ルノー トゥインゴGTを徹底解説。イギリス仕様右ハンドルで並行輸入します。

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ルノー トゥインゴ GT

クルマ好きならきっとワクワクする、面白そうなモデルがルノーから出てきました!

2016年6月に英国で開催された、格式あるモータースポーツイベント『グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード』にて、ルノーは トゥインゴGT(Renault Twingo GT)を発表しました。この トゥインゴGTは、2014年に駆動方式も含めた大幅なモデルチェンジが話題となった、ルノーのエントリーモデル トゥインゴをベースに専用チューニングを施したスポーツモデルです。

今回はそんなトゥインゴGTを徹底解説します。魅力的なリアエンジンのホットハッチを、イギリス仕様右ハンドルで並行輸入してみませんか?

ルノー トゥインゴGTの特徴

ルノー トゥインゴ GT

ルノー トゥインゴ GT

トゥインゴGTの前に、ベースとなるトゥインゴを簡単に紹介しましょう。

トゥインゴはルノーのエントリーモデルとなるコンパクトカーです。初代モデルは1993年に発表されました。1960年代から長年に渡って生産され続けてきた ルノー4と入れ替わる形でデビューしています。

小さいボディーながらも、室内が広く使い勝手の良いトゥインゴはヒット作となりました。2007年リリースの2代目モデルも含めて日本にも正規輸入されています。

そして、2014年に現行の3代目モデルにフルモデルチェンジします。メルセデスグループのコンパクトカー、スマートの兄弟モデルとなることで、駆動方式がリアエンジン・リアドライブ(RR)に変更されました。この新型トゥインゴは欧州市場でも人気を博し、日本にも7月からベースモデルが正規輸入される予定です。

モチーフとなったルノー Twin'Run(2013)

モチーフとなったルノー Twin’Run(2013)

今回発表されたトゥインゴGTは、2013年のF1モナコグランプリ会場で参考出品された「Twin’Run」をモチーフにしています。Twin’Runは、V6 3.5L(日産製VQ35エンジン)をミドシップする、かつての名車ルノー5ターボや、クリオV6を彷彿とさせるモンスターマシンでした。

トゥインゴGTは、Trin’Runをモチーフにしつつも、普段の使い勝手も考慮しています。エンジンに専用チューニングが施され、足回りや乗り味をルノー・スポールが手掛けるなどした、いわばファインチューンが施されたスポーツモデルです。これは、兄弟車であるスマートのハイチューンモデル『ブラバス』に近い存在と言えるかもしれません。

RRスポーツの名車、ルノー8 ゴルティーニ

RRスポーツの名車、ルノー8 ゴルティーニ

ルノーのRRスポーツと言うと、1960年代の名車「ルノー8ゴルディーニ」が思い出されます。先代モデルのように、新型トゥインゴにはまだゴルディーニの名前を冠したモデルはまだありません。しかし、ルノーのRRコンパクトカーをベースに、ファインチューンしたスポーツモデルという意味では、トゥインゴGTはさしずめ「現代版ルノー8ゴルディーニ」と言っても過言では無いかも知れません。

そんなトゥインゴGTを、もう少し掘り下げてみましょう。

ルノー Twin’Run コンセプト動画(1)(約1分55秒)

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エクステリア

名車5ターボを髣髴とさせるツボをおさえたデザイン

ルノー トゥインゴ GT

ルノー トゥインゴ GT

エクステリアは、基本的にノーマルモデルからボディ形状を大きく変更せず、各所に Twin’Runのデザイン要素を取り入れています。

トゥインゴGT専用の装備として、17インチの専用アルミホイールや専用ストライプ、ツインエキゾーストが凄みを効かすリアセクションや、エアインテークなどが目を引きます。ツボを押さえた、スポーティさを感じさせるエクステリアと言えるでしょう。

