ダチア ダスターを徹底解説。欧州で人気のハイコストパフォーマンスSUVを右ハンドル仕様で並行輸入します。

プレミアム路線にシフトしつつある欧州SUV市場のなかで、優れたコストパフォーマンスと確かな機能性で人気を集めているモデルがあるのをご存知でしょうか？

ダチア ダスター（Dacia Duster）。ルーマニアに本社と製造拠点をもつダチア社は、ルノー・グループの一員として、主に新興国や欧州向けにリーズナブルな価格帯のモデルを製造しているメーカーです。2004年に発売された同社の ロガン MCV（Logan MCV）は、かつての欧州実用車を想起させる清貧さと、その価格の安さが日本でも話題になりましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

そんなダチアの6番目の車種として登場したSUVのダスターは、発売以来好調なセールスを記録しています。例えばツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなど、ヨーロッパを舞台にした自転車レースの沿道では、必ずと言っても良いほど、観戦に訪れた人のダスターが沿道に止まっているのを見掛けるほどで、特にアウトドア志向の人に選ばれていることが伺えます。

今回は、そんなダチア ダスターの魅力を徹底的に解説します。残念ながら日本には導入されていない車種ですが、日本の道でも使いやすい、右ハンドル・イギリス仕様車を並行輸入してみませんか？

ダチア ダスターの特徴

ダチア ダスター 悪路走行

ダスターは2009年の9月に発売されました。ヨーロッパ以外ではルノーブランドで、インドでは同型式のエンジンを積んだ兄弟車がNISSANブランドのTERRANOとして販売されています。4WD機構を備えた機能性と、十分な車内スペースを確保した実用性の高さをあわせもつ、コストパフォーマンスの高いモデルとして欧州市場で好評を博しています。最廉価グレード（2WD）が£9495から、4WDモデルでも£11495からと、小型SUVとしてはリーズナブルな価格です。

車種構成もシンプルで、英国仕様では装備の違いによる4グレードに、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンを組み合わせています。エンジンは最廉価グレードのみガソリンで、上位2グレードはディーゼルです。変速機は全車5速または6速マニュアルトランスミッションとなっています。

欧州市場ではプレミアム路線に振ったSUVが多い中で、シンプルな装備で機能性を重視したダスターは面白い存在です。

ダスターは、同じルノーグループの日産 キャシュカイに近いボディサイズです。また日本で販売されている日産 エクストレイルと比較すると、全幅、全高、ホイールベースはほぼ同じで、全長が30センチメートルほどコンパクトになり、取り回しの良さと悪路での走破性を高めています。

ダチア　ダスターのコマーシャルフィルム(41秒)

ARVE Error: Aspect ratio 560：315 is not valid

SUVらしい力強いエクステリア

ダチア ダスター 2014 リアビュー

ダスターのエクステリアはSUVらしい力強いデザインが特徴で、大きく張り出したホイールアーチが逞しさを感じさせます。また、すべてのグレードにルーフレールを標準装備してユーティリティーを高めています。押し出し感の強いフロントクロームメッキグリルや、多角形のリヤクオーターウインドーも印象的です。

車両サイズは全長4315mm、全幅も1822mmと日本の道路でも取り回しに困らないレベルに収まっています。全幅1822mmは若干広いようにも感じられますが、現行の日産エクストレイルの全幅が1820mmなので、現代の車としては許容範囲内ではないでしょうか。最低地上高も4WDモデルで210mm（2WDモデルで205mm）、アプローチアングルは30度と十分な印象です。

リアハッチは開口部を大きくとった跳ね上げ式で、ほぼ正方形の大きな開口部は積載性にも優れています。なお、最廉価グレードの「ACCESS」ではボディーカラーは白のみとなります。

操作性のよいスイッチ類とシンプルでクリーンなインテリア

ダチア ダスター インテリア（左ハンドル仕様）

ダスターのインテリアは、黒とグレーを基調にした、シンプルで機能性優先の質実剛健な印象です。インストルメント・パネルは視認性の良いオーソドックスな丸形3連メーターを採用しています。センターコンソールの各操作系はルノークリオなどと同様のオーソドックスな造りで、ルノーとの共用部品も多く使われています。

ラゲージルーム容量は、4WDモデル、スペアタイヤ搭載時で408リッター、リアシートを前方に倒した状態で1570リッターと十分なスペースを確保しています。

小排気量ながら豊かなトルクを誇るディーゼルターボエンジンが魅力

エンジンはガソリンとディーゼルが用意されています。ガソリンエンジンは、日産NV200バネットなどに使われているHR16DEと基本的に同型の、4気筒1.6リッター115psのH4Mk型です。ディーゼルエンジンはルノー セニックXMODなどに搭載されている、熟成が進んだ4気筒1.5リッター直噴ターボ（K9K型）の109ps/26.5kgm仕様を搭載しています。

ガソリンエンジンは標準的なスペックですが、ディーゼルエンジンはターボの過給効果もあり十分なトルクを確保しています。日本では小排気量ディーゼルはマツダしか導入されていませんので、エンジンを理由にダチア ダスターを選ぶ選択も良いのではないでしょうか。

高い走破性が魅力の4WDシステム搭載

ダチア　ダスター　4WDセレクター

駆動方式は前輪駆動と、3つの走行モードもつ4WDシステムから選択できます。この4WDシステムは日産の技術を生かして開発され、「2WDモード」、「Automaticモード」、「Lockモード」の3モードを備えています。Automaticモードは路面状況に応じて各車輪に自動的に最適駆動トルクを配分する、オンデマンド4WDシステムとなっています。

