屋根付きの小さな荷物車を意味するフランス語、Fourgonnette(フルゴネット)。日本だとバンやライトバンという呼び名になるでしょうか、ちょっと味気ないですよね。またフルゴネットをベースに、乗用用途のモデルとして展開されているものはLudospace(ルドスパス)と呼ばれます。他にも英語圏内ではLAV(Leisure Activity Vehicle)とも呼ばれています。
ルドスパスとして日本でお馴染みなのはルノー カングー(Renault Kangoo)ですが、本場フランスでは他にもたくさんの種類のルドスパスが走っていて、その中でも人気のひとつがシトロエン ベルランゴ(Citroen Berlingo)の乗用モデル、ベルランゴ マルチスペース(Berlingo Multispace)です。
今回は2008年に登場し、2015年にフェイスリフトを受けた、シトロエン ベルランゴ マルチスペースについて徹底解説します。ガソリンMTやディーゼル2ペダル、オプションの最大7人乗りのファミリーパックなどお好みの仕様で、イギリス仕様右ハンドルを並行輸入してみませんか?
この記事の目次
- 1 PureTechとBlueHDi 搭載でさらにエコになった、最新シトロエン ベルランゴの特徴。
- 2 シトロエン ベルランゴ マルチスペースのライバルは?
- 3 ベルランゴ マルチスペースの主な装備とオプション
- 4 よりプロユースに徹した、商用バンタイプ。自営業者のコマーシャルカーにオススメ
- 5 シトロエン ベルランゴ マルチスペースのベストバイは、Feel PureTech 110
- 6 シトロエン ベルランゴ を日本へ並行輸入した場合の乗り出し価格は?
- 7 シトロエン ベルランゴの中古車情報
- 8 ムスケティア/MUSKETIERによる、カスタムやチューニングも
- 9 スペック表
- 10 車両詳細画像ギャラリー
- 11 シトロエン ベルランゴ マルチスペースをもっと知りたい方はこちら
PureTechとBlueHDi 搭載でさらにエコになった、最新シトロエン ベルランゴの特徴。
フルゴネットは、ヨーロッパでLCV(Light Commercial Vehicle)と呼ばれる小型商用車の中で、もっとも小さいジャンルに属します。
もっとたくさん載せたい!と、ベーシックカーの後ろ半分に背の高い荷物室を架装したのがフルゴネットの始まりといわれています。シトロエンは古くは2CV(Citroen 2CV)のフルゴネットを作り、ライバルのルノーもキャトル(Renault 4)にフルゴネットをラインアップするなど、その歴史は半世紀以上に渡ります。その便利さから、荷物運搬など商業用としてだけでなく、一般の人や警察など公共機関も多く使うなど、ヨーロッパではフルゴネットは町の人の暮らしにすっかり根付いています。
特に1996年に登場したベルランゴと、兄弟車のプジョー パルトネール(Peugeot Partner)は、当時販売されていたシトロエン クサラ(Citroen Xsara)をベースにしながらも、運転席から後席/荷室まで連続したルーフを採用することで、空気抵抗の低減や室内スペースの拡大に成功、翌年登場したルノー カングーとともに、新世代のフルゴネットを定義した車種として、ヨーロッパ中の多くのメーカーに影響を与えました。
また、初代ベルランゴの初期型はリアにスライドドアを持っていませんでしたが、ライバルのカングーがスライドドアを持っていたことからベルランゴもこれに追従、それまでのフルゴネットに比べて使い勝手も大幅に向上し、商用に限らず個人ユーザーからも積極的に選ばれるようになりました。このような乗用ユースのフルゴネットは普及に伴い、フランスではLUDOS(遊びを意味するラテン語)とSPACE(空間の意、またフランス語のESPACEが由来とも)を組み合わせたルドスパス(Ludospace)という新しいジャンル名で呼ばれるようにもなっています。ルドスパスは日本ではカングーのキャッチフレーズとしても使われているので、目にされた方もいらっしゃるかもしれません。
