2019.06.19

新型フォード フィエスタST Mk8 2018 を解説、日本未発売モデルの概要やスペック、価格他、並行輸入情報も掲載。

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最上級仕様となるST-3 5Dr、フォードパフォーマンスブルー

フォード フィエスタST(FORD Fiesta ST)は、ヨーロッパフォードが販売するセグメントの小型ハッチバック、フィエスタのスポーツモデル。ベースモデルとともにハンドリングマシンとして高い完成度を持ち、欧州のユーザーや評論家から高い評価を受けています。その最新モデルであるフィエスタST Mk8は2017年のジュネーブモーターショーでワールドプレミアされ、2018年7月、英国での発売が開始されました。

この新型フィエスタST Mk8にはフォードGTやフォーカスRS Mk3の最新技術が惜しみなく投入されています。フォード初の気筒休止機構を備え環境性能とハイパワーを両立させた新型1.5L 3気筒エコブーストエンジン、フィエスタでは初採用となる3ステージのドライブモードの搭載、絶妙にセッティングされたサスペンション等によりワンランク上のドライビングを楽しむことができそうです。

日本市場から撤退し正規輸入が期待できないフォード車ですが、ヨーロッパフォードのスポーツモデルを数多く並行輸入しているYMワークスでは、この魅力的な新型フィエスタST Mk8を右ハンドルのイギリス仕様で並行輸入しお届けします。

最新情報

2018-08-10:7月中旬英国での発売が開始

詳細が判明したものを中心に、過去記事を大幅に修正しました。また、英国の自動車専門誌「AUTO CAR」や「Auto EXPRESS」誌等でも試乗・レビュー記事が掲載され、異例ともいえる非常に高い評価を受けています。

味わわないのがもったいない 間違いなくオススメできる1台。850ポンド(12万円)のパフォーマンス・パッケージの選択も積極的に勧めたい。また、600ポンド(8万円)のオプションとなるLEDヘッドライトも、アピアランスを引き立てるだろう。(AUTO CAR誌 日本語版)

https://www.autocar.jp/firstdrives/2018/07/27/304257/

Best hot hatchbacks on sale(販売中のベストホットハッチバック、Auto EXPRESS誌)

http://www.autoexpress.co.uk/ford/fiesta/103407/new-ford-fiesta-st-2018-review

2018-06-02:グレード構成と価格、主要装備が判明

イギリスでの新型フィエスタSTのグレード構成と価格、それぞれの主要装備等を含むプライスリストが発表されました。ほぼ予想通りと言えそうです。ボディはST-1は3ドアのみ、ST-2とST-3には3ドアと5ドアが用意されるようです。

  • フィエスタST-1 3Dr:£18,995
  • フィエスタST-2 3Dr:£19,995
  • フィエスタST-2 5Dr:£20,645
  • フィエスタST-3 3Dr:£21,495
  • フィエスタST-3 5Dr:£22,145

ST-1はほぼ素のグレードで、レカロ製ファブリックスポーツシート、ドライブモードは備わりますが、内装もシンプルなものでエアコンはマニュアルになります。

ST-2はブルーディティールのレカロ製ファブリックスポーツシート、フロアマットもブルーステッチになります。フルオートエアコン、8インチタッチスクリーンのB&Oオーディオシステム等が備わります。インテリアのカラーコディネートについては触れられていません。

ST-3は概ねST-2の装備に加え※、18インチ専用ホイール他、各種の快適装備が標準化されています。シートはブルーシルバーディティールのレカロ製フルハーフレザースポーツシートが備わります。フロアマットもシルバーのステッチ。フォード SYNC3ナビゲーションシステムを標準装備。インテリアのカラーコディネートについては触れられていません。
※B&Oオーディオシステムはナビ等との関連なのか記載がありません。また、一部装備はST-2と異なるものもあります。

ST-1からST-3まで「ST Preformance Pack」なるものが£850でオプション設定されています。機械式LSD、ローンチコントロールシステム、シフトライト等が主なものと思われます。

詳細はプライスリストをご覧ください。近日中に国内乗出し価格を設定したいと思います。

https://www.ford.co.uk/content/dam/guxeu/uk/documents/price-list/cars/PL-All_New_Fiesta.pdf

