アウディ Q7は日本でも正規販売されているクロスオーバーSUVです。欧米ではこのサイズのSUVは、フルサイズ・ラグジュアリーSUVと呼ばれています。
近年日本でも人気のアウディ Q7ですが、スポーティバージョンのSQ7など実は日本に導入されていない魅力的な仕様が存在しますので、この記事で詳しく解説します。また、未導入の仕様を日本に並行輸入する方法についても触れていきます。
この記事の目次
モデル概要
第2世代となる現行アウディ Q7は、2015年のデトロイト・モーターショーで世界に公開され、翌2016年にデビューしました。Q7に続いて登場した現行型のVWトゥアレグやポルシェ カイエン、ベントレー初のSUVであるベンテイガなどと同じフォルクスワーゲングループのMLB2プラットフォームを採用しています。
2017年現在、日本のディーラーで販売されているのは2.0Lと3.0Lのガソリンターボエンジン仕様ですが、実はこのほかに4種類のディーゼルエンジンが存在します。
イギリスで販売されているアウディ Q7は、ベーシックなQ7にSE、S lineの2グレードが用意され、さらにスポーティバージョンのSQ7、プラグインハイブリッドのe-tronもありますが、そのすべてにディーゼルエンジンのみが搭載されています。
ハイライト
エクステリア
Qシリーズ最大のSUVに相応しい貫禄と一層洗練された外観
丸みを帯びた印象の初代から、直線基調のデザインへと一新された2代目アウディ Q7。アウディのクロスオーバーSUVはQ3、Q5、Q7とありますが、その長兄であるQ7は5,052mmX1,968mmX1,741mmという堂々たるサイズを誇ります。初代(5,090 x 1,985 x 1,740mm)より全長・全幅がわずかに小さくなりましたが、室内空間は犠牲にせず、最新の技術を駆使することで最大300kgもの軽量化を実現しています。
イギリス仕様のSEとS lineは、アルミホイールのサイズ(19インチと20インチ)、ヘッドライトの種類(キセノンかフルLED)が違うほか、S lineは専用エクステリアパッケージとプライバシーガラスを装備しています。SQ7は専用Sデザインバンパーや専用20インチアルミが与えられ、e-tronも専用バンパー、専用19インチアルミとなっています。アウディ先進のLEDマトリクスヘッドライトは、S lineとSQ7に限ってオプションで選択可能です。
インテリア
7シーターが基本のイギリス仕様
アウディ Q7のインテリアは高級感に満ちています。イギリス仕様のQ7は、e-tron以外すべて2-3-2の7人乗りが標準です。先進のアウディ・バーチャルコックピット(メーター位置にレイアウトされた高解像度液晶に様々な情報をフレキシブルに表示)は全車オプション設定となっています。
シート素材はSEとe-tronがコンビレザー、S lineはアルカンターラとレザーコンビのスポーツシート、SQ7がフルレザーのスポーツシートが標準(イギリス仕様)。それぞれカラーや素材を無料・有料のオプションで選択でき、シートカラーに連動して室内のトリムカラーも変更されます。
2列目のシートは3席独立してスライドやリクライニング、フォールディングが可能で、3列目シートは背もたれを前に倒すとフラットな荷室になるなど、多彩なシートアレンジも魅力です。ラゲッジスペースは7シーターが235L、5シーターのe-tronが650Lで、7シーターも3列目シートをフォールドすればe-tronに準じたラゲッジスペースが得られます。
パワートレイン
SQ7に搭載される圧巻の4.0Lツインターボディーゼル
日本に導入されているガソリンエンジンについてはアウディジャパンの公式サイトに掲載されていますので、この記事ではイギリス仕様のディーゼルエンジン4種類について解説します。
3.0TDIには出力の異なる3つのエンジンがあります。SEとS lineは218ps/500Nmを発揮するエンジンが標準仕様となり、S lineはオプションで272ps/600Nmのエンジンも選択できます。e-tornに搭載されるのも3.0TDIで、モーターと合わせたトータル出力は373ps/700Nmとなります。
圧巻なのはSQ7に搭載される4.0TDIエンジン。435ps/900Nmの大出力を誇り、2トンを超える巨体にも関わらず、停止状態から100km/hまでスポーツカー並みの4.9秒で加速します。すべてのディーゼルエンジンがターボで過給されますが、SQ7の4.0TDIはEPCと呼ばれる電動コンプレッサーで過給することにより、ターボラグを最小に止めつつ低回転域から十分満足できるパワーを発揮します。
アウディが35年に渡って熟成を重ねてきた4WDシステム、クワトロを全車に搭載。トランスミッションは全車8速ティプトロニックとなります。
サスペンション
最高峰の乗り心地と優れた運動性能をテクノロジーで両立
アウディ Q7のサスペンションは前後ともダブルウィッシュボーンで、SQ7にはアダプティブ・エアサスペンションのスポーツタイプが標準装備されています(Q7ではオプション設定)。 通常のサスペンションでも乗り心地に不満を感じることはありませんが、アダプティブ・エアサスペンションは路面からの突き上げや車体のロールから瞬時に減衰力をコントロールすることで、より安定したドライブを楽しめます。
また、オールホイールステアリング(4輪操舵)を搭載しており、低速時には前輪と逆向きに後輪を動かして取り回し性能を向上し、高速時は前輪と後輪を同じ方向に動かすことで安定性と応答性を向上させています。
参考スペック
アウディ SQ7(435ps)
寸 法 ▶︎全長x全幅x全高 = 5,052 x 1,968 x 1,741 mm
ホイールベース:2,9945mm トレッド:前/後 1,679mm/1,691mm
エンジン▶︎4.0TDIディーゼルツインターボ
3.956cc 435ps/3,750-5,000rpm 900Nm/1,000-3,250rpm
駆動方式▶︎4WD(4輪駆動)8速ティプトロ・オートマチック
懸架装置▶︎前:ダブルウィッシュボーン(エアサスペンション)
後:ダブルウィッシュボーン(エアサスペンション)