今回ご紹介するベルランゴは、2008年に登場した2代目モデルで、2012年と2015年にフェイスリフトを受けフェーズ2となっています。また、フェイスリフトにあわせてディーゼルエンジンを最新世代のBlueHDiに統一、またガソリンエンジンには3気筒のピュアテック(Pure Tech)を新たにラインアップに追加し、環境性能や経済性も磨き上げられました。
ベルランゴの乗用モデルはマルチスペース(Multispace)として、Touch、Feel、Feel Editionという3グレードを主にラインアップし、XTRというクロスオーバーモデルも追加されています。また商用モデルはパネルバン(Panel Van)を基本として、X、LX、Enterpriseという3グレードを主にラインアップし、こちらにもXTRが追加されているほか、リアオーバーハングを延長した長尺モデルもあります。
今回はマルチスペースを中心に、ベルランゴの特徴をお伝えします。
シトロエン ベルリンゴ マルチスペース PV動画 / Feel Young, Feel Together 走行動画や各種ユーティリティの紹介(約1分15秒)
フェイスリフトでさらに乗用車らしく、キュッとコンパクトに。特徴的なエクステリア
2015年3月のフェイスリフトでは、フロントバンパーがぐっとせり出しさらに印象的なフェイスとなったベルランゴ。フルゴネットというと、どうしても商用の香りが漂うデザインになってしまいがちですが、ベルランゴのノーズは洗練された印象を与えます。また新たに追加されたXTRは、アンダーガードなどの装着で少しワイルドなSUVルックのクロスオーバーモデルとしてラインアップされています。
フロントノーズからはシンプルで柔らかな面がサイドビューへと続きます。連続的なデザインはフルゴネットならではの背の高さ、腰高感を抑えてコンパクトに見せています。
ベルランゴ マルチスペースの実際のボディサイズは積載性に配慮して初代より大きくなっていますが、全長4,380mm x 全幅1,810mm x 全高1,801mmです。日本でも馴染みのある2代目のカングーと比べると全長は100mm長く、一方全幅は20mm、全高は9mmコンパクトでほぼ同じサイズ感ですから、日本での使い勝手も良いでしょう。なお、クロスオーバーモデルのXTRは、サスペンションの変更やルーフレールの標準装備により、全高は1,862mmとなります。
フロントドアはほぼ90度近くまで開き、荷物を抱えての乗り降りもラクラクです。リアドアは定番の両側スライドドアで、子どもや高齢の方の乗り降り、荷物の積み下ろしにも便利です。乗用仕様のマルチスペースのリアゲートは、日本仕様のカングーのような観音開きではなく、ヨーロッパのルドスパスでは一般的なハッチバック式です。大きなリアゲートは、雨が降ったときに屋根替わりに使えるというメリットがあります。上級グレードのFeel Editionではリアウインドウがガラスハッチとなっているため、ちょっとした小物を入れるときも手軽に開閉できます。
ボディカラーは最近のシトロエンらしく、上品できれいな8色をラインナップ。深い茶色のメタリック塗装「ノッチョーラ(ヘーゼルナッツの意)」など、シックに大人っぽく乗りこなせそうなカラーが揃っています。
最大3,000L! 大容量サイズの室内。オプションでサンルーフや7人シートも選べるインテリア
天井が高く開放感たっぷり、収容力バツグンの室内がベルランゴの魅力です。
ダッシュボードは横方向の開放感が感じられるデザインで、丸いデザインのエアコン吹き出し口がアクセントになっています。シフトレバーはMT仕様ではインパネシフト、2ペダルMTのETG6仕様ではシフトレバーを台座ごと廃して、エアコン吹き出し口と同じ大きさのダイヤル式のシフトセレクターとパドルシフトを採用しています。これにより前席左右のウォークスルーも簡単に行えます。助手席を前に倒して、背もたれをテーブルとして使ったり長尺物を積むことが可能です。
ルドスパス仕様のマルチスペースでは、2列目は3人がけで、一部グレードでは完全に独立した1人掛けの座席が3つ並びます。必要に応じてそれぞれの背もたれを倒したり、座面ごと前に持ち上げるタンブルをさせたり、取り外すことで荷室の容積を拡大することができます
