トヨタ プロエース ヴァーソを解説、日本導入の可能性や並行輸入の情報も掲載。

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現在販売されているトヨタ プロエース ヴァーソ(日本未導入)

トヨタ プロエース(TOYOTA PROACE)は、トヨタがヨーロッパで発売しているLCV(Light Commercial Vehicle、小型商用車のこと)です。2代目プロエースには商用仕様のプロエースと、乗用仕様の プロエース ヴァーソ(PROACE VERSO)がラインアップされていますが、今回はプロエース ヴァーソについて解説、日本で乗るための並行輸入情報についても触れています。

モデルの概要

トヨタのヨーロッパでのLCV販売は、1967年の初代ハイエースから行われており、長い歴史があります。

90年代までは日本仕様と基本的に同じキャブオーバーのハイエースを輸出販売していましたが、ヨーロッパでの衝突安全基準の上昇にともない、1995年にはエンジンをボンネット側に張り出させたセミキャブオーバータイプのハイエースに切り替えます。これは日本ではグランビア/グランドハイエースとして販売されたモデルで、とくにグランドハイエースは、乗用仕様以外に救急車両やキャンピングカー向けの特装車も設定され記憶に新しいところです。

トヨタ ハイエースバン(欧州仕様 1989-1995)

トヨタ ハイエースバン(欧州仕様 1989-1995)

トヨタ ハイエースバン(欧州仕様 1995-2006)

トヨタ ハイエースバン(欧州仕様 1995-2006)

セミキャブオーバーのハイエースはヨーロッパで好評を博したものの、2012年、当時の円高やヨーロッパでの環境規制強化を背景に、販売の終了とトヨタ単独での後継モデルの開発を行わないことを決定します。そのかわり、PSAとフィアットの合弁会社セベル(Sevel)社が開発・製造していた前輪駆動のLCVのOEM供給を受け、2013年から新たに発売したのが初代プロエースです。

2015年、トヨタ、プジョー、シトロエンはLCVを共同開発することを決め、2016年のジュネーブショーで正式にお披露目されました。これが今回紹介する2代目のプロエースです。新たに登場した乗用モデルには、トヨタがヨーロッパでミニバンタイプのモデルに採用しているヴァーソというサブネームが付けられました。なお、PSA版では乗用モデルのネーミングが、プジョー トラベラー(Peugeot Traveler)シトロエン スペースツアラー(Citroen SpaceTourer)と改められています。

 

ハイライト

エクステリア

随所に感じられるトヨタのDNA

短いボンネットに箱型の車体を持つボクシーなデザインで、LCVらしいシンプルな雰囲気にまとめられています。PSAとの共同開発ではあるものの、トヨタの他の車種との共通性を感じさせるデザインで、トラベラーとスペースツアラーの2台と比べて独自性が強くなっています。リアデザインは3車種とも共通ですが、縦長のテールランプの角が落とされている点などに、日本仕様のハイエースと共通した雰囲気を感じ取る人もいるかもしれません。

トヨタ プロエース ヴァーソ コンパクト

トヨタ プロエース ヴァーソ コンパクト

トヨタ プロエース ヴァーソ コンパクト

トヨタ プロエース ヴァーソ

ボディサイズは3種類で、標準的な4.95mの「ミディアム」、4.6mの「コンパクト」、5.3mの「ロング」を設定。ロングには車体後半を荷台とした「クルーキャブ」も用意されています。

ユニークなのは4.6mのコンパクトです。同クラスのLCVのには無い設定で、ルノー グランカングーメルセデス・ベンツ シタンのロングホイールベースモデル、そしてフォード グランド トルネオ コネクトなど、1クラス下のLCVのロングホイールベース版と対抗する意図が考えられます。

トヨタ プロエース ヴァーソ ミディアム

トヨタ プロエース ヴァーソ ミディアム

 

