2018.02.24

インフィニティ Q30を解説、日本導入の可能性や並行輸入車の価格情報も掲載

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「ジャパンオリジナル~きっと日本が変わっていく~」をキャッチコピーに掲げ、日産の上級ブランドとしてデビューしたインフィニティ。はじめてのモデル「Q45」の発売から25年、インフィニティブランド初となるコンパクトモデルが市場に投入されました。今回はいちばん小さなインフィニティ、Q30を紹介、並行輸入の方法についても掲載します。

Q30は「日産のようで日産ではなく」「日本のモデルのようで日本のモデルではない」モデル。禅問答のようにも感じられますが、今のインフィニティをよく表した一台といえます。

モデルの概要

インフィニティQ30は、冒頭の通り現在のインフィニティのラインナップのなかで最も小さなCセグメント級モデルであり、同ブランド初のコンパクトモデルになります。

1980年代末、トヨタに対するレクサスと同様に、日産の高級車専門となるプレミアムブランドとして発足したのがインフィニティです。はじめはレクサスLS対抗としての大型セダンのQ45、プレミアムクーペ/コンパーチブルのM30(日本ではレパードとして販売)からスタートしました。ブランド展開は北米で始まり、欧州、アジア各地域へ展開しましたが、レクサスが日本に導入されたのとは対象的に、最初のモデルであるQ45を「日産インフィニティQ45」として販売した以外は、現在まで日本でのインフィニティブランドの展開はされていません。

日産の上級ブランドという立ち位置からはじまったインフィニティですが、依然日産との強い繋がりはあるものの、現在は本社を日本ではなく香港に置くグローバル企業になっています。

インフィニティ Q45(初代モデル:1989年)

インフィニティ Q45(初代モデル:1989年)

インフィニティ Q30コンセプト(2013年)

インフィニティ Q30コンセプト(2013年)

ブランド発足から20年以上、世界のプレミアムブランドがコンパクトモデルを投入しダウンサイジング展開をするなか、インフィニティは大型セダン、クーペ、SUVの展開のみで頑なにコンパクトモデルを投入しませんでした。しかし、2013年のフランクフルトモーターショーにQ30のルーツとなる「インフィニティQ30コンセプト」が参考出品されました。今までのインフィニティにはなかったコンパクトなコンセプトモデルは評判も良く、2015年の同ショーでは市販モデルが発表され市場に投入されました。

かつてQで始まるモデルは、「Q45」のようにフラッグシップモデルに付けられていましたが、最近ではネーミングルールが変わり、各モデルに対してSUVを「QX」、SUV以外を「Q」+サイズを表す数字に置き換えられました。Q30は数字の通りインフィニティの末っ子的モデルになります。2016年にはQ30をベースにSUV化した派生車のQX30も導入されています。

サイズなどから一見、日産が欧州で販売するパルサーがベースのようにも感じますが、今までのインフィニティ車と違い、Q30のベース車は日産にありません。メルセデスベンツ Aクラス/GLAクラスとプラットフォームを共有しています。これはルノー日産アライアンスとメルセデスベンツとの提携から生まれた産物で、ベース車の共有化は、メルセデスベンツ・シタン(ルノーカングー)、スマート(ルノートゥインゴ)に次いで3例目になります。生産は、イギリスのNMUK(英国日産)のサンダーランド工場で生産されます。

これらからも分かるように、今までのインフィニティ車はボディサイズが大きく、主に北米市場をターゲットにしていたのに対して、Q30はコンパクトで主に欧州市場をターゲットにしています。欧州をはじめ、北米のほかに中国や韓国など、日本を除くアジア各地域で販売されていますが、日本市場では今までのインフィニティブランドの例に漏れず販売されていません。

インフィニティ Q30 CM動画(約30秒)

 

ハイライト

エクステリア

曲線と矩形を巧みに紡いだデザインが魅力

インフィニティ Q30(サイド)

インフィニティ Q30(サイド)

ショルダーラインが高く、大径ホイールを履くこともあり、インフィニティ Q30のエクステリアはSUVのようにも見えます。しかし、全高は1500mmに抑えられており、タワーパーキングにも問題なく入ります。実際、メーカーはインフィニティ Q30をSUVでもコンパクトでもない、既存のジャンルに当てはまらない一台と謳っています。そして、曲面と矩形を巧みに紡いだデザインはグラマラスさとシャープさが共存するインフィニティ車全体に通じるデザインテイストです。これはインフィニティ Q30の魅力のひとつと言えるでしょう。

インフィニティ Q30(フロント)

インフィニティ Q30(フロント)

インフィニティ Q30(リア)

インフィニティ Q30(リア)

ボディカラーは9色と多めに設定されています。ホイールはベーシックグレードの17インチから、SPORTグレードには専用の19インチアルミホールが設定されています。

 

インテリア

インフィニティ ファミリーとして相応しい高い質感

Q30のインテリア

Q30のインテリア

エクステリアと同じく曲面を多用した立体的な造形が印象的なインテリアは、インフィニティファミリーの一員に相応しい高級感を実現しています。手に触れるスイッチの一部には、メルセデスベンツと同じものが使用され、メッキパーツの使い方も巧みです。

余裕あるサイズのシートは、表皮にクロス、レザーコンビ、ナッパレザーを設定しています。インテリアトリムはテーマに合わせて2種類、スポーティな雰囲気のCITY BLACKと、随所に散りばめられたメタルパーツとの融合がモダンなCAFE TEAKが設定されています。

上質なQ30のインテリア

上質なQ30のインテリア

Q30のラゲッジルーム

Q30のラゲッジルーム

そして、インフィニティ立ち上げ当初からのパートナーとして、長年各モデルにオーディオを提供しているBOSEのプレミアムサウンドシステムが、全車にオプションで用意されています。

