フィアット ティーポ ステーションワゴンを解説、並行輸入車の価格情報も掲載。

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フィアット ティーポ ステーションワゴン

フィアット ティーポは、欧州Cセグメントに属する同社の世界戦略モデルです。セダン、5ドアハッチバック、ステーションワゴンの3種類のボディタイプが用意されていますが、この記事ではステーションワゴンについて解説します。また、日本で乗るための並行輸入情報も掲載しています。

モデル概要

初代フィアット ティーポはハッチバックモデル「リトモ」の後継車種モデルです。トリノのデザイン会社I.DE.Aの手によるスタイリッシュなエクステリアを纏ったこのクルマは、フィアットの主力モデルとして、90年代の幕開けを目前にした1988年にデビューしました。

欧州で人気を集め、デジタルメーターを採用した1.6DGTや、DOHCエンジン搭載のスポーツモデル2.0-16vなどは日本へも正規輸入されています。1989年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したものの、日本ではライバルのフォルクスワーゲン ゴルフが圧倒的に強く、販売台数は伸び悩みました。

当時のフィアットは「ティーポプロジェクト」という共通化プロジェクトを推進しており、その結果として、セダン版のテムプラやスポーツモデルのクーペフィアット、ランチアの2代目デルタやデドラ、そしてアルファロメオ 155などが生まれました。そのバリエーションの広さから、初代ティーポが1990年代のフィアットグループを支えたモデルであったとことがわかります。

フィアット ティーポ(初代・1991-1993)

フィアット ティーポ(初代・1991-1993)

フィアット ブラーヴォ(1995-2001)

フィアット ブラーヴォ(1995-2001)

1995年に後継車種 ブラーボ/ブラーバが登場しティーポの名前は途絶えます。そして20年の時を経て復活した2代目ティーポは、2015年のトルコ・イスタンブールモーターショーで、「エーゲ(EGEA)」の名前でワールドプレミアとなりました。プラットフォームは、500Lと同じFCAスモールワイドプラットフォームを採用。生産はクーボなどと同じトルコ・トファスの工場です。

「余計な装飾よりも実直なものを」をスローガンに掲げる新型ティーポは、最近のフィアット 500や500Xなどとはコンセプトが異なり、中東やアフリカ、南米などの新興国での拡販を狙った世界戦略車としての役目も担います。ロープライスを実現すべくトルコ工場で生産を行い、ワールドプレミアにもトルコを選んだことからも、その本気度が伺い知れます。

フィアット ティーポのラインナップ(5ドアハッチバック/セダン/ステーションワゴン)

 

ハイライト

エクステリア

シャープさとグラマラスさを両立させたデザイン

ティーポの開発や生産はトルコで行われていますが、デザインはイタリアのデザインスタジオで行われました。500ファミリーのようなファニーなデザインではなく、大型のグリルに切れ長のヘッドライトを組み合わせて、エッジの効いたシャープな印象を与えつつ、グラマラスな曲線を用いて塊感も演出しています。質の高いデザイン処理により、ティーポは決してローコストモデルに見えません。

ボディサイズは、ステーションワゴンで全長4570mm✕全幅1790mm✕全高1510mm。Cセグメントのメジャーモデルが軒並み大型化されていくなかで、ティーポはセグメントの本質から外れていません。ステーションワゴンはハッチバックモデルより全長が200mm延長されていますが、この部分はそのままラゲッジの拡大に割り当てられています。

フィアット ティーポ ステーションワゴン

フィアット ティーポ ステーションワゴン

フィアット ティーポ ステーションワゴン

フィアット ティーポ ステーションワゴン

 

インテリア

ローコストを感じさせない造形とクオリティ

インテリアは仕立てもよく、グレードによって複数から選択できるファブリック地がモダンな印象を与えます。ダッシュボードのデザインや手触りも良く、ティーポより高価格なライバルと比べても勝るとも劣らず、ローコストモデルであることを感じさせません。

そして、ユーティリティの良さも美点です。ハッチバックモデルの440Lも十分な容量ですが、ステーションワゴンは550Lとさらに大容量で、助手席をたためば 180cmの長尺物を積み込めるラゲッジスペースが出現します。

フィアット ティーポ ステーションワゴン インテリア

フィアット ティーポ ステーションワゴン インテリア

フィアット ティーポ ステーションワゴン ラゲッジスペース

フィアット ティーポ ステーションワゴン ラゲッジスペース

フィアット ティーポ 使い勝手紹介動画(約1分)

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パワートレイン

5種類のパワーユニット/3種類のトランスミッション

フィアット ティーポ エンジンルーム

フィアット ティーポ エンジンルーム

ティーポ・ステーションワゴンの英国仕様には、ガソリンとディーゼル計5種類のパワーユニットが設定されています。

ガソリンは以下の3種類です。

  • 直列4気筒1.4L 95PS
  • 直列4気筒1.4Lターボ 120PS
  • 直列4気筒1.6L 110ps

1.4Lは少し懐かしい、癒し系ユニットのFire16Vエンジンです。1.4LターボはT-Jetと呼ばれる最新のダウンサイジングターボユニットで、日本ではフィアット 500Xや、アルファロメオ ジュリエッタに搭載されているユニットに近いものです。1.6LはE-トルクのサブネームがついており、6ATとの組み合わせのみとなります。500X/ジープ レネゲードにも搭載されていますが、日本へは導入されていません。

