トヨタ ヴァーソを解説、日本導入の可能性や並行輸入の情報も掲載。

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日本ではミニバンが人気ですが、リアにヒンジドアを持つモデルの選択肢は年々少なくなっています。スライドドアを採用したモデルの利便性は捨てがたいものの、ヒンジドアのモデルならではの、ステーションワゴンのようなスタイリッシュさも捨てがたい魅力があります。

今回はヒンジドアを採用したスタイリッシュな5/7シーターミニバン、トヨタ ヴァーソを解説、並行輸入の情報についても掲載します。

モデルの概要

トヨタ ヴァーソはCセグメントクラスのMPVモデルで、アベンシス ヴァーソとカローラ ヴァーソを統合した後継モデルです。アベンシス ヴァーソは、日本でかつて販売されていた2代目イプサムの欧州向けモデルであり、欧州でピクニックとして販売された初代イプサムの後継モデルです。

トヨタ アヴェンシス ヴァーソ(2001年:日本では2代目イプサム)

トヨタ アヴェンシス ヴァーソ(2001年:日本では2代目イプサム)

トヨタ ピクニック(1997年:日本では初代イプサム)

トヨタ ピクニック(1997年:日本では初代イプサム)

一方のカローラ ヴァーソは、カローラ スパシオの欧州仕様車でした。日本で2代目スパシオだったモデルがカローラヴァーソの初代にあたり、日本で絶版になった後も、トルコで生産された2代目ヴァーソが欧州市場で販売されました。

トヨタ カローラ ヴァーソ(2001年:日本では2代目カローラ スパシオ)

トヨタ カローラ ヴァーソ(2001年:日本では2代目カローラ スパシオ)

トヨタ カローラ ヴァーソ(2代目モデル 2004年:日本未導入)

トヨタ カローラ ヴァーソ(2代目モデル 2004年:日本未導入)

ヴァーソというネーミングはトヨタのMPV向けモデルに付けられる名称で、カローラやアベンシス以外にも、かつてはヤリス ヴァーソ(日本名:ファンカーゴ)や、ヴァーソ S(同:ラクティス)などがあり、現在ではプロエース ヴァーソ(プロエースの乗用モデル)にも付けられています。

トヨタ ヤリス ヴァーソ(日本ではファンカーゴ)

トヨタ ヤリス ヴァーソ(日本ではファンカーゴ)

トヨタ プロエース ヴァーソ(日本未導入)

トヨタ プロエース ヴァーソ(日本未導入)

ヴァーソ自体は2009年のジュネーブモーターショーでデビュー。ボディサイズを見る限り、アベンシス ヴァーソよりもカローラ ヴァーソに近いようです

欧州モデルの生産は、2代目カローラ ヴァーソと同じくトルコのTMMT(Toyota Motor Manufacturing Turkey)で行われています。欧州以外に南アフリカや中国でも販売され、中国では合弁企業の広州豊田汽車が「E’Z(イージー)」の名前で販売しています。2013年にはフェイスリフトが行われ、翌2014年には新ディーゼルエンジンが投入されました。

トヨタ ヴァーソ CM動画(約30秒)

ハイライト

エクステリア

キーンルックを採用した精悍なフロントマスク

トヨタ ヴァーソ(フロント)

トヨタ ヴァーソ(フロント)

ヴァーソは、トヨタだけでなく欧州7シーターミニバンのなかでも最もコンパクトな部類です。ボディサイズは全長4,460mm×全幅1,790mm×全高1,620mmで、トヨタの国内モデルと比べると、シエンタより少し長くプリウスαより少し短いサイズです。そして欧州向けモデルの特徴として幅には余裕があります。

フロントマスクは、近年のトヨタがグローバルモデルを中心に採用するキーンルックを採用し、精悍でスタイリッシュな印象に進化しました。

トヨタ ヴァーソ(サイド)

トヨタ ヴァーソ(サイド)

トヨタ ヴァーソ(リア)

トヨタ ヴァーソ(リア)

エクステリアのトピックは、Skyviewと呼ばれるパノラミックルーフの存在です。頭上に広がる大開口のグラスルーフは抜群の開放感をもたらします。

 

インテリア

5シーター/7シーターの両方をラインナップ

インテリアの質感は元々高い評判を得ていましたが、マイナーチェンジを機にさらに向上させています。

ヴァーソのインテリア

ヴァーソのインテリア

ヴァーソのメーターパネル

ヴァーソのメーターパネル

そのなかでもトピックはやはりシートです。ヴァーソには5シーターと7シーターそれぞれ設定されており、用途に合わせて選択できます。各シートのサイズには余裕があり、特に2列目シートは、広い全幅を生かして、3人掛けでも十分なサイズを備えています。

3人掛けても十分なサイズの2列目シート

3人掛けても十分なサイズの2列目シート

2、3列目を倒すとフラットで大容量の空間が出現

2、3列目を倒すとフラットで大容量の空間が出現

7シーターモデルは、Toyota Easy-Flat Seat Systemと呼ばれるシートシステムを採用しており、2列目、3列目を倒すと、最大1,696Lという大容量でフラットな空間が出現します。

トリムはグレードやオプションにより4種類設定されています。どれも日本語の名前が付けられており、Nakamaと名付けられる強化加工されたレザーコンビシートや、オプションではHidakaと名付けられるプレミアムなフルレザーも選択可能です。

トヨタ ヴァーソ ユーティリティ紹介動画(約40秒)

 

 