インフィニティ Q30 BOSEプレミアムサウンドシステム紹介動画(約40秒)

 

パワートレイン

アライアンスを生かしたラインナップ

パワートレインはガソリン/ディーゼル共に用意されています。

  • 直列4気筒 1.6Lターボ M270 122PS(MT)/156PS(DCT)(ガソリン)
  • 直列4気筒 2.0Lターボ M270 211PS(ガソリン)
  • 直列4気筒 1.5Lターボ OM607 109PS(ディーゼル)
  • 直列4気筒 2.2Lターボ OM651 170PS(ディーゼル)

ガソリンは、どちらもM270と呼ばれるメルセデス・ベンツ製のエンジンです。これはGLA250などに積まれ日本にも導入されています。1.6Lターボはミッションによってチューニングが異なります。ディーゼルの2.2LはOM651と呼ばれるメルセデス製のエンジンで、C220dなどに積まれ日本にも導入されています。1.5LはOM607と呼ばれるルノー製エンジンで、ルノーではK9Kと呼ばれており、欧州市場のカングーなどに積まれる主力ディーゼルエンジンです。

トランスミッションはガソリン1.6Lとディーゼル1.5Lには6速MTが設定され、全てのグレードでDCTと呼ばれる2ペダルのパドルシフトつき7速デュアルクラッチトランスミッションが設定されています。

パワートレーンを共有するメルセデスベンツGLAクラスと比べて、遮音対策などをより念入りに行うことで、ベース車よりも静粛性は高いと言われています。

メルセデスベンツ製2.2Lディーゼルエンジン

メルセデスベンツ製2.2Lディーゼルエンジン

 

サスペンション

SPORTグレードには専用チューンを用意

サスペンションは、フロントはマクファーソンストラット、リアにはマルチリンクが奢られています。そしてSPORTグレードには、7%固められた専用のスポーツサスペンションを用意。車高を15mm落とすチューニングがされています。このチューニングにより、スポーツと言っても硬くなりすぎず、しっかりと安定した乗り心地を提供します。SPORTグレードはブレンボ製の専用スポーツブレーキも用意されており、インフィニティ Q30の「走る、曲がる、止まる」の性能をさらに高めています。

SPORTグレードは専用のチューニングがされています

SPORTグレードは専用のチューニングがされています

 

参考スペック

INFINITI Q30 SPORT 2.2D DIESEL DCT


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,425×1,805×1,475mm
     ホイールベース:2,700mm トレッド前/後 1,572 x 1,573mm
エンジン▶︎水冷ディーゼル 直列4気筒 直噴ディーゼルターボ フロント横置
     2,143cc -mm x -mm -:1 125kW/3400-4000rpm 350Nm/1400-3400rpm 
駆動方式▶︎FF  7速DCT 
懸架装置▶︎前:マクファーソン
    ▶︎後:トーションビーム
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後 ディスク
タイヤ ▶︎前:235/45 R19 後:235/45 R19
燃料容量▶︎50L 車両重量▶︎1,560kg 最高速度▶︎220km/h 0-100km/h加速▶︎8.3秒
燃 費 ▶︎22.7km/L(欧州複合基準)-m/L(JC08モード日本仕様参考値) 
価 格 ▶︎30,080ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

 

ライバルモデル

Cセグメントのプレミアムコンパクトとして、BMW1シリーズと、DSオートモビル DS4を挙げます。

BMW1シリーズは、プレミアムブランドのダウンサイジング化の先駆者となったCセグメントモデルです。初代以来、頑なにコンパクトFRモデルという唯一無二な存在を貫いている1シリーズの魅力は、やはり走る喜びです。これに加え、最近では欧州複合燃費でリッター30キロ以上走る超低燃費モデルもあり、「走り&エコ」が両立する稀有な一台といえます。

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バイヤーズガイド

グレードは、ベーシックグレードのSEをはじめ、上級グレードのPremium系と、スポーティなSPORTがあります。それぞれのグレードにカーナビゲーションが標準装備となるInTouchが設定されています。

インフィニティ Q30を選ぶなら、2.2LディーゼルのSPORTグレードにDCTの組み合わせはいかがでしょうか。インフィニティのベーシックモデルとして、1.5LディーゼルのMTモデルを選ぶのも一興ですが、プレミアムコンパクトとして、ロングクルーズも快適なグランドツアラー的な組み合わせとしての提案です。駆動系はAWDも設定されていますので、降雪地域や安定性をより求めるユーザーはチョイスしてみるのも良いでしょう。

プラットフォームやパワーユニットはメルセデス・ベンツ、デザインは香港に本社を置くインフィニティ、生産は英国日産。「日産のようで日産ではなく」、「日本のモデルのようで日本のモデルではない」インフィニティ Q30は、現在のアライアンスをうまく生かし、各ブランドの良さを兼ね備えた一台と言えるでしょう。

アライアンスを生かしてインフィニティ Q30は生まれました

アライアンスを生かしてインフィニティ Q30は生まれました

 

インフィニティ Q30 日本導入の可能性

最近は、フーガ(Q70)やスカイライン(Q50)にインフィニティのエンブレムを付けたまま日本市場で販売しており、以前よりインフィニティのモデルが導入される可能性は高くなったように感じられます。しかし、日産のCセグメントハッチバックはティーダが廃止され、海外市場で販売されているパルサーも導入されず、このクラスの、しかもプレミアムコンパクトであるQ30が、すぐに日本に導入される可能性は低いように思えます。

並行輸入という選択肢

日本市場では販売されていないインフィニティ Q30ですが、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したインフィニティ Q30 SPORT 2.2D DIESEL DCTモデルの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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※本記事は2018年2月24日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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