シトロエン C3 ピカソ(CITROEN C3 Picasso)は、シトロエン C3とプラットフォームを共有するMPV(マルチパーパスビークル)です。日本では残念ながら正規導入は見送られているものの、その大きさ、動力性能など、日本で乗るのに適したモデルといえます。
この記事ではシトロエン C3 ピカソについて解説します。また、日本で乗るための並行輸入情報についても掲載しています。
この記事の目次
モデル概要
シトロエン C3 ピカソ(CITROEN C3 Picasso)は、2009年に発売が開始されたシトロエン最小のMPVです。
C3(初代〜3代目)と同じPF1プラットフォームを使用しており、全長4,078mmとコンパクトなボディが特徴です。一方で全高は1,670mmと高く、室内高を活かしたパッケージングで余裕のある室内空間を実現しています。
フロントウインドウを大きく取った個性的なエクステリアは、ひと目でC3 ピカソとわかるデザインです。デビュー当初はグリルレスのフロントマスクでしたが、2013年に改修されダブルシェブロンと一体化したグリルが装着されています。
搭載されるエンジンは、ガソリンが1.4Lと1.6LのVTi 16V 直列4気筒ユニット、ディーゼルが1.6 HDi 16V 及び1.6 HDi Airdream 8V 直列4気筒ユニットで、組み合わされるトランスミッションはMTがメインではあるものの、ガソリン・ディーゼル共に1.6Lユニットには2ペダルの6EGSが組み合わされました。
2017年7月現在、イギリスで販売されている最終モデルは、1.2L 3気筒直噴ターボのPureTech 110と、1.6L 4気筒ターボディーゼルのBlue HDi 100という2種類の最新鋭ユニットとなっています。なお6EGSはカタログ落ちし、組み合わされるトランスミッションは5MTのみです。
ハイライト
エクステリア
他のどのクルマにも似ていない際立った個性
ひと目でC3 ピカソとわかる個性的なデザイン言語を持ち、それは前進したサブAピラーを持つフロントクオーターウィンドウだけに留まらず、フロントからリアまでこのクルマならではの個性が貫かれています。
使い勝手を重視したディメンションを持つにも関わらず、生活感を感じさせないクルマです。他の誰にも似ていませんから、オンリーワンなクルマを探している方にはぴったりではないでしょうか。
インテリア
使い勝手に優れた明るい室内空間
運転席周りはオーソドックスな配置ながら、パーツごとのデザインで個性を演出しています。センターに置かれたメーターは、速度計と多機能LCDを別の液晶としており、他のクルマではあまり見かけない作りです。空調の吹き出し口の直下にはエアコン操作パネルが鎮座しており、オーディオやナビを装着するために2DINスペースはさらにその下と、かなり低い位置にあります。そのため、オプションでセンターメーター手前に装着されるナビ用ディスプレイも用意されています。
分厚いシートは、見た目に違わず掛け心地は良好と評価されているようです。長距離走行時でも疲労が少ないシートはシトロエンの伝統でもあります。同じ大きさのヘッドレストを3つ備えるリアシートは60:40分割可倒式を採用。また、中央席にトランクスルーを採用し、リアシートバックを倒さずに長尺物の積載を可能とした仕様も存在しています。
グラスエリアを大きく取っているため、室内は光に溢れています。オプションのパノラミックサンルーフを装着すれば、後席でもより一層の開放感を得られます。
パワートレイン
トルクフルで環境性能に優れたふたつのユニット
エンジンは前述のとおり、ガソリンが1.4Lと1.6LのVTi 16V 直列4気筒ユニット、ディーゼルが1.6 HDi 16V 及び1.6 HDi Airdream 8V 直列4気筒ユニットが用意されていました。2017年7月時点でイギリス仕様に搭載されるのは、それらより世代の新しいふたつのユニットです。
ひとつ目は、PSAグループにおけるスタンダードである、1.2Lガソリン3気筒 PureTech 110 直噴ターボエンジンです。インターナショナルエンジンオブザイヤーを獲得したこのユニットの魅力は、20.1kgmという2.0L級のトルクを1,500rpmの低回転域から発揮し、優れたドライバビリティと高い環境性能を両立した点にあります。
ふたつ目は1.6Lターボディーゼル4気筒の Blue HDi 100です。こちらはEuro6対応の新世代クリーンディーゼルエンジンで、環境性能、静寂性等で高い評価を受けています。25.9kgmという太いトルクはディーゼルエンジンならではのもので、運転のしやすさに繋がっています。
これらのユニットに組み合わされるトランスミッションは5MTのみで、2ペダルの6EGSは廃盤となっています。
サスペンション
熟成の進んだ構成がもたらす信頼感
C3 ピカソはフロントにマクファーソンストラット、リアにトーションビームというオーソドックスな構成です。これは共通のプラットフォームを持つ歴代C3やDS3、あるいはプジョーブランドの兄弟車と同様です。
