2018.01.09

BMW M4 カブリオレ(M4 コンバーチブル)を解説、日本導入の可能性や並行輸入の情報も掲載。

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BMW M4 カブリオレ

超高性能のオープンモデルは、そのほとんどが2シーターであり、フル4シーターとなると日本市場ではなかなか馴染みのないカテゴリーです。この記事では、日本に正規輸入されていないF83型BMW M4 カブリオレ(イギリスではM4 コンバーチブルとして販売されています)について解説するとともに、日本に並行輸入する方法についても掲載しています。

モデル概要

BMWのレース・モータースポーツ関連を担うBMW M社によって開発されたBMW M4 コンバーチブルは、M4クーペ(F82)とともに2014年にデビューしました。先代モデルはM3カブリオレ(E93)ですが、先代3シリーズ(E90系)から現行モデル(F30系)に移行した際、2ドアクーペが4シリーズとして独立したことから、現在はM3とM4という独立した2つのモデルが存在します。

BMW M4 クーペ

BMW M4 クーペ

BMW M4 カブリオレ

BMW M4 カブリオレ(本国仕様)

M4 カブリオレ/コンバーチブルは日本に正規導入されていませんが、高性能コンバーチブルモデルは欧米では一定の支持を受け続けています。特にイギリスでは、M4のオーダーの約半数をコンバーチブルが占めており、その人気ぶりが伺えます。

イギリス仕様のM4 コンバーチブルは1グレードで、6速マニュアルか7DCT(2ペダル)、さらに出力増強版のコンペティション・パーケージの有無を選べるようになっています。

 

ハイライト

エクステリア

メタルトップが実現するエレガントなスタイル

BMW M4 カブリオレ/コンバーチブルのルーフには、4シリーズ・カブリオレ(F33)と同じく3分割のフルオート・リトラクタブルライト・ハードトップを採用しています。時速19km/h以下であれば走行中も開閉でき、その時間はわずか20秒。クローズ時の静粛性やセキュリティの面でも、メタルトップはやはり安心です。

BMW M4 カブリオレ

BMW M4 カブリオレ(本国仕様)

BMW M4 カブリオレ

BMW M4 カブリオレ(本国仕様)

複雑な動きを伴う3分割ルーフのおかげで、クローズ時の美しいスタイルと後席ヘッドスペースの確保を両立させています。長めのホイールベースに短いオーバーハング、キャビンをやや後方に配置したロングノーズと、誰の目にも流麗に映るバランスの取れたプロポーションを持ち、オープン時には水平基調のサイドビューがクラシカルな雰囲気さえ醸し出しています。

前後のMバンパー、ボンネットのパワーバルジ、大径ホイール、4本出しマフラーテールなどがその超高性能ぶりを存分にアピールしていますが、M4カブリオレには、アグレッシブな雰囲気だけではなく、エレガントさも感じさせる不思議な魅力があります。標準で19インチの軽量アルミホイールは、コンペティション・パッケージを選択すると20インチとなります。

BMW M4 コンバーチブル

BMW M4 カブリオレ(本国仕様)

 

インテリア

オープン時も快適に過ごせる充実装備

BMW M4 カブリオレ/コンバーチブルは定員4名となっており、大人4名が乗れる居住性が確保されています。車の性格上後席の快適性はセダンに譲りますが、やはり必要なときに4名乗れるのは心強いポイントです。

イギリス仕様のM4 コンバーチブルシート表皮は標準でエクステンディッド・メリノレザーで、ブラック、ベージュ、ダークオレンジ、シルバーストーンの4色から選べます。運転席と助手席には標準でシートヒーターを装備。空調もデュアルゾーンコントロールのオートエアコンでオープン時の快適性も十分確保されています。緊急時に作動するロールオーバープロテクションも標準装備され、安全性にも抜かりはありません。

