1984年に欧州で発売されたプジョー「205 GTI」は、ゴルフ GTIと共にホットハッチを世に広めた名車です。今ではクラシックカーとして愛されています。
1994年まで生産された205 GTIは、10年のキャリアを通じて約30万台の売り上げを記録。多彩なグレードを持つプジョー205の中でも特に大ヒットしたモデルです。また、GTIモデルの後追いという形で登場したカブリオレモデルの「205 CTI」は、GTIの中身をそのままにオープンカーならではの解放感が楽しめるモデルです。
今回は、プジョーの205 GTIと205 CTIの魅力について解説します。
この記事の目次
モデル概要
205 GTI、205 CTIを語る上で避けて通れない「プジョー205」の存在。1983年2月23日に発売された205は、多目的シティカーであるBセグメントに属するFFコンパクトカーです。デザイナーとして携わったピニンファリーナ社さえも予想していなかった成功でプジョーを救うことになります。
当時計画された生産台数160万台に対して、実際に世界中で生産されたのは550万台!のちに205の後継車となる206が発売されるまで、プジョーでもっとも生産されたモデルとなっています。そして、ライバルであるルノー社のルノースーパーシンクと常に1位を競うことに。
プジョー205の使命はフォルクスワーゲンのゴルフ GTIを倒すこと。そして、世界ラリー選手権で勝つという明確な目的があります。ゴルフ GTIは「史上最速のフォルクスワーゲン」というキャッチコピーで自動車文化に革命を起こし、のちに100万台以上を売り上げたベストセラー車です。プジョーはゴルフ GTIをベンチマークとして205 GTIを開発しました。
205 GTIは、ライバル車の「ルノー5」「ゴルフ GTI」と競い合いながら進化を遂げていきます。
はじめに、205 GTIの魅力をハイライトにして見ていきましょう。205 CTIについても言及します。
ハイライト
エクステリア
1984年3月1日、プジョーは205のメインモデルとして「205 GTI 1.6 」を発売。5ドアタイプをラインアップから外して3ドアボディのみという強気の戦略でした。そして、スポーティに味付けされた外観で直ぐに大勢を魅了することになります。フロントからサイドを通り、リアまで上手にコーディネートされた赤い縁取りが印象的。さらに、フェンダーモールによってワイド感が強調されリアクォーターピラーに「GTI」「1.6」のロゴが刻印されています。洗練されたプロポーションでは、一目でGTIと分かるルックスです。さらに、1985年12月に「プジョー205ターボ16」が世界ラリーチャンピオンを手に入れたことで、その実力も世界に証明してみせました。
1985年にルノーからリリースされた「ルノースーパー5GTターボ」は、1.4リッターのターボチャージャー付き115馬力でGTI 1.6の105馬力を凌駕しました。1986年3月、プジョーは205 GTIのオプションモデルとなる「205 GTI 1.6 115」を追加で発売。当然ルノーに対抗するためであり、専用のエンジンと吸排気システムがアップグレードされています。1986年は、プジョーが205 GTIモデルの進化を決定付けた年でもあるのです。
1986年12月5日に「205 GTI 1.9」へと進化したGTIは、誰もが待ち望んでいたGTIです。1.9リッターエンジンは6000 rpmで130 hpを発生させ、ギアボックスのストロークが延長されているにも関わらずパフォーマンスの向上は明白。特にドライバーが体感を得られるのが161 Nmのトルクです。重量910 kgの軽量ボディと相まって、よりスポーティな走行を可能にしています。まさしく『走りを愉しむために生まれたクルマ』と言えるでしょう。
205 GTIが115 hpにアップデートされたと同時に発売されたのが、カブリオレモデルの「プジョー 205 CTI」。GTIバージョンの成功によって開発されたオープンスポーツカーです。GTIと同じエンジンと内外装のデザインを持つCTIは、まさに屋根のない205 GTI。ボディ剛性を上げるためのロールバーこそ装備されていますが、若者がデートカーとして乗るには最適な1台です。80年代にこんなオシャレなクルマがあったなんて信じられません。
インテリア
80年代のクルマとは思えない洗練されたコックピット!
