フォード B-MAX(Ford B-MAX)は、欧州フォードのコンパクトカーであるフィエスタのプラットフォームをベースとした、プチバンスタイルのMPV(マルチパーパスビークル)です。
今回は最新のフォード B-MAXの魅力と、並行輸入の方法について解説します。
この記事の目次
モデル概要
フォード B-MAXは、欧州フォードのエントリーモデルであるフィエスタ Mk7と同じフォードB3プラットフォームをベースとした、2列シート5人乗りのMPVです。2012年まで生産されたフォード フュージョン(こちらはフィエスタ Mk5ベース)の後継モデルとして、2011年のジュネーブモーターショーでコンセプトモデルが公開され、市販モデルは2012年に発売が開始されました。
欧州フォードはこのようなMPVの開発には長けており、かつて日本市場にも正規輸入されていたフォーカス C-MAX(現行モデル名はC-MAX)や、3列シート7人乗りモデルのS-MAXなどのMAXシリーズ、3列シートの本格的ミニバンであるギャラクシー、大きめかつ室内スペースの広さと大容量のラゲッジスペースが売りのトランジット・クーリエやトランジット・コネクトなども展開し、欧州市場で好評を得ています。
B-MAXのボディサイズは全長4,077mm×全幅1,751mm×全高1,604mm。国産車でいえばトヨタのポルテに近く、ミニバンよりも小さい「プチバン」と呼ばれるジャンルのモデルで、MAXシリーズで最もコンパクトなモデルです。
ハイライト
エクステリア
両側センターピラーレスドアの採用で扱いやすさは抜群
フォードB-MAXのエクステリアでやはり一番目を引くのが「Unrivalled Access with the Ford Easy Access Door System」と呼ばれる左右Bピラーレスの抜群の開放感を持った両側スライドドアではないでしょうか。
スライドドアを持ったプチバンとしては、トヨタのポルテやスペイド、アイシス、軽自動車のダイハツ タント、かつてはプジョーの1007や日産 プレーリー等がありました。これらは側面スライドドアが1枚だけか、両側スライドドアでも、全部または一部のBピラーが残ってしまうのに対し、B-MAXのリアは左右両側共にスライドドアを採用、しかも左右Bピラーレスのためフロントドアと合わせて最大1500mmという巨大な開口部を実現しています。このようなBピラーレスの左右両側スライドドアを採用したモデルは、現在はもちろん、過去に遡ってもこのB-MAXをはじめごく少数で、貴重な存在です。
全体的なデザインテイストは最近の欧州フォードのデザインに則った台形グリルやシャープなヘッドライトなど、ベースモデルとなるフィエスタなど欧州フォード各モデルとの共通性が見られます。
インテリア
たっぷりしたサイズのシートで長距離移動も快適
インパネはsyncシステムを中心に据えた、近年の欧州フォード車お馴染みのデザイン。シートはコンパクトカーなのに大ぶりかつしっかりとした掛け心地のシートは日本のコンパクトカーとは一線を画したものとなっています。
センターピラーレスドアの採用による大きな開口部により、各シートへのアクセスや、後席を畳んだ際の荷物の積み込みが容易です。また、後席や助手席の背もたれを水平まで倒せるため、多彩なシートアレンジが可能、長尺物なども簡単に飲み込めます。優れたユーティリティがB-MAXの魅力です。
パワートレイン
ガソリンとディーゼル両方をラインナップ。主力は1.0Lエコブースト
エンジンは1.0L 3気筒のエコブーストをはじめ、4気筒1.4Lと1.6Lのデュラテック(Duratec)エンジン、そして1.5L 4気筒のデュラトルク(Duratorq)ディーゼルエンジンがラインナップされています。
やはり特筆すべきは、お馴染みとなった1.0Lエコブーストエンジンでしょう。欧州市場の環境エンジン技術として人気のダウンサイジングターボのエンジンは、3気筒1.0Lとコンパクトながら、125psの最高出力と20.3kgmの最大トルクという動力性能に加え、燃費も実走行に近い欧州複合燃費で20.4km/Lという優れた低燃費性能を実現しています。
このエコブーストエンジンはB-MAXのデビュー年である2012年以降、2013年、2014年と3年連続でInternational Engine of the yearを受賞しており、このエンジンが並々ならぬ完成度の高さの持ち主であることを物語っています。
冒頭のエンジンと組み合わせるB-MAXのミッションは基本的に5速マニュアルですが、ゲドラグ製デュアルクラッチトランスミッションの6速パワーシフト(PowerShift)を組み合わせたモデルも用意されています。(パワーシフトとの組み合わせは1.6Lエンジンのみ)
サスペンション
欧州フォードならではの、優れた乗り心地とハンドリング
サスペンションについてはフロントはマクファーソン・ストラット、リアはトーションビームというFF車としてオーソドックスな構成です。
車重はベースとなるフィエスタよりも相応に増加していますが、B-MAXに合わせたセッティングがなされ、しなやかで乗り心地が良く、楽にボディコントロールが出来るような味付けの足回りとなっています。ドライバーが退屈する、という類のクルマ達とは一線を画するハンドリングと言えます。
参考スペック
Ford B-MAX Titanium Navigator 1.0 EcoBoost 125PS 5MT(イギリス仕様2018年モデル)
寸 法 ▶︎全長x全幅x全高 = 4,077 mm x 1,751 mm x 1,604 mm
ホイールベース:2,519 mm トレッド:前/後 1580mm / 1645mm
