このモデルには新型・後継モデルが既に発表あるいは発売されています。並行輸入中古車のご相談は承りますが最新情報は以下の記事をご覧ください。
フォード フィエスタST(Ford Fiesta ST)はヨーロッパフォードが販売するBセグメントカー、フィエスタのスポーツモデルです。欧州市場で3年連続クラスNo.1の販売実績を誇るフィエスタをベースにしたSTの完成度の高さは、現地のユーザーや評論家から高い評価を受けています。しかし残念ながら日本市場には2ペダルの標準仕様しか正規輸入されておらず、今後の導入予定も未定です。
そこでヨーロッパフォードのスポーツモデルで数多くの並行輸入実績を持つYMワークスでは、この魅力的なホットハッチであるフィエスタSTを、日本でも使いやすい右ハンドル仕様で並行輸入いたします。
この記事の目次
フォード フィエスタSTの特徴
フォード フィエスタSTの開発は、1963年にイギリスに設立された、フォードのモータースポーツ部門であるフォードチームRSの手によって行われています。フォードチームRSは1969年の17M/20M RS(P7ベース)、15M RS(P6ベース)を皮切りに、代々のエスコートやシエラ、そしてフォーカスにRSグレードを設定、ヨーロッパフォードのスポーツイメージを形成してきました。
いっぽうで徹底的に硬派なRSに対して、本格的なサーキット走行のみならず、日常域も含めてバランスの取れたグレードとして設定されているのが、Sports Technologyを意味すると言われる”ST”です。最初のSTは1997年のモンデオST24でしたが、2004年にはフィエスタにもSTが設定されました。とくにこのフィエスタSTは、チームRSが全面的に開発に携わり、STがノーマルモデルの最上級グレードから、マイルドなRSという位置づけへと変わるターニングポイントとなったのです。そんなフィエスタSTですが、2008年のモデルチェンジを機に、一旦ラインアップから途絶えていました。
最新のフィエスタSTは、2013年にベースモデルのフィエスタがフェイスリフトされた際に、満を持して復活したものです。自然吸気エンジンに代わってダウンサイズターボを搭載した新型フィエスタ STは、先代を遥かに凌ぐパフォーマンスを発揮します。
フォード フィエスタST プロモーションビデオ(約50秒)
専用パーツで彩られたエクステリア
エクステリアは、専用デザインのフロントスポイラーや17インチホイール、リアスポイラーやデュアルエグゾーストパイプにより、標準モデルとは異なる独特な存在感を発揮します。
ボディカラーは厳選された5色での展開となり、この中には、シャドウブラック、スピリットブルー、モッテンオレンジという3つのST専用色も含まれます。(モッテンとはドイツ語で蛾を意味します)
ボディタイプは、ヨーロッパではボディ剛性で有利な3ドアハッチバックのみが設定されています。
赤を基調にSTらしさが演出されたインテリアにはレカロシートが標準装備
インテリアは、スポーツモデルとして大幅に手が加えられています。
注目は専用設計のレカロ製セミバケットシートで、視覚的に気分を盛り上げてくれるのはもちろん、スポーツ走行に必要なサポート性の高さと、日常使いで大切な乗降性の良さや乗り心地を両立させています。このレカロシートはグレードによって細部が異なり、表皮が赤くコーディネートされた仕様もあります。
ステアリングもスポーツ走行に適した、グリップ部分が太くなった専用のものが付属します。ほかにも、スポーツペダルの標準装備、ダッシュボードやドアのスカットルプレートの赤いアクセント、ルーフライナー(天井の内張り)が黒になるなど、スポーツモデルとしての差別化が行われています。
オーバーブースト機構付きの1.6T EcoBoostエンジン
心臓部には、先代の直列4気筒の2.0L自然吸気に代わって、直列4気筒の1.6Lのガソリンターボエンジンが採用されています。
このエンジンは1995年に登場したシグマエンジンを基本設計とするもので、カタログでは登場時のゼテックSEから、改良に併せてゼテックS、デュラテック、デュラテック Ti-VCT(吸排気可変バルブタイミングの意)と名前を変えてきました。そして2010年のターボ化で、新たにエコブースト(EcoBoost)という愛称が与えられています。
スペックは182PS、240Nmで十分に高性能ですが、更にオーバーブースト時には290Nmを発揮し、これを専用チューンの6MTを介して前輪に伝えます。
最高速度は224km/hに達し、0-100km/h加速は6.9秒、また4速固定での50-100km/hは6.4秒です。
燃費はスポーツモデルとしては十分に良好な経済性
欧州複合燃費は16.9km/Lです。標準のフィエスタで選択できる直列3気筒1.0L仕様の23km/Lには流石に及びませんが、性能を考えれば十分に良い燃費性能だと言えるでしょう。
またフィエスタSTを含む全てのフィエスタには、オルターネーターによるバッテリーへの充電が負荷に応じて最適化されるようになっており、実燃費の向上に寄与しています。
ニュルブルクリンクで鍛えられた足回り
ヨーロッパに留まらず、世界中の各社がベンチマークのひとつとして掲げているドイツのニュルブルクリンクサーキット北コースで、フォードもまた、フィエスタSTの開発に際して5,000km以上のテスト走行を行い、足回りを煮詰めました。
前後サスペンション形式は標準モデルを継承していますが、専用セッティングにより最低地上高は15mm低くなっています。