205 GTI / CTIのインテリアは、スポーティ尚且つ快適な車内空間を具現化しています。
レッグスペースとヘッドクリアランスは十分に確保されており、フロント・リアともに想像以上の居住性を感じます。ファブリックバケットシートはシッカリとしたホールド性があり、ロングドライブも苦にならない快適設計。シート表面は、GTIに本革とベルベットのコンビ、CTIにフルベットが採用されています。リアシートは左右別々に倒すことができ、4通りのパターンで使える分割可倒式シートです。
狭い駐車場でもプレッシャーを感じないパワーステアリングと本革が巻かれたステアリングホイールで操縦性も◎。整然とレイアウトされたメーター類は昼夜を問わず視認性に優れています。さらに、集中式のパワーウインドウとキーレスエントリー、集中ドアロックなどを標準装備。80年代のクルマとは思えない機能性を誇ります。
205 GTIのチャームポイントは何と言ってもサンルーフ。スライド式のガラスサンルーフで光と風を取り込めば、ドライブがより楽しくなるのは明らかです。また、レトロ感を感じる手動式であることもポイント。電動式にありがちな故障を心配する必要もありません。
21世紀に入った現在でもまったく古さを感じさせない点は、流石はプジョーと言ったところ。205 GTI / CTIはのインテリアは洗練されたコックピットです!
パワートレイン
着実に進化を遂げた205 GTIエンジン!
初期モデルである205 GTI 1.6に搭載された1.6リッターXUエンジンは以後、1.9リッターに進化します。「XU9JA」(130馬力)です。
パワーだけでなくトルクが太くなったことで最高速度は206 km、 0-100 kmを7.8秒で駆け抜けます。車重910 kgながらもスポーツ走行を楽しみたいユーザーには最適となるモデルです!
205 GTI / CTI 1.6L
- 1580cc XU5J ガソリンエンジン
- 最高出力 105 hp/6250 rpm
- 最大トルク 13.7 kgm/4000 rpm
205 GTI / CTI 1.9L
- 1905cc XU9JA ガソリンエンジン
- 最高出力 130 hp/6000 rpm
- 最大トルク 16.4 kgm/4750 rpm
サスペンション
ラリーシーンからのフィードバックが顕著にみられる!
フロントは、コイルスプリング+アンチロールバー付きマクファーソンストラットの組み合わせです。アンチロールバーは、ストラットに直接取り付けらています。
リアは、トーションバー+アンチロールバー付きトレーリングアームを使用し、四輪独立懸架方式を採用しています。さらにモデル特性に合わせてトーションバーやスタビライザーの径を調整済みという専用チューニング。
世界ラリーで培われた様々な経験や技術が活かされている完成度の高いサスペンションシステムです。優れた乗り心地とハンドリングは、205 GTI / CTIの大きな魅力の1つと言えます!
プジョーは世界ラリー選手権で16回、パリダカールで2回の優勝。ミッドリアエンジンを搭載した有名な205 Turbo16を思い出させます。
『販売のためにレースに勝つ』。当時のプジョーはクールでした!
