フォルクスワーゲン カリフォルニア(Volkswagen California)は、フォルクスワーゲン(VW)が自社で開発・製造を行っているキャンピングカー(モーターホーム)です。
ベースはVWのLCV(Light Commercial Vehicle)であるトランスポーターで、一見すると車体形状には大きく手が加えられていないように見えます。しかし純正ならではの品質の高さと、高い動力性能のおかげで、カリフォルニアは同種のモデルの中では比較的高価ながら、販売エリアのヨーロッパで支持を集めています。現行モデルは、フォルクスワーゲン社内でT6と呼ばれる、2015年に登場した最新のトランスポーターがベースとして使われています。
今回は、フォルクスワーゲン カリフォルニアのうち、イギリスで販売されている本格装備のカリフォルニア オーシャンと、装備を絞ってお求め安い価格設定となっているカリフォルニア ビーチの両方を徹底解説します。日常からアウトドアまで使いやすいキャンピングカーを並行輸入してみませんか?
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この記事の目次
フォルクスワーゲン製キャンピングカーの歴史
フォルクスワーゲンのキャンピングカーは長い歴史を持ちます。また、その歴史を語る上で、ウエストファリアの存在は外せません。
19世紀前半に創業した馬車のコーチビルダーの老舗ウエストファリアは、1951年には発売されて間もない初代フォルクスワーゲン トランスポーター(いわゆるタイプ2)に、キャンピングボックスという車中泊・オートキャンプ用のキットを販売します。これがフォルクスワーゲンのキャンピングカーの歴史のはじまりで、同時に自動車の歴史における自走式キャンピングカーの先駆けともなりました。
1962年には、ウエストファリアが架装したキャンピング仕様が、キャンピングワーゲンという名前でフォルクスワーゲンのカタログラインアップに加わります。以来ジョーカー、カリフォルニアと名前を変えながら、フォルクスワーゲンはウエストファリア製のキャンピングカーを、第4世代のトランスポーターであるT4世代までラインアップしていました。
しかし、他の老舗コーチビルダーがそうであったように、ウエストファリアの業績は徐々に悪化していました。1994年には遂に破産し、会社は分社化され、キャンピングカー架装部門はウエストファリア・バンとして再スタートを切りましたが、1999年からダイムラー・クライスラーの支援を受け、2001年には完全な子会社となります。残念ながらウエストファリアの業績はダイムラー傘下でも改善せず、再度破産し、現在はフランスの大手キャンピングカーメーカーであるラピード(Rapido)傘下の1ブランドとなりました。
こういった経緯から、フォルクスワーゲンとウエストファリアの提携は2003年に終了します。そしてフォルクスワーゲンは第5世代となるT5 トランスポーターへのモデルチェンジ時に、カリフォルニアの製造を、トゥーランやティグアンの製造のために新たに発足させた子会社アウト5000(Auto5000)で行うことに決定し、2004年から新生カリフォルニアとして再スタートを切ることになりました。
以来、フォルクスワーゲン カリフォルニアは、世界でも珍しい自動車メーカー自らがすべてを手掛ける純正キャンピングカーとしてカタログにラインアップされています。製造段階からキャンピングカーとしての使用に最適化されていることや、自社開発・製造による各種部品のフィッティング精度の高さ、フォルクスワーゲンのディーラーで購入可能なことなどから、新生カリフォルニアはヒット作となり、2014年にはT5 カリフォルニアの累計生産台数が5万台に達しました。
今回ご紹介するのは、後継モデルとなるT6をベースとしたカリフォルニアです。基本的なレイアウトや構成・グレード展開などはT5世代のカリフォルニアに準じていますが、更なるブラッシュアップがはかられ、一層魅力的なモデルとして仕上げられています。