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後:ベンチレーテッドディスク
タイヤ ▶︎前:285/45 R20 後:285/45 R20
燃料容量▶︎85L 車両重量▶︎2,330kg 最高速度▶︎250km/h(リミッター作動) 0-100km/h加速▶︎4.9秒
燃 費 ▶︎13.5 km/L(欧州複合基準) -m/L(JC08モード日本仕様参考値)
価 格 ▶︎72,895ポンド(イギリス仕様車)
※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください
ライバルモデル
アウディ Q7と同じフルサイズ・ラグジュアリーSUVには、レンジローバー スポーツ、ポルシェ カイエン、ボルボ XC90などがあります。
クロスカントリー4WD一筋のランドローバーが送りだしたレンジローバー・スポーツは、レンジローバーのスポーツ性能を高めたSUVという立ち位置です。イギリス仕様には、ディーゼルエンジンが3種類(直4 2.0L、V6 3.0L、V8 4.4L)、ガソリンエンジンも3種類(直4 2.0Lターボ、V6 3.0Lスーパーチャージド、V8 5.0Lスーパーチャージド)用意されるほか、プラグインハイブリッドもラインナップされています。また、最もパワフルなエンジンを比較すると、日本仕様が550ps/680Nm、イギリス仕様が575ps/700Nmと出力の違いもあります。
ポルシェ初のクロスオーバーSUVであるカイエンは、911に代表されるスポーツカーのテイストを新たな形で表現したモデルだとポルシェ自身がアナウンスしています。イギリス仕様の特徴は、日本に導入されていないディーゼルエンジンのラインナップが豊富なこと。実は、ヨーロッパで走っているカイエンはディーゼルがほとんどです。2017年8月のフランクフルトモーターショーで3代目が公開され、2018年の発売が予定されています。
2016年登場のボルボ XC90は、ボルボのラインナップで最も大きなSUVです。クラストップレベルの安全性能を誇り、日本だけでなく世界中で人気となっています。日本仕様は2.0Lターボ(+スーパーチャージャー)とプラグインハイブリッドですが、イギリス仕様ではグレードがより多いだけでなく、すべてのグレードでガソリン・ディーゼル・ハイブリッドの3種類のパワーユニットを選択できます。
このほかにもBMW X5、メルセデスベンツ GLEなど、日本でお馴染の車種もライバルとしてしのぎを削っています。高価格帯のカテゴリですので、各社それぞれの特徴をふんだんに発揮し、先進のテクノロジーと快適性が担保されていますので、どの車を選んでも満足度は非常に高いでしょう。その中でアウディ Q7は、熟成されたquattroシステムやバーチャルコックピット(オプション)、レース活動からフィードバックされた高性能エンジンなどが高次元で一体となった1台と言えます。
バイヤーズガイド
前述のとおり、2017年10月現在、日本国内へ正規輸入されているアウディ Q7はガソリンエンジン搭載車のみです。また、スポーティバージョンのSQ7はディーゼルエンジンのみのラインナップとなっていることから、こちらも正規販売されていません。こういった状況を鑑みると、敢えて並行輸入するのであればディーゼルエンジンを選ばれることをおすすめします。
とくにSQ7に搭載される4.0TDIは、前述のとおり世界初のEPC(電動コンプレッサー)とツインターボによるトリプルチャージャーを採用した注目のエンジンです。ターボの弱点が出やすい発進時などの超低速トルクをEPCで補う最新の技術で、他のモデルでは味わえないものです。盤石のスタビリティを誇るクワトロとの組み合わせも理想的で、さらに 13.5km/L(欧州複合値)という優れた燃費も実現しており、アウディらしく知的かつ高性能なSUVに仕上がっています。
また、SQ7の代表的なオプションに「ドライビング ダイナミクス スポーツパック」があります。これは、各輪に駆動力を自在に配分するスポーツディファレンシャルを備えたクワトロと、ロール量をコントロールする電子制御スタビライザーのパッケージで、コーナリング性能と高速安定性を向上させます。£5,700と高価ですが、大柄なボディにはとくに有効なので、予算が許せば選びたい機構です。
2017年現在のアウディ Q7ディーゼルエンジン日本導入の可能性
前述のとおり、現在日本で正規販売されているアウディのラインナップにディーゼルエンジンは含まれていません。近年は日本でもディーゼルエンジンが見直されてきましたが、ヨーロッパのように主流になるにはまだ時間がかかりそうです。特にアウディのようにプレミアムブランドとしてのイメージをさらに高めたい日本では、可能性がないとは言えないものの、ディーゼルエンジンがすぐに導入されることは考えにくいでしょう。
並行輸入という選択肢
日本市場では販売されていないアウディ Q7 ディーゼルエンジン搭載モデル及び、アウディ SQ7ですが、並行輸入を行えば日本でも所有できます。一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したアウディ SQ7 の乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。
現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。
※国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。
また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。
アウディ SQ7の中古車情報
アウディ SQ7の現地中古車をお探しすることも可能です。走行距離が少ない高年式中古車(新古車)が出回ってますのでまずは予算と合わせてご相談ください。
車両詳細画像ギャラリー
関連リンク
現地法人公式サイト・コンフィギュレーター
- アウディ 英国 Q7のコンフィギュレーター(AUDI UK Q7)
※本記事は2017年10月22日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。