インテリア

機能的で隙がないデザイン

プロエース ヴァーソのダッシュボードのレイアウトは、日本の商用車に比べると乗用車的な雰囲気を持ちつつ、機能性の高いものに仕上げられています。空調の操作パネルが、中央からややドライバー側にオフセットされているなど、他の欧州製LCVに比べると後発のモデルとしての工夫も見られます。インパネシフトの張り出しが小さく、前後左右のウォークスルー時の干渉を最小限に抑えられている点も工夫のひとつです。また、2ペダルモデルはシフトレバーではなく、ジャガーなどに見られるダイヤル式のセレクターが採用されています。

トヨタ プロエース ヴァーソ インテリア

トヨタ プロエース ヴァーソ インテリア

トヨタ プロエース ヴァーソ コンパクト インテリア

トヨタ プロエース ヴァーソ コンパクト インテリア

助手席は「シャトル」グレードでは2人掛けのベンチシート、他のグレードでは1人掛けです。また、2列目と3列目のシートは3人着席可能な共通のものが装備されます。右側が1人掛け、左側が2人掛けで、独立してスライドや取り外しが可能です。背もたれは各座席で独立しており、リクライニングや荷物を載せるために前に倒すことも可能です。

高級乗用モデルとして設定されているプロエース ヴァーソ VIPでは、2列目に快適性を重視したキャプテンシートが用意されます。座席は本革仕様で、前後にスライドできるテーブルも追加されます。天井には後席向けの空調の吹き出し口や、読書灯などが配置されるほか、VIPのみ、パノラミックルーフが標準で装備されます。

 

パワートレイン

3種類のディーゼルエンジンを用意

トヨタ プロエース ヴァーソ エンジンルーム

トヨタ プロエース ヴァーソ

プロエース ヴァーソのエンジンは以下の構成で、全て直列4気筒のディーゼルエンジンです。

  • 1.6L 115PS 6MT
  • 2.0Lターボ 150PS 6MT
  • 2.0Lターボ 180PS 6AT

経済性も高く、燃費は仕様により異なりますが、おおむね20km/L前後を達成しています。さらに5MTモデルを除いてアイドリング・ストップが標準装備です。

なお、エンジンの組み合わせは車体長やグレードによって紐付けされており、AT仕様はファミリーとVIPのみの設定となっています。

 

サスペンション

リアは独立懸架のトレーリングアーム採用

プロエースはフロントにマクファーソン・ストラットを、リアにトレーリングアームを採用しています。2000年代以降のこのクラスのLCVとしては一般的な構成ですが、プロエースのトレーリングアームにはウィッシュボーン(三角形)の構造が採用されており、剛性を確保する工夫が行われています。乗用車としての快適性や走行性能と、荷物を満載した場合の安定性を両立させる意図が考えられます。

また、この構成は全長が短い「コンパクト」でも踏襲されています。フィアット ドブロを除けば、全長4.6m前後のLCVはトーションビームが多数派であり、サイズが小さくともキャパシティはより大型のモデル同様である点で、ライバルとの差別化が実現しています。

トヨタ プロエース ヴァーソ コンパクト

トヨタ プロエース ヴァーソ コンパクト

 

参考スペック

トヨタ プロエース ヴァーソ Medium Family 2.0 Diesel (180 hp) Automatic


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,956× 1,920 × 1,890 mm
     ホイールベース:3,275 mm トレッド前/後 1,630 x 1,618 mm
エンジン▶︎水冷ディーゼル 直列4気筒 DOHC フロント横置 ターボ
     1,997cc 85 mm x 88 mm 16.7 :1 126kW(177bhp)/3,750rpm 400Nm / 2,000rpm
駆動方式▶︎FF  6段AT 
懸架装置▶︎前:マクファーソン・ストラット
    ▶︎後:トレーリングアーム
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク
タイヤ ▶︎前後:17インチ
燃料容量▶︎69L 車両重量▶︎1,655kg 最高速度▶︎170km/h 0-100km/h加速▶︎12秒
燃 費 ▶︎18km/L(参考値)-m/L(JC08モード日本仕様参考値) 
価 格 ▶︎37,175ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

