オペル GTC/ボクスホール GTC(旧アストラGTC)を解説、並行輸入車の価格情報も掲載。

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ボクスホール GTC

GTCはオペルとボクスホールの両ブランドがヨーロッパで販売しているCセグメントの3ドアクーペです。

この記事では左ハンドルのオペル GTCと、イギリス仕様右ハンドルのボクスホール GTCについて解説しています。また、日本で乗るための並行輸入情報も掲載しています。

モデル概要

Grand Turismo Compact、すなわち小型グランドツアラーを意味するGTCという名称は、アストラH(2004-2009)とアストラJ(2009-2015)の3ドアハッチバック仕様「アストラ GTC」に由来するものです。これらに続くアストラK(2015-)で3ドアの設定が見送られたことから、アストラJ世代のアストラ GTCが併売され、2016年からはアストラの名前を外した「GTC」という独立車種に移行しました。

基本設計が1世代前となるため、GTCはアストラKと直接比較すると多少なり設計の古さを感じさせる部分もありますが、2010年代後半において希少な存在になりつつある3ドアハッチバックのCセグメントという基本構成に照らすと、その古さは逆に趣味性の高さや贅沢さに寄与している部分もあります。

GTCは前身のアストラ GTC同様、ヨーロッパの左ハンドル圏ではオペル、右ハンドル圏ではボクスホールのブランドで展開されています。またオペルでも仕向地によりグレード構成・名称は異なりますが、オペルでOPC、ボクスホールでVXRと呼ばれる最高出力仕様の内容は各国で概ね共通です。

 

ハイライト

エクステリア

アストラJとは異なる流麗なプレスライン

そのスポーティーさが、カタログやウェブサイトで強調されるGTCのエクステリアデザイン。アストラJの5ドアハッチバックモデルとは印象を大きく異にする理由としては、特にボディ側面のプレスラインが全く違う点が挙げられます。

ボクスホール GTC

ボクスホール GTC (フロント)

ボクスホール GTC

ボクスホール GTC(リア)

フロントスポイラーやリアバンパーの形状はグレードによって異なりますが、一方で同一相当のグレードならば、オペル/ボクスホール間ではエンブレムとフロントグリルを除き、デザイン面での差別化は行われていません。

 

インテリア

パーソナルクーペらしい室内空間

インテリアは「アストラ GTC」時代から小変更、センタークラスターのガーニッシュを黒に変更し、スポーティーで締まった印象を獲得しています。

ボクスホール GTC インテリア

ボクスホール GTC インテリア

ボクスホール GTC ラゲッジスペース

ボクスホール GTC ラゲッジスペース

運転席と助手席にはスポーツシートを採用。グレードにより形状や素材に差異がありますが、全グレードでスポーツドライブに対応しています。一方後席はシート自体の大きさは十分なものの、ヘッドクリアランス、フットスペースともにあまり余裕はありません。パーソナルクーペとして割り切った設計です。

 

パワートレイン

ガソリンとディーゼルの両方を用意

ボクスホール GTC エンジンルーム

ボクスホール GTC エンジンルーム

GTCのフロントノーズに横置きされるエンジンは、ガソリンとディーゼルの両方から選択可能です。

ガソリンはポート噴射ターボの1.4L/120PS、同140PS(GM Family 0)、直噴ターボの1.6L/200PS(GM Family 1)、2.0L/280PS(GM Ecotec)を設定。280PSのエンジンはOPC/VXR専用です。

ディーゼルは直噴ターボの1.6L/110PS、同136PS(GM MDE:Medium Diesel Engine)を設定。アストラJのモデル末期、2014年に追加された設計の新しいエンジンがGTCにもそのまま継承されました。

トランスミッションは6MTを基本として、1.4Lガソリンの140PS仕様では6ATも選択可能。駆動方式は前輪駆動のみです。

 

サスペンション

全グレードに変形ストラットを採用

全グレードでフロントにはHiPerStrutと呼ばれる、トルクステアを抑える変形ストラットを、リアにはワットリンク(ワッツリンク)で強化したトーションビームが採用されています。

またFlexRideと呼ばれる統合制御システム搭載車では、ダンパーの減衰力が設定に応じて変更され、状況に応じて最適な運転感覚をドライバーに提供します。

なお具体的数値等は非公表ながら、ボクスホール仕様ではイギリスの道に対する最適化・設定変更が謳われています。

強化された足回りもGTCの魅力のひとつ

強化された足回りもGTCの魅力のひとつ

 

参考スペック

ボクスホール GTC SRi 1.4i Turbo (140ps) 6AT
(イギリス仕様2017年モデル)


