2019.06.19

フォード エコスポーツを解説、日本未発売モデルの概要やスペック、価格他、並行輸入情報も掲載。

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フォード エコスポーツ(2017~)

フォード エコスポーツ(Ford EcoSport)は、フォードのラインナップでもっともコンパクトなSUVです。ブラジル・中国・インド・タイの工場で生産され、世界中で販売されています。

今回は最新のフォード エコスポーツの魅力と、並行輸入の方法について解説します。

モデル概要

フォード エコスポーツは、フォードBプラットフォームを使用したコンパクトSUVです。

初代エコスポーツは2003年に南米でデビュー。欧州よりも道路環境が悪い南米地域に対応するため、ブラジル・カマサリ工場内にあるフォード・ド・ブラジルでも開発が行われました。欧州版フォード フュージョンをベースに地上高を上げ、オフロードの走破性を高めたのが初代エコスポーツの成り立ちです。南米地域限定のみの販売でありながら約77万台を売上げ、特にブラジルでは大成功を収めています。

フォード エコスポーツ (初代)

 初代 フォード エコスポーツ

フォード エコスポーツ(2014-2017)

 2代目 フォード エコスポーツ(前期型・2014-2017)

現行モデルとなる2代目 エコスポーツは、2012年の北京モーターショーで市販モデルが発表されました。「ワン・フォード(OneFord)」戦略に基づき、地域性に囚われないグローバルモデルとして開発され、南米市場だけでなく、欧州、アジア地域でも販売されています。

日本市場へは2014年に導入、2016年のフォード・ジャパン撤退まで販売されていました。導入されたのは、インドの工場で生産される1.5L 直列4気筒ガソリンエンジンと、パワーシフト(PowerShift)とデュアルクラッチトランスミッション(DCT)を組み合わせたモデル1種類のみです。

2017年末にはフェイスリフトを敢行。愛嬌のあるフロントマスクは精悍にものになり、インテリアもインパネを中心に大きく変わっています。

ハイライト

エクステリア

コンパクトながら逞しさを感じさせる個性的なデザイン

フォードのデザインテーマであるキネティックデザイン(Kinetic Design)から発展したニュー・グローバル・デザイン・ランゲージ(New Grobal Design Laungage)に則ったエクステリアは、ひと目でエコスポーツとわかる個性的なもの。ボディの四隅いっぱいに大径タイヤを配置し、コンパクトながらもSUVらしい逞しさを感じさせます。2017年のフェイスリフトで精悍な表情に変更されましたが、無骨な印象のモデルの多いSUVのなかでは、まだまだ癒し系のデザインといえそうです。

正規輸入版におけるエクステリアの特徴ともなっていたリアの背面タイヤは、英国版には標準装備されません。日常での使用が主体の場合は、却って使い勝手がよいかもしれません。必要に応じてオプション装着可能です。

フォード エコスポーツ

フォード エコスポーツ

フォード エコスポーツ

フォード エコスポーツ

インテリア

直感的に操作できる新しいインパネを採用

2017年のフェイスリフトを機に、それまでの抑揚に富んだインパネ形状が改められました。Syncシステムを中心とすることに変わりはありませんが、より直感的に操作できるスイッチ配置が採用されています。2017年にデビューした新型フィエスタも同様であることから、今後のフォード車のインテリアデザインの方向性を指し示すものと考えられます。

シートには撥水性の高い素材が使われており、汚れた場合は簡単に拭き取れます。着座位置は地上から約700mmと高く、小柄なドライバーでも良好な視界で運転できるのも良い点です。ドア回りのダブルシール構造やアコースティックガラスの採用など、細かい防音処理が施されているのも特徴です。

ダブルフォールディングのリアシートを倒した場合のトランク容量は356L。20箇所ある収納スペースの合計容量は20Lと、日常の使い勝手にも配慮がされています。

フォード エコスポーツ インテリア

 エコスポーツの新しいインテリア(2017-)

フォード エコスポーツ ラゲッジスペース

フォード エコスポーツ ラゲッジスペース

パワートレイン

1.0L エコブーストと1.5Lディーゼルの2本立て

英国版フォード エコスポーツに組み合わされるエンジンとトランスミッションは以下の通りです。

  • 1.0L 直列3気筒 エコブースト 125ps/6MT・6DCT
  • 1.0L 直列3気筒 エコブースト 140ps/6MT(ST-Line専用)
  • 1.5L 直列4気筒デュラトルク(ディーゼル) 100ps/6MT

 1.0L 直列3気筒 エコブーストは、Dセグメントのモンデオや商用車のトランジット・クーリエにも搭載される欧州フォードの主力ユニット。エンジンブロックはA4用紙に収まるほどコンパクトで、3気筒エンジン特有の振動はバランサーシャフトで抑制されています。可変バルブタイミングと直噴ターボを備え、最高出力は125PS、最大トルクは170Nmを発揮。ST-Lineのみ140PSのハイチューン仕様を選択できます。

1.5L 直列4気筒ターボディーゼルのデュラトルクは、フォードの主力ユニットのひとつとして地道な改良が続けられています。ディーゼルならではの低燃費が特徴で、フォード C-MAXや、フォード トルネオコネクトなどに搭載されています。

トランスミッションは5MTを廃止し6MTへ、さらに2ペダルモデルはデュアルクラッチ式のパワーシフトからトルクコンバーター式の6速ATに変更されました。

フォード エコスポーツ エンジンルーム

フォード エコスポーツ エンジンルーム

サスペンション

FFのみの設定だが本格的な走破性能を秘める

サスペンション形式はフロントにマクファーソン・ストラット、リアにはツイストビーム・トレーリングアームを採用。ST-Lineは専用のスポーツサスペンションが装備されます。