フォルクスワーゲン カリフォルニア プロモーションビデオ(約1分43秒)
乗車・就寝定員と基本コンセプト
カリフォルニアの乗車定員は4名、就寝定員も同じ4名を確保しています。定員どおり就寝する場合は、室内に展開したベッドに2名、ポップアップしたベッドに2名が寝ることができます。ポップアップルーフのベッドは車種によっては小柄な人や子どもでなければ難しいサイズのものもありますが、カリフォルニアのルーフベッドは長さ2m、横幅1.2mが確保されており、大人2名での就寝も十分に可能です。
ただし、ウエストファリア時代のフォルクスワーゲンのキャンピングカーの伝統に従って、また、より高価で大型のモデルを含む他の多くのヨーロッパのキャンピングカーと同様に、カリフォルニアは基本的に1〜2名での利用に最適化されたレイアウト・設計が行われています。ポップアップルーフは強風下などでは使用がためわれる場合もあり、状況によっては最大の就寝定員を確保できない可能性があります。特に天候が定かではない長期間に渡るキャンプの場合は、ルーフベッドは常用するよりも、状況や気候に応じて室内のベッドと使い分けるものだと考えた方が良いでしょう。
また、イギリス仕様のカリフォルニアは、コンロやシンクなどを備え、長期間での室内での滞在に対応するフル装備グレードの「オーシャン」と、これらの装備を簡略化することで価格を抑えた「ビーチ」の2グレードが展開されています。
なお、「ビーチ」では室内のキャビネットを省略して、室内の就寝定員を3名とした、5名乗車5名就寝の仕様をオプションで選択することができます。他にカラベルに装備されているようなキャプテンシートを追加購入することが可能で、オーシャンでは最大で5名乗車4名就寝が、ビーチでは最大7名乗車5人就寝が実現します。このようなオプションは、キャンプのとき以外のデイリーユースで特に重宝するでしょう。
エクステリア
T6 カリフォルニアのエクステリアの印象は、一見するとトランスポーターの乗用上級仕様、カラベルと大きく変わりません。特にポップアップルーフ周りは非常に綺麗に仕上げられており、一見するとポップアップルーフが装備されているようには見えません。全高もノーマルモデルと同じ1,990mmに抑えられています。これはデザイン面ではもちろん、高さが2mに制限されることが多い日本の立体駐車場に入庫できるという点でも、大きなメリットとなります。
また、カリフォルニアの窓配置もノーマルのカラベルと同様で、室内から外の見晴らしが良いものとなっており、外見上も違和感がありません。日欧を問わず、多くのバンベースのキャンピングカーの場合、ガラス窓の断熱性の低さを嫌い、窓のないパネルバンをベースにしたり、ガラス窓を一旦埋めたあとに、断熱性の高いアクリル製の窓に置き換えることで断熱性を確保していますが、カリフォルニアではフロントウィンドウと前席のサイドウィンドウを除く窓をペアガラスとすることで、広い視界と断熱性を両立しています。これもメーカー純正モデルならではの取り組みで、ライバルに対するアドバンテージとなっています。
なお、カラベルやトランスポーターでは使い勝手の良い両側スライドドアとなっていますが、カリフォルニアでは進行方向左側にキャビネットなどが備わることもあり、また断熱性確保などの観点から、進行方向左側のスライドドアが省略されていて、これが外見上の一番のポイントとなっています。スライドドアが右側にしか存在しないのは、日本やイギリスなどの左側通行圏での使い勝手でややネガティブな要素となりますが、コンセプト通りの2人乗車時にはそれほど問題にはならないでしょう。また交通量が多い場所での乗降車の場合、前後席間のウォークスルー機構を活かして、後席の乗員が助手席ドアを活用することも可能です。
インテリア
T6 カリフォルニアの運転席環境は、ベースとなっているカラベルと同じです。よく見るとAピラーやサイドウィンドウに、夜間のためのブラインドが備わっていますが、全く違和感を与えません。これも純正モデルならではの工夫です。