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,460 × 1,840 × 1,482 mm
     ホイールベース:2,695mm トレッド前/後 -x-
エンジン▶︎水冷直列4気筒ターボ フロント横置
     1,3645cc  – mm x – mm - 140ps/4,900-6,000rpm 200Nm/1,850-4,900rpm 
駆動方式▶︎FF  6段AT
懸架装置▶︎前:HiPer ストラット
    ▶︎後:トーションビーム(ワットリンク付き)
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッド・ディスク 後 ディスク
タイヤ ▶︎前:235/50 R18 後:235/50 R18
燃料容量▶︎56L 車両重量▶︎- 最高速度▶︎201km/h 0-100km/h加速▶︎8.9秒
燃 費 ▶︎16.3km/L(欧州複合基準) 
価 格 ▶︎23,630ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください

 

ライバルモデル

オペル GTC/ボクスホール GTCのライバルとしては、2017年現在セアト レオン SCが挙げられます。またアストラ GTCとしてデビューした当初は、より多くのライバルが存在しましたが、現在はコアでレアなジャンルとしての位置づけを強めています。

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また、もっともパワフルなオペル GTC OPC/ボクスホール GTC VXRについては、3ドアという垣根を超えてメガハッチという枠組みにも分類することが可能です。こちらはシビック タイプRをはじめ、2017年現在多くのメーカーが凌ぎを削っている、かなり勢いのあるジャンルと言えます。

 

バイヤーズガイド

日本への正規輸入終了以来、地味な存在となったオペルとボクスホール、さらに正規輸入実績がある「アストラ」の名前が外れたGTCは特にマイナーなモデルです。世間一般的なステータス性は期待できませんが、反面、知る人ぞ知るクルマを所有することにより得られる満足感はひとしおです。

最上級のハイパフォーマンスモデルに限らず、全てのグレードでフロントサスペンションに変形ストラット(HiPer Strut)を標準搭載しているのは、同様のコンセプトを持つライバルに対する強力なアドバンテージ。文字通りのグランドツアラーとしてストレスのないドライビングを提供してくれるでしょう。

ボクスホール GTC

ボクスホール GTC は知る人ぞ知るクルマ

ボクスホール GTC(リア)

 グランドツアラーとしての性能も一流

ボクスホール GTC VXR/オペル GTC OPCはニュルブルクリンクのタイムこそ諸ライバルには劣るものの、日本の公道上で問題になるものではなく、サーキットによっては逆転できる実力派。またパフォーマンスと経済性と両立する場合は1.6L直噴ターボもおすすめです。

グランドツアラーとしての使い勝手を重視するならば、ディーゼルエンジンモデルも注目モデル。潤沢なトルクによる快適なクルージングに、低燃費による航続距離の長さも光ります。

市街地の近距離移動、渋滞の中の通勤などに使う場合は、ポート噴射のガソリンターボエンジン搭載モデルもおすすめです。熟成の進んだエンジンの高い耐久性に加え、トルクコンバーター式のATは、家族や友人とハンドルを共有する場合にも安心感があります。

 

2017年現在のGTC日本導入の可能性

GMが2006年にオペルを日本市場から撤退させたのを最後に、ボクスホールとオペルの各車種の日本への正規輸入は途絶えてしまいました。特にGTCの前身であるアストラの3ドアハッチバックは、1994年モデルを最後に正規輸入が途絶えています。

2017年にオペルとボクスホールの親会社はGMからグループPSAに変わり、今後仮に正規輸入が再開される場合はPCJ(プジョー・シトロエン・ジャポン)が担うことになりますが、日本でのブランドの浸透性や需要、プジョーやシトロエンの各車種と競合することを考えると、オペルとボクスホール、特にGTCは正規輸入再開の可能性が低いモデルです。

正規輸入の見込みが薄い ボクスホール GTC は並行輸入がおすすめ

正規輸入の見込みが薄い ボクスホール GTC は並行輸入がおすすめ

 

並行輸入という選択肢

前述のように正規輸入の可能性が低いオペル GTC/ボクスホール GTCですが、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

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一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したオペル GTC/ボクスホール GTCの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格の一例を表示しています。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

なお、YMワークスには前身であるボクスホール アストラ GTC VXRの輸入実績があります。そのうちの1台はデモカーとなり、オートックワンには試乗記も掲載されました。

関連リンク:ボクスホール アストラVXR 試乗レポート 大谷達也

 

車両詳細画像ギャラリー

関連リンク

カタログダウンロードページ

現地法人公式サイト・コンフィギュレーター

※本記事は2017年5月30日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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