ディーゼルは、2種類設定されています。

  • 直列4気筒1.3Lディーゼルターボ 95PS
  • 直列4気筒1.6Lディーゼルターボ 120PS

両方ともMultiJet IIと呼ばれるクリーンディーゼルエンジンです。MTもしくは6速のデュアルクラッチトランスミッション「DCT」を選べます。

燃費はもっとも経済的な1.3Lのディーゼルで約24km/L(欧州複合モード)と発表されています。その他のモデルでも十分な経済性が期待でき、日本の道路環境でも10km/L台後半を維持するのは難しくなさそうです。

 

サスペンション

世界中の道路でしなやかに走れるタフな足回り

駆動方式は全車FFで、フロントにマクファーソンストラット、リアはトーションビームを採用しています。この組み合わせは自体は標準的なものですが、ティーポは路面状況の良くない新興国市場での販売も視野に入れているため、多少の悪路でも巧みにいなせる足回りのタフさも持ち合わせています。そのため街中での乗り心地にも優れ、イタリアの市街部にあるような石畳でもしなやかに走れます。

フィアット ティーポ ステーションワゴン

フィアット ティーポ ステーションワゴン

 

参考スペック

FIAT TIPO STATION WAGON EASY PLUS 1.6 E-TORQ 110HP(6AT)
(イギリス仕様2017年モデル)


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,571× 1,792 × 1,514 mm
     ホイールベース:2,638 mm トレッド前/後 1,542mm / 1,543mm
エンジン▶︎水冷直列4気筒 フロント横置
     1,5985cc  – mm x – mm - 110ps/5,500rpm 152Nm/4,500rpm 
駆動方式▶︎FF  6段AT
懸架装置▶︎前:マクファーソンストラット
    ▶︎後:トーションビーム
ブレーキ▶︎前:ディスク 後:ドラム
タイヤ ▶︎前後:205/55 R16
燃料容量▶︎50L 車両重量▶︎1,395kg 最高速度▶︎185km/h 0-100km/h加速▶︎11.7秒
燃 費 ▶︎15.8km/L(欧州複合基準) 
価 格 ▶︎17,795ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください

 

ライバルモデル

ティーポが属するCセグメントは、欧州ではライバルの多い激戦区です。そのなかで、フォルクスワーゲン ゴルフ ヴァリアントや、ボクスホール/オペル アストラ スポーツツアラーなどが直接的なライバルに挙げられます。各所の作りの良いゴルフ ヴァリアントや、走りの良いアストラ スポーツツアラーも魅力的ですが、代を重ねるごとにボディは大きくなり、高級化の一途をたどっているためティーポより高価です。

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ローコストなステーションワゴンとしては、ダチア ロガンMCVが破格のプライスタグを付けていますが、ボディサイズが1セグメント小さいものになります。

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ティーポ ステーションワゴンは、ローコストモデルらしからぬ品質を維持しながら、魅力的なプライスを実現しており、この点がライバルに対する強みと言えるでしょう。実際にメーカー自身もティーポに対して、『(フォードの)”フィエスタ”より少し高い価格で”フォーカス”並のサイズを実現』した、とアピールしています。

 

バイヤーズガイド

英国仕様のティーポ ステーションワゴンのグレード構成は、ベーシックな「EASY」、アルミホイールやパーキングセンサー、5インチのタッチスクリーンラジオを追加した「EASY PLUS」、17インチアルミホイールやオートエアコン、カーナビ&バックカメラなどを装備した豪華仕様の「LOUNGE」の3種類を基本とします。

グレード選択は、現地仕様ナビや17インチホイール、オートエアコンを必要とする場合を除いて、車格にあった16インチタイヤを装備し、かつ2ペダルモデルが選べる「EASY PLUS」をおすすめします。MTを中心としたラインナップではあるものの、日本で乗るのであれば、2ペダルで乗れるガソリンの1.6L AT もしくはディーゼルの1.6L DCT仕様が使いやすいでしょう。

なお、「EASY PLUS」でもマニュアルエアコン、5インチのタッチスクリーンをもったラジオ(Bluetooth, USB, AUX-in) 、パワーウィンドウなどの基本的な装備は標準で用意されますし、タイヤ空気圧監視システム、運転席&助手席+サイド&カーテンエアバッグ、オートエマージェンシーブレーキなどの安全装備も充実しています。ローコストモデルとはいえ、装備に抜かりはありません。

フィアット ティーポ ステーションワゴン

フィアット ティーポ ステーションワゴン

2017年現在のフィアット ティーポ ステーションワゴン日本導入の可能性

現在のFCAジャパンは、日本で人気の500シリーズ(500、500C、500X)とパンダにリソースを集中しており、それ以外の車種は正規輸入していません。アバルトブランドは別枠で展開されているものの、オーソドックスな実用車であるティーポシリーズの正規輸入は、当面は見込めないものと予測されます。

並行輸入という選択肢

前述のように正規輸入の可能性が低いフィアット ティーポ ステーションワゴンですが、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

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一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したフィアット ティーポ ステーションワゴンの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格の一例を表示しています。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

 

車両詳細画像ギャラリー

関連リンク

カタログダウンロードページ

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フィアット 英国 ティーポ ステーションワゴン オフィシャルサイト(Fiat UK Tipo Station Wagon)
フィアット 英国 ティーポ ステーションワゴン コンフィギュレーター(Fiat UK Tipo Station Wagon)

※本記事は2017年11月27日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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