いっぽうで後席の環境はカラベルと大きく異なります。特徴となるのは助手席後ろからテールゲートまで連続するキャビネットで、収納庫として衣服やキャンプ道具の小物などを収納できます。特にフル装備のカリフォルニア オーシャンの場合、キャビネットはより大型となり、シンク、ガスコンロ、温冷庫、そして折りたたみ式のテーブルなどが備え付けられています。キャビネット後部は天井まで高さがあり、ハンガーにかけられるクローゼットになっているほか、下部には給排水のための設備なども格納されています。
この車体左側のキャビネットはウエストファリア時代から採用されていたものですが、非常に機能的なパッケージングとなっており、現在は他社のキャンピングカーでも広く採用されています。カリフォルニアの場合は、この1車種に最適化されて工業製品として量産されているため、非常に高い水準に仕上げられています。質感の好みなどもあるので一概には言えませんが、樹脂を多用したカリフォルニアのキャビネットは、キャンピングカーで広く見られる木製のキャビネットを装備する場合と比べて、重量の増加も少なく抑えられるというメリットがあります。
キャビネットで幅が狭くなり、通常の3人掛けから2人掛けとなった後席はスライドが可能ですが、カラベルの2列目と比べると、基本的には大きく後ろ寄りにセットされていることが特徴です。そのため、走行中はリムジン並みの広々としたスペースを味わえ、足元にちょっとした荷物を置いたり、またペットのためのスペースとして使うこともできます。ただし後席の設計はベッド展開を前提としているため、ノーマルのトランスポーター シャトルやカラベルの後席と比べると、やや平板な作りとなっていることには留意が必要です。
後席のさらに後ろは、広大なラゲッジスペースとなっています。ここにはベッドのベースも装備されていますが、これが荷室の上下の仕切り板や目隠しとして機能してくれます。必要に応じて、このベース部分は前方に跳ね上げたり、取り外したりすることもできます。キャンプのときはベッドメイクを考えると、ベッドのベース部の上に就寝時に必要な荷物(毛布など)、それ以外の荷物をベースの下に収納しておくと、使い勝手が良いでしょう。
停車中のインテリア
前席と後席の間の広大なスペースは、停車中はテーブルを展開することで、ダイネット(食事などのリビングスペース)として活用可能です。運転席・助手席は後ろ向きに180°回転するので、最大で4名が向い合って座ることができます。カリフォルニアは前輪駆動車でボンネットがあるため、全体的なスペース効率ではキャブオーバーのレイアウトを取るトヨタ ハイエースなどに比べて劣りますが、いっぽうで室内のフロアがフラットなため、停車中にも前席をフル活用することが可能です。そのため、キャンピングカーとしてのスペース効率は引けを取りません。
ダイネット展開時にポップアップルーフを上げ、さらにルーフベッド部をポップアップルーフの天井まで跳ね上げれば、ダイネットスペースで立ち上がることも可能です。この頭上の広さは、特にキッチンとしてダイネットを使うときに大変便利です。また、キッチン部の高さの確保により、カリフォルニアは8ナンバー登録が可能となります。
このポップアップルーフは、カリフォルニア ビーチの場合は手動、カリフォルニア オーシャンの場合は電動で操作が可能です。電動ポップアップルーフの操作は、サブバッテリーの制御や、浄水、排水タンクの利用状況などの表示とあわせて、ルームミラー後部の液晶画面のついたコントロールパネルにコンパクトに集約されています。
フォルクスワーゲン カリフォルニア 回転シートとテーブル(約50秒)
就寝中のインテリア
前述のとおり、カリフォルニアは標準で室内2名、ルーフ部2名、最大4名での就寝を可能としています。
室内のベッドは、後席のヘッドレストを後ろに折り畳み、前にスライドさせて背もたれを倒すと、座面が連動して床と並行になり、これをラゲッジスペース部のベッドベースと連続させることでベッドとして完成します。ベッド幅は1.14mで、パートナーと一緒に寝るには十分な幅となっていますが、子どもを挟んで川の字に寝るには、やや辛い幅です。