またコーナリング時に内輪側にブレーキをかけて外輪側にトルクを配分し、旋回力を最適化する、トルクベクタリングコントロールも搭載されています。ほかにも電制関係では、横滑り防止装置を完全にオフにできるほか、多少の横滑りを許容するワイドスリップモードも備わります。
総評
ここまで主に標準モデルに対しての変更点についてお伝えしてきました。その高い性能は、細部からも伺えるのではないかと思います。
ただし、フィエスタSTは絶対的に速いホットハッチではありません。詳細は後述しますが、近年のターボの普及などにより、このクラスのホットハッチの性能は進化したため、ライバルに比べるとフィエスタSTの性能はむしろ大人しい部類に入ります。
フィエスタSTの魅力は、純粋な速さだけを求めたことではなく、STというコンセプトに則して、スポーツ走行のみならず日々の生活でも使いやすいバランスの良さを実現したことにあります。これは、ホットハッチと呼ばれるジャンルのクルマがもつ、本来の美点にも通じるものです。ほかのホットハッチを試してみてどこか物足りないと感じられた方には、フィエスタSTは検討に値する1台です。
また、ヨーロッパではライバル勢に対して割安な価格設定になっているのも訴求点です。乗り出しの費用を抑えて、自分好みにカスタマイズしていくという楽しみ方をする場合も、フィエスタSTは魅力的なモデルです。
フォード フィエスタSTのライバルとその評価
フォード フィエスタSTのライバルはボクスホール コルサVXR/オペル コルサOPC、フォルクスワーゲン ポロGTI、プジョー 208GTi、ルノー クリオRS(日本名ルーテシアRS)、スイフトスポーツなど多数が挙げられます。
この中で真正面から競合するのが、フィエスタSTと同じく1.6Lのターボエンジンに6MTのみを組み合わせているコルサVXR/OPCと208GTiの2車種です。いずれもエンジンの出力や加速力、最高速度ではフィエスタSTを僅かに上回りますが、サーキットでタイムを削るわけでなければ誤差といえる範囲です。またコルサVXR/OPCでオプション設定されている機械式LSDには及ばないものの、フィエスタSTには標準でトルクベクタリングが搭載されていることが優位点といえます。
クリオRSはこのクラスで随一のパフォーマンスを持ちますが、現行モデルでは2ペダルに特化している点が賛否を呼んでいます。この点で3ペダルを堅持するフィエスタSTとは、ややコンセプトの異なるモデルと言えるかもしれません。
ポロGTIは2014年のマイナーチェンジで、それまでの1.6Lターボに代えて1.8Lターボへのアップサイズが行われたことが話題になりました。6MTと7DSGの両方を選択可能で、とくに6MT仕様の最大トルクは320Nmに達します。いっぽうで標準の足回りははっきりと固く、また日本仕様では可変ダンパーが標準装備されるなど、パッシブな足回りでオールラウンドに対応するライバルとはコンセプトの違いが感じられます。総じてVWの上級モデル同様に、ハイテクで武装したグランドツーリングカーという趣の強いモデルです。
スイフトスポーツの1.6L自然吸気エンジンのスペックは、今となってはライバル勢に遠く及ばないものです。しかしその足回りは、近年主流だったフロントサスを動かしてリアサスを固めるという手法ではなく、リアサスをしなやかに動かす古典的ともいえる手法が用いられており、ひと味違う作りこみとして評価されています。これはヨーロッパフォードの設計思想にも近いものです。
近年のホットハッチの性能向上は、各社が理想とするコンセプトの違いを明確化させているとも言えるでしょう。その中でのフィエスタの美点は、バランスの良さにあります。
フォード フィエスタST プロモーションビデオ(約90秒)
フォード フィエスタSTのグレード、装備とオプション
フィエスタSTは、ST-1、ST-2、ST-3の3グレードで構成されています。ST-1でも必要十分な装備は揃っていますが、ST-2にはプッシュボタンスタートが追加され、レカロシートも、カラーコーディネートされたシートヒーター付きのハーフレザー仕様となります。ST-3ではさらに、スマートキー、クルーズコントロール、オートエアコン、オートワイパー、オートライト、自動防眩ルームミラー、電動格納ドアミラーなどが追加され、ノーマルモデルの最上級仕様であるタイタニアムXに近い充実した装備内容となります。
また専用のオプションとして、メタリックグレーのホイール、イルミネーション付きのスカッフプレート、レッドブレーキキャリパーをセットオプションとした、STスタイルパックが£275で用意されています。ST-2では、電動格納ドアミラーやスマートキー、オートライトなどをオプションで追加可能です。
フォード フィエスタST 製造風景(約90秒)
フォード フィエスタSTのベストバイ
クルーズコントロールなどの快適装備が充実している、最上級グレードのST-3をおすすめします。ST-2に対して£1,000、ST-1に対して£2,000高価になりますが、長距離の高速移動でも快適ですし、ST-2にオプションを追加するよりも割安な設定です。
もちろん走りを優先して、ベース車としてST-1を選んでも楽しめるかと思います。特にフルファブリックのシートは見た目こそ地味ですが、シート自体のグリップ力という点ではハーフレザーに対して優位性があります。
フォード フィエスタSTを日本に並行輸入した場合の乗り出し価格は?