中間グレードのFeelに設定されている「ファミリーパック」を選べば3列目にも独立した2人分の取り外し式シートが追加され、最大7人乗りを実現します。3列目のスペースは流石にミニマムで7人でフル乗車すると荷室の容量もほとんどなくなってしまいますが、6人乗車時なら荷室もある程度は確保できます。日本ではお盆や正月など、数世代集まってどこかに移動するときなどに便利でしょう。
マルチスペースのカーゴルームの室内幅は、最大部で1,487mm、最少部で1,200mm、室内高は1,020mmを確保しています。荷室容量は5人乗り仕様の場合、フル乗車で675L、最大で3,000Lを謳います。ちなみにライバルのカングーは最大で2,600L。カングーより少し全長が長いことや、2列目シートも取り外せることなどが、ベルランゴの荷室の容積確保に繋がっているようです。
この大きな空間の開放感をさらに高めてくれるのが「モデュトップ(MODUTOP)」というオプションです。フロントと2列目シートの上を左右に分割されたサンルーフにして、中央部に後席向けのエアコンの吹き出し口と読書灯を配した、小物を収納できるルーフシェルフをセットしたものです。、天井からの明るい日差しと収納性を両立させたアイデアたっぷりの仕掛け。まるで飛行機のような雰囲気で、これだけでも乗るのが楽しくなりそうです。
ガソリンエンジンPureTechとディーゼルエンジンBlueHDiを選択可能
ベルランゴのエンジンにはガソリンとディーゼルが用意されており、2015年のフェイスリフトでエンジンラインアップは大幅に整理されています。
【ガソリンエンジン】
- VTi 95 95ps/152Nm 5MT
- PureTech 110 110ps/205Nm 5MT
ガソリンエンジンの目玉は、新世代のPureTech 110です。排気量1.2Lの直列3気筒直噴ターボで、110psと205Nmを発揮するハイチューンなエンジンです。またアイドリングストップのS&Sも装備されています。
導入時のコストを重視するユーザーのために、従来からの直列4気筒ポート噴射自然吸気のVTi 95も残されています。排気量1.6Lで、95馬力と152Nmというスペックです。いずれもトランスミッションは5MTが組み合わせられます。
ガソリンエンジンはクロスオーバーモデルであるXTRを除くすべてのグレードで選択できますが、エントリーグレードのTouchではVTi 95のみの設定となっており、またPureTechは中間グレードのFeelでしか選択できません。
【ディーゼルエンジン】
- BlueHDi 75 75ps/233Nm 5MT
- BlueHDi 100 100ps/254Nm 5MT/ETG6
- BlueHDi 120 120ps/300Nm 6MT
ディーゼルエンジンはすべて直列4気筒の1.6Lターボで、2015年のフェイスリフトでBlueHDiに統一されました。HDiはDW型と呼ばれるエンジンで、2.0L仕様が1998年にシトロエン エグザンティア(Citroen Xantia)で採用されたのを皮切りに、ラインアップの追加や性能向上が続けられています。1.6L仕様のDW6は2003年にHDiの第2世代へのアップデート時に初登場しました。BlueHDiは第4世代に相当し、Euro6への対応を目的に2013年から2015年にかけて移行が進められたものです。
BlueHDiはエントリーグレードのTouch以外のすべてのグレードに設定がありますが、BlueHDi 75は主要グレードのFeelのみ、BlueHDi 120は最上級グレードのXTRのみの設定となっています。
またアイドリングストップはBlueHDi 100のETG6仕様とBlueHDi 120に標準装備、BlueHDi 100の5MT仕様では、上級グレードのFeel EditionとクロスオーバーモデルのXTRで任意に有無を選択可能です。
なお、7人乗りのファミリーパックを選ぶと、エンジンは自動的にアイドリングストップ無しのBlueHDi 100 5MT仕様となり、ガソリンエンジンを含むその他の仕様は選択できません。
低燃費のBlueHDiならばワンタンクで1,200km級の驚異的な航続距離
最新のエンジンを搭載したベルランゴは、低環境負荷と低燃費も実現しています。
3気筒ガソリンのPureTech 110は欧州複合モード燃費で約19.6km/Lを達成、またディーゼルのBlueHDi 100はアイドリングストップ付きの5MTならば、同モードで約23.8km/Lという優れた低燃費性能を実現しています。
