フィアット 124スパイダーは、イタリアのフィアットが販売する2シーターのオープンモデルです。日本へはアバルトブランド版の124スパイダーが正規輸入されています。
この記事では、フィアット 124スパイダーのイギリス仕様右ハンドルモデルについて解説しています。また、日本で乗るための並行輸入情報も掲載しています。
この記事の目次
モデルの概要
フィアット 124 スパイダーの名前は、1966年にデビューした同社の名車フィアット 124に由来します。元は小型ファミリーカーとして登場した124ですが、ステーションワゴンやクーペ、そして124 スポルト・スパイダーなどボディバリエーションを次第に増やしていきました。
2015年11月にロサンゼルス・オートショーで発表された新生 124スパイダーは、名前以外に初代124との関係性はなく、マツダ ロードスターをベースとしたモデルとして誕生しました。搭載されるエンジンは170ps/250Nmを発生するフィアット製の1.4L 直列4気筒ターボ。イタリアから日本へ運んでボディへ組み付けています。ボディはロードスターより約140mm長く、100kgほど重いなど、ロードスターとはキャラクターが少々異なります。それは発表の地をアメリカ西海岸としたことからも垣間見えるでしょう。
ハイライト
エクステリア
初代のアイデンティティを受け継ぎつつモダナイズされたデザイン
初代124スポルト・スパイダーのエッセンスを取り入れつつ、現代的でモダナイズされたエクステリアは、後方にスッと伸びたテールのラインや横に細長い角形テールランプなどでワイド&ローな印象を強めているのが特徴です。全長はロードスターより約140mm長い4,054mm。その分トランクが拡大され約8.5L容量を増やしています。片手で軽く開閉できるソフトトップはロードスター譲りのもので、トランクスペースを侵食しません。
イギリス仕様のボディカラーは全8色で、ホイールはグレードによって16インチと17インチが用意されています。
インテリア
スポーツドライビングに集中できる運転環境
インテリアはマツダ ロードスターと基本的に同じです。ボディ中央にメインフレームが通っているためセンタートンネルが高く、ドライバーを囲むような構成となっています。オープン2シーターらしいタイトで濃密な空間は、スポーツドライビングに集中できる空間と言えましょう。
現状マツダ ロードスターの内装は特別仕様車を除いて黒一色ですが、124スパイダーにはタバコレザーの内装が用意されています。イタリア車ならではのセレクトといえるでしょう。
パワートレイン
フィアット自慢のマルチエア・エンジンを搭載
アルファロメオの現行ジュリエッタ(Alfa Romeo Giulietta)や ミト(Mito)、フィアット 500X(Fiat 500X)などに搭載され高く評価されている最新の1.4L マルチエア ターボエンジンを搭載しています。
フィアット独自の吸気機構であるマルチエアは、吸気弁の動作を従来のカムシャフトに代わって油圧ピストンで電子制御することで、従来より格段に自由度の高い可変吸気が可能に。この吸気システムにより、粘り強い低速トルクと俊敏なレスポンス、滑らかでパワフルな吹け上がりと優れた低燃/環境費性を実現しています。
最大出力は140hp/5,000rpm、最大トルクは240Nm(24.5kg-m)と、1,050kgのボディには十分すぎるほどパワフルです。メリハリのきいた回転フィールとあわせて、イタリア車らしい快活な走りが楽しめるでしょう。トランスミッションはMTのほか、ATも用意されています。
サスペンション
石畳の道も軽やかに走り抜ける足回り
サスペンション形式はマツダ ロードスターと同じく、フロント=ダブルウィッシュボーン、リア=マルチリンクという構成です。セッティングはフィアット独自のもので、ダンパーも異なるものが採用されています。
フィアットのエンジニアがもっとも苦心したのが足回りのセッティングと言われています。フィアット車らしいキビキビとしたフットワークを実現すべくテストが繰り返されたとのことですから、石畳の道も軽やかに走り去っていくイタリア車伝統の走り味は、124スパイダーでもきっと味わえることでしょう。
参考スペック
FIAT 124 SPIDER LUSSO PLUS 1.4 MultiAir Turbo 140hp Automatic
寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4054 x 1740 x 1233 mm
ホイールベース:2,310 mm トレッド前/後 1,496 mm / 1,503 mm
エンジン▶︎水冷直列4気筒SOHC 16V インタークーラー付き ガソリンターボ(MultiAir)
1,368 cc 72.0 × 84.0 mm 9.8:1 140 HP/5000 rpm 24.5 kg-m /2250rpm
駆動方式▶︎FR/6AT