トランスミッションは全グレードでマニュアルのみとなっており、5速MTと6速MTが用意されています。6速MTはクロスレシオとなっており、オフロードでの使用にも配慮された設計となっています。

ダスターのシャーシは、日産とルノーが共同開発したものが使用されており、サスペンションは前輪がマクファーソン式ストラット、後輪は2WDがトーションビーム、4WDがマルチリンクとなります。

総評：機能性とコストパフォーマンスのバランスのよさが光る

ディーゼルエンジンを搭載した4WDモデルは￡13995からですが、必要な装備はひと通り備わっており、日本車ではマツダ CX-3しか選択肢のない小排気量ディーゼルSUVが味わえます。また、4WDモデルの車重が中間グレードで1250kg程度と軽量なこともあり、オンロード、オフロードともに十分以上の走行性能を有しています。

ダスターは輸入車に求められることの多いスペシャリティー性より、実用性の高さや機能性を重視する方におすすめできるモデルです。比較的軽量なボディとトルクフルなディーゼルエンジンの組み合わせによる軽快な走りや、低いランニングコスト、さらに4WDモデルは降雪地帯でも実用性に優れ、日本で乗るにも魅力的なモデルです。

この内容で￡13995からというプライスは破格と言えると思います。輸入車だからといって気取らず、日常生活で使い倒すような乗り方に最適ではないでしょうか。

ダチア ダスター 4WD

ダチア ダスターのライバルと評価・評判は？

ダチアダスターと競合する車種には、同じルノーグループの日産 キャシュカイ、ヒュンダイ ix35と、その兄弟車のキア スポーテージ、またフォルクスワーゲングループのシュコダ イエティなどが挙げられます。

キャシュカイはサイズ的にはダスターとほぼ同じで、日本車ならではの信頼性や快適性などには優れていますが、最廉価グレードの2WDガソリンモデルでも￡18545、4WDモデルでは￡26680からとなり、ダスターと比べるとかなり価格差があります。

ダスターと同じく低価格なSUVとしては、ヒュンダイ ix35と兄弟車のキア スポーテージ、シュコダ イエティなどが挙げられます。ヒュンダイ/キアの車体はダスターより多少コンパクトで、2WDの最廉価モデル1.6リッターガソリンで133psと、ダスターよりパワフルになりますが価格は￡17465からとなります。

車両の性能や質感は価格におよそ比例するのは事実ですが、ダスターの欧州での立ち位置（機能性と価格の高次元でのバランス）を考えると、直接的なライバルはいないかも知れません。

ダチア　ダスターのPV(1分47秒)

ARVE Error: Aspect ratio 560：315 is not valid

ダチア　ダスターの装備とオプション

ダチア ダスター レザーシート

ダスターはベーシックなモデルですが、欧州基準の安全装備はひと通り装備しており、運転席・助手席エアバッグやABSはもちろん、エマージェンシー・ブレーキアシスト、スタビリティコントロール、トランクションコントロールなどが全グレードに標準で装備されます。またエコモードスイッチや、エンジンストップ＆スタートシステムも標準装備です。

最廉価グレードはパワーウインドウが前席のみで、スチールホイール、ラジオレス、エアコンレスなど割り切った内容ですが、グレードが上がるにつれさまざまな装備が付加されます。上級グレードでも現代のクルマとしてはシンプルな装備ですが、上位2グレードでマニュアルエアコン、クルーズコントロール、アロイホイール、燃費などを表示するオンボードコンピューターが標準装備となります。

主要なオプションとしては、MP3・USB・Bluetooth接続のハンズフリーテレフォン機能が利用可能なMedia Navや、レザーパッケージなどがあります。

ダチア ダスターのベストバイはLaureateのディーゼル4WDモデル

イギリス仕様は装備とエンジンによって、Access、Ambiance、Laureate、Laureate Prime（最上級グレードのLaureate PrimeはLaureateのスペシャルバージョンという位置付け）の実質4グレードで構成されています。

おすすめは、エアコンが装備されるLaureateのディーゼル・4WDモデルです。 Ambianceにはエアコンが装備されていないので、日本で乗るならLaureateの方が現実的です。

なお、2016年モデルから、日本仕様のルノーカングーなどに搭載されている 1.2リッター直4ダウンサイジングターボが搭載されるという情報があります。ダスターの現行1.6リッターガソリンエンジンの代わりとなるエンジンと予想されますが、その場合でもダスターにはディーゼルエンジンと4WDの組み合わせが面白いのではないでしょうか。

ダチア ダスター

ダチア ダスターを日本に並行輸入した場合の乗り出し価格は？

ダチア ダスターのイギリスでの販売価格は、バランスの取れた装備内容に、経済的なディーゼルエンジンに6速MTを組み合わせ、本格的な4WDを組み合わせたLaureate dCi110 4X4 1.5 Dieasel Turbo 109PSで15495ポンドです。イギリスより並行輸入した場合の日本国内乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。

既に生産終了、あるいは新型・後継モデルが発表済のモデルです。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。ご対応ができない場合もございます。

※輸入国からの輸送料、各種税金、検査費用、登録諸費、納車費用（大阪近郊）は全て含まれています。
※正式なお見積り、遠方への納車費用など、改めてご提示いたしますのでお問い合わせください。

金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスしてください。

スペック表

ダチア ダスターのスペックは以下をご確認ください。＋ボタンで詳細が表示されます。