2019.06.19

インフィニティ QX80を解説、日本未導入SUVの概要やスペック、価格他、正規輸入の可能性や並行輸入情報も掲載。

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インフィニティQX80を端的に表すと「キングオブインフィニティ」でしょう。インフィニティのフラッグシップと言えば、かつてコアカーズでも紹介したQ70が担っていますが、圧倒的存在感を誇るインフィニティ最大のSUV QX80には”キング”という言葉が相応しいと感じます。

今回はそのキングオブインフィニティQX80をご紹介、合わせて並行輸入の方法についても掲載します。

モデルの概要

QX80はインフィニティのSUVラインナップのなかでも最大となるモデルです。以前はインフィニティQXとして販売されていました。

インフィニティQXのルーツをたどると1996年にデビューしたQX4に辿り着きます。インフィニティ初のオフローダーとしてデビューしたQX4は、日産 テラノ(2代目 R50型)をベースに内外装を高級化したモデルでした。まだSUVブームの夜明け前、QX4はオフロードの走破性も高くSUVというよりもかつてのクロカンに近いようなモデルでした。その後、日本ではテラノ・レグラスの名前で販売されています。

インフィニティ QX4(日本名:テラノ・レグラス 1997年)

インフィニティ QX4(日本名:テラノ・レグラス 1997年)

インフィニティ QX56(初代モデル:2004年)

インフィニティ QX56(初代モデル:2004年)

このQX4の後継車種として2004年にデビューしたのが、初代インフィニティQXです。このモデルはQX4より更に大きいフルサイズピックアップの日産 タイタンをベースにしたSUVになりました。同じインフィニティのSUVのなかでは、スタイリッシュなFXと対照的に、無骨で高い走破性を持ったQXはヘビーデューティーさとプレミアムさが両立していることが魅力で、北米市場で人気を得ました。

ベースとなる日産 パトロール(Y62型)

ベースとなる日産 パトロール(Y62型)

2代目モデルのデビューは2010年のニューヨークショーで発表されました。2代目は更に高い走破性をもつ日産パトロール(かつて日本ではサファリの名前で販売)がベースになりました。2013年には他のインフィニティのモデルと同じくネーミングルールが変更になりQX80に変更されています。より高い走破性を得たQX80は、インフィニティブランドの主力市場である北米だけでなく、中東市場でも高い人気を得ています。2017年のマイナーチェンジでは各部アップデートされ洗練度が上がりましが、このモデルがドバイモーターショーで発表されていることからも、この市場を重視していることが伺われます。その一方、イギリスを含む欧州市場には導入されていませんが、オーストラリアでは販売されているため、右ハンドルモデルは存在します。

生産は全て日産自動車九州工場で生産されています。ここはベースとなるパトロール(Y62型)の生産拠点でもあります。メイドインジャパンのQX80ですが、インフィニティ各車同様、QX時代も含め現在まで日本で正規に導入された実績はありません。

インフィニティ QX80 CM動画(約30秒)

ハイライト

エクステリア

巨大なボディサイズから来る圧倒的な存在感

インフィニティ QX80(フロント)

インフィニティ QX80(フロント)

ボディサイズは全てのインフィニティ車のなかで最も大きく、全長:5,339mm×全幅:2,029mm×全高:1,925mmとフラッグシップのQ70よりも大きい堂々としたもの。もはや「巨体」とも言えるサイズは圧倒的な存在感を感じます。

デザインはベースとなるパトロール譲りの無骨なシルエットですが、ただ四角四面なわけではなく、大きな台形のフロントグリルや眼光鋭いヘッドライトをはじめ、ボディパネル各部にはよく見ると抑揚のあるライン処理が施されており、QX80がインフィニティファミリーの一員であることをしっかりと主張しています。

インフィニティ QX80(サイド)

インフィニティ QX80(サイド)

インフィニティ QX80(リア)

インフィニティ QX80(リア)

ボディは巨体ですが、ブラインドモニターをはじめとする各種アシスタント機能や、小柄なユーザーでも簡単に操作できるパワーゲートなどが装備されており取り回しは良好です。

ボディカラーはダークカラーをはじめとるする落ち着いたものを中心に9色が設定されています。足元を彩るアルミホイールは20インチが標準装備ですが、オプションで迫力のある22インチも選択可能です。

