸入国からの輸送料、各種税金、検査費用、登録諸費、納車費用(大阪近郊)は全て含まれています。
※正式なお見積り、遠方への納車費用など、改めてご提示いたしますのでお問い合わせください。
ムスケティアによるカスタムやチューニングもお任せ!
世界最大級のプジョー・シトロエンチューナーのムスケティア。YMワークスは1994年から20年以上に渡ってムスケティア製品をご案内してきました。輸入車としては少数派であるプジョー・シトロエンのカスタムパーツとして貴重な供給元になっています。
近年のムスケティアはトヨタ用の製品も展開しており、最新のトヨタ アイゴにも専用パーツの供給が始まっています。アイゴの持つ個性を崩さず、スポーティーな雰囲気を演出するムスケティア製品で、自分だけのアイゴを作ってみてはいかがでしょうか。
スペック表
車名 | トヨタ アイゴ / TOYOTA AYGO |
サンプルモデル | x-pression / x-cite |
英国販売価格 | £11,245 / £12,545 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 3 / 5 |
カラー | レッドポップ(標準色) ホワイトフラッシュ(OP) エレクトログレイ(OP) ディープブルー(OP) オレンジツイスト(OP) シルバースプラッシュ(OP) ホワイトフラッシュ(x-pure専用色) シアンスプラッシュ(x-cite専用色) ボールドブラック(x-clusiv専用色) ※OP:有料オプション |
全長x全幅x全高 | 3455x1615x1460mm |
ホイールベース | 2340mm |
トレッド(前/後) | 1430mm/1420mm |
車両重量 | 855-910kg |
乗車定員 | 4名 |
トランスミッション | 5MT / x-shift (5速2ペダルMT) |
エンジンタイプ | 水冷直列3気筒DOHC可変バルブタイミング付き |
総排気量/内径x行程 | 998cc/71mmx84mm |
圧縮比 | 11.0 |
最高出力 | 51kw(69ps)/6000rpm |
最大トルク | 95Nm(9.7kgm)/1500rpm |
燃料タンク容量 | 35 |
燃費 | 約27.9km/L / 約26.6km/L(欧州複合基準)- |
ブレーキ形式(前/後) | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ドラム |
ホイール | 155/65 R14 |
最高速度 | 159km/h(99mph) |
0-100km/h加速 | 14.2秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車両詳細画像ギャラリー
トヨタ アイゴをもっと知りたい方はこちら
・英国トヨタ オフィシャルサイト(TOYOTA UK)
・英国トヨタ コンフィグレーションサイト(TOYOTA UK)
・英国トヨタ カタログダウンロード(TOYOTA UK)
※本記事は2015年12月17日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。