2016年10月8日、MAZDA ターンパイク箱根(神奈川県足柄下郡湯河原町)の大観山駐車場 Fにて、箱根ホットハッチオフ2が開催されました。当日は事前から雨が予想され、朝から神奈川県では降ったり止んだりの天気でしたが、果たしてターンパイクを登るとそこは濃霧に覆われ、雨が断続的に降るという生憎の天気でした。しかし霧の中の幻想的な空間には沢山のホットハッチが集まり、オーナーの方々は雨が止んだ合間に撮影を行ったり、スカイラウンジで歓談を楽しみました。
コアカーズは第4回ホッ会に引き続き、カーメディアとして箱根ホットハッチオフ2に参加しました。今回はイベントレポートとして、霧の中に集ったホットハッチたちの様子をお伝えします。
この記事の目次
箱根ホットハッチオフとは?
箱根ホットハッチオフは、主催者のブラボー様がTwitterや自動車オーナーが集うSNSである「みんカラ」で広く呼びかけて開催されている、ホットハッチのオフ会です。ブラボー様はホッ会こと静岡ホットハッチ会も主催されていますが、箱根ホットハッチオフはホッ会よりも、より大規模なイベントとして企画されているもので、2016年5月に続いて2回目の開催となりました。そのコンセプトは「国産車・輸入車、年式不問、ホットハッチ乗りのオフ会」で、新車・旧車、国産車・輸入車を問わないさまざまなモデルが約60台集まりました。
霧のターンパイクを駆け上り会場へ
コアカーズの当日の起点は東京都内。残念ながらコアカーズの運営会社であるYMワークスが導入したフォーカス RS Mk.3はデモカーを9月いっぱいで退役したのですが、今回は取材車両として以前日本に正規輸入されていたフィエスタ STを用意しました。マスタングなど、ほかのフォードのモデル同様に、フィエスタも世代のカウントの仕方に諸説がありますが、海外では「Mk.6」としてカウントされることが多いモデルです。フィエスタにSTの名前を冠したモデルが設定されたのは、この世代が最初で、またフォードのモータースポーツ部門「チームRS」がはじめて中心となって手掛けたSTでもあり、ある種のマイルストーンとなったモデルでした。
東京からはYahoo!カーナビのVICSの渋滞情報などを参考に、都内からマツダ ターンパイク箱根までのアプローチは、東名高速ではなく海岸沿いを選択。海沿いに出ると相模湾は海も空も灰色でした。途中のファミリーレストランで小休止を取りながら既に会場に着いている方のTwitterを見ると、会場は真っ白とのこと。しかし8月のホッ会で台風予想を見事に跳ね飛ばした主催者ブラボー様の晴れ男パワーを思い出し、雲が流れていくことに期待しながら先に進みます。
西湘バイパスからマツダ ターンパイク箱根は、接続するランプウェイがあるのでノンストップで接続できます。料金所で後続のスズキ スイフトスポーツとトヨタ アクアに道を譲り、ターンパイクを走ると、ほどなく霧の中に入りました。あるいは標高が高いので、雲の中と言った方が適切なのかもしれません。標高が上がれば、この上に抜けられないかと期待しながらリアフォグライトを点灯して走ります。しかし、やがて霧の中にMAZDAスカイラウンジの姿が浮かび上がってきました。大観山は頂上まで霧に覆われていました。
晴天ならば素晴らしい眺望の大観山、その眺望が得られないことにしばし落胆しつつも、駐車場に入ると、真っ白な中に沢山のホットハッチが現れたのです。そこは生憎の天気を吹き飛ばす、夢のような空間でした。
箱根ホットハッチオフ2の参加車
ここからは当日に参加した車種をダイジェストでご紹介します。数台隣のクルマが霞むほどの視界で、会場の雰囲気を十分にお伝えできないこと、また、すべての参加車をご紹介できないことをご容赦ください。
国産車は懐かしい旧車が登場!