インテリア

3列目までゆったり座れる室内空間

QX80のインテリア

QX80のインテリア

インテリアは高い走破性を誇るヘビーデューティな無骨さは一切感じられず、質の良い素材を使用した豪華なもの。プレミアムモデルとして十分な資質を備えています。インテリアトリムの木目柄には、自然な風合いのストラトフォード、落ち着いた印象のエスプレッソ、クールな雰囲気のチャコールの3種類が設定されています。

ドライバーの着座位置は高く見下ろすようなものになっています。そのため、ボディが大きくても見晴らしがよく運転がしやすいと評判です。

大振りでしっかりと乗員を受け止めるシートは、全車本革張りが標準装備。ホワイト/ブラウン/グラファイトの3色が設定されています。

QX80の2列目シート(7人乗りキャプテンシート仕様)

QX80の2列目シート(7人乗りキャプテンシート仕様)

3列目シートもゆったりとしたサイズです

3列目シートもゆったりとしたサイズです

そして3列シートを採用しており、2列目をキャプテンシートにした7人乗りと、ベンチシートにした8人乗りが選べます。ボディの大きさは、室内空間の広さにも寄与しており、3列目の乗員もゆったりと座ることが可能です。

オーディオシステムには、長年インフィニティが採用し続けるBOSEのプレミアムオーディオシステムと名打った13スピーカーを擁するものを標準搭載しており、ノーマルでもかなり高品位な音響空間を実現しています。それでも物足りない、という方にはサラウンド対応のBOSE 15スピーカーシステムをオプションとして選択できます。

パワートレイン

最大サイズのV8エンジンを採用

パワートレインはガソリンエンジン1種類のみの設定です。

  • V型8気筒 5.6Lガソリン VK56VD 400HP(約406PS)

かつて日本市場でも日産 シーマやプレジデントに採用されていたVK型V8エンジンですが、VK56は排気量を5.6Lに拡大し改変バルブタイミングのVVELを組み合わせた、現時点でインフィニティ(日産)唯一のV8レイアウトであり、最大排気量のユニットです。マルチシリンダーで大排気量エンジンならではのスムーズさと、スポーティモデルのようなシャープさを巨大なSUVでも味わえる稀有な存在です。最近のトレンドとして、ダウンサイジングが謳われるなか、このよう味わいを楽しめるのは最後のチャンスかも知れません。

最大排気量のV8 5.6L VK56VDエンジン

最大排気量のV8 5.6L VK56VDエンジン

トランスミッションは7速ATのみを設定、駆動系は後輪駆動の2WDとAWDの2種類が設定されています。

サスペンション

オンロードもオフロードも安定した走りを提供

サスペンションは4輪全てにダブルウィッシュボーンサスペンションを採用しています。これに加え、前後重量配分は2WDモデルで51:49、AWDモデルで52:48と理想に近い設計になっており、この巨体でもバランスの良い走りを味わえます。

さらに、オプションでHBMC(Hyduralic Body Motion Control)が選択可能です。これは4輪独立サスペンションの油圧シリンダーを2系統の配管にすることで、路面からの衝撃を和らげるのに加え、コーナリング時のロールを抑える効果があります。そのため、走りはさらに安定しオフロードもオンロードも快適な乗り心地を提供します。

高い走破力はQX80がもつ魅力のひとつです

高い走破力はQX80がもつ魅力のひとつです

AWDモデルにはインフィニティ・オールモード4WDが組み合わされます。パトロール譲りのこのシステムがもたらす高い走破性は折り紙付きです。合わせて牽引能力はクラス最大となる約3.8トンを持っており、ボートからキャンピングトレーラーまでレジャーの幅を広げてくれます。

参考スペック

INFINITI QX80 5.6 AWD


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=5,339×2,029×1,925mm
ホイールベース:3,075mm トレッド前/後 1,714 x 1,724mm
エンジン▶︎水冷ガソリン V型8気筒ガソリン フロント縦置き
     5,552cc -mm x -mm -:1 406PS(298kW)/5,800rpm 560Nm(57.1kgm)/4,000rpm
駆動方式▶︎AWD  7速AT
懸架装置▶︎前:ダブルウィッシュボーン
▶︎後:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後 ベンチレーテッドディスク
タイヤ ▶︎前:275/60 R20 後:275/60 R20
燃料容量▶︎100L 車両重量▶︎2,783kg 最高速度▶︎-km/h 0-100km/h加速▶︎7.5秒
燃 費 ▶︎-km/L(欧州複合基準)-km/L(JC08モード日本仕様参考値)
価 格 ▶︎67,850ドル(アメリカ仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