モデルの概要

フィエスタSTの歴史

2017年にMk8へと進化を遂げたフォード フィエスタ。そのスポーツモデルとなるフィエスタSTは、2017年3月に開催されたジュネーブモーターショーでワールドプレミアされ、2018年7月、英国での発売が開始されました。外観は標準モデル同様に先代Mk7.5とあまり変わらないデザインですが、その中身は大幅にアップデートされています。そんな最新版のフィエスタST Mk8とはどんなクルマなのか、歴代モデルと合わせて今一度おさらいしてみましょう。

STとは、「Sports Technology」の略で、本格的なサーキット走行だけでなく、日常シーンでの使いやすさも考慮されたバランスの良いチューニングモデルに与えられます。フィエスタ以外にもフォーカス等に設定され、Sports Technologyの名に相応しいハンドリングと乗り味を楽しめることで知られています。STの開発にはフォードのレーシング部門であるチームRS(現フォードパフォーマンス)が関わっており、そのスポーツ性能はお墨付き。第2世代のフィエスタにはよりスポーツ性を重視したRSモデルが存在していましたが(1990年のフィエスタRSターボと1992年のフィエスタRS1800)、2002年に登場した第3世代(Mk 6)からはRSではなくSTとなっています。

2018年春にデビューした新型フォード フィエスタST Mk8

2018年春にデビューした新型フォード フィエスタST Mk8

STの開発にはフォードのレーシング部門であるチームRSが携わっている

STの開発にはフォードのレーシング部門であるチームRSが携わっている

ST150の概略と日本仕様について

日本に初めて上陸したフィエスタSTは前述のMk6におけるST150というモデルです。150というのは150馬力という意味で、2005年の発売当時はフィエスタST150のほかにモンデオST220やフォーカスST170という兄弟モデルも存在していました。日本仕様のフィエスタST150は、2.0LデュラテックSTエンジンと5速MTを搭載し、サブフレームとサスペンションをST向けに強化、ホイールもノーマルの14インチから16インチへ大径化されています。パワートレインだけでなく内装もSTロゴマーク入りのスポーツシートを採用するなど特別感を演出していました。

フォード フィエスタST150

フォード フィエスタST150

フォード フィエスタST150 内装

フォード フィエスタST150 内装

2008年にはラインナップから消滅、2013年に復活

マイルドになったRSモデルとしてデビューしたフィエスタSTですが、2008年、Mk7へのフルモデルチェンジによる世代交代によってラインナップからはいったん消滅。ちなみに2008年に登場した第4世代のフィエスタMk7は、フォードの世界戦略車という位置づけで販売され、ヨーロッパ各国でベストセラーを記録しています。この第4世代のフィエスタは2012年にマイナーチェンジを受けMk7.5へと進化、2017年まで生産されました。

フィエスタSTはこのMk7.5にて復活を果たします。ST180/ST182と呼称されるこのモデルは、1.6L直列4気筒直噴ターボのエコブーストエンジンを搭載、180HP(182ps)の最高出力と240Nm(OB時は290Nm)最大トルクを発揮、優れたハンドリング性能を得てイギリスをはじめとする欧州各国で高い評価を得ました。欧州では3ドア、北米では5ドアが販売されています。

フォード フィエスタ ST180 Mk7.5

フォード フィエスタ ST180 Mk7.5

フォード フィエスタST200

フォード フィエスタST200

モデル後期にはルノー クリオRSやプジョー208GTIなどのライバル車が軒並み200馬力クラスになったことへの対応策として、ST200というモデルが設定されました。その名の通り最高出力は200馬力まで引き上げられ、最大トルクも290Nmにまで高められています。

2014年には日本でもフィエスタが再び正規輸入されていましたが、当時日本で販売されていたのは、2012/2013年インターナショナル エンジン オブ ザ イヤーに輝いた1.0L 3気筒エコブーストを搭載したフィエスタ1.0T エコブーストというモデルです。このモデルは直噴燃料噴射システムと可変バルブタイミングシステムによって1.6L自然吸気エンジンと同レベルのパワーを生み出し話題を集めていました。

イギリスでは8年間もトップセールスを記録

イギリス国内では非常に人気の高いフィエスタ。イギリス国内での自動車販売台数では、かつて8年もの間クラストップセールスを記録してきたほどの人気モデルで、ニューモデルが登場するたびに注目を集めてきました。そのトップモデルであるフィエスタSTについて「フォードGTやフォーカスRSで採用されている最新技術が惜しみなく投入される」とフォード・パフォーマンスのグローバルディレクター、Dave Pericak氏が語っており、発売前からイギリスをはじめヨーロッパ市場で高い注目を集めています。

