2014年に発表されたシトロエン C4 カクタス(CITROEN C4 Cactus)のデザインを見て、ワクワクされた方は多いのではないでしょうか。ヨーロッパでも発売直後から大人気を集め、発売年だけでも7万4千台のセールスを記録しました。
C4 カクタスは、C4の派生車種として設定されているものの(プラットフォームはC3と共通のPF1プラットフォーム)、全く新しいコンセプトの乗用車としてシトロエンが世界に向けて提案するものです。徹底して無駄を省いた軽量設計、傷のつかない柔らかいバンパー、設計の新しいエンジンによる高い経済性と低燃費は、C4 カクタスを見た目のインパクトだけに留まらず、魅力的な存在に押し上げています。
今回はそんなシトロエン C4 カクタスについて徹底解説します。日本にも2016年に台数限定で導入される予定のC4 カクタスですが、MT仕様やディーゼルエンジンモデルなど、お好みの仕様で並行輸入してみませんか?
この記事の目次
2CVの再来!?シトロエン C4 カクタスの特徴
アンドレ・シトロエンの誕生日にデビュー
シトロエン C4カクタスは、2013年のフランクフルトモーターショーにコンセプトカーが発表され、翌2014年のジュネーブモーターショーでデビュー。ちなみにデビューした2月5日はシトロエンの“父”、アンドレ・シトロエンの誕生日でした。
「The car that answers today’s questions.──いまのユーザーの要求や願いをかなえるクルマ」をキャッチフレーズに、シトロエンはC4カクタスの特徴を4つのキーワードで表現しています。すなわち、デザイン、コンフォート(快適さ)、テクノロジー、所有コストの低減。これらは全て、ドライバーの豊かな生活をかなえるという目的から導き出されていて、1948年にデビューした2CVと思想的につながります。そういうことから、このニューモデルを2CVの再来と考える人も多いようです。本来のシトロエンらしさを感じるのは、明快なコンセプトによるものといえます。
2013年フランクフルトモーターショーのカクタス コンセプトカー紹介動画
エクステリアデザインは、「エアバンプ」に注目!
このデザインこそが、C4カクタスの個性であり、最大の購入動機ではないでしょうか。
何といっても特徴的なのは、「エアバンプ」でしょう。これ、チョコレートじゃない? と思えるような素材がボディサイドをはじめフロント周辺やリアにセットされています。実際に押してみると弾力があり、ちょっとした衝撃なら吸収してくれる本当のバンパーとなっています。カタログではインベーダーゲームのインベーダーが攻撃をしかけてきていますが、C4カクタスはびくともしません。下にカタログダウンロードのリンクを付けておきましたので、ぜひご覧ください。
日常生活でも、駐車場でのドアパンチや自転車のすり抜けなどがあった場合でもより安心でしょう。一見すると突飛なアイデアのようですが、周囲の人への思いやりやいざというときの安全性、さらに修理代の節約など、さまざまなメリットが集約されたグッドアイデアだといえます。
全体の造形はいたってシンプル。動物などの生き物を思わせる丸みを帯びたシンプルなデザインは、アウトドアでも街中でも、周囲の風景におだやかにとけ込みそうです。この造形が、シトロエンが考えるこれからの移動体の姿なのでしょう。
柔らかな座り心地がシトロエンらしい、インテリア
最近のフランス車のシートは固くて・・・そんな悩みをお持ちのあなた、このC4カクタスのシートをご覧ください。見るからに分厚い構造で、シトロエンがリビングルームに喩えるのも納得できるはずです。さらに、ETG(2ペダルのシングルクラッチトランスミッション)搭載車では、フロントがベンチシートになります。いまとなっては新鮮でおしゃれに感じますし、このクルマのキャラクターにもぴったりです。
助手席のエアバッグを天井にセットしたため、最近のクルマにはめずらしくダッシュボードが低いことも室内をさらに広く感じさせています。これまでの発想にとらわれず、快適さや安全性を追求する点はシトロエンらしさを充分に感じさせてくれます。
内装トリムは「ストーングレー・アンビエンス」「パープル・ハイライト」「ハバナ・ハイライト」の3種類が用意されています。葉巻色ともいえる濃いベージュとクロのコンビのハバナ・ハイライトなどは、室内も明るく見えてこのクルマの雰囲気に合っているように感じます。
メーターは、シトロエンらしく液晶によるデジタル表示。そのすぐ左にはメーターよりも大きな液晶パネルが用意され、ここにオーディオや、オプション(上位グレードでは標準装備)のカーナビゲーションシステムの情報などが表示されます。
ピュアテック3気筒の新エンジンと軽量ボディで、20km/L以上を発揮
C4 カクタスのエンジン構成は以下のような内容です。
【ガソリンエンジン(PureTech)】
- PureTech 75 5MT
- PureTech 82 5MT
- PureTech 82 S&S 5ETG
- PureTech 110 S&S 5MT
日本にも導入されていてお馴染みの新世代ガソリンエンジン「PureTech」はいずれも直列3気筒の1.2L。数値はおおよその出力を示しますが、110ps仕様は直噴ターボ、他はポート噴射の自然吸気です。S&SはStart&Stopの略で、日本流に言うならばアイドリングトップシステム。MTとETGはいずれも5段変速です。
【ディーゼルエンジン(BlueTech)】
- BlueHDi 100 5MT
- BlueHDi 100 S&S 5MT
- BlueHDi 100 S&S 6MT
ディーゼルエンジンは、最新の排ガス規制にも対応したBlueHDiをラインアップ。直列4気筒の1.6Lで、100psを発揮します。ガソリンエンジンよりも重い代わりに、ガソリンエンジンを凌ぐトルクが魅力です。
燃費はどの仕様でも基本的には優秀です。軽さを活かして軽快に走るPureTech仕様は、上位のアイドリングストップ付きが欧州複合モードで23km/L以上をマーク。ディーゼル仕様はアイドリングストップ付きなら32.2km/Lと巷のハイブリッドカーに匹敵する数値を叩き出します。
2014年ジュネーブモーターショーのカクタス紹介動画
毎日乗っても楽しい、新世代シトロエン
C4カクタスは、エアバンプに代表されるシンプルで革新的なデザイン、軽量ボディがもたらす快適な走りと優れた環境性能、ミニマルでありながら快適で便利なインテリアなど、シトロエンならではのイノベーションが詰まったユニークなクルマに仕上がっています。
C4カクタスは、まさに新世代シトロエンの象徴だともいえるモデルです。
シトロエン C4 カクタスはライバル不在!?