エンジン▶︎1.0L 直列3気筒 直噴ターボ EcoBoost エンジン
125ps/-rpm 170Nm(オーバーブースト時 200Nm)/-rpm
駆動方式▶︎FWD(前輪駆動) 5速マニュアル・トランスミッション
懸架装置▶︎前:マクファーソンストラット
後:トーションビーム
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後:ドラム
タイヤ ▶︎前:195/55 R16 後:195/55 R16
燃料容量▶︎48 L 車両重量▶︎1,279 kg 最高速度▶︎188 km/h 0-96km/h加速▶︎11.2 秒
燃 費 ▶︎20.4 km/L(欧州複合基準)-m/L(JC08モード日本仕様参考値)
価 格 ▶︎17,045 ポンド(イギリス仕様車)
※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください
ライバルモデル
フォードB-MAXのライバルとなる欧州市場での同程度のサイズのマルチパーパスビークルは、シトロエン ネモ・マルチスペースやフィアット クーボが挙げられます。
シトロエン ネモ・マルチスペースとフィアット クーボは、B-MAXと同じようにスライドドアを採用していますが、Bピラーは残っています。商用車をベースとしたモデルのため、荷室の広さは抜群です。その点、乗用車ベースのB-MAXは乗り心地の面で有利といえます。
プチバンでスライドドアにBピラーレスの開放感、そして乗用モデルをベースとしていて乗り味も良く、燃費も優れるB-MAXは、直接競合するライバル不在のオンリーワンな一台です。
バイヤーズガイド
2018年現在、英国仕様のフォード B-MAXのグレード構成は、ベーシックなものから順にZetec Navigator、Titanium Navigator、Titanium X Navigatorの3種類です。名前のとおり、すべてのグレードでナビゲーションシステムが標準装備です。
もっとも廉価な「Zetec Navigator」でも装備は充実しており、LEDライト、フロントフォグライト、マニュアルエアコン、本革巻きステアリング&シフトノブ、タイヤ空気圧監視システムなどが標準で装備されます。「Titanium Navigator」になると、アルミホイールが15インチから16インチに変更され、オートエアコンやクルーズコントロール、オートライト&雨滴感知式ワイパーなどが追加されます。最上級の「Titanium X Navigator」は、パノラマルーフ、キーフリーシステム、本革シート&シートヒーター、リアプライバシーガラスなどが装備される豪華仕様です。
おすすめグレードはTitanium Navigator、パワーユニットはMTに抵抗がなければフォード自慢の1.0L エコブーストエンジンをおすすめします。わずか1.0Lの排気量から十分なパワーを発揮するエコブーストエンジンは、環境性能に優れることはもちろん、日本の税制上も有利です。
現在フォードではライトサイジングエンジンである1.5Lの新ユニットへの移行を徐々に始めていますから、このクラスのボディで1.0Lを味わうなら今がチャンスかも知れません。
2018年現在のフォード B-MAX 日本再導入の可能性
フォードは2016年に日本市場から撤退したばかりであり、再び日本で正規ディーラー網を展開するという話は今のところ聞こえてきません。近いうちにB-MAX が日本で正規販売される可能性は、極めて低いものと思われます。
並行輸入という選択肢
日本市場に正規輸入されていないモデルでも、並行輸入を行えば日本で所有できます。
一例としてコアカーズを運営する並行輸入車販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したフォード B-MAX の乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示していますので、参考にしてください。
- 車名
- 2年保証付き
国内乗り出し価格目安
- 円
(税込・諸費用込)
※国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。
また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。
車両詳細画像ギャラリー
関連リンク
現地法人公式サイト・コンフィギュレーター
- フォード英国 B-MAX のオフィシャルサイト (FORD UK B-MAX)
- フォード英国 B-MAXのコンフィギュレーター (FORD UK B-MAX)
お問い合わせ
下記のお問い合わせフォームにご入力いただくかお電話にてお気軽にお問い合わせください。なお、お問合せいただきました内容によっては、お時間をいただく場合やご回答しかねる場合がございますのであらかじめご了承ください。
また、並行輸入に関しては、並行輸入の一連の流れをまとめた「並行輸入車をご購入いただく場合の流れ」と、お客様からよくご質問いただく質問をまとめた「欧州車の並行輸入に関するよくあるご質問(FAQ)」等のページをご用意しております。お問い合わせいただく前に、併せてご利用ください
※電話番号のお掛け間違い、メールアドレスの入力ミスにお気をつけ下さい。
電話でのお問い合わせ
10:00〜 20:00(水祝除く)
担当者:小椋(オグラ)
※お電話の際、「コアカーズを見た」とお伝えください。
メールでのお問い合わせ
※本記事は2019年6月19日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。