フォード フィエスタ ST Mk8 トピックス紹介動画(約56秒)

WRC(世界ラリー選手権)で鍛えられた走行性能

フィエスタはフォーカスRS WRCの後継として2011年以降、フィエスタRS WRCがWRCに参戦、走行性能を鍛え上げてきました。開発・運営は主にフォードのラリー活動を支えてきたMスポーツが担当しています。特にデビュー年度の2011年には開幕戦のスウェディッシュラリーで優勝、表彰台を独占して鮮烈な印象を残しました。WRCへのフォードのワークス活動は2012年をもって終了しますが、Mスポーツへの支援は引き続き行われ、2017年にはセバスチャン・オジェの手によりドライバーズ、マニュファクチャラーズの両部門で総合優勝を獲得しています。

ジュネーブモーターショーで展示されたフィエスタRS WRC 2018

ジュネーブモーターショーで展示されたフィエスタRS WRC 2018

ハイライト

エクステリア

先代を継承しながらも専用設計装備が与えられた外観

レースカーからインスパイアされたという専用のグリルを持つフロントマスク。そのほかにも大型のルーフスポイラー、デュアルエキゾースト、専用18インチアルミホイール(ST-3、ST-1とST-2は17インチの各々専用品、タイヤはミシュランのスーパースポーツ)等、STならではの専用装備が与えられるとともにレーシーな雰囲気を醸し出しています。ボディスタイルはST-1は3ドアのみ、ST-2とST-3では3ドアと5ドアがそれぞれ選べます。

なお、ボディカラーは、レースレッドが標準色、プレミアムカラーはフローズンホワイト(£250)、ムーンダストシルバー、マグネティック、シャドウブラック(以上£495)、ST-2、ST-3のみのエクスクルーシブカラーとして、フォードパフォーマンスブルー、シルバーフォックス(以上£745)が選択可能になっています。

ハニカム状になっているメッシュグリルはレースカーから影響を受けたデザイン

ハニカム状になっているメッシュグリルはレースカーから影響を受けたデザイン

幾何学的なデザインが特徴的なST-3専用ホイール

幾何学的なデザインが特徴的なST-3専用ホイール

インテリア

レカロスポーツシートが標準、質感と操作性が大きく向上したインテリア

朗報といえるのは、フロントシートにはフィエスタST Mk7.5やフォーカスST Mk3等でも好評のレカロスポーツシートが標準で備わります。トリムやディティールはグレード毎に差があり、ST-1ではブラックのファブリック×シルバーステッチ、ST-2ではブラックファブリック×ブルーステッチ。最上級のST-3ではブラックのパーシャルレザー仕様になります。フロアマットのディティールもこれらに準じたもののようです。

メーター関連は先鋭的であった先代モデルより幾分普通になった感じがしますが、STロゴ入りの本革巻きステアリング、本革製ブーツのメタル製シフトノブ他、要所要所にドライビングの高揚感を擽るアイテムが採用されています。

ST-3の運転席

ST-3の運転席

パーシャルレザーとなるST-3のフロントシート

パーシャルレザーとなるST-3のフロントシート

エンターテイメントシステムはディスプレイパネルも独立して使い易くなりました。最大8インチのタブレット型タッチスクリーンはピンチ&スワイプで直感的な操作に加えフォードのSYNC3通信によって音声入力での操作も可能です。スマートフォンとの接続にも対応しApple CarPlayおよびAndroid Autoとの互換性も備えています。

また、高級オーディオメーカーとのコラボであるB&O PLAY プレミアム オーディオシステム(10スピーカー)をST-2では標準採用し、ハイエンドなエンターテインメントが楽しめるようになっています。※ST-3はフォード SYNC3ナビゲーションシステムが標準装着され、B&O PLAY プレミアム オーディオシステムをオプションで追加装備できます。

ST-3のメーター、ステアリング

ST-3のメーター、ステアリング

仕上がりも美しい、本革/メタルのシフトノブ

仕上がりも美しい、本革/メタルのシフトノブ

パワートレイン

200psのパワーと環境性能を両立、フォード初の気筒休止機構を採用した1.5L 直3 エコブーストエンジン

フィエスタST Mk8に搭載されるのは、新型オールアルミ製直列3気筒1.5Lエコブーストエンジン。基本的にはフォーカスMk4等にも搭載されている今後のフォードの中核を担うユニットで、ハイパフォーマンスと優れた燃費性能を生み出します。