今回特に注目を集めていたのが、ネオクラシックな国産車。中でも鮮やかなボディカラーと相まって、絶えず参加車が訪れていたのが2代目のトヨタ スターレット。登場時は1300スターレットと呼ばれたモデルで、1978年から1984年まで製造され、参加されていたのはもっとも近代的なフロントマスクを持つ後期型です。フェンダーミラーやコーナリングポールなどに懐かしさを感じられた方も多かったのではないでしょうか。ちなみに2代目スターレットは、スターレットとしては最後の後輪駆動モデルとなりました。1978年当時でも、後輪駆動の小型ハッチバックは既に珍しい存在でした。
スターレットはもう1台、4代目も登場。4代目のスターレットは1989年から1995年まで製造され、スポーツモデルとしてはGiとGTが設定されましたが、自然吸気のGiは1,300ccから100ps、ターボで過給されたGTは100ps/Lを上回る135psというハイチューンでした。印象的な丸いヘッドライトは後期型での装備で、GTを象徴する装備でした。歴戦を物語るフロントスポイラーの補修など、走りこまれた姿が印象的でした。
スターレットに勝るとも劣らぬ注目を集めていたのが、日産 マーチ スーパーターボ。1989年から1991年までの僅かな期間販売されたモデルでしたが、名前のとおりスーパーチャージャーとターボチャージャーを併用し、わずか930ccから110psの最高出力を発揮、800kgを下回る車重と相まって、モンスターマシン的な存在でした。迫力あるブリスターフェンダーは、四半世紀が経った今も、只者ではないオーラを発揮していました。
同じく日産からは4代目のパルサーのホットモデル、GTI-Rも2台参加。パルサーのイメージリーダーとして、またWRC参戦も前提に開発されたモデルで、2.0Lのターボエンジンは230psというハイチューン、その猛烈なパワーはフルタイム4WDを介して路面に伝えられます。現在はヨーロッパでパルサーの名前が復活していますが、日本では名前が途絶えて久しく、懐かしく感じられた方も多かったかと思われます。
車体デザインを活かした痛車の姿も
ボンネットや丁寧に2次元のキャラクターをあしらった痛車も参加しました。痛車は今日のカスタム手法として定着していますが、何をベース車にするかによって雰囲気は大きく異なります。例えばミニバンをベースにすれば、広いボディ面積を活用したカスタマイズが楽しめます。
しかしここはホットハッチオフ、参加されていた痛車は、どの個体も車体の元のデザインを活かしつつ痛車として仕上げられていて、あたかもラリーカーを思わせるような雰囲気に仕上げられていました。デカールやラッピングは品質も向上しており、プジョー 108など、昨今メーカー純正で広い面積にデカールを貼るオプションが設定されるケースも増えています。今後もクルマのカスタマイズ手法として、広く親しまれていくのではないかと予感させられました。
欧州勢ではフルカスタムされたフィアットの姿も
欧州勢ではドイツからはVW、アウディ、ミニが、フランスからはルノー、プジョー、シトロエン、そしてイタリアからはアルファロメオ、フィアット、ランチアなど多数のメーカーのモデルが集まりました。中でも日本で発売されたばかりのルノー トゥインゴは、注目を集めました。
2台のアバルト500はいずれもフルカスタム。それぞれ方向性の異なる完成度の高いカスタマイズで、ノーマルのアバルト500とは異なる魅力を放っていました。第4回ホッ会では1台だったランチア デルタHFは、今回は前回に続いての濃紺カラーに加えて、赤と黄色も参戦。伝説的なモデルの健在をアピールしました。
そして欧州フォードは…
残念ながら2016年で日本を撤退してしまうフォード。特に欧州フォードは魅力的なホットハッチを作ってきました。しかし前回のホッ会ではなんとか3台が揃って奇跡的な記念撮影ができましたが、今回は残念ながらコアカーズのフィエスタST、1台だけの参加となりました。日本では、特に欧州フォードはマイナーな存在で、撤退に伴い、この先そのマイナー度はさらに加速してしまいそうです。
コアカーズでは欧州フォードの魅力を、カスタマイズや購入手段の提案はもちろん、欧州フォードの歴史やモータースポーツでの活躍なども含めて、今後も伝え続けていく予定です。2016年11月6日にはEurope Ford Meeting(EFM)2016に参加を予定しているほか、クラシックなフォードの紹介なども行っていく予定です。
参加車ギャラリー
上でご紹介できなかった参加車を、ギャラリー形式で掲載しています。是非ご覧ください。
箱根ホットハッチオフ2の魅力
レポートではメーカーや国別に紹介しましたが、会場ではこれらのモデルが固まらずに、バラバラに駐車しています。ホットハッチという共通項だけで、国や年代を問わずにオーナー同士が語らう、それが箱根ホットハッチオフ2の魅力で、だからこそ多様なホットハッチが集まるのでしょう。
ホットハッチを応援しているコアカーズでは、次回も是非箱根ホットハッチオフに(参加できるホットハッチの手配ができれば)参加・取材したいと考えています。
コアカーズが皆様のオフ会に取材に伺います
日本全国でクルマ好きにより取り組まれているオフ会やイベントにコアカーズを呼んでみませんか?今回のようにレポートを掲載することはもちろん、イベントの周知も可能です。またタイミング次第では、珍しいデモカーの展示も可能かもしれません。スケジュールや車両手配の都合が合わず、取材できない場合もありますが、是非お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2016年11月1日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。