シトロエンという名前からは油圧と空気圧を組みわせたハイドロニューマチックサスペンションを連想する方も多いかもしれません。しかし一方でハイドロで得たノウハウを用いて絶妙なセッティングが行われる金属バネのシトロエンも、実は古くから通好みの選択肢として知られてきました。腰高な雰囲気から心配される不安定さはC3 ピカソには無縁です。
参考スペック
シトロエン C3 ピカソ(CITROEN C3 Picasso) Edition PureTech 110 / 5MT
(イギリス仕様2017年モデル)
寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4078x1766x1670 mm
ホイールベース:2,540 mm トレッド前/後 1,472mm / 1,470mm
エンジン▶︎水冷直列3気筒 PureTech 110ターボ フロント横置
1,199 cc 83mm x 92.4mm - 81kw(110ps)/5500rpm 205Nm(20.1kgm)/1500rpm
駆動方式▶︎FF 5速MT
懸架装置▶︎前:マクファーソン・ストラット
▶︎後:トーションビーム
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッド・ディスク 後 ソリッドディスク
タイヤ ▶︎前・後:
燃料容量▶︎50L 車両重量▶︎- 最高速度▶︎187km/h 0-100km/h加速▶︎11.8秒
燃 費 ▶︎20.0km/L(欧州複合基準)
価 格 ▶︎17,505ポンド(イギリス仕様車)
※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください
ライバルモデル
独特のスタイリングと機能を併せ持つC3 ピカソは、登場時は他に類を見ない唯一無二な存在でした。そのシルエットからはルノー カングーや、プジョー パートナー(パルトネール)/シトロエン ベルランゴなどのMCV(小型商用車)の血筋を引くモデルをライバルとして即座に連想しそうになります。
しかしC3 ピカソにはベースに相当するMCVは存在しない乗用専用モデルです。またシトロエンはより小型なMCVのネモをラインアップに備えて棲み分けを行っており、圧倒的なユーテリティーを求めるユーザーとは違う層に訴求するコンセプトであったことが分かります。そしてその独自性は10年の月日が流れても衰えを見せません。
しかしもし敢えてライバルを挙げるならば、フィアット 500Lは絶妙な好敵手だと評することが出来るでしょう。
バイヤーズガイド
2017年7月現在のイギリス仕様最終モデルはベーシックなEditionと、豪華装備のPlatinumの2グレード構成です。どちらのグレードも、ガソリン・ディーゼルの両方を選択できます。トランスミッションは5MTのみです。
ベーシックなEditionでもマニュアルエアコンが標準で装備されますから、日本での使用に支障はありません。エンジンは軽量かつ低燃費な1.2Lガソリン PureTech 110 エンジンをおすすめします。MTで乗ることを考えると低回転トルクが豊かなことはプラス材料ですし、ディーゼルに比べ本体価格を抑えられることも魅力です。
2017年現在のC3 ピカソ日本導入の可能性
すでにフランス本国ではC3 ピカソは終売し、後継モデルのC3 エアクロスが発表されています。
C3 ピカソの日本導入の可能性は殆どありませんが、C3エアクロスについては、C4 カクタスや新型 C3などが正規輸入されていることを考えると、可能性が十分にあります。それらの情報も随時コアカーズで紹介していく予定です。
並行輸入という選択肢
前述のように正規輸入の可能性が低いドブロですが、並行輸入を行えば日本で所有することができます。
一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したC3 ピカソ Edition ガソリン 5MTの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。
現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。
※国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。
また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。
車両詳細画像ギャラリー
関連リンク
カタログダウンロードページ
・シトロエン 英国 カタログダウンロード(CITROEN UK C3 picasso)
現地法人公式サイト・コンフィギュレーター
・シトロエン 英国 C3ピカソ オフィシャルサイト(CITROEN UK C3 picasso)
・シトロエン 英国 C3 ピカソ コンフィギュレーター(CITROEN UK C3 picasso)
※本記事は2017年7月14日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。