ターボチャージャーと高圧燃料噴射(ハイプレッシャーインジェクション)、ツイン独立可変カムタイミング機構を採用し、フィエスタST Mk8では専用のチューニングが施されました。ダウンサイジングしつつも先代ST200と同じ最高出力200ps、最大トルク290Nmを発生、0-100km/h加速はST200から0.2秒短縮した6.7秒という性能が発表されています。

さらにフォード初の気筒休機機構(シリンダー オン デマンド)が採用されており、1200-4500rpmの軽負荷時には中間シリンダの吸排気バルブを遮断。CO2排出量を114g/km削減することにも成功し、燃費は欧州複合基準で約20.8km/Lと発表されています。相応の実用燃費の向上(先代は欧州複合基準で約16.9km/L)も期待できそうです。

フォード車では初となるシリンダーオンデマンドを採用した1.5L 3気筒エコブーストエンジン。

フォード車では初となるシリンダーオンデマンドを採用した1.5L 3気筒エコブーストエンジン。

街中からワインディングまでシーンに合わせた楽しめるハンドリング

街中からワインディングまでシーンに合わせた楽しめるハンドリング

フォードGTやフォーカスRSからフィードバックされた「ドライブモード」を搭載

3つのドライブモード

新型フィエスタST Mk8では、フォードGTやフォーカスRSからフィードバックされた「ドライブモード」を新採用しています。「ノーマル」「スポーツ」「トラック」の3つのモードが用意され、状況や目的に合わせてドライバーが任意でモードを選択することが可能。エンジンだけでなくステアリングやスタビリティコントールも連動します。さらにElectronic Sound Enhancement(ESE)によってエコブーストエンジンのエグゾースト音を増幅させ、それぞれのモードに合わせたエンジン音を生み出します。

センターコンソールに配置されるドライブモードの切り替えスイッチ

センターコンソールに配置されるドライブモードの切り替えスイッチ

ドライブモードやローンチコントロールなどの設定はメーターパネル内のディスプレイで確認することが可能

ドライブモードやローンチコントロール(OP)などの設定はメーターパネル内のディスプレイで確認することが可能

●ノーマルモード
エンジンマッピング、トラクションコントロール、スタビリティコントロール、ESE、電動パワーステアリングはノーマルで自然なドライブフィールを提供します。

●スポーツモード
エンジンマッピングとスロットルペダルの反応がシャープになり、電動パワーステアリングも合わせて鋭敏に反応。ESEによってスポーティな排気音になり、室内にも心地よい排気音が響き渡ります。

●トラックモード
トラクションコントロールがオフになり、すべての車両ダイナミクス機能が可能な限り素早く制御されるように調整。スタビリティコントロールの介入はワイドスリップモードに設定されます。

機械式LSDとローンチコントロール等をオプション設定

新型フィエスタST Mk8には、ST-1からST-3まで、パッケージオプションとして「STパフォーマンスパック(£850)」が追加装備できます。このパッケージは、Quaife製LSD(Limited Slip Deff)、ローンチコントロール、シフトライト等がセットになったものです。

特に機械式LSDはフォーカスRS Mk3の限定モデルでも好評な装備であり、ライバル車でも積極的に採用されてきています。ドライブモードと合わせトラクション効果を最大限発揮でき、スポーツ走行派には嬉しい選択肢です。また、ローンチコントロールは路面状況に合わせ、安定して最適な発進加速を実現することができるでしょう。

フォード フィエスタ ST Mk8 ディティール紹介動画(約60秒)

参考スペック

フォード フィエスタ ST-3 3ドア 1.5 EcoBoost (200ps) 6MT
(イギリス仕様2018年モデル)


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,068 × 1,735 × 1,469 mm
ホイールベース:2,493mm トレッド前/後 -x-
エンジン▶︎水冷直列3気筒直噴ターボ DOHC12V フロント横置 気筒休止機構付
     1497cc 804.0×90.0mm 9.7:1 200ps/6000rpm 290Nm/1600-4000rpm
駆動方式▶︎FF  6MT
懸架装置▶︎前:マクファーソン・ストラット
▶︎後:トーションビーム
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッド・ディスク 後 ディスク
タイヤ ▶︎前後:205/40ZR18 MICHELIN Pilot Super Sport
燃料容量▶︎42L 車両重量▶︎1262kg 最高速度▶︎232km/h 0-100km/h加速▶︎6.7秒(LC使用時6.5秒)
燃 費 ▶︎16.6km/L(欧州複合基準)
価 格 ▶︎21495ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください

最上級仕様となるST-3 5Dr、シャドウブラック

最上級仕様となるST-3 5Dr、シャドウブラック

カラーは全7色

カラーは全7色

総評

フォードの誇るさまざまなエポックメイク的技術が投入され、さらなる成熟の度合いを増した最新版のフィエスタST Mk8。その完成度の高さから、ライバルメーカーも新しいホットハッチの指標として熱い視線を投げかけています。前出のDave Pericak氏は「最新のフィエスタSTのステアリングを握るオーナーは、フォードによって開発された革新的な技術(ハイパワーのエコブーストとドライブモードの技術を含めた)による恩恵を受けることになるでしょう」とインタビューに答えています。

新しい技術を惜しみなく注ぎ込み、これまで以上のパフォーマンスで最新の「ファントゥドライブ」を実現させたフィエスタSTは、私たちの期待を大きく超える仕上がりとなっているようです。

フォード フィエスタST Mk8

フォード フィエスタST Mk8

先代モデルとの比較

今回発売される新型フィエスタST Mk8。キーファクターは気筒休止機構付の新型3気筒 1.5Lエコブーストエンジンとドライブモードの搭載です。先代フィエスタST Mk7.5では直4 1.6Lエコブーストエンジンが搭載されていましたが新型Mk8はダウンサイジングしながらも先代ST180/ST182を凌駕しST200と同じパワー・トルクを発揮。エンジンそのものも軽量なはずですから回頭性にも有利な、いわゆる「鼻先が軽い」クルマに仕上がっていることは容易に想像できます。さらに気筒休止機構等の環境対策装備で実用燃費も相応に向上していることでしょう。

ハンドリングや走りにも期待が高まります。先代はこのクラスにおける走りのベンチマーク的存在。走りの基本性能自体が高水準であることに加えトルクベクタリング制御機構を搭載し高い評価を受けてきました。新型Mk8ではその上を行くドライブモードが搭載されているわけですから、よりスマートにコントローラブルになっていることでしょう。モードの切り替えによってはよりアグレッシブな走りにも応えてくれそうです。

また、近年では必須装備となる安全装備も主要なものはほぼ標準で備わっており、EURO NCAPも5つ星を獲得しています。

フィエスタはイギリスで圧倒的な人気を誇るフォード車のひとつ。STの注目度も極めて高い

フィエスタはイギリスで圧倒的な人気を誇るフォード車のひとつ。STの注目度も極めて高い

ライバルモデル

1.6L級の高性能エンジンを搭載するホットハッチモデルは、ヨーロッパでは数多くのライバルがひしめいています。

フィエスタST Mk8の直接的なライバルになるのは、ルノー クリオRS(日本名はルーテシアRS)が挙げられます。ボディサイズも同じBセグメントに位置しており、1.6L直4ターボエンジンは最高出力220ps、最大トルク260Nmを発生させるなど、パワーの面でも非常に近しいライバル車といえるでしょう。特に2018年1月に発売された限定モデルのクリオRS18は、トルクブーストモードを備えるだけでなく「アクラポビッチ」のエグゾーストシステムも採用するなど、より魅力的な仕様になっています。

プジョー208GTIももちろんライバルに挙げられます。208GTIは3ドアのボディに1.6L直4ターボエンジンを搭載し、最高出力208ps、最大トルク300Nmを発生。6速MTで1200kgの軽量な車体を小気味よく操ることができます。よりコンペティティブな「208GTI by Peugeot Sport」であればLSDも標準装着され、フル装備のフィエスタST Mk8の好敵手になるでしょう。

ルノー クリオ R.S. 18

ルノー クリオ R.S. 18

プジョー208GTI by プジョースポール

プジョー208GTI by プジョースポール

2018年春に新登場した6代目のフォルクスワーゲン ポロの高性能版であるポロGTIもライバルと言えます。ボディサイズがやや大型化し、エンジンも2.0L化されたので、直接的、というには微妙なところですが、パワー、価格などは拮抗しており、比較検討の対象にはなるでしょう。

ユニークなところでは、やや古いですが2010年にWRC6連覇を記念して特別につくられたDS3レーシングなども面白い存在です。ノーマルよりも15mmほど車高を下げたボディと専用のエアロパーツを纏ったDS3レーシングは、1.6l直4ターボエンジンを搭載し、最高出力207ps、最大トルク280Nmを発生。全世界でわずか3000台しかつくられなかったプレミアム ホットハッチです。