BMW M4 カブリオレ インテリア

BMW M4 コンバーチブル インテリア

BMW M4 カブリオレ リアシート

BMW M4 コンバーチブル

8.8インチのタッチスクリーン式ディスプレイ、ショートカットボタン付きのiDrive タッチコントローラーなどももちろん標準で装備しています。シートはホールド性の高いスポーツシートになるなど走りに必要な装備は当然のことながら、所有する喜びに溢れた高級感も併せ持っています。なお、荷室容量はクローズ時370L、オープン時は220Lでリアシートは60:40の分割可倒式でいざという時の荷室拡大に役立ちます。

 

パワートレイン

3.0L直列6気筒ツインターボが生み出す圧倒的なパワー

BMW M4 カブリオレ/コンバーチブルに搭載されるエンジンは、3.0L直列6気筒+ツインターボ。先代M3が4.0L V8で420ps/400Nmだったのに対し、M4は431ps/550Nmの出力を誇ります。トラクションコントロールをOFFにすると3速でもホイールスピンするほど強烈なパワーですが、BMW先進のダイナミック・スタビリティコントロールが車の挙動を安定させます。

ミッションはブリッピング機構付きの6速マニュアルが標準で、2ペダルの7速M DCT with Drivelogicはオプションとなっています。BMWの7DCTは、1・3・5・7の奇数段と2・4・6の偶数段をふたつのクラッチが担当し、驚異の速さでシフトチェンジを可能にするセミオートマです。ステアリング裏のシフトパドルやシフトレバーでギアチェンジできるほか、通常のオートマと同じようにギアチェンジを車任せで走ることも可能。マニュアルに比べて40kgの重量増となりますが、0-100km/h加速は7速M DCTの方が0.2秒速い4.3秒であることからも、このセミオートマの優秀さが分かります。

オプションのコンペティション・パッケージを選択すると、出力が+19psの450psとなり、Comfort・Sport・Sport+の3つのドライビングモードを選べます。それぞれのモードで出力特性が異なり、Comfortでは穏やかな出力特性で快適な街乗りを実現し、Sport+ではアクセルレスポンスを最大限高め、サーキット走行などでその実力を開放した走りを体感できます。

BMW M4 コンバーチブル エンジンルーム

BMW M4 カブリオレ/コンバーチブル エンジンルーム

 

サスペンション

切れ味鋭いハンドリングと快適性を両立

BMW M4 カブリオレ/コンバーチブルには、前後ともアダプティブ M サスペンションが搭載されています。1000分の1秒単位で減衰力を調整する電子制御式のダンパーは、路面状況や走行状態に応じて瞬時に最適なロードホールディング性能を発揮し、切れ味鋭いハンドリングに結び付いています。同時に、DST(ダイナミック・スタビリティコントロール)と統合制御することで常に最適なトラクションを得ることにも繋がっています。

アダプティブ M サスペンションにも、Comfort・Sport・Sport+の3つのモードが用意されており、快適性重視のセッティングから、サーキットを走るようなハードな足回りまで任意に選択可能です。コンペティション・パッケージを選択した場合は、アダプティブ M サスペンションは専用チューニングとなり、スプリング、ダンパー、アンチロールバーがコンペティション・パッケージ仕様となります。

BMW M4 コンバーチブル

BMW M4 コンバーチブル(イギリス仕様)

 

参考スペック

BMW M4 コンバーチブル コンペティション・パッケージ 7速M DCT(450ps)


寸   法   ▶︎全長x全幅x全高 = 4,687 x 1,870 x 1,386 mm
              ホイールベース:2,812mm トレッド:前/後 1,579 mm/ 1,603 mm
エンジン▶︎3.0L 直列6気筒ツインターボ
     2,979cc 450ps/7,000rpm 550Nm/2,350-5,500rpm
駆動方式▶︎FR(前輪駆動)7速M DCT
懸架装置▶︎前:アダプティブ M サスペンション
               後:アダプティブ M サスペンション
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後:ベンチレーテッドディスク
タイヤ   ▶︎前:265/30 ZR20 後:285/30 ZR20
燃料容量▶︎60L 車両重量:1,790kg 最高速度:250km/h(リミッター作動) 0-100km/h加速:4.3 秒
燃   費   ▶︎13.8km/L(欧州複合基準) -m/L(JC08モード日本仕様参考値)
価   格   ▶︎66,770ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください

 

ライバルモデル

フル4シーターの高性能オープンカーは、実のところそれほど多くありません。現在日本で購入できるモデルは、メルセデス AMGのC43とC63 S ガブリオレ、アウディ RS5 カブリオレくらいです。

メルセデス AMG C43 4マチックおよびC63 S ガブリオレは、共に2017年7月にデビューしたモデルで、C43が3.0L V6ツインターボ・367ps/520Nm、C63 Sが4.0L V8ツインターボ・510ps/700Nmというスペックを誇ります。

メルセデス・ベンツ AMG C63 Sカブリオレ

メルセデス・ベンツ AMG C63 Sカブリオレ

アウディ RS5 カブリオレ

アウディ RS5 カブリオレ

アウディ RS5 カブリオレは先代のA5をベースにした車で、現行A5ベースはまだ登場していません。スペックは4.2L V8・450ps/430Nmをナチュラルアスピレーションで発揮します。

このほか、後席を備えるオープンモデルにはポルシェ911カレラ カブリオレやベントレー コンチネンタルGT コンバーチブルなどもありますが、BMW M4 コンバーチブルの直接的ライバルとは言い難いでしょう。

メルセデスやアウディと比べ、BMW M4 カブリオレ/コンバーチブルは、まず日本に導入されていないという目新しさがあります。また、シルキーシックスと呼ばれるBMW伝統の直列6気筒エンジン+ツインターボが搭載されていることも、BMWファンには堪らないポイントです。さらに、メルセデスやアウディがソフトトップなのに対し、M4 カブリオレ/コンバーチブルはメタルトップを採用しています。これはクローズ時の静粛性や快適性、セキュリティの面で大きなアドバンテージです。

 

バイヤーズガイド

日本のディーラーで購入できる4シリーズ カブリオレでは満足できない方には、日本と同様右ハンドルのイギリス仕様のM4 コンバーチブル コンペティション・パッケージ 7速M DCTをおすすめします。

M4 クーペにはGTSという限定車がありましたが、日本割り当てがわずか30台だったことから瞬く間に完売してしまいました。そのGTSを彷彿とさせるコンペティション・パッケージはぜひおすすめしたいオプションです。また、コンバーチブルという性格上、普段は優雅なドライブを楽しむ方が多いと思いますので、オートマ感覚で運転できる7速M DCTがおすすめになります。スポーティ・ドライブを楽しみたい時にはステアリング・パドルやシフトレバーでギアチェンジも楽しめます。本格的なサーキット走行も楽しみたい方には、オプションのM カーボンセラミック・ブレーキもおすすめします。

BMW M4 コンバーチブル

BMW M4 カブリオレ(本国仕様)

 

2017年現在のBMW M4 カブリオレ/コンバーチブル日本導入の可能性

先代のM3カブリオレ(E93)も日本に導入されなかったのですが、それと同様M4カブリオレ/コンバーチブルも今のところ導入されていません。日本は雨の多い気候のためかコンバーチブルの需要が低いと判断されているのかもしれません。導入予定の話も聞こえてきませんので、すぐに正規導入される可能性は残念ながら低いでしょう。

 

並行輸入という選択肢

日本市場に正規輸入されていないモデルも、並行輸入を行えば日本で所有できます。一例としてコアカーズを運営する並行輸入車販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したイギリス仕様のBMW M4 コンバーチブル コンペティション・パッケージ (450ps – 7速M DCT)の乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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※本記事は2018年1月9日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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