2019.06.19

インフィニティ Q60を解説、日本未導入モデルの概要やスペック、価格他、正規輸入の可能性や並行輸入情報も掲載。

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今回紹介するインフィニティ Q60は、さしずめ「色気のある大人のグランドツアラー」。きっと日本でも求めているユーザーはいるのではないでしょうか。このクルマはインフィニティだからこそ出せる一台であると、このクルマを知れば知るほど、そう思っていただけるはずです。

今回はスタイリッシュなクーペ、インフィニティ Q60を紹介、並行輸入の方法についても掲載します。

モデルの概要

インフィニティ Q60コンセプト(2015年)

インフィニティ Q60コンセプト(2015年)

Q60はインフィニティのミドルサイズクーペです。かつてはインフィニティGクーペとして販売されており、日本では「スカイラインクーペ」として販売されていたこともあるモデルです。

Q60の歴史を振り返ると、スカイライン2ドアクーペが原点となっており、最終的には「ハコスカ」の愛称で親しまれたC10型スカイライン2ドアハードトップや、プリンス自動車時代にイタリアのカロッツェリア、ミケロッティがデザインしたスカイラインスポーツまでたどり着きます。ごぞんじの通り、スカイラインの歴史は日本車のなかでも特に長いもの。そしてスカイラインの2ドアクーペは、いつの時代も日産自動車の技術の粋を詰め込んだ、日本を代表するスポーティカーでした。

いっぽうのインフィニティGは、スタートこそ日産プリメーラのインフィニティ版からはじまりましたが、2001年、日産XVLコンセプトを元としたFRモデル(日本ではV35型スカイラインとして販売)に転換した際、はじめてクーペモデルが設定されました。

インフィニティ G35クーペ(CV35型:2003年)

インフィニティ G35クーペ(CV35型:2003年)

インフィニティ G37クーペ(CV36型:2007年)

インフィニティ G37クーペ(CV36型:2007年)

初代Gクーペ(CV35型)はインフィニティの主要マーケットである北米で人気モデルとなり、2代目Gクーペ(CV36型)も初代モデルのテイストを色濃く残し、こちらも人気を博しました。2代目モデルの途中でインフィニティ各モデルのネーミングルールが変更になり、Gクーペは「Q60」に名称変更されています。現在販売されているモデル(V37型)は、2015年のデトロイトモーターショーでコンセプトモデルを参考出品、2016年の同ショーでは市販モデルが発表されました。

日本市場にはCV35型、CV36型共にスカイラインクーペとして導入されましたが、現行型はセダンモデルのQ50はV37型スカイラインとして導入される一方、クーペモデルはCV36型スカイラインクーペの販売終了後も、現時点まで導入されていません。

インフィニティ Q60 CM動画(約30秒)

ハイライト

エクステリア

美に対しての貪欲な姿勢を感じさせる

インフィニティ Q60(フロント)

インフィニティ Q60(フロント)

Q60のボディタイプは2ドアクーペのみで、旧型モデルにあったオープンモデルの設定はありません。

フロントセクションこそQ50と共通したイメージですが、デザインには2009年のジュネーブショーで参考出品されたスポーツクーペのスタディモデル「インフィニティエッセンス」の要素を含んでおり、グラマラスでエレガントな雰囲気を醸し出しています。

一方、鋭さ実現するために施されたボディプレス加工は、エレガントななかにも筋肉質なボディラインを浮かび上がらせており、Q60は剛柔それぞれの魅力が組み合わさっています。

インフィニティ Q60(サイド)

インフィニティ Q60(サイド)

インフィニティ Q60(リア)

インフィニティ Q60(リア)

印象的なのは、Cピラーとホイールアーチです。矩形の折り返しを交えたCピラーの造形はインフィニティエッセンスでも使われた手法で、流麗なデザインのなかにアクセントを与えます。ホイールアーチはタイヤとの比率まで考慮されており、AWDモデルでも腰高な印象を与えないように計算し尽くされています。

インフィニティ エッセンス(2009年)

インフィニティ エッセンス(2009年)