写真のオレンジは、トゥインゴGTの登場にあわせて追加された新しいボディカラーです。フランス本国ではピモンオレンジ(Piment Orange)、イギリス仕様ではブレイズオレンジ(Blaze Orange)と呼ばれるこの新色は、ノーマルモデルの最上級モデル、ディナミクS(Dynamique S)でも選択できるようになりました。

 

インテリア

ベースモデル同様の使い勝手

ルノー トゥインゴ GT インテリア

ルノー トゥインゴ GT インテリア

かつてのモンスターマシン「5ターボ」や「クリオV6」は、エンジン搭載位置の関係で乗車定員やラゲッジスペース容量の減少など影響を受けていましたが、トゥインゴGTはベースモデルの使い勝手の良さを損なっていません。この点もトゥインゴGTの美点と言えるでしょう。

トゥインゴGTの専用装備であるアルミフットプレートや、ルノー・スポール・ドアシル、そしてハーフレザーのスポーツシートなどが、さり気ないスポーティーさのワンポイントを演出しています。

 

パワートレイン

ファインチューンしたエンジンは出力2割増

エンジンはリアのこの位置に搭載されています。

エンジンはリアのこの位置に搭載されています。

パワーユニットは、トゥインゴGTのハイライトのひとつです。

Energy TCe 90と呼ばれる、ルノー製 直列3気筒 898cc ダウンサイジングターボのノーマルエンジンをベースに、ECUや給排気システムを中心とした専用のチューンが施されています。これにより、最大出力はノーマル比20hpアップの110hp、トルクも3.5kgmアップし最大17.3kgmを発揮します。これは兄弟車となるスマートの最強モデルであるブラバスに近いユニットのようです。トゥインゴGTはこのユニットを斜め49度傾けてコンパクトなリアスペースに搭載しています。

パフォーマンスは 0-100km/h加速で 9.6秒、最高速度は182km/hと発表されています。先代のような排気量の大きなエンジンを詰め込むのが難しく、数値の上ではやや控えめに感じさせられてしまうのは、トゥインゴGTがRSの名を冠さなかった理由のひとつかも知れません。しかしFFとは異なる加速感は、スポーツドライブを大いに盛り上げてくれるのではないでしょうか。

トランスミッションは5MTのみで、2ペダルの設定はありません。5MTは90hp仕様のターボに比べると、ややローギアードな専用のギアレシオが採用されており、走りの楽しさに繋がっています。燃費は欧州複合モードで19.2km/Lを達成しています。

 

足回り

個性的なRRをルノー・スポールが味付け

ルノー トゥインゴ GT

ルノー トゥインゴ GT

リアエンジン・リアドライブ(RR)は、かつてはフォルクスワーゲン ビートル(Type I)や、フィアット 500(Nuova500)など大衆車を中心にさまざまなモデルが採用したレイアウトですが、今ではリアルスポーツカーのポルシェ911とスマートぐらいしか生き残っていません。ただ、トゥインゴのエンジンは横置きなので、縦置きのエンジンをリアオーバーハングに大きく飛び出して搭載していた昔日のRR勢に比べると、リアが重いことによる特有の癖は抑えられ、安定志向にしつけられています。

足回りは、フロントにマクファーソン・ストラット、リアにド・ディオン・アクスルが採用されています。いずれも強化されたトゥインゴGT専用品です。また電動パワーステアリングや、ステアリングの可変ギアレシオも専用のチューニングが施されています。これらの味付けはルノー・スポールが行っており、「シャープなハンドリングと正確なコーナリング性能を実現している」とメーカーは発表しています。車高は標準モデルに対して20mm下げられました。またESC(横滑り防止装置)も専用セッティングとなっています。

トゥインゴGTの乗り味は、ルノーのRS系モデルのようにパフォーマンス重視のセッティングではなく、アジリティを再優先したセッティングのようです。このあたりも、ブラバススマートと方向性が近い部分です。

 