ルーフベッドは、室内ベッドよりも広いベッド幅1.2mを確保しています。また線ファスナーで開くことができる窓があり、換気したり、外の眺望を楽しむこともできます。キャンピングカーではルーフベッド部をあくまで簡易的な就寝スペースとしている場合もありますが、カリフォルニアのルーフベッドはウッドスプリングが備わっており、寝心地も良い本格的なものです。ただしコンセプトの欄で触れたとおり、暴風雨などのときは使用が躊躇われる状況も考えられます。どんな天候時でも利用できるものではないので、その点にはご注意ください。
カリフォルニア ビーチでオプション設定されている5名就寝仕様の場合、後席部はカラベルの3列目と近い設計となっています。こちらの場合は、ヘッドレストを引き抜き背もたれを倒したあと、その上に折り畳み式のベッド部を広げるようになっており、オーシャンに比べて一手間多くかかるという欠点があります。ただベッド幅は1.5mと広くなるので、2名就寝の場合も相応の余裕が生まれます。このオプションは、家族構成などに応じて考えられると良いかもしれません。
夜間は全ての窓で、ピラーなどに内蔵されたブラインドを閉めることが可能で、外からの視界を完全に遮ることができます。
フォルクスワーゲン カリフォルニア ポップアップルーフ(約65秒)
フォルクスワーゲン カリフォルニア リアベッド(約51秒)
その他のインテリアの特徴
テールゲートには車外で使える折りたたみ椅子が格納できます。同じく室外用の折り畳み式テーブルもスライドドア内部に標準で搭載されており、これはキャビネットが小型、もしくは装備されないカリフォルニア ビーチでは室内用のテーブルとしても活用できます。より大型のキャンピングカーもある中で、カリフォルニアからは限られた室内スペースを一寸足りとも無駄にしまいという意気込みが伝わってくるかのようです。
いっぽうでウエストファリア時代を通して、長い年月をかけて熟成され尽くしたレイアウトにも、テールゲート方向へのウォークスルーができない、トイレやシャワーが使える仕切られたスペースがないなど、多少の死角もあります。そのため現在のウエストファリアの一部車種や、ハイマーカーなどのライバルでは、カリフォルニアと同等のボディサイズながら、キッチンを後ろに移したより大型のキャンピングカーに近いレイアウトを採用してウォークスルーを可能としたり、仕切りは持たないもののトイレをセットしたモデルも存在します。
ウォークスルーが可能なレイアウトの利点としては、キャンプ中に外と中の動線が車体右側に限られるカリフォルニアに対して、テールゲート側に屋外用の椅子やテーブルを展開できるなど、外と中の動線が2つに増える点にあります。その反面、ウォークスルー化のために後席横幅が狭くなってしまったり、独立した荷室を持たなくなるという欠点も生まれます。どちらが優れているのかではなく、用途に応じて選ぶと良いでしょう。
フォルクスワーゲン T6 カルフォルニア 解説動画(約7分30秒)
カルフォルニアのパワートレイン・足回り
T6 カリフォルニアのパワートレインは、2.0Lのターボディーゼルエンジンのみとなります。
出力は150PS仕様を基本として、オーシャンではパワフルな204PSのツインターボ仕様が、ビーチでは経済性を重視した102PS仕様が選べます。変速機は102PS仕様が5MT、その他の出力仕様では6MTと7DSG(湿式多板クラッチ仕様)が組み合わせられます。駆動方式は前輪駆動を基本として、204PS仕様では4WDの4モーションを選択することも可能です。
足回りはキャンピングカーの装備に最初から最適化されていますが、オプションでさらに、ヘビーデューティー仕様を選ぶことが可能です。積載量の多い方や、牽引を検討されている方は、こちらのオプションを検討してみても良いかもしれません。一方、カラベルのような電制ダンパーの設定はありません。また17インチ以上のホイールを選んだ場合、ブレーキのローター経を大きくするオプションの設定もあります。
