ランドローバー レンジローバーを解説、日本未導入のディーゼルエンジンや並行輸入の情報も掲載。

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ランドローバー レンジローバー

レンジローバーはイギリスのランドローバー社が手掛けるラグジュアリーSUVで、世界中のセレブから支持されている、車好きなら誰もが知っているモデルです。本国イギリスには日本に正規導入されていない仕様がありますので、この記事でそれらについて解説するとともに、日本に並行輸入する方法にも触れていきます。

モデル概要

2013年にデビューした4代目ランドローバー レンジローバー(L405)は、初めてオールアルミモノコックが採用され、3代目と比べ最大420kgもの軽量化に成功したと言われています。本格的なオフロード性能と優れた動力性能、積載性と居住性、それらすべてが同居するラグジュアリーカーを目指して開発された1970年デビューの初代レンジローバーは、現在でも「レンジローバー クラシック」と称され多くの愛好家から熱い支持を受けています。2代目まではラダーフレームにリジットサス、3代目はモノコックに独立懸架と代を重ねるにつれてオンロード性能を重視した作りになり、高級SUVの地位を不動のものとしてきました。

現行のレンジローバー(L405)には、2,920mmのスタンダードホイールベールと、3,120mmのロングホイールベースがあります。2018年の日本仕様は、スタンダードがVogue、Autobiography、SVAutobiography Dynamicの3グレード、ロングがVogue、Autobiography、SVAutobiographyとこちらも3つのグレードが用意されています。イギリス本国では、スタンダードにVogue SEを加えた4グレード、ロングではVogueを省いた2グレードという構成になっています。

歴代 レンジローバー

歴代 レンジローバー

ハイライト

エクステリア

現代的な中に伝統のスタイリングも取り入れた外観

初代から3代目までの特徴である垂直に落とし込んだフロントフェイスは、4代目レンジローバー L405となってスラントノーズとなり、より現代的になりました。しかし、リアウインドウの角度や大きく取ったグラスエリアなどは、それまでのイメージも踏襲。新しさと伝統をうまく融合させたエクステリアと言えるでしょう。

イギリス仕様のホイールは、最も小径のVogueで20インチ、Vogue SEとAutobiography、SVAutobiography ロングが21インチ、SVAutobiography Dynamicが22インチとなります。また、イギリス仕様のヘッドライトはVogueとVogue SEがマトリクスLED、AutobiographyがピクセルLED、SVAutobiography DynamicとSVAutobiography ロングがピクセルレーザーLEDで全車シグネチャーデイライト付き。Autobiography以上にはフォグランプが標準装備となります。ルーフの仕様も日本と異なり、VogueとVogue SEは固定式のパノラミックルーフ、その他のグレードはスライディング・パノラミックルーフが標準装備となります。LEDテールライトやレインセンサー付フロントワイパー、ヘッドライトウォッシャーなど日本と同じく標準装備となるほか、ウインター・ワイパーパークポジションも標準です。

ランドローバー レンジローバー

ランドローバー レンジローバー

ランドローバー レンジローバー

ランドローバー レンジローバー

インテリア

贅を尽くし快適さと機能性を追及したインテリア

レンジローバー L405のインテリアは、目に見える部分、身体が触れる部分、その全てにおいて高級感と本物の上質さに満ち溢れています。可能な限り数を減らしたスイッチ類は、外観のフィニッシュはもちろん、操作感に至るまで上質。シンプルで落ち着いた空間を作り出しています。

ランドローバー レンジローバー インテリア

ランドローバー レンジローバー インテリア

イギリス本国仕様では、後席の快適性を極限まで高めた定員4名のエグゼクティブクラスリアシートが、Vogue以外のすべてのグレードでオプション選択可能です(SVAutobiography ロングは標準装備)。シート素材はVogueがウインザーレザー、Vogue SEとAutobiographyがセミアリニンレザー、SVAutobiography DynamicとSVAutobiography ロングはキルテッド・セミアリニンレザーとなります。Vogueは全席シートヒーター付き、Vogue SE以上はシートヒーターに加えてクーラー機能も全席に装備されます。

エアコンはVogueとVogue SEが3ゾーン、Autobiography以上が4ゾーンのクライメートコントロールで、Autobiography以上には半径100メートル以内で操作可能なリモートパークヒートを標準装備。気温が低い時期にあらかじめ車内を暖めておくことが可能です。前席のヘッドレスト部にモニターを設置するリアシート・エンターテイメントは、VogueとVogue SEは8インチまたは10インチ、Autobiographyは10インチがオプション装着可能です。SVAutobiography Dynamicでは10インチがノーコスト・オプション、SVAutobiography ロングは10インチを標準装備します。このほかにも贅を尽くした装備が満載。レンジローバーが真のラグジュアリーSUVとして世界中から認められていることが十分納得できます。