懸架装置▶︎前:ダブルウィッシュボーン
▶︎後:マルチリンク
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク
タイヤ ▶︎前後:205/45R17
燃料容量▶︎45L 車両重量▶︎1,070 kg 最高速度▶︎ 214 km/h 0-100km/h加速▶︎7.6 秒
燃 費 ▶︎約 15.6km/L(欧州複合基準)-m/L(JC08モード日本仕様参考値)
価 格 ▶︎27,060 ポンド(イギリス仕様車)
※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください
ライバルモデル
世界中のメーカーを見渡しても、コンパクトなFRオープンスポーツは、マツダ ロードスターとフィアット 124スパイダー、そして派生モデルのアバルト 124スパイダーくらいしかなくなってしまいました。この3モデルは姉妹でありライバルでもあるわけです。
マツダ ロードスターは、ライトウェイトスポーツカーの基本に忠実に開発されたモデルです。1,500ccにダウンサイジングされたNAエンジンを、最軽量モデルで990kgにシェイプされたボディのフロントミッドシップに配置し、現代の“人馬一体”を目指しています。いたずらにハイスペックを追うことなく、無駄を省いて走りの喜びや心の豊かさを追求する設計ポリシーを貫いています。
アバルト 124スパイダーは、フィアット版に比べてエンジンや足回りを大幅に強化しています。性格はライトウェイトスポーツカーを少し離れて、よりハイパフォーマンスなモデルとも競合します。ロードスターに比べるとファットな印象ですが、現代の自動車としてはコンパクトで軽量です。快活な性格のエンジンと、アバルトならではのサスペンションのセッティングによって、イタリア車らしいビビッドな走りが楽しめる仕上がりです。
バイヤーズガイド
英国仕様の124スパイダーには、CLASSICA、LUSSO、LUSSO PLUSの3グレードが設定されています。現代のモデルらしく ABSやESCといった電子制御デバイスは全グレード標準装備です。
もっともベーシックなCLASSICAは16インチホイールを履き、内装はファブリックで、BluetoothやUSB入力に対応したオーディオが装備されます。LUSSOはフォグランプと17インチホイールが追加され、内装はフルレザー、オートエアコンやスマートキー、7インチのナビ(イギリス仕様)のほか、リアビューカメラやパーキングセンサーも装備されます。LUSSO PLUSでは、ステアリング連動のLEDヘッドライトやBOSEサウンドシステム、レインセンサーなども装備され、唯一2ペダルのATが選択できます。
日本で乗るのであれば、ロードスターとは異なる個性を持った豪華装備 LUSSO PLUSの6速ATモデルはいかがでしょうか。BOSEサウンドシステムはヘッドレストにスピーカーを内蔵しており、オープン走行中でも音量を上げ過ぎずに音楽を楽しめます。クルーズコントロールも備わりますから、一層快適なドライブが可能です。また、LUSSO PLUSだけに用意されるタバコレザーの内装も魅力的です。
2017年現在のフィアット 124 スパイダーの導入予想
FCAはフィアットブランドの正規輸入を行っていますが、124スパイダーは現在アバルトブランドからのみ輸入されています。FCAのブランド戦略からしても、フィアット版が今後輸入される可能性は低いものと思われます。
並行輸入という選択肢
日本市場に正規輸入されていない組み合わせでも、並行輸入を行えば日本で所有できます。
一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したフィアット 124 スパイダーの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。
現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。
※国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。
また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。
車両詳細画像ギャラリー
関連リンク
カタログダウンロードページ
・フィアット 英国 124 スパイダー カタログダウンロード(Fiat UK 124 Spider)※個人情報が必要です
現地法人公式サイト・コンフィギュレーター
・フィアット 英国 124 スパイダー オフィシャルサイト(Fiat UK 124 Spider)
・フィアット 英国 124 スパイダー コンフィギュレーター(Fiat UK 124 Spider)
※本記事は2017年12月11日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。