低燃費のエンジンを積む一方で燃料タンクの容量はガソリンで60L、ディーゼルで53Lと最近のCセグメントのモデルとしては十分に大きいため、航続距離の長さも期待できます。たとえばBlueHDi 100ならば単純計算で約1,261km。パリを出発して西へ、スペインのマドリードまで走ると約1,270kmになりますから、運が良ければワンタンクで到着してしまうかも知れない、という驚異的な“アシの長さ”を誇ります。
もちろん一度に1,200km以上を走る機会は日本ではなかなかないかもしれません。しかし航続距離の余裕は長距離ドライブでの給油の煩わしさを忘れさせてくれるでしょう。
C4ベースの良好な乗り心地、荷物満載でも素直で運転しやすい駆動系、足回り
一人で乗っても快適、みんなで乗っても、たくさん荷物を載せても、操縦性に大きな変化がなく思いどおりに運転できる。そういう懐の広さがフランス製フルゴネットの大きな魅力ですが、ベルランゴにもそういう性格が受け継がれています。
ベルランゴのシャシーはPSA PF2プラットフォーム。サスペンション形式はフロントがマクファーソン・ストラット、リアがトーションビームです。なお、このPF2プラットフォームは初代C4や2代目C4にも使われているものですが、ベルランゴのものはエクステンデッドと呼ばれる初代C4ピカソや、現在でもDS5などに使われている拡大タイプで、ホイールベースは2,728mmに達します。リアサスペンションの設計などは初代C4ピカソの非エアサス仕様と共通点が多いとされており、このような設計が、商用車ベースながらも穏やかな乗り心地に繋がっていると評価をもたらしているようです。
もちろん2CVの時代からフルゴネットをつくってきた経験があり、それに基づき絶妙なサスペンションセッティングを行ってきたノウハウを持っていることも、ベルランゴの乗り味に大きく貢献していることでしょう。
まとめ:新エンジンでさらに魅力的に
フルゴネット/ルドスパスの便利さは、日本でもカングーのヒットで広く知られるようになりました。残念ながら日本への正規輸入は見送られていますが、カングーと実力的にまったく遜色ないシトロエン ベルランゴも日本のユーザーに絶対に“ハマる”選択肢です。
その上、ガソリン、ディーゼルともに設計の新しいエンジン、乗用車ライクなシトロエンらしいシンプルなデザイン、独創性の高いサンルーフ「モデュトップ」のオプション設定、クロスオーバーモデルであるXTRのラインアップなど、ベルランゴを選ぶ理由も多くあります。
シトロエン ベルランゴ マルチスペースはダブルシェブロンから離れられないシトロエン・フリークの方はもちろん、普段使いのクルマで、もっと個性的な1台がほしいと思っていらっしゃる方、カングーは好きだけれどもせっかくならば人と違う1台を選びたいと考えられている方に、是非ご検討していただきたいモデルです。
シトロエン ベルランゴ マルチスペースのライバルは?
シトロエン ベルランゴの乗用モデル、マルチスペースのライバルとしては、ルノー カングー、フィアット ドブロ、フォード トルネオ コネクト、フォルクスワーゲン キャディ ライフなどが挙げられます。どのモデルも登場当時はボディサイズなどに大きな違いがありましたが、モデルチェンジなどを通して改良が重ねられ、ライバル間で以前ほどの違いは見られなくなりました。基本的な部分の使い勝手の良さや、設計の新しいエンジンによる出力と経済性の両立などは、大きな優劣はありません。どのモデルを選んでも間違いがないという状況です。
とはいえ細部に目を向けると、メーカーの考え方によって多少の違いは存在します。まず注目点は全幅です。全幅はほとんどのモデルが1,800mm台前半で、キャディ ライフが唯一1,800mmを下回ります。この点で、シトロエン ベルランゴ マルチスペースの全幅はライバルに対して平均的です。
また2列目シートの構造もメーカーによって考えの違いが見られます。ルノー カングーとフォード グランド トルネオ コネクト(7人乗り仕様)はワンタッチでダイブダウンする2列目シートが、それ以外のモデルは背もたれを一旦倒したあとに、座面ごと前に倒すタンブル式のリアシートが採用されています。折りたたみの手軽さという点ではダイブダウン方式に優位性がありますが、いざとなれば取り外せる点ではタンブル式にも優位性があります。