エコスポーツ には仕向地によっては4WDが用意されるものの、英国版はFFのみです。ただし、最低地上高180mm、アプローチアングル(フロント側)21度、デパーチャーアングル(リア側)33.3度と本格的なディメンションを持っており、基本的にはFFモデルで十分とメーカーは判断しているようです。

また、エンジンルーム内にあるエアインテークのレイアウトや、電装系の対策をすることで、最大水深550mmの渡河が可能です。これは大体タイヤが全て水に漬かるぐらいの水深で、近年日本でも度々起こるゲリラ豪雨や台風で水嵩が上がった有事の際には心強い性能です。

英国仕様のフォード エコスポーツはFFのみながら、SUVとしての基本性能に手抜かりはない

英国仕様のフォード エコスポーツはFFのみながら、SUVとしての基本性能に手抜かりはない

参考スペック

Ford EcoSport ST-Line 1.0 EcoBoost 140PS 6MT(イギリス仕様2018年モデル)


寸     法 ▶︎全長x全幅x全高 = 4,096 mm x 1,765 mm x 1,653 mm
ホイールベース:2,519 mm トレッド:前/後 1580mm / 1645mm
エンジン▶︎1.0L 直列3気筒 直噴ターボ EcoBoost エンジン
     140ps/-rpm  180Nm/-rpm
駆動方式▶︎FWD(前輪駆動) 6速マニュアル・トランスミッション
懸架装置▶︎前:マクファーソンストラット
後:ツイストビーム・トレーリングアーム)
ブレーキ▶︎前:
ディスク 後:ディスク
タイヤ   ▶︎前:205/50 R17 後:205/50 R17
燃料容量▶︎52 L   車両重量▶︎1,280 kg    最高速度▶︎187
km/h    0-96km/h加速▶︎11.8 秒
燃     費 ▶︎19.2 km/L(欧州複合基準)-m/L(JC08モード日本仕様参考値)
価     格 ▶︎20,445 ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください

ライバルモデル

エコスポーツのライバルとして、ボクスホール モッカXと、アウディ Q2を挙げます。

ボクスホール モッカXという名称は2017年に生まれましたが、元々モッカとして販売されていたものの改良版というのが正しい説明です。かつて日本に正規輸入されていたシボレー ソニックなどと同じプラットフォームを使用したSUVで、こちらも世界各地で販売されています。

ボクスホール/オペルと欧州フォードはしばしば比較されますが、エコスポーツとモッカXのボディサイズはほぼ同じ。最もサイズの異なる全幅でもわずか1.5cmの違いです。エンジンは1.4Lと1.6Lのガソリン&ディーゼルで、英国仕様の場合ガソリン車はFFのみとなります。優れたコストパフォーマンスとバランスの良さがボクスホールらしいモデルです。

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アウディ Q2は2016年に発表された、アウディのラインナップで最もコンパクトなSUV。プレミアムブランドのアウディだけに、エコスポーツやクロスランドXと比較すると高価ですが、若年層を狙ったポップなデザインは見る者にカジュアルな印象を与えます。

パワーユニットは合計6種類と豊富に用意されていますが、エコスポーツと同じく1.0L 直列3気筒ガソリンターボも採用されています。駆動方式はFFとハルデックス社製のユニットを使用した4WDで、オンロードを主眼に置いたチューニングが施されています。日本にも正規輸入されており、注目度の高いモデルです。

アウディQ2を解説、日本仕様と欧州仕様との違いや4WD仕様、価格情報も掲載。

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その他に、ハンガリーで生産されているスズキ エスクードや、欧州で人気のホンダ ヴェゼルも近いモデルです。それらも含めて比較した場合のエコスポーツのアドバンテージは、1.0L エコブーストによる経済性や、悪条件に強い車体のディメンション、個性的なデザインなどにありそうです。

バイヤーズガイド

フォード・ジャパン撤退まで日本でも販売されていたエコスポーツですが、この記事では日本には導入されなかったST-Line 1.0 EcoBoost 140PS 6MTをベストバイに推します。

ST-Lineは専用のスポーツサスペンションや、パワフルな140PS版の1.0Lエコブーストを採用。1.0L エコブーストは1.5L デュラトルクに比べ30kg以上軽く、コーナリング時の優れた回頭性にも寄与します。また、ST-Lineのみに用意される2トーンカラーは、フェイスリフトで精悍になったエコスポーツのエクステリアに良く似合います。

欧州で高く評価されてきたフォードならではの走りの良さを味わえ、かつスタイリッシュなグレードであるST-Lineには、エコスポーツの魅力が詰まっています。

フォード エコスポーツのおすすめは ST-Line

フォード エコスポーツのおすすめは ST-Line

2018年現在のフォード エコスポーツ 日本再導入の可能性

フォードは2016年に日本市場から撤退したばかりであり、再び日本で正規ディーラー網を展開するという話は今のところ聞こえてきません。そのためエコスポーツ が日本で再び正規販売される可能性は極めて低いと思われます。

フォード エコスポーツ

フォード エコスポーツ

並行輸入という選択肢

日本市場に正規輸入されていないモデルでも、並行輸入を行えば日本で所有できます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入車販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したフォード エコスポーツ の乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示していますので、参考にしてください。

  • 車名
  • 2年保証付き
    国内乗り出し価格目安

  • (税込・諸費用込)

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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※本記事は2019年6月19日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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