 

ライバルモデル

激戦区の4.9m級LCVですが、PSAとフィアットの合弁事業の縮小にともなう変化により、現在はルノー陣営、PSA/トヨタ陣営、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツの四つ巴となりました。今回は、乗用モデルのプロエース ヴァーソについて、ライバル3陣営のモデルと比較してみましょう。

ルノー トラフィックと、その兄弟車であるボクスホール/オペル ヴィヴァーロ、フィアット タレントは、F1用エンジンの技術を応用した最新鋭のディーゼルエンジンが魅力的である反面、2ペダルは選べません。乗用モデルの場合、トラフィックは2列目と3列目の座面が一体型のベンチシートとなっており、レイアウトの多様性ではプロエースに軍配が上がるでしょう。

ルノー トラフィック パッセンジャー(ロングホイールベース)

ルノー トラフィック パッセンジャー(ロングホイールベース)

フォルクスワーゲン T6(ロングホイールベース)

フォルクスワーゲン T6(ロングホイールベース)

フォルクスワーゲン T6 トランスポーター シャトル / T6 カラベルは、シンプルで力強いデザインが魅力。購入時にシートの仕様を細かく選べる点もポイントです。ただし残念ながら3列目は固定ベンチシートとなっており、この点でも後発のプロエース ヴァーソが有利です。

メルセデス・ベンツ ヴィトー ツアラーは、純商用のヴィトー同様に、購入時に前輪駆動か後輪駆動か選べるという驚きのオプションを採用しています。シートについては多彩なオプションが設定されていますが、どの仕様を選んでも3列目が固定ベンチとなってしまうので、その点ではフォルクスワーゲンのトランスポーター シャトル同様にレイアウトに制約が生じてしまいます。また後輪駆動モデルに関しては、上位乗用のVクラスとの価格差が小さくなってしまいます。

 

バイヤーズガイド

欧州製LCVは商用車をベースとしながら優れた高速巡航性を持っています。また座席が取り外せるため、用途によっては日本製ミニバンよりフレキシブルに使うことができます。これらの魅力に加え、今回から開発にトヨタが大きく関与したことで、信頼性や耐久性についての心理的なハードルも大きく下がりました。

日本で乗るのであれば、6ATが用意された中間グレードのファミリーが良いでしょう。6ATに組み合わされるエンジンはパワフルな180ps版ですので、街中の渋滞から高速道路での長距離移動まで、ストレスのない快適な移動を実現してくれます。ボディはミディアム(4.95mボディ)がベストバランスでしょうが、フル乗車の頻度が低く取り回しを重視したいのであればコンパクト(4.6m)も良さそうです。

高速安定性や安全性などの要件を満たしつつ、日本車としての信頼性を併せ持つプロエース ヴァーソで、ヨーロッパのLCVの世界への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

トヨタ プロエース ヴァーソ ミディアム

トヨタ プロエース ヴァーソ ミディアム

2017年現在のプロエースの日本仕様と今後の導入予想

2017年8月現在、トヨタ プロエース ヴァーソは日本では販売されていません。ハイエースやアルファード/ヴェルファイアとの兼ね合いもあるため、プロエースが日本に正規輸入される可能性は低いものと思われます。

 

並行輸入という選択肢

日本市場には正規輸入されていないプロエースですが、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したプロエース ヴァーソ ミディアム ファミリー 6AT、及び、プロエース ヴァーソ コンパクト ファミリー 6ATの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

  • 車名
  • 2年保証付き
    国内乗り出し価格目安

  • (税込・諸費用込)

  • (税込・諸費用込)

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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車両詳細画像ギャラリー

 

関連リンク

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※本記事は2017年8月8日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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