そして注目の3列目。どのモデルも基本は2列5人乗りですが、ベルランゴ マルチスペースとドブロは全長そのままに3列シートを追加する設定があり、一方それ以外のモデルでは全長を延長して3列目を追加するという方針が取られています。3列仕様同士で比較した場合は、取り回しの良さでは全長そのままのベルランゴ マルチスペースとドブロに優位性がありますが、もちろんフル乗車時の積載性や居住性は、全長を延長したグランカングーやグランド トルネオ コネクト、キャディ マキシ ライフに軍配が上がります。
こんな風に細部を見ていくと、ベルランゴ マルチスペースに一番コンセプトが近いライバルは、フィアット ドブロであることがわかります。改めてドブロとベルランゴを直接比較すると、ベルランゴの方が新世代のガソリンターボエンジンを用意しているという点で優位性があります。
ちなみにシトロエン ベルランゴ マルチスペースには、兄弟車としてプジョー パートナー ティピーがあります。C4と308など、同セグメントでもある程度性格を変えて棲み分けられているシトロエンとプジョーですが、さすがにベルランゴとパートナーの間で大きなセッティングの変更などは行われていないようです。ただイギリス仕様ではラインアップはベルランゴの方が豊富で、パートナーでは上位モデルでガソリンエンジンが選択できない、XTRの設定がないといった違いがあります。
ベルランゴ マルチスペースの主な装備とオプション
ベルランゴ マルチスペースには上で触れたように、Touch、Feel、Feel Edition、XTRの4つのグレードがラインアップされており、グレードによって装備内容は異なります。
エントリーグレードの「Touch」はバンパーが樹脂の素材色となり、ホイールがスチールとなるなど、商用モデルのベルランゴのイメージを強く残したモデルです。本国では廉価版という位置づけですが、シンプルな雰囲気で日本では惹かれる方も多いかもしれません。またTouchでは室内天井のオーバーヘッドストレージも装備されませんが、例えば釣り竿などのような長尺物を天井に積めるようにするなど、自分なりにカスタムすることを考えられている方には、逆に適したモデルだといえます。なお、AUX入力付きのラジオ・CDプレイヤーは標準装備されていますが、エアコンは650ポンドのオプションとなっており、装備されることをおすすめします。
中間グレードのFeelは、Touchに対してフロントバンパーなどがボディ同色となり、15インチアルミホイールやクルーズコントロール、エアコンが標準装備されるなど、乗用グレードとしてバランスが取れたモデルです。7人乗りのファミリーパックを選べば、前席シートバックにテーブルも追加されます。
上級グレードのFeel EditionはFeelに対して、サイドモールなどもすべてボディ同色となり、16インチアルミホイールが標準装備、さらにフォグランプやLEDのデイライトも追加、プライバシーガラスや革巻きステアリングとなども加わり、よりミニバン的な雰囲気となります。オーディオもBluetoothのハンズフリーシステムや、USB入力が加わります。ただし、一部オプションの選択に制限が生じます。以前日本に輸入されていたルノー カングー イマージュのようなコンセプトだと捉えると良いかもしれません。
XTRは価格的には最上級で、基本的な装備内容もFeel Editionに準じますが、アンダーガードの追加や樹脂色のサイドモール、最低地上高を上げたサスペンションのセッティング、ルーフレールの標準装備化など、クロスオーバーとしてコンセプトの異なるモデルとしてラインアップされています(ただしETG6仕様は15インチホイールとなり、最低地上高も通常同様となるのでご注意ください)。室内ではオーディオが7インチのディスプレイタイプとなり、さらにXTR専用のオプションとして、エアコンは左右独立のオートエアコンが選択できます。