フォルクスワーゲン ポロ GTI

フォルクスワーゲン ポロ GTI

シトロエン DS3 レーシング

シトロエン DS3 レーシング

このクラスのスポーツモデルは、各メーカーの思想やポリシーを表現したものが多く、どれを選んでも相応に楽しめると思います。中でもフィエスタSTはクルマとの対話を楽しみたいという方にオススメです。奥深く、路面からのフィードバックを的確に伝える素晴らしいハンドリング、路面追従性が高くコントローラブルな足回りとシャシー。一度はお乗りいただきたいモデルです。

バイヤーズガイド(発売時期、価格)

フィエスタST Mk8のグレード構成は、大方の予想通り、先代同様にベーシックな装備仕様のST-1、必要かつ十分な装備が奢られるST-2、豪華なインテリアや快適な装備にもこだわった最上級グレードのST-3という3つのグレードが用意されます。基本は3ドア、ST-2とST-3では5ドアも選択できます。実用性は5ドアに分がありますので、パーソナルユースであれば3ドア、ファミリーユース等が想定されるなら5ドアになるでしょう。

標準仕様のST-1 レースレッド

標準仕様のST-1 レースレッド

ST-1のフロントシート

ST-1のフロントシート

「走りの機能が最優先」という方にはST-1にパフォーマンスパックを追加装備したもので、十分な満足度が得られると思います。価格的にも一番抑えられた仕様です。
「可能な装備は全てほしい」という方にはST-3にパフォーマンスパックとLEDヘッドライト、B&O PLAY プレミアムオーディオのオプションで決まりでしょう。
悩ましいのがST-2です。ほぼ必要な装備は備わっていますし、ST-2のみのブルーステッチ内装もフォード パフォーマンスが手掛けたクルマのイメージを色濃く表現していると言えます。装備も国産車の標準装備やST-3に比べれば、若干、不便を感じることもあるかもしれません。しかし、ナビはスマホ版を使う、というのであればそのまま使えますし、必要だ、と思えるオプションを追加していくのもアリでしょう。

必用十分な装備のST-2 5Dr、フローズンホワイト

必用十分な装備のST-2 5Dr、フローズンホワイト

ブルーステッチが映えるST-2の内装

ブルーステッチが映えるST-2の内装

なお、主なオプションとしては
・STパフォーマンスパック(機械式LSD、ローンチコントロール等:£850)
・ST用LEDヘッドライト(£600)
・パノラミック開閉式グラスルーフ(£600)
安価で実用的なオプションとしてはドアエッジプロテクター(£100)、高さ調整式トランクフロア(£75)等もあります。コンフィグレーターでご確認ください。

並行輸入という選択肢

日本での正規輸入販売は行われないフォード フィエスタST Mk8。フォード車の歴代各モデルのSTシリーズは名作として日本国内にも多くのファンを有しています。新型フィエスタST Mk8も並行輸入を行なえば日本での楽しむことももちろん可能です。

YMワークスは、歴代フォーカスRSを50台以上、STを10数台、フィエスタSTも10台程、並行輸入・販売させていただいています。英国内のディーラー各社とも独自のパイプがあり、車両そのものの並行輸入はもちろん、パーツの供給、各種整備・修理、車検まで、納車後のアフターフォローもなどもきめ細かに対応、安心してお乗りいただける環境をご提供いたします。

  • 車名
  • 2年保証付き
    国内乗り出し価格目安

  • (税込・諸費用込)

  • (税込・諸費用込)

  • (税込・諸費用込)

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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モンチューンによるチューニングも可能

YMワークスでは、フォードと密接な関係を持ち、純正指定のアップグレードパッケージを展開する「モンチューン(mountune)」と長期のパーツ供給・サポートで合意しています。同社はフィエスタST Mk8用のカスタムパーツを次々と発表すると思いますので、ノーマルのフィエスタSTでは満足できない方のリクエストにもお応えできます。

フォード フィエスタSTモンチューンMR230

フォード フィエスタST モンチューン MR230

車両詳細画像ギャラリー

関連リンク

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並行輸入車・逆輸入車の購入手順|YMワークス(大阪)

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並行輸入車を買う前に知っておきたいメリット・デメリットを詳しく解説。

輸入車を購入するときに、並行輸入車の存在が気になったことがある方は少なくないかと思います。けれども並行輸入車のメリットやデメリットがよく分からないと、なかなか一歩を踏み出すことはできないかもしれません...

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