経済性
重装備のキャンピングカーの燃費は、オーナーの頭を悩ませる問題です。しかしカリフォルニアは、150PS仕様のエンジンに7DSGの組み合わせの場合、欧州複合モードで16km/L、204PS仕様のエンジンに6MT、4WDというもっとも燃費に不利な構成でも、同14km/Lというスペックを持ちます。
軽油の価格の安さも相まって、遠出する上でも心理的なハードルは低いでしょう。もちろん燃費の良さは、長距離ドライブで給油頻度を下げることにも役立ちます。
総評:装備内容が合えばベストパートナー
カリフォルニアは、普段使いも可能なボディサイズと、長距離・長時間の旅行への対応を両立させています。より大きな・より充実した装備のキャンピングカーに比べると足りない部分もありますし、また同様のモデルと比べると価格が高く感じられるかもしれませんが、伝統のパッケージングの良さも相まって、非常に絶妙なバランスを保ったモデルだと言えるでしょう。
過去10年程度、特に日本では、フォルクスワーゲンは質実剛健なブランドというよりも、プレミアム性の強いブランドとしてのイメージ戦略が行われてきました。しかし、カリフォルニアは価格こそ高いものの、半世紀以上に渡る同社キャンピングカーの歴史に裏打ちされた、必要な装備をしっかりと抑えたモデルであす。一見しただけでは気付かないけれども、実用上は高い効果を持つペアガラスの装備などは、カリフォルニアの在り方と、より古くからのフォルクスワーゲンらしさを体現しています。
もしも装備内容がピッタリならば、夫婦やパートナーで、ペットを連れて、週末のちょっとしたドライブから、日本を縦断するような長距離ドライブまで、カリフォルニアはきっとベストパートナーとなってくれるのではないでしょうか。
フォルクスワーゲン カルフォルニアの主な装備とオプション
カリフォルニアにはオートキャンプに必要な装備が多数装備されています。すでに上で触れたとおり、一番のハイライトはポップアップルーフで、ビーチでは手動、オーシャンでは電動で展開できます。このポップアップルーフは強度も高く、必要ならばルーフキャリアを取り付けて50kgまでの積載も可能とされています。
他にキャンピングカーで気になるところは、夜間エンジンを切っているときに車内で電源を確保するためのサブバッテリーではないでしょうか。カリフォルニアはサブバッテリーとして、72Ah(20時間率容量)のディープサイクルバッテリーを2機搭載しています。これはスペック的には同価格帯の国産・輸入車の多くのキャンピングカーのバッテリー容量と同等以上のスペックですが、例えば夏場にエアコンを朝まで付けっぱなしにするのは難しいかもしれません。
サブバッテリーは走行中の充電のほかに、外部充電にも対応しています。ただし外部充電は欧州の230V仕様となっています。また、室内への給電も12Vと230Vとなります。いずれも国内の100V電源にはそのままでは対応していません。対応などについてはご相談ください。
カリフォルニア オーシャンにはキッチンが備わりますが、ガスコンロは欧州で一般的なLPGを燃料として利用しています。日本国内では2000年代後半より、LPGの販売が自主規制されるようになり、入手困難になっているケースがあります。カセットコンロ等への切り替えを考えられる場合もご相談ください。水道は30Lの浄水タンクを持ちます。車外でシャワーとして引き出す機能はオプションとなります。
そのほか、エアコンをはじめとした多くの装備は、基本的にはカリフォルニア ビーチがカラベル SEに、カリフォルニア オーシャンがカラベル エクスクルーシブに準じています。ただし、カラベル エクスクルーシブで標準装備されるクルーズコントロールは、カリフォルニア オーシャンではオプションとなるなど若干のスペックダウンがあります。必要な装備をオプションとして選択されることをおすすめします。
注目のオプションとしては、2017年モデルから無償オプションとして、室内のフローリングが選択できるようになりました。視覚的にあたたかみのあるフローリングは断熱性にも優れています。好みに応じてご選択ください。