装備とオプション

キャンバストップも設定

ボンネットとルーフのGT専用デカール

ボンネットとルーフのGT専用デカール

トゥインゴ GTはトゥインゴのホットハッチであると同時にトップエンドモデルとして、充実した装備が奢られています。

エクステリア、インテリアの専用装備については紹介しましたが、他にもオートライトと雨滴感知型オートワイパー、リアパーキングセンサー、オートエアコンなどがトゥインゴ GTには標準装備されており、快適なドライブを実現します。またアイドリングストップが経済性にも貢献しています。

オプションとしては、まずはボンネットとルーフのGT用デカールが見逃せません。標準のデカールでは物足りない方、他のトゥインゴ GTとの差別化を行いたい方には、ぜひおすすめのオプションです。またエクステリアでは、キャンバストップの設定もあります。ホットハッチに敢えてのキャンバストップの組み合わせも面白いのではないでしょうか。

他にも車線逸脱を警告するレーン・ディパーチャー・ウォーニング、リアシート下の29Lの追加収納スペース、そしてフランスのカーオーディオの名門、フォーカル(FOCAL)製のプレミアムオーディオなどもオプションとして用意されます。トゥインゴ GTに限りませんが、多彩なオプションの設定は欧州仕様のルノーの魅力のひとつとなっています。

 

総評

トゥインゴ GTは”みんなのRRスポーツ”

ルノー トゥインゴ GT

ルノー トゥインゴ GT

トゥインゴGTは、最近では稀有な存在であるリアエンジン・リアドライブを採用したスポーツモデルです。かつて、前述のルノー8ゴルディーニなどRRモデルで腕をふるったルノーのノウハウがきっちりと込められています。

フロントの軽さを活かしたシャープなハンドリングと、後ろ足で路面を蹴り上げるような感覚は、ほかのレイアウトでは味わえないRRならではの乗り味ですし、ノーマルのトゥインゴとは異なるスポーティーさを味わえるでしょう。

RRスポーツと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、永年不動のポリシーを貫き通しているポルシェ 911です。しかし911でさえも近年は大型化、ハイパワー化し、少し遠い世界に行きつつあるように感じます。

その中でトゥインゴGTは、もっと身近に付き合える、小さくてもちゃんとした「みんなのRRスポーツ」です。クルマ好きなら、きっとワクワクする一台のはずです。

ルノー Twin’Run コンセプト動画(2)(約4分50秒)

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トゥインゴGTのライバルは?

トゥインゴGTの兄弟車となる、ブラバススマート

トゥインゴGTの兄弟車となる、ブラバススマート

トゥインゴGTのライバルには、フィアット 500Sやボクスホール/オペル アダムSなど、Aセグメントのスポーツモデルが挙げられます。

フィアット 500はファニーなデザインで、トゥインゴと真っ向からライバルとなるモデルです。アバルト 595は価格が大幅に高くなるため、2気筒TwinAirエンジンを積んだ 500Sが近い存在です。欧州仕様の500Sに設定される105PSの0.9L TwinAirエンジン(日本仕様は85PS)は、燃費もよくパワフルですが、トゥインゴGTと比べるとスポーティーさは若干薄いようです。

アダムSは、パワーに対してリーズナブルな価格が魅力的です。 500Sと同じく3ドアモデルのみの設定ということもあり、使い勝手に関しては5ドアモデルのあるトゥインゴGTに分があります。

そしてもちろん、身内であるスマート フォーフォーのブラバスもライバルといえます。特徴的なRRレイアウトは両者共通ですが、スマートは2ペダルのデュアルクラッチトランスミッションのみとなる点が大きな違いです。トゥインゴGTには3ペダルのMTが用意されていますから、その点がアドバンテージになるかも知れません。

 

トゥインゴGTのおすすめモデルは?