インフィニティ エッセンスを踏襲したCピラーの造形

インフィニティ エッセンスを踏襲したCピラーの造形

「美」に対して貪欲なこれらの姿勢は、メーカーの強い意思を感じられます。

インテリア

多様なテイストにコーディネイト可能

Q60のインテリア

Q60のインテリア

インテリアは素材だけでなく、スイッチのタッチなどのインターフェースも含めて質感が高い印象です。インパネデザインは、セダンモデルのQ50と同一で、ナビゲーションディスプレイと各種コントロースパネルが連なったデュアルディスプレイが目を惹きます。

ホールド性を重視したシートは長距離ツーリングにも向きます。リアシートは2+2的なレイアウトになりますが、質感はとても高いです。シート表皮はグラファイト、ホワイト、レッドの3色のセミアニリンレザーが設定されています。

Q60のメーターパネル

Q60のメーターパネル

Q60 レッドのレザーインテリア

Q60 レッドのレザーインテリア

インテリアトリムは4種類。高級感のあるダークメプルウッドや、クールなアルミニウム、スポーティーなシルバー/カーボンファイバーが設定されており、これらの組み合わせで、Q60をラグジュアリークーペや、クールなグランドツアラーにもコーディネイト可能です。

パワートレイン

新開発のV6ツインターボエンジンを搭載

パワートレインはガソリンターボのみで、Q50に設定されているディーゼルエンジンの設定はありません。

  • 直列4気筒 2.0Lターボ M274 211PS
  • V型6気筒 3.0L直噴ツインターボ VR30DDTT 405PS
直列4気筒2.0L メルセデスベンツ製ターボエンジン

直列4気筒2.0L メルセデスベンツ製ターボエンジン

V型6気筒3.0L VR30DDTT直噴ツインターボエンジン

V型6気筒3.0L VR30DDTT直噴ツインターボエンジン

直列4気筒エンジンは日本のスカイラインに搭載されているものと同等のダウンサイジングターボで、M274と呼ばれるメルセデスベンツ製ユニットです。

V型6気筒エンジンは日産製の3.0L直噴ツインターボエンジン。VR30DDTTと呼ばれるこのユニットは、かつてZ32型フェアレディZに搭載されたVG30DETT以来、日産では約30年ぶりとなる3.0Lのツインターボエンジンです。新開発されたこのツインターボエンジンは、旧型モデルの3.7L自然吸気エンジン(VQ37)と比べてダウンサイジングされ、マルチシリンダーの良さは残したまま、低燃費と大幅な出力アップを実現しています。なおVRと名前がつくエンジンですが、GT-Rに搭載されるVR38DETTエンジンとは互換性はないようです。

トランスミッションは全車7速ATのみで、MTモデルの設定はありません。駆動方式は、2.0LターボはFR、3.0LツインターボはAWDのみの設定です。

サスペンション

電子制御の可変ダンパーを採用

サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン、リアにはマルチリンクを採用。これに加え、DGS(ダイナミック・デジタル・サスペンション)と呼ばれる電子制御の可変ダンパーが装備されています。これにより走行安定性に優れ、グランドツアラーとして優秀な性能を備えています。FRモデルだけでなく、AWDモデルのパワー配分もリアにバイアスが掛かったセッティングになっており、大パワーFRのような走りを味わうことができます。

ハンドリングはバイワイヤ技術として、ダイレクト・アダプティブステアリングと呼ばれる第2世代の可変ステアリングが装備されており、切れ味鋭いハンドリングを実現しています。また、バイワイアのため荒れた路面でもフラットなフィーリングを維持します。

グランドツアラーとして優秀な性能を備えています

グランドツアラーとして優秀な性能を備えています

参考スペック

INFINITI Q60S Sport AWD


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,690×2,052×1,390mm
ホイールベース:2,850mm トレッド前/後 - x -mm
エンジン▶︎水冷ガソリン V型6気筒直噴ツインターボ フロント縦置き
     2,997cc -mm x -mm -:1 298kW/6400rpm 475Nm/1,600-5.200rpm
駆動方式▶︎AWD  7速AT
懸架装置▶︎前:ダブルウィッシュボーン
▶︎後:マルチリンク
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後 ベンチレーテッドディスク
タイヤ ▶︎前:245/40 R19 後:245/40 R19
燃料容量▶︎80L 車両重量▶︎1,862kg 最高速度▶︎248km/h 0-100km/h加速▶︎5.0秒
燃 費 ▶︎10.63km/L(欧州複合基準)-km/L(JC08モード日本仕様参考値)
価 格 ▶︎43,535ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