安全装備には、グレードごとに若干の差異があります。すべてでABSや横滑り防止装置、急ブレーキを踏んだときのハザードによる警告機能などの安全装備は標準装備されています。一方、サイドエアバッグはXTRに限り標準装備でFeel以上のグレードでオプション、カーテンエアバッグはFeel以上のすべてのグレードでオプションとなっており、いずれもTouchでは選択できない点には注意が必要です。また、2015年3月のマイナーチェンジでさらに32km/h以下で作動する「アクティブシティブレーキ」が新たに設定されましたが、これはXTRのみのオプションとして扱われています。
なお、その他のオプション設定もグレードごとに細かな差異があります。カタログやコンフィギュレーターを参考に、お気軽にお問い合わせください。また、左ハンドル仕様は一部グレードの名称等が異なります。左ハンドル仕様の並行輸入も承りますのでお気軽にご相談ください。
よりプロユースに徹した、商用バンタイプ。自営業者のコマーシャルカーにオススメ
シトロエン ベルランゴには商用バンも用意されています。ラインナップは2〜3人乗り商用車のパネルバン(Panel Van)を基本として、5人乗り商用車のクルーバン(CrewVan)の設定もあります。
商用車らしくリアクォーターはガラスウインドウではなく鋼板となり、バックドアは狭いスペースで開けやすい左右開きになるなど、よりプロユースに徹した仕様となっています。クルーバンでは窓がないところに座ることになってしまいますが、欧州の商用車の例に漏れず、オーダーメイドに近い詳細な仕様を発注時に詰めていくことができるので、必要ならば窓を開けることも可能でしょう。
また、上で触れたとおりベルランゴの商用版には車体を延長した仕様もあります。車体の延長は40cm近くに及びますが、そのすべてがリアオーバーハングの延長なので、最小回転半径などは変わらないものの、取り回しには若干気を遣うかもしれません。
レストランや雑貨屋さんなどで、お店の存在をアピールするための“コマーシャルカー”として使ってもおしゃれでしょう。ご自分に合った一台を作り上げてみてはいかがでしょうか?
シトロエン ベルランゴ マルチスペースのベストバイは、Feel PureTech 110
シトロエン ベルランゴ マルチスペースは、グレードとエンジンの2つの要素からモデルを選ぶことになります。グレードに関しては、中間グレードのFeelが価格と内容のバランスが取れており、またオプションの選択幅が多いことからも、おすすめグレードとなります。
エンジンについては、軽快な走りが楽しめる最新の3気筒ガソリンエンジン、PureTechと5MTの組み合わせがおすすめです。このエンジンはFeelグレードでしか選択できないので、その点でも積極的に選びたい仕様となります。
一方、もし商用グレードに近い内容で、自分好みにカスタマイズを検討されているならば、エントリーモデルのTouchがおすすめです。またパワーが必要ならば、XTRとBlueHDi 120の組み合わせでも良いでしょう。
なお、2ペダルが必須の場合は、Touchを除く3グレードの中からBlueHDi 100との組み合わせに限定されますが、装備・オプションの項目で触れたとおり、XTRの2ペダル仕様はルックス以外は他のグレードと同じ構成となっており、クロスオーバーモデルとしてのメリットはあまりありません。ですので、FeelやFeel Editionの方が、コストパフォーマンスに優れた選択肢となるでしょう。
シトロエン ベルランゴ を日本へ並行輸入した場合の乗り出し価格は?
現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。
※国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。
シトロエン ベルランゴの中古車情報
シトロエン ベルランゴ の現地中古車をお探しすることも可能です。走行距離が少ない高年式中古車(新古車)が出回ってますのでまずは予算と合わせてご相談ください。
ムスケティア/MUSKETIERによる、カスタムやチューニングも
世界最大級のプジョー・シトロエンチューナー、ムスケティア(MUSKETIER)は、各車種に対応したパーツやキットも発売しており、ベルランゴに対してもドレスアップパーツや、BlueHDi向けの出力アップのECUの供給が行われています。
世界で1台だけのベルランゴを作り上げてみてはいかがでしょうか?