また外でくつろぐならば、サイドオーニングも抑えておきたいオプションです。
フォルクスワーゲン カルフォルニア サイドオーニング(約2分16秒)
お好みに応じた仕様をカスタムオーダー致します
上で主なオプションとして挙げた以外にもカリフォルニアには色々なオプションがあります。MT仕様では標準で360Aのメインバッテリーを450Aに増強したり、ヘッドライトやテールライトをLEDに変更したりといったものから、(実際に選ぶ人がいるかは不明ですが)オーシャンの2列目シートを装備しないという無償オプションの設定などもあります。
特にビーチの場合、標準の装備内容ではオーシャンに対してやや廉価版という位置づけですが、オーシャンとの装備差のほとんどはオプションとして追加することができるので、レイアウトが異なりガスコンロと水回りを持たない以外はオーシャンに準じた内容に仕上げることも可能です。また、オーシャン標準の42Lよりは容量がやや少ないものの、32Lの温冷庫もビーチ専用オプションとして設定されています。
こういった細やかなオプション設定の背景としては、カリフォルニアのベースとなるトランスポーターで、商用車として多彩な需要に応じてカスタムできる体制が整えられていることがあります。そしてトランスポーターをベースにしたカリフォルニアにも、その美点は引き継がれているのです。ぜひ、あなただけのこだわりの仕様のカリフォルニアを発注してみてはいかがでしょうか?
フォルクスワーゲン カルフォルニアのライバルは?
キャンピングカーはヨーロッパでは広く普及しており、また日本でも近年注目を浴びているため、カリフォルニアのライバルは多数存在します。主なものを紹介します。
カルフォルニア同様のレイアウト・コンセプトを持つモデル
真っ先に挙げられるのは、以前フォルクスワーゲンのパートナーだったウエストファリアが製造するメルセデス・ベンツ マルコポーロでしょう。Vクラスをベースにしたマルコポーロは、ヨーロッパではメルセデス・ベンツの販売網で購入できるなど、カリフォルニアに成り立ちも似ています。室内はカリフォルニア オーシャン同様のレイアウトながらも、より豪華さを強めており、後席のベッド展開などは電動で動作します。また、Vクラスの兄弟車で、商用メインで販売されているヴィトーをベースとした、マルコポーロ アドベンチャーもラインアップされており、こちらはキッチンなどを省略した、カリフォルニア ビーチのライバルという位置づけです。なお、マルコポーロのベースとなるのが5.3m級のVクラス/ヴィトーとなるので、カリフォルニアと並べると少し大きめです。
ウエストファリア同様の老舗の製品としては、有名なコーチビルダーであるカルマン社が手掛けるコリブリも挙げられます。特にオープンモデルで知られていたカルマンですが、ウエストファリアよりも後発ながら、こちらもキャンピングカーでは古い歴史を持ちます。カルマンは近年倒産しましたが、キャンピングカー事業はフランスのトリガノ社の傘下で行われています。その中でコリブリは、ルノー トラフィックをベースにしたモデルで、カリフォルニア オーシャン同様のレイアウトを持ちながら価格を大きく抑えています。コリブリの室内を見るとドアの鉄板が剥き出しとなっていたりと、やや簡素な印象があり、室内で閉め切って過ごすには断熱性が不安に感じる部分もあります。道の駅やサービスエリアの駐車場などではなく、より自然との距離が近いところでのキャンプに向いたモデルと言えるでしょう。
またウエストファリア伝統のレイアウトは、日本国内のキャンピングカービルダーにも影響を与えています。日本はRVブームの余波で、キャンピングカーはアウトドアへの家族旅行の道具として捉えられてきていましたが、近年は車中泊ブームなどもあり、夫婦やパートナーでの2人旅の用途として、ウエストファリア流のレイアウトも見直されつつあります。