プジョー 205 GTI 紹介動画(5分48秒)
プジョー205 CTI 紹介動画(3分13秒)
プジョー205GTI・CTI販売車両紹介動画(4分17秒)
参考スペック
205 GTI 1.6
全長x全幅x全高:3,701 mm x 1,570 mm x 1,359 mm
ホイールベース:2,421 mm
エンジン:1,580 ㏄ 直列4気筒NAエンジン(XU5J)
最高出力 :105 bhp / 6250 rpm
最大トルク:13.7kgm / 4,000 rpm
最高速度:193 km / h
駆動方式:FF 5MT
タイヤ:前後 185 / 60 HR 14
燃料容量:50 L
車両重量:850 kg
205 GTI 1.9
全長x全幅x全高:3,701 mm x 1,590 mm x 1,359 mm
ホイールベース:2,421 mm
エンジン:1,905㏄ 直列4気筒NAエンジン(XU9JA)
最高出力:131 bhp / 6,250 rpm
最大トルク:16,4kgm / 4,000 rpm
最高速度:206 km / h
駆動方式:FF 5MT
タイヤ:前後 185 / 55 VR 15
燃料容量:50 L
車両重量:910 kg
205 CTI
全長x全幅x全高 :3,701 mm x 1,570 mm x 1,359 mm
ホイールベース:2,421 mm
エンジン:1,580 ㏄ 直列4気筒NAエンジン(XU5J)
最高出力:115 bhp / 6,250 rpm
最大トルク:13.3kgm / 4,000 rpm
最高速度:193km / h
駆動方式:FF 5MT
タイヤ:前後 185 / 60 HR 14
燃料容量:50 L
車両重量:935 kg
ライバルモデル
205 GTI / CTIのライバルとして、ゴルフ GTIとルノースーパー5 GTターボを挙げます。1980年代に登場した最高のハッチバックを探すのであれば、この3台!
205 GTI 1.9 vs ゴルフ GTI 16S vs ルノー5 ターボ!
カテゴリー | 205 GTI 1.9 | ゴルフGTI 16S | ルノー5ターボ |
最高出力(bhp/rpm) | 131/6000 | 139/6300 | 160/6000 |
最大トルク (nm/rpm) |
164/4750 | 157/5500 | 210/3750 |
車両重量(kg) | 880 | 960 | 970 |
0〜100 (km/h) | 7.8 | 8.4 | 6.9 |
最高速度(km/h) | 206 | 208 | 200 |
ライバル車ではありませんが、ホットハッチならではのイベントやオフ会も開催されています。プジョー205で参加したら注目を集めそうです。
バイヤーズガイド
史上最高のホットハッチとして世界中から賞賛されている205 GTIは、現代においてコレクターカーというポジションに位置します。走行距離の少ないレア車は当然プレミア化されており、その台数も年々と少なくなる一方。価格も上昇する傾向にあります。
205 GTIは80年代から90年代のクルマですが、プジョーの信念が込められた1台です。亜鉛メッキのボディは錆に強く、他の同年代車種と比べても錆びに悩まされることは少ないでしょう。とはいえ、再塗装されている車種は錆の修復が行われている可能性もあります。また、海岸に属する地域の205 GTIにも注意が必要です。
エンジン・足まわり・内装にも注意を払う必要があります。エンジンは、オーバーホールや、他モデルとの載せ替えの可能性もあるため確認が必要です。サスペンションには、剛性の高い自社開発のショックアブソーバーが組まれています。恐らく交換済みである可能性が高いですが、念のため気に掛けておくべきです。
内装は純正交換品を探すのが困難なため、納得のいく基準を満たしていることが重要です。年代を考えても摩耗や多少のガタつきは目をつむりましょう。チェックポイントはスイッチ関係と電子機器。パワーウインドウやロック、エアコン(付いている場合)などです。これらは高価なため、慎重になることも必要です。
しかし、205 GTIはカスタムやチューニングを楽しむクルマでもあります。純正部品に拘らずに、アフターパーツを使用してリフレッシュすることも必要。なお、もとから改造されているクルマは、適切且つ合法的にインストールされているかも確認してください。
205 GTIのラインアップに上がるのは、1.6リッターと1.9リッター。そしてカブリオレの205 CTIです。好みはユーザー次第となりますが、程度を重視した選択をおすすめします。ガレージに飾るのであれば別ですが、安全に運転するためにもシッカリとメンテナンス&リフレッシュされた1台がベストです!
並行輸入という選択肢
日本市場に正規輸入されていないモデルでも、並行輸入を行えば日本で所有できます。
一例としてコアカーズを運営する並行輸入車販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映した205 GTI / 205 CTIの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示していますので、参考にしてください。
現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。
また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。
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※本記事は2022年1月13日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。