参考リンク:MUSKETIER Exclusiv Tuning (ムスケティア公式サイト)
スペック表
シトロエン ベルランゴ マルチスペースのサイズやカラーなどスペックは以下をご確認ください。+ボタンで詳細が表示されます。
車名 | シトロエン ベルランゴ マルチスペース / Citroen Berlingo Multispace |
エンジン、サンプルグレード | フィール / Feel PureTech 110 S&S manual |
英国販売価格 | £16,200 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | ポーラーホワイト(標準色) ブラック(標準色) パッションレッド(OP) キュアノスブルー(OP/MTL) モカグレー(OP/MTL) ノッチョーラ(OP/MTL) アークティックスチール(OP/MTL) シャークグレー(OP/MTL) ※OP:有償オプション ※MTL:メタリック塗装 |
全長x全幅x全高 | 4,380 x 1,810 x 1,801 mm |
ホイールベース | 2,728 mm |
トレッド(前/後) | 1,505 mm / 1,554 mm |
車両重量 | 1,490kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 5MT |
エンジンタイプ | 直列3気筒12Vガソリン直噴ターボ(アイドリングストップ機構付き) |
総排気量/内径x行程 | 1,199cc / 75.0 x 90.5 mm |
圧縮比 | 10.5(参考値) |
最高出力 | 110ps(81kW) / 5,500rpm |
最大トルク | 205Nm / 1,500rpm |
燃料タンク容量 | 60L |
燃費 | 約19.6km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク / ディスク |
タイヤ/ホイール | 15インチアルミホイール |
最高速度 | 約180km/h |
0-100km/h加速 | 12.2秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車名 | シトロエン ベルランゴ マルチスペース / Citroen Berlingo Multispace |
エンジン、サンプルグレード | フィール エディション / Feel Edition BlueHDi 100 S&S ETG6 |
英国販売価格 | £18,415 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | ポーラーホワイト(標準色) ブラック(標準色) キュムラスグレー(OP/MTL) シャークグレー(OP/MTL) ※OP:有償オプション ※MTL:メタリック塗装 |
全長x全幅x全高 | 4,380 x 1,810 x 1,801 mm |
ホイールベース | 2,728 mm |
トレッド(前/後) | 1,505 mm / 1,554 mm |
車両重量 | 1,620kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 6ETG(シングルクラッチセミAT) |
エンジンタイプ | 直列4気筒16Vディーゼルターボ(アイドリングストップ機構付き) |
総排気量/内径x行程 | 1,560cc / 75.0 x 88.6 mm |
圧縮比 | 18.1(参考値) |
最高出力 | 100ps(73kW) / 3,750rpm |
最大トルク | 254Nm / 1,750rpm |
燃料タンク容量 | 53L |
燃費 | 約23.8km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク / ディスク |
タイヤ/ホイール | 16インチアルミホイール |
最高速度 | 約165km/h |
0-100km/h加速 | 14.3秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車名 | シトロエン ベルランゴ マルチスペース / Citroen Berlingo Multispace |
エンジン、サンプルグレード | XTR BlueHDi 120 S&S 6-speed manual |
英国販売価格 | £19,325 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | ポーラーホワイト(標準色) ブラック(標準色) キュアノスブルー(OP/MTL) モカグレー(OP/MTL) ノッチョーラ(OP/MTL) キュムラスグレー(OP/MTL) シャークグレー(OP/MTL) ※OP:有償オプション ※MTL:メタリック塗装 |
全長x全幅x全高 | 4,380 x 1,810 x 1,862 mm (ルーフレールを含む) |
ホイールベース | 2,728 mm |
トレッド(前/後) | 1,505 mm / 1,554 mm |
車両重量 | 1,630kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 6MT |
エンジンタイプ | 直列4気筒16Vディーゼルターボ(アイドリングストップ機構付き) |
総排気量/内径x行程 | 1,560cc / 75.0 x 88.6 mm |
圧縮比 | 18.1(参考値) |
最高出力 | 120ps(88kW) / 3,500rpm |
最大トルク | 300Nm / 1,750rpm |
燃料タンク容量 | 53L |
燃費 | 約22.7km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク / ディスク |
タイヤ/ホイール | 16インチアルミホイール |
最高速度 | 約175km/h |
0-100km/h加速 | 11.4秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車両詳細画像ギャラリー
シトロエン ベルランゴ マルチスペースをもっと知りたい方はこちら
・シトロエン 英国 ベルランゴ マルチスペースのオフィシャルサイト(CITROEN UK)
・シトロエン 英国 ベルランゴ マルチスペースのコンフィギュレーター(CITROEN UK)
・シトロエン 英国 ベルランゴ マルチスペースのカタログダウンロード(CITROEN UK)
※本記事は2016年9月11日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。