ライバルモデル

Q60のライバルには、BMW4シリーズとメルセデス・ベンツCクラスクーペを挙げます。

BMW 4シリーズクーペ

BMW 4シリーズクーペ

メルセデスベンツ Cクラスクーペ

メルセデスベンツ Cクラスクーペ

BMW4シリーズは、3シリーズクーペの流れを汲むモデルです。長年こだわり続けるFRとクーペの組み合わせは、Q60に最も近いモデルと言えるでしょう。4シリーズ最大の魅力はやはり走り。BMWの社是とも言えるFRと50:50に最も近づける前後の重量バランスがもたらす走りは、素性の良さを感じます。決してハイパワーなエンジンでなくともこの魅力を味わえるのはBMWならではと言えるでしょう。

Cクラスクーペは、Cクラスをベースにしたクーペモデルです。Cクラスの祖先となった190Eは「質実剛健の塊」とも言われましたが、一方、最近のメルセデスは「アジリティ」を重視した、感覚に訴える車づくりに力を入れており、Cクラスクーペも例外ではありません。見た目の流麗さもそうですが、気持ちの良いハンドリングなど、かつてのメルセデスとは一味違った一台です。魅力はAMGモデルの存在。ベースモデルよりも大幅にハイパワーになったAMGモデルは最大でV型8気筒エンジンを積み、500馬力を上回るモデルもラインナップされています。

バイヤーズガイド

搭載されるエンジンにグレードが紐付いており、2.0LターボのQ60 Premiumと、3.0LツインダーボのQ60S Sportの2種類が基本となります。それぞれにBOSEパフォーマンスシリーズオーディオシステムなど装備が充実されたTechグレードが用意され、合計4グレード展開です。

Q60を選ぶなら、V6 3.0LツインターボのQ60S Sportグレードはいかがでしょうか?メルセデスベンツ製2.0Lターボエンジンは燃費も良く魅力的ですが、やはりインフィニティの2ドアクーペとして、日産自社製造かつ新設計の3.0Lツインターボエンジンをぜひチョイスしたいです。

息をのむ流麗なボディに、目の覚めるようなハイパワーのV6 3.0Lツインターボエンジンを組み合わせたQ60S。前述の通り、Q60の歴史を遡るとスカイラインに辿り着きますが、もうひとつインフィニティのラグジュアリークーペとしての歴史があります、これを辿るとインフィニティブランド立ち上げ時に存在したM30があり、これがQ60に近いように感じられるのです。

インフィニティM30とは、日本では2代目レパード(F31型の後期モデル)として販売されていた、ドラマ「あぶない刑事」で有名なモデルです。美しいデザインに、当時としてはかなりハイパワーなVG30DET型 V6 3.0Lツインカムターボエンジンがもたらす加速力が印象的な「大人のクーペ」。このレパードの特徴とQ60Sがオーバーラップしてきます。さらに、当時のキャッチコピー「若いというだけでは、手に負えないクルマがある」。まさに現代のQ60Sにもぴったりと当てはまるように感じます。

日産 レパード(F31型後期モデル:1988年)

日産 レパード(F31型後期モデル:1988年)

レパードとQ60、美しさに近似性を感じませんか?

レパードとQ60、美しさに近似性を感じませんか?

日産のハイパワーなクーペと言えば「GT-R」がありますが、こちらはグランドツアラーというより、スーパーカーに近い存在です。Q60のように美しく「色気のある大人のグランドツアラー」としてのクーペはインフィニティブランドだからこそ出せるモデルではないでしょうか?そしてこのような一台を求めるユーザーは日本にもきっと居るはずです。

インフィニティ Q60 紹介動画(約1分)

Q60の日本導入の可能性

先代モデルまではスカイラインクーペとして導入されていたQ60ですが、セダンモデルのQ50(スカイライン)が導入され、V36型のスカイラインクーペが販売終了してから時間が経っても今のところ導入されていないため、V37型のQ60は日本に導入されないかも知れません。これは、そもそも日本市場で高級2ドアクーペの販売台数がかなり少ないことが要因として考えられます。

並行輸入という選択肢

日本市場では販売されていないQ60ですが、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したQ60S Sport AWDモデルの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

  • 車名
  • 2年保証付き
    国内乗り出し価格目安

  • (税込・諸費用込)

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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※本記事は2019年6月19日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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