シトロエン C4 カクタスはモデルのカテゴリー自体を括りにくいために、具体的に比較検討するライバルを探すのは難しいかもしれません。登場から時間を置いて「Rip Curl」というクロスオーバーグレードも追加されていますが、たとえばルノー キャプチャーやプジョー 2008と比較する人はあまりいないかもしれません。
今までなかったカテゴリーを開拓しようとしているという点では、C4 カクタスのライバルと言えるモデルも存在します。例えばフィアット 500Lは、オリジナルの500の雰囲気から随分と離れてしまいましたが、室内にコーヒーメーカーを設置するなどリビング空間を作り上げ、これでどうだ!と言わんばかりのモデルに仕上げています。ミニ クロスオーバーはボディサイズは全く小さくないものの、やはりミニのカタチをしたクロスオーバーとして成立させています。ただC4 カクタスは、過去のモデルに名前を借りなかったという点で、より野心的な存在と言えるかもしれません。
またC4 カクタスの姿に、かつての日産 ラシーンを重ねた方もいるかもしれません。量産車のサニーをベースにしながら、独自の存在感を確立していたラシーン。C4 カクタスは、ある意味では日産 ラシーンの再来かもしれません。
C4カクタスの装備とオプション
グレードは3タイプ。ベーシック装備の「Touch」、中間グレードの「Feel」、フル装備の「Flair」を基本として、「Flair」をクロスオーバー風に仕立てた「Rip Curl」と、さらにプレミアムな仕立てにした「Flair Edition」が用意されています。
エマージェンシーブレーキアシスト付きのABS、電子スタビリティコントロール、スピードリミッター付きクルーズコントロールなどの安全装備がグレード問わず装備されるのは、さすがヨーロッパのクルマといえます。ただし、Touchはエアコンレスで、オプションでも選択できないため、日本で乗るには、ちょっと厳しい部分もあるかもしれません。
「Feel」ならば、エアコンがマニュアルになったり、カーナビがオプション扱いになったりという点はありますが、C4 カクタスで謳われるミニマリズムをバランス良く体現しているグレードかもしれません。あとはお好みで、上位グレードを選んでも良いでしょうし、カスタマイズを検討されても楽しいかと思います。「Feel」ではオプション設定でオートエアコンやガラスルーフなど、上位グレードとの装備差を埋めることもできるので、まずは「Feel」を基準にグレードを検討されると良いかもしれません。
シトロエン C4 カクタスを並行輸入するなら?
プジョー・シトロエン・ジャポンはC4 カクタスを日本に200台限定導入することを決定しました。日本の道路事情にマッチしたEAT(トルクコンバーター式AT)の追加採用を待っているのではというのがもっぱらの噂でしたが、C4 カクタスのコンセプトを取り入れた新しいC3も発表された今、先にC4 カクタスを導入して知ってもらおうという試みではないかと考えられます。設定されるのはやはり日本での需要を鑑みて、ガソリン82ps仕様にETG5との組み合わせになると見られており、内外装の組み合わせを絞り、価格を抑えて販売される見込みです。
一方イギリス仕様のカクタスは、ボディーカラーを11色設定、また一部の色ではエアバンプの色の組み合わせも変更可能なので総計24色のボディカラーが存在します。このそれぞれに複数の内装色が設定されているので、内外装の組み合わせは実に53通りにも達します。
新車を並行輸入するメリットは、欲しい仕様を確実に購入できることです。C4 カクタスを並行輸入されるときは、日本未導入の組み合わせにトライしてみても良いかもしれません。
注目の並行輸入、日本国内の乗り出し価格は?