パワートレイン

バルブマチック付きガソリンとクリーンディーゼルを設定

日本にも導入されている1.8L 2ZR-FAEエンジン

日本にも導入されている1.8L 2ZR-FAEエンジン

パワーユニットは、ガソリンとディーゼルの両方が設定されています。

ガソリンエンジンは排気量違いで2種類用意されています。

  • 直列4気筒1.6L Dual-VVTiバルブマチック 1ZR-FAE 132PS
  • 直列4気筒1.8L Dual-VVTiバルブマチック 2ZR-FAE 147PS

どちらもZRエンジンと呼ばれるDual-VVTiバルブマチックを搭載した自然吸気ガソリンです。このZRエンジンの1.8Lモデルは、日本仕様のオーリスや、プレミオ/アリオンに採用されており、国内でも実績のあるユニットです。自然吸気ならではの滑らかで自然な回転フィールは、昨今のダウンサイジングターボユニットにはない魅力といえます。

ディーゼルエンジンは1種類のみの設定です。

  • 直列4気筒1.6L クリーンディーゼル 112PS

ディーゼルは2014年に、これまでの2.0L D4-DエンジンからBMW製の1.6Lにダウンサイジングされました。これはトヨタがBMWとの間でディーゼルエンジンの供給に合意した結果導入されたものです。燃費の良さとレスポンスの良さは、BMWが得意とする分野であり魅力と言えるでしょう。

トランスミッションは1.6Lガソリン/ディーゼルに6MT、1.8LガソリンにはCVTが設定されています。

 

サスペンション

極めて真面目なサスペンションセッティング

サスペンションはフロント:マクファーソンストラット、リア:トーションビームを採用しており、このクラスではコンベンショナルな組み合わせです。

マイナーチェンジに際して、サスペンションチューニングだけでなく、ボディ自体にも溶接のスポット数を増やすなどの対応を行い、より剛性感を感じさせる、しっかりとした乗り心地になりました。

この安心感と安定感を実現したヴァーソのセッティングは極めて真面目なもので、ボディの高剛性化はハンドリングにも好影響を与えています。

剛性感を感じさせる走りもヴァーソの魅力のひとつ

剛性感を感じさせる走りもヴァーソの魅力のひとつ

 

参考スペック

TOYOTA VERSO 1.8 Design Automatic


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,460×1,790×1,620mm
     ホイールベース:2,780mm トレッド前/後 1,540 x 1,540mm
エンジン▶︎水冷ガソリン 直列4気筒 DOHC VVTi-バルブマチック フロント横置
     1,598cc 80.5mm x 78.5mm 10.7:1 97kW/6400rpm 150Nm/4400rpm 
駆動方式▶︎FF  6速MT
懸架装置▶︎前:マクファーソン
    ▶︎後:トーションビーム
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッド・ディスク 後 ディスク
タイヤ ▶︎前:-/- R- 後:-/- R-
燃料容量▶︎60L 車両重量▶︎1,430kg 最高速度▶︎182km/h 0-100km/h加速▶︎11.7秒
燃 費 ▶︎18.2km/L(欧州複合基準)-m/L(JC08モード日本仕様参考値) 
価 格 ▶︎23,450ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

 

ライバルモデル

CセグメントクラスのMPVのライバルとして、ボクスホール ザフィーラツアラーと、フォード C-MAX/グランドC-MAXを挙げます。

ザフィーラツアラーは、ボクスホールの7シーターMPVです。実直に設計されたユーティリティやサスペンションチューニングは、ヴァーソに近い存在と言えるでしょう。そのなかでもFlex7と呼ばれる多彩なシートアレンジはザフィーラツアラーの魅力です。しかし、ヴァーソと比べると大分ボディサイズが大きくなります。

ボクスホール ザフィーラツアラーを解説、日本導入の可能性や並行輸入車の価格情報も掲載。

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バイヤーズガイド

グレードはベーシックなActiveをはじめ、充実装備のIcon、そしてプレミアムなDesignの3つが設定されています。5シーターはActiveのみ、7シーターはIconとDesignに設定されています。

ヴァーソを選ぶなら、7シーターのDesignグレードの1.8Lガソリンはいかがでしょうか?スタイリッシュなエクステリアと質感の高いインテリア、そしてイージードライビングなCVTの組み合わせは、イージードライビングでありながらも、国内仕様のトヨタ製ミニバンとはひと味違う選択です。そして5シーターの場合は、ヴァーソのなかでもっともベーシックなIconグレードになりますが、ベーシックグレードでも予防安全装備のトヨタ・セーフティセンスや、ナッパレザーハンドルやシフトノブなど十分な装備を備えており、装備に不足はありません。

ほかにもディーゼルグレードや、多彩なオプションなど用途に合った組み合わせを選択できます。

トヨタ ヴァーソ

トヨタ ヴァーソ

 

2017年現在のヴァーソ日本導入の可能性

2017年現在の日本のミニバン市場は、スライドドアを持つモデルに人気が集中しており、かつて人気を誇ったトヨタ ウィッシュやホンダ ストリームなどリアにヒンジドアを持つミニバンは軒並み生産終了となりました。こういった状況を鑑みると、今後ヴァーソが日本に導入される可能性はかなり低いと考えられます。

 

並行輸入という選択肢

日本市場では販売されていないヴァーソですが、並行輸入を行えば日本で所有することができます。一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したヴァーソ 1.8 Design Automaticモデルの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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※本記事は2017年11月7日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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