レンジローバー SV オートバイオグラフィー リアシート

レンジローバー SV オートバイオグラフィー リアシート

パワートレイン

日本仕様と異なるエンジン、4.4L V8ターボディーゼルも存在

日本で販売されているレンジローバーと本国仕様では、エンジンの種類が異なるほか、出力が異なるものがあります。ここではイギリス本国仕様に絞って解説します。

まずガソリンエンジンですが、3.0L V6(344ps/450Nm)、5.0L V8(532ps/625Nm)、5.0L V8(572ps/700Nm)の3種類。ディーゼルは3.0L V6(261ps/600Nm)、4.4L V8(343ps/740Nm)の2種類です。このほかに2.0LのPHEV(プラグイン・ハイブリッド 409ps/640Nm)がありますが、日本と充電規格が異なるため割愛します。日本に導入されているエンジンとパワーを比較すると、そのほとんどで本国仕様の出力が若干上回っています。

日本に導入されていないのが、4.4L V8ディーゼルエンジンです。ガソリンのトップエンドである5.0L V8スーパーチャージドエンジンを40Nm上回る740Nmというモンスター級のトルクを、1,750~2,250rpmで発揮するとんでもない代物です。このエンジンは、イギリスではSVAutobiography Dynamic以外のすべてのグレードで選択できます。この他にも、日本仕様のSVAutobiography ロングは5.0L V8・550psエンジンのみの用意ですが、イギリスでは3種類から選べるなどユーザーの多様なニーズに応えています。

トランスミッションは副変速機の付いた8速オートマティック。駆動方式は電子制御式センターデフを採用したフルタイム4WDで、ディーゼルとガソリンのトップエンドエンジンではアクティブ・リアロッキング・ディファレンシャルを装備しています。

レンジローバー エンジンルーム

レンジローバー エンジンルーム

サスペンション

高い悪路走破性とオンロードでの優れた乗り心地を両立

レンジローバー L405のサスペンション形式は、フロントがマクファーソンストラット、リアがダブルウィッシュボーン。前後ともクロスリンク電子制御エアサスペンションを採用しており、バネ形式もエアスプリングです。かつて「砂漠のロールスロイス」と言われたように、従来よりオン・オフどちらでも快適な乗り心地を誇っていましたが、電子制御技術を惜しみなく投入することでさらに磨きをかけています。

V8エンジンは、ガソリン・ディーゼルともにダイナミック・レスポンスを標準装備。コーナリング時のロールを抑制して操縦安定性を高めます。また、オートマティックアクセスハイトを全車標準装備し、乗降時に最大50mm、自動的に車高を低くすることで乗り降りの負担を軽減します。Vogue SE以上のグレードでは、テレインレスポンス2とATPCを標準装備(Vogueはオプション)。テレインレスポンス2は、走行状況を常にモニタリングし、エンジン・ギアボックス・サスペンション・センターデフなどのセッティングを自動的に最適化するシステムです。ATPCはオールテレイン・プログレスコントロールの略で、極限の環境下で時速2km~30kmの間でオートクルーズ走行できるシステムで、ドライバーはハンドル操作に集中することができます。このほか、急勾配の下り坂で4輪個別にブレーキをかけて一定の速度を保ち、ドライバーをアシストするヒルディセント・コントロールは全車が装備しています。

ランドローバー レンジローバー

ランドローバー レンジローバー

ランドローバー レンジローバー

ランドローバー レンジローバー

参考スペック

ランドローバー レンジローバー Autobiography Long Wheelbase 4.4L SDV8 8速AT(343ps)


寸   法   ▶︎全長x全幅x全高 = 5,205 x 1,985 x 1,865 mm
              ホイールベース:3,120mm    トレッド:前/後 1,690 mm/ 1,685 mm
エンジン▶︎4.4L V8ディーゼルターボ
     4,367cc     343ps/3,500rpm     740Nm/1,750-2,250rpm
駆動方式▶︎フルタイム4WD     副変速機付8速ATオートマチックトランスミッション
懸架装置▶︎前:クロスリンク電子制御エアサスペンションマクファーソンストラット
              後:クロスリンク電子制御エアサスペンションダブルウィッシュボーン
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク     後:ベンチレーテッドディスク
タイヤ   ▶︎前:275/45 R21     後:275/45 R21
燃料容量▶︎86L     車両重量:2,592kg(5人乗り)     最高速度:217km/h     0-96km/h加速:6.6 秒
燃   費   ▶︎8.4km/L(欧州複合基準) -m/L(JC08モード日本仕様参考値)
価   格   ▶︎112,900ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください

ライバルモデル

本格的なオフロード性能とラグジュアリーさを併せ持つレンジローバー L405のライバルとして考えられるのは、メルセデスベンツ Gクラスやレクサス LXでしょう。

メルセデスベンツ Gクラス(ゲレンデバーゲン)は、1970年の登場から40年近くに渡って生産されてきたロングセラーモデル。2018年1月のデトロイトモーターショーで、ついにフルモデルチェンジを果たす2代目がデビューしました。詳細はまだ明かされていませんが、デザインやコンセプトはそのまま継承し、弱点だった室内の狭さを解消したラグジュアリーSUVの名に相応しいインテリアに生まれ変わっています。日本でも発売される日が待ち遠しいモデルです。

メルセデス・ベンツ Gクラス

メルセデス・ベンツ Gクラス(2018)

レクサス LX

レクサス LX

レクサスLXは、トヨタ ランドクルーザー 200の兄弟車に当たり、日本では2015年から販売されましたが、海外では1996年、ランクル 80をベースに初代がデビューしています。基本設計はランクル 200と共通なので、その悪路走破性は世界でも屈指の実力。内外装はレクサス得意のスタイリッシュで贅沢な造りとなっており、先進の技術で武装しています。特に中東での人気が高く、信頼性・快適性はもちろん、ステータス性も抜群です。

現行のW463 メルセデスベンツ Gクラス、レクサス LXともに本格オフローダーの資質としてラダーフレームを採用しています(新型Gクラスは2018年1月現在詳細不明)。これらに対し、レンジローバー L405はオールアルミモノコックを採用することでボディの軽量化を図り、よりオンロードの快適性を重視しています。もちろんオフロード性能を蔑ろにはしておらず、過酷な環境下でも安全に運転できるレンジローバーならではの性能を有します。近年は、ベントレー ベンテイガやマセラティ レヴァンテ、ランボルギーニ ウルスなど超高級なクロスオーバーSUVも登場し、このカテゴリは活況を呈していますが、そんな中でレンジローバーは、高級で充実した装備と卓越したオールラウンド性能でライバルをリードし続ける存在と言えるでしょう。

バイヤーズガイド

レンジローバーを並行輸入するのであれば、やはり日本に導入されていない4.4L V8ディーゼルターボエンジンを搭載したモデルがおすすめです。レンジローバーという車格から考えて、走り出しの鋭さやコーナリングスピードを重視する方はあまりいらっしゃらないと思いますが、ロングホイールベースの5人乗り約2,600kgの巨体を、740Nmという大トルクでやすやすと加速させる感覚は、他ではなかなか味わえないものです。あくせくせずに悠々とクルージングするのがレンジローバーらしい走りですが、必要とあらばアクセルペダルをわずかに踏み込むだけで、背中をシートに押し付けられる加速が得られます。

ショーファードリブンカーとしてお使いの場合は、ロングホイールベースのエグゼクティブクラスリアシートがおすすめです。航空機のファーストクラスのような最上の寛ぎが得られます。4.4L V8ディーゼルはSVAutobiography Dynamic以外のすべてのグレードで選択できます。ロングホイールベースをお求めの場合はAutobiographyかSVAutobiography Long Wheelbaseとなります。全長200mmの拡大はそのままホイールベースの拡大となり、後席の居住スペースがスタンダードより格段に広くなります。

最上の寛ぎが得られるエグゼクティブクラスリアシート

最上の寛ぎが得られるエグゼクティブクラスリアシート

2018年現在のレンジローバー L405 4.4L V8ディーゼルターボエンジン 日本導入の可能性

現行レンジローバーの日本における車体価格は1,420万円~2,944万円となっており、輸入車の中でもかなり高額な部類です。すでに3.0L V6ディーゼルを日本にも導入していますが、高級車とディーゼルエンジンが結び付きづらい土壌が日本には未だにあります。また、トップエンドに5.0L V8スーパーチャージド(550ps/680Nm)のガソリンエンジンを据えており、これをトルクで上回る4.4L V8ディーゼルは、少なくとも下位グレードに搭載される可能性は極めて低いでしょう。

ランドローバー レンジローバー

ランドローバー レンジローバー

並行輸入という選択肢

日本市場に正規輸入されていないモデルも、並行輸入を行えば日本で所有できます。一例としてコアカーズを運営する並行輸入車販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したレンジローバー Autobiography Long Wheelbase 4.4L SDV8 (343ps – 8速AT)の乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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現地法人公式サイト・コンフィギュレーター

ランドローバー 英国 レンジローバー オフィシャルサイト(LANDROVER UK RANGEROVER)
ランドローバー 英国 レンジローバー コンフィギュレーター(LANDROVER UK RANGEROVER)

※本記事は2018年1月23日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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