現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。
※国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。
ムスケティア/MUSKETIER デモカー紹介。カスタムやチューニングもお任せ!
世界最大級のプジョー・シトロエンチューナー、ムスケティア(MUSKETIER)では、オンロード版とオフロード版のC4 カクタスのカスタムをラインアップ、コンプリートカーを公開しています。
シトロエン自身もRip Curlというクロスオーバールックのグレードを追加してラインアップしましたが、ムスケティア版はまた異なる雰囲気を実現しました。あなただけの特別なC4 カクタスを作り上げてみてはいかがでしょうか?
スペック表
車名 | シトロエン C4 カクタス / CITROEN C4 Cactus |
サンプルモデル | ピュアテック 110 S/S 5MT |
英国販売価格 | £16,815 (Feel) / £18,090 (Flair) |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | ハローイエロー(標準色) ポーラーホワイト(OP) タプナードグレー(OP) スプリントレッド(OP) ブルーラグーン(OP) アークティックスティール(OP/MTL) シャークグレイ(OP/MTL) オブシダンブラック(OP/MTL) ディープパープル(OP/MTL) パールホワイト(OP/PAL) ※OP:有料オプション ※MTL:メタリック塗装 ※PAL:パール塗装 |
全長x全幅x全高 | 4157 × 1729 × 1480 mm |
ホイールベース | 2595 mm |
トレッド(前/後) | 1479mm/1480mm |
車両重量(乾燥) | 1020kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 5MT |
エンジンタイプ | 水冷直列3気筒DOHC 12Vターボ |
総排気量/内径x行程 | 1199cc/75.0×90.5mm |
圧縮比 | 10.5 |
最高出力 | 110ps/5500rpm |
最大トルク | 20.9kg-m/1500rpm |
燃料タンク容量 | 50L |
燃費 | 約21.3km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク/ドラム |
タイヤ/ホイール | 16/17インチホイール |
最高速度 | 190km/h(117mph) |
0-100km/h加速 | 9.3秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車名 | シトロエン C4 カクタス / CITROEN C4 Cactus |
サンプルモデル | ピュアテック 82 S&S ETG |
英国販売価格 | £16,315 (Feel) / £16,890 (Flair) |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | ハローイエロー(標準色) ポーラーホワイト(OP) タプナードグレー(OP) スプリントレッド(OP) ブルーラグーン(OP) アークティックスティール(OP/MTL) シャークグレイ(OP/MTL) オブシダンブラック(OP/MTL) ディープパープル(OP/MTL) パールホワイト(OP/PAL) ※OP:有料オプション ※MTL:メタリック塗装 ※PAL:パール塗装 |
全長x全幅x全高 | 4157 × 1729 × 1480 mm |
ホイールベース | 2595 mm |
トレッド(前/後) | (データ不明) |
車両重量(乾燥) | 975 |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 5ETG |
エンジンタイプ | 水冷直列3気筒DOHC 12V |
総排気量/内径x行程 | ← |
圧縮比 | 11.0 |
最高出力 | 82ps/5750rpm |
最大トルク | 12.0kg-m/2750rpm |
燃料タンク容量 | ← |
燃費 | 約23.3km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ディスク/ドラム |
タイヤ/ホイール | ← |
最高速度 | 173km/h(107mph) |
0-100km/h加速 | 15.0秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車名 | シトロエン C4 カクタス / CITROEN C4 Cactus |
サンプルモデル | ターボディーゼル ブルーHDi 100 ETG6 |
英国販売価格 | £18,245 (Feel) / £19,520 (Flair) |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | ハローイエロー(標準色) ポーラーホワイト(OP) タプナードグレー(OP) スプリントレッド(OP) ブルーラグーン(OP) アークティックスティール(OP/MTL) シャークグレイ(OP/MTL) オブシダンブラック(OP/MTL) ディープパープル(OP/MTL) パールホワイト(OP/PAL) ※OP:有料オプション ※MTL:メタリック塗装 ※PAL:パール塗装 |
全長x全幅x全高 | 4157 × 1729 × 1480 mm |
ホイールベース | 2595 mm |
トレッド(前/後) | (データ不明)- |
車両重量 | 1070kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | ETG6 |
エンジンタイプ | 水冷直列4気筒 8Vターボ |
総排気量/内径x行程 | 1560cc/75.0×88.3mm |
圧縮比 | 不明 |
最高出力 | 99ps/3500rpm |
最大トルク | 25.9kg-m/1750rpm |
燃料タンク容量 | 45L |
燃費 | 15インチホイール:約32.2km/L 16/17インチホイール:約29.4km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク/ドラム |
ホイール | 15/16/17インチホイール |
最高速度 | 184km/h(114mph) |
0-100km/h加速 | 10.7秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
ギャラリー
シトロエン C4 カクタスをもっと知りたい方はこちら
・オフィシャルサイト(CITROEN UK)
・メーカーコンフィグレーションサイト(CITROEN UK)
・カタログダウンロード(CITROEN UK、英語版)
※本記事は2016年9月15日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。