アネックス コンポーザーは、日本の老舗アネックスが日産 NV350 キャラバンをベースにしたモデルで、ベース車両は4ナンバーに収まるコンパクトなボディサイズが特徴。またポップアップルーフ以外に、2人就寝に特化したハイルーフ仕様の選択も可能です。さらにアネックスは近年別ブランドとしてRIWを立ち上げました。こちらは、より小型なNV200 バネットをベースに、アウトドアで酷使されるようなワイルドなイメージが特徴的です。
ホワイトハウス プレシャスは、ホワイトハウスキャンパーがトヨタ ハイエースをベースに製作しています。ハイエースには複数のバリエーションがありますが、プレシャスではカリフォルニアに近いサイズのボディを選択、和製カリフォルニアと呼ぶべき内容に仕上がりました。
それぞれのモデルが独自の良さを持っているので、一概に優劣をつけることはできません。カリフォルニアの場合は、日本でも持て余さないボディサイズと、ヨーロッパ水準の高い動力性能を両立させている点が特徴です。
ポップアップルーフを持つものの、カルフォルニアとレイアウトの異なるモデル
現在のウエストファリアは、2010年からフォルクスワーゲン トランスポーターをベースにしたキャンピングカーを復活させています。こちらは、かつてジョーカーの上級グレードの名前として採用されていたクラブジョーカーを名乗り、その中で全長5m弱でポップアップルーフを持つ仕様は、クラブジョーカーシティと呼ばれます。
一見するとカリフォルニアに雰囲気の近いクラブジョーカーシティですが、レイアウトなどはカリフォルニア、もしくはマルコポーロとの差別化からか、大きく異なります。後席は左側にオフセットされ右側に通路を設け、その後部にキッチンを置くほか、向かい側には普段はベンチとして利用できるトイレも設置しました。
これに伴いポップアップルーフも、キッチンでの頭上高を確保するために、後ろに向かって開くようになっています。これは日常用途よりも、よりキャンプに特化したコンセプトだと言えます。
同様のレイアウトは、ドイツのハイマーグループが展開する「ハイマーカー」ブランドの、シドニーでも見られます。シドニーはベースがフィアット デュカトで、フォルクスワーゲン トランスポーターに比べて少し大きく、その分スペースに余裕があります。ただし全高・全幅ともに2mの大台を超えてしまっているので、日本では駐車場などの制約が大きくなってしまうことも懸念されます。またクラブジョーカーシティと比べると、トイレを持たず、かわりに横幅を活かして横向きのベッドを展開することが可能となっています。
シドニーはクラブジョーカーシティと比べると、よりカジュアルで、ふたり旅よりもファミリーユースに向いたモデルとなっており、装備品などもカジュアルな仕上げです。
いずれのモデルも、カリフォルニアと比べると後方へのウォークスルーが可能なことが強みとなっていますが、その分荷室として使う場合の横幅は制限されます。普段使いの頻度が高ければ、古典的なレイアウトを採用するカリフォルニアにも優位性があります。
フォルクスワーゲン カリフォルニアのベストバイはオーシャン、204PS仕様
ビーチとオーシャン、異なる構成を用意するカリフォルニアはどちらも魅力的ですが、もし選択に悩まれてしまうならば、キッチンなどを備えて、より本格的なキャンピングカーとして使えるオーシャンをベストバイグレードとしてご提案します。室内のキャビネットは日常使いでもそれほど気になりませんし、冷蔵庫は普段の買い物の際にも役に立つでしょう。水タンクは、日帰りのアウトドアスポーツでも役に立つはずです。
また204PS仕様ならば、一般的な乗用車と遜色ない動力性能を実現しています。7DSG仕様で、100km/hまでの加速に必要な時間は約11秒、最高速度は約194km/hに達します。このような動力性能は、今後、高速道路の速度制限が120km/hに引き上げられても、ストレスのない走りを楽しめるでしょう。キャンピングカーに抱かれがちな走りを我慢しなければいけないというイメージは、カリフォルニアには無縁です。
フォルクスワーゲン カリフォルニアの並行輸入、日本での乗り出し価格は?