ライバルモデル

高い走破性を誇るプレミアムSUVとしてレクサスLX、メルセデスベンツGクラスランドローバー レンジローバーの3台を挙げます。

レクサス LX

レクサス LX

メルセデスベンツ Gクラス

メルセデスベンツ Gクラス

レクサスLXは、トヨタが誇るオフローダーであるトヨタ ランドクルーザーをベースにレクサスならではのプレミアムな装備を奢ったモデルです。成り立ちやポジションとしてはQX80に近い存在と言えます。精度の高い各部のフィニッシュや質感の高いインテリアはレクサス車しての魅力を持ちつつ、世界最高峰とも言われるランドクルーザーの走破性も兼ね備えているため、さながら「オフロードのレクサスLS」とも言える一台。QX80同様、中東地域でも高い支持を得ています。

メルセデスベンツGクラスは、同社のSUVのなかでも最も無骨なSUVです。生い立ちは1970年代末、軍用用途として開発されゲレンデヴァーゲンと呼ばれたヘビーデューティなモデルでしたが、近年ではヘビーデューティさを残しつつも内外装のプレミアム化を図った結果、メルセデスベンツの豪華さに対して、質実剛健さや高い走破性も兼ね備えており市場で高い支持を得ています。2018年のシカゴモーターショーでは40年ぶりに新型モデルが発表になり、まもなく販売開始予定です(2018年現在)

ランドローバー レンジローバーは、英国が誇るプレミアムSUVです。ボディサイズはQX80より若干小さくなりますが、最大排気量のV8 5.0Lのスーパーチャージドエンジンは、500PSを上回るハイパワーなのに加え、悪路走破性は折り紙付き。さらに代を重ねるごとプレミアム性が高くなっており、上質な本革とウッドパネルが織りなす工芸品のようなインテリアは「英国製高級車」のイメージそのもの。まさにオフロードのロールロイスと言われているのも納得の一台です。

ランドローバー レンジローバー

ランドローバー レンジローバー

名だたるライバルに引けを取らない魅力を持っています。

名だたるライバルに引けを取らない魅力を持っています

日本のレクサス LX、ドイツのメルセデスベンツ Gクラス、イギリスのレンジローバー、どれも各国を代表するプレミアムSUVです。QX80はこれらの名だたるライバルに引けを取らない魅力を持っています。

バイヤーズガイド

グレード構成は基本的にV8 5.6LのVK56エンジンに7速ATを組み合わせたモノグレードですが、駆動方式が2WDとAWDが選択可能です。

そのぶん、パッケージオプションには、ブラインドモニタをはじめとする各種アシスタント機能がセットになったドライバーアシスタントパッケージをはじめ、リア向け8インチパッセンジャーモニターやHDMI入力端子を備えたシアターパック、さらに安定したドライビングを提供するHBMCシステムなどが装備されるデラックス テクノロジーパッケージが用意されています。

QX80を選ぶなら、AWDモデルに加え、オプションでデラックス テクノロジーパッケージの組み合わせはいかがでしょうか。これは、インフィニティのフラッグシップSUVとして、オフロードもオンロードも快適に走ることを目的としたチョイスです。

無骨で存在感のある大きなエクステリアに、質感高く上質なインテリア。ハンドルを握ると眼下には見晴らしの良い世界が広がります。オフロードもオンロード、どこまでも意のままに快適に走れるQX80のオーナーは、きっと世界を手の内に収めたかのように感じるかも知れません。

それこそQX80の魅力であり、この一台が「キングオブインフィニティ」と呼べる所以ではないでしょうか。

インフィニティ QX80紹介動画(約2分30秒)

QX80の日本導入の可能性

日本市場には、ほかのインフィニティのモデルが導入されていないのに加え、日産自身がY61型サファリ以降、大型SUVを導入していないため、導入される可能性は残念ながら少ないと考えられます。

しかし、同じ大型SUVのトヨタ ランドクルーザーの評判が高いのに加えて、プレミアムモデルのレクサス LXの販売が好調なことを考えると、導入の可能性は完全にないとは言い切れないかも知れません。

並行輸入という選択肢

日本市場に正規輸入されていないモデルも、並行輸入を行えば日本で所有できます。コアカーズを運営する並行輸入車販売店のYMワークスでは、インフィニティ QX80の並行輸入を承っております。並行輸入する場合の詳細な価格についてはお問い合わせ下さい。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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※本記事は2019年6月19日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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