フォード フィエスタSTを並行輸入したb日本国内乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。
フォードジャパンでは、フィエスタSTを正規輸入車として導入していませんので、手にいれるには並行輸入が現実的な方法です。YMワークスではフォードのスポーツモデルの多数の輸入実績があります。購入後のサポートや、カスタマイズもおまかせください。
既に生産終了、あるいは新型・後継モデルが発表済のモデルです。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。ご対応ができない場合もございます。
※輸入国からの輸送料、各種税金、検査費用、登録諸費、納車費用(大阪近郊)は全て含まれています。
※正式なお見積り、遠方への納車費用など、改めてご提示いたしますのでお問い合わせください。
金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスしてください。
高年式フィエスタSTの輸入中古車も狙い目
乗り出し価格を抑えられる、現地で流通している高年式のフィエスタST中古車やディーラーデモカーなどもオススメです。中には、最新年式で走行10-100マイル程度の極上コンディションの個体も出ています。
以下のものは、一例ですが、他にも魅力的な条件のものが多数出ております。ご希望をお聞かせいただければ、条件に近いものをお探しいたします。是非お問い合わせください。
フォード フィエスタのカスタマイズはYMワークスにおまかせを
フォード フィエスタSTは、ヨーロッパでは幅広いカスタマイズでも楽しまれています。例えばフォードと関係の深いチューナーであるモンチューンパフォーマンスは、フィエスタSTに合わせたチューンアップキットを、フォードから純正オプション相当としての認定を受けて販売しています。吸気系に手を加えるMP215では最高出力が215PSに、吸排気系に大幅に手を加えるMR230では最高出力が230PSに向上し、後者の0-100km/h加速は5.9秒まで短縮されます。
YMワークスでは現地モンチューンの技術スタッフのサポートを受けており、現地同様の水準でのカスタマイズを可能としています。他にもYMワークスでは、ホットハッチへの機械式LSD取り付けなど、数多くの実績があります。YMワークスでは、フォード フィエスタSTを、あなただけの特別な1台にするお手伝いができます。是非ご相談ください。
フォード フィエスタST サーキット走行動画(約2分30秒)
スペック表
車名 | フォード フィエスタ ST / Ford Fiesta ST |
サンプルモデル | ST-3 |
英国販売価格 | £19,645 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 3 |
カラー | レースレッド(標準色) フローズンホワイト(OP) シャドウブラック(OP/MTL) スピリットブルー(OP/MTL) モッテンオレンジ(OP/PAL) ※OP:有料オプション ※MTL:メタリック塗装 ※PAL:パール塗装 |
全長x全幅x全高 | 3990 × 1720 × 1475 mm |
ホイールベース | 2490 mm |
トレッド(前/後) | 1470mm / 1460mm |
車両重量(乾燥) | 1163kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 6速マニュアルトランスミッション |
エンジンタイプ | 水冷直列4気筒ターボ |
総排気量/内径x行程 | 1596cc/79.0×81.4mm |
圧縮比 | 10.0 |
最高出力 | 103kW(182ps)/6500rpm |
最大トルク | 240Nm/3500rpm (オーバーブースト時290Nm) |
燃料タンク容量 | 42L |
燃費 | 約16.9km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク / ディスク |
タイヤ/ホイール | 205/40R17 |
最高速度 | 223km/h |
0-100km/h加速 | 6.9秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車両詳細画像ギャラリー
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・フォード英国 フィエスタST オフィシャルサイト(FORD UK)
・フォード英国 フィエスタST コンフィグレーター(FORD UK)
・フォード英国 フィエスタST カタログダウンロード 一覧(英語版)
・モンチューンパフォーマンス フィエスタST
※本記事は2018年4月30日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。