フォルクスワーゲン カリフォルニアのイギリスでの販売価格は、オーシャンの204PS 7DSG、前輪駆動仕様で£59,345です。イギリスより並行輸入した場合の日本国内乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。また、ご希望に応じてビーチの輸入も承ります。
フォルクスワーゲン カリフォルニアはフォルクスワーゲン・ジャパンでは正規輸入車として導入されておらず、今後の導入可能性も低いモデルです。日本で乗る場合、並行輸入が最も現実的な方法です。左ハンドルの並行輸入も可能ですので、ご相談ください。
現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。
※国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。
限定特価販売車のご案内
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Welcome to Hotel VW California(約1分46秒)
フォルクスワーゲン カリフォルニアの中古車情報
乗り出し価格を抑えられる、現地で流通している高年式の中古車やディーラーデモカーなどもオススメです。中には、最新年式で走行10-100マイル程度の極上コンディションの個体も出ています。
以下のものは、一例ですが、他にも魅力的な条件のものが多数出ております。ご希望をお聞かせいただければ、条件に近いものをお探しいたします。是非お問い合わせください。
スペック表
フォルクスワーゲン カリフォルニアのスペックは以下をご確認ください。+ボタンで詳細が表示されます。
車名 | フォルクスワーゲン カリフォルニア / Volkswagen California |
エンジン、サンプルグレード | オーシャン 2.0TDI 204PS 7DSG |
英国販売価格 | £59,345 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 4 |
カラー | キャンディホワイト(標準色) チェリーレッド(標準色) リフレックスシルバー(OP/MTL) インジウムグレー(OP/MTL) モハーベベージュ(OP/MTL) チェスナットブラウン(OP/MTL) バンブーガーデングリーン(OP/MTL) アカプルコブルー(OP/MTL) スターライトブルー(OP/MTL) ブラックベリー(OP/MTL) オリックスホワイト(OP/PAL) ディープブラック(OP/PAL) ※OP:有料オプション ※MTL:メタリック塗装 ※PAL:パール塗装 |
全長x全幅x全高 | 4,904 x 1,904 x 1,990 mm |
ホイールベース | 3,000 mm |
トレッド(前/後) | -/- |
車両重量 | 2,598kg(参考値) |
乗車/就寝定員 | 4名/4名 |
トランスミッション | 7DSG |
エンジンタイプ | 水冷直列4気筒ディーゼルターボ |
総排気量/内径x行程 | 1,968cc / 81.0 x 95.5 mm |
圧縮比 | 16.5(参考値) |
最高出力 | 150kW(204PS) / 4,000 rpm |
最大トルク | 450Nm / 1,400-2,400 rpm |
燃料タンク容量 | 70L |
燃費 | 約15.6km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク/ディスク |
タイヤ/ホイール | 235/55 R17 , 215/65R17 |
最高速度 | 194km/h |
0-100km/h加速 | 11.0秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車両詳細画像ギャラリー
フォルクスワーゲン カリフォルニアをもっと知りたい方はこちら
・フォルクスワーゲン 英国 カリフォルニアのオフィシャルサイト(Volkswagen UK)
・フォルクスワーゲン 英国 カリフォルニアのコンフィギュレーター(Volkswagen UK)
・フォルクスワーゲン 英国 カリフォルニアのカタログダウンロード(Volkswagen UK)
・フォルクスワーゲン 英国 カリフォルニアの価格表ダウンロード(Volkswagen UK)
※本記事は2017年2月12日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。