基本的にはモノグレードのトゥインゴ GTですが、並行輸入での購入時はどのようなオプションを選択していくかがポイントとなります。ボンネットやルーフをデカールで彩ってスポーティーなイメージを押し出していくのも良いですし、キャンバストップを選択すれば、一味違う楽しみ方ができるのではないでしょうか。

なお、5MTの設定しかないトゥインゴ GTですが、GTに標準装備されるフロント/サイドスカートやリアディフューザーなどをセットにしたボディキットは、ノーマルトゥインゴの上級モデルで2ペダルのEDCの設定があるディナミクとディナミクSにも新たにオプション設定されています。GTに惹かれるけれども、どうしても2ペダルが必要という場合には、たとえばGTルックのディナミクSを作り上げるという選択肢もあります。お気軽にご相談ください。

 

ルノー トゥインゴ GT

ルノー トゥインゴ GT

 

トゥインゴGTを並行輸入した場合の日本国内での乗り出し価格は?

トゥインゴGTのイギリスでの販売価格は14,085ポンドです。並行輸入した場合の日本国内乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。

トゥインゴGTの日本での発売時期は未定ですが、日本では、ルノーのスポーツモデルというと、走りを最大限に磨いたルノー・スポール(RS)シリーズの方が知名度が高いことや、価格的にルーテシアGTなどと近くなってしまうため、独特な位置づけのトゥインゴGTの正規輸入の可能性は低めかも知れません。また正規輸入された場合も限定車として台数が限られる可能性があります。

並行輸入はトゥインゴ GTを確実に手に入れるための手段のひとつであると同時に、現地でしか選択できないユニークなオプションを追加することができるというメリットもあります。記事では右ハンドル仕様を紹介していますが、左ハンドル仕様の並行輸入も可能です。是非お気軽にご相談ください。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

 

ノーマルモデルのルノー トゥインゴについて

ルノー トゥインゴ ディナミクS カラーバリエーション

多彩な仕様が設定されているトゥインゴ

MTでトゥインゴを楽しみたいけれども、ノーマルのエンジンで性能を使い切りたいという方や、やはり2ペダルが必要だけれども日本未導入仕様を選びたいという方に向けて、ノーマルモデルのトゥインゴの情報もお届けしています。こちらでは歴代トゥインゴの特徴なども解説しています。あわせてご覧ください。

【並行輸入車】新型ルノー トゥインゴを徹底解説。日本未導入のターボ・MTモデルを並行輸入します。

 

スペック表

ルノー トゥインゴGTのサイズやカラーなどスペックの詳細は以下をご確認ください。+ボタンで詳細が表示されます。

ルノー トゥインゴGT TCe 110 £13,755
車名 ルノー トゥインゴ GT / Renault Twingo GT
サンプルグレード TCe 110
英国販売価格 £13,755
型式
初度登録 国内未登録新車
車検 受け渡し
走行距離
ハンドル
ドア数 5
カラー クリスタルホワイト
ルナーグレーM(OP)
ダイヤモンドブラックM(OP)
ブレイズオレンジM(OP)
※M:メタリックカラー
※OP:有償オプション
全長x全幅x全高 3,595 × 1,660 × 1,538 mm
ホイールベース 2,492 mm
トレッド(前/後) 1,452 / 1,425 mm
車両重量 1,001kg
乗車定員 4名
トランスミッション 5MT
エンジンタイプ 水冷直列3気筒DOHCターボ
総排気量/内径x行程 898cc / 72.2×73.1mm
圧縮比
最高出力 80kW(110PS) / 5,750rpm
最大トルク 170Nm / 2,000rpm
燃料タンク容量 35L
燃費 19.2km/L (欧州複合基準)
ブレーキ形式(前/後) ベンチレーテッドディスク / ドラム
タイヤ/ホイール フロント:185/45R17 リア:205/40R17
最高速度 182 km/h
0-100km/h加速 9.6秒
特記事項 ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。

 

車両詳細画像ギャラリー

ルノー トゥインゴGTのカタログダウンロード

 

ルノー トゥインゴGTの現地法人・ディーラーリンク

 

※本記事は2016年12月8日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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