アウディ RS3 セダンを解説、日本導入の可能性や並行輸入の情報も掲載

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アウディ RS3 セダン

アウディ RS3 セダンは、同社のCセグメントに属するA3 セダンをベースにしたスポーツモデルです。すでに5ドアハッチバックのRS3 スポーツバックが販売されており、ただトランクを足しただけに見えますが、その内容を知れば知るほど、独自の魅力を持ったモデルであることがわかります。

この記事では、新しく加わったRS3 セダンを徹底解説します。従来のRS3 スポーツバックとは何が違うのか、そしてなぜ日本のクルマ好きのココロに刺さるのか、各項目を御覧いただければきっと納得いただけるはずです。さらに、日本に並行輸入する方法についても触れていきます。

モデル概要

RS3 セダンは、アウディのCセグメントモデル A3 セダンをベースにしたハイパフォーマンスモデルです。ハッチバック版のRS3 スポーツバックはすでに販売されており、人気を得ています。

まず、ベースとなったA3について簡単に紹介します。現行A3は、1996年にデビューした初代モデルから数えて3代目となるモデルで、フォルクスワーゲン ゴルフの兄弟車でもあります。2代目モデルまでは3ドアと5ドアのハッチバックのみでしたが、3代目モデルではじめてセダンが投入されました。A3セダンは、2013年のニューヨークモーターショーで発表され、本国では同年に発売開始、日本にも2014年より正規輸入されています。なお、RS3 セダンは地域により呼称が異なり、英国ではRS3 Saloon(サルーン)、ドイツ本国ではRS3 Limousine(リムジン)と名付けられています。

アウディ A3 セダン

アウディ A3 セダン

アウディ RS3 セダン

アウディ RS3 セダン

A3にセダンが追加になった経緯は、アウディの主要市場のひとつとである中国市場においてセダンが好まれることと、アウディA4がモデルチェンジのたびに大型化されるため、ボディの大型化に難色を示す既存のA4ユーザーに対しての受け皿としての役割を期待されたことなどが挙げられます。実際、A3セダンは市場から好評を得て順調なセールスを記録しており、メーカーの意図は当たったと言えるでしょう。

RS3の開発はアウディスポーツで行われています。旧クワトロGmbHを元に新しく立ち上げられた組織です。RSシリーズの開発をはじめ、レーシングカーも手掛ける技術集団で、メルセデスのAMGや、BMWのM GmbHと同じようなポジションとなります。

アウディRS3セダン コンセプト動画(約50秒)

 

ハイライト

エクステリア

小さくても上級モデルに負けない迫力

ベースとなるA3 スポーツバックとA3 セダンの関係は、フォルクスワーゲンで言えばゴルフとジェッタのような関係です。しかし、ジェッタが荷室容量を重視した「トランクを背負っている」ようなデザインを伝統的に採用しているのとは対象的に、A3 セダンはルーフからトランクまで弧を描くようなルーフ形状で、スタイリッシュかつエレガントに仕上げています。これはRS3セダンも同様です。

ボディサイズは、全長4,479mm×全幅1,802mm×全高1,399mmと、2代目A4 セダンに近い、日本の道でも持て余すことのない大きさです。そしてA3 セダンと比べてトレッドがフロントで20mm、リアは14mm広げられており、よりワイドでグラマラスな印象を与えるシルエットになっています。

RS3 セダンの専用装備は、アウディのRSモデルに共通するイメージを採用した、クワトロロゴ入りシングルフレームのハニカムフロントグリルや、専用スポイラー、楕円形エクゾーストシステムなどがあります。これらの専用装備を与えられたことで、RS3セダンは上級モデルのRS4などと比べても引けを取らない、スポーティで迫力あるエクステリアに仕上がっています。

アウディ RS3 セダン

アウディ RS3 セダン

アウディ RS3 セダン

アウディ RS3 セダン

 

インテリア

スポーツマインドをくすぐる演出

使い勝手に定評のあるA3 スポーツバックの良い点はそのまま、トランクルームを追加したことで、積載量と静粛性を向上させています。また、ハッチバックと比べてボディの開口部が小さいため、ボディ剛性の向上にもひと役買っています。

メーターパネルは近年アウディが積極的に採用しているバーチャルコックピットが装備されます。機械的なメーターを排して全面液晶パネルに置き換えたもので、従来のアナログメーターの情報だけでなく、カーナビゲーションや、各種車両情報をグラフィカルに表示することが可能です。

RSセダン専用装備として、バックレストにRSロゴの入ったナッパレザー張りのスポーツシートや、ドアを開けるとライティングされる「RS」ロゴ付きサイドドアシルが装備されています。オーナーのスポーツマインドを満たす心憎い演出と言えるでしょう。

アウディ RS3 セダン インテリア

アウディ RS3 セダン インテリア

アウディ RS3 セダン フロントシート

アウディ RS3 セダン フロントシート

 

パワートレイン

軽量コンパクトな直列5気筒ターボエンジン

RS3 セダンが搭載するエンジンは、直列5気筒2.5L TFSI。排気量や気筒数などはRS3 スポーツバックと同じですが、各所がブラッシュアップされ、もはや別物と言える仕上がりになっています。最高出力は旧型比33psアップの400PS、最大トルクは480Nmで、1,700-5,850rpmという幅広い領域で発生します。これはTT RSに採用されたエンジンと近いもので、0-100km加速はTT RSの3.7秒に対し4.1秒。ボディ形状や重量の違いを考えれば、かなりのハイパフォーマンスと言えるでしょう。

アウディが得意とするアルミ技術のノウハウも随所に生かされており、S3 スポーツバックに搭載されているパワーユニットと比べ、実に26kgもの軽量化を実現しています。さらに全長わずか40cmというコンパクトさも特徴です。ボディサイズが小さく、横置きレイアウトを採るRS3に、V型より幅を取ってしまう直列マルチシリンダーエンジンが搭載できたことが、このエンジンの際立ったコンパクトさを現しています。

また、5つのシリンダーのうち、隣り合うシリンダーと、離れたシリンダーをそれぞれ交互に点火することで、このエンジンならではの独特なフィーリングを生み出しています。もともとアウディやフォルクスワーゲンの5気筒エンジンは、4気筒とも6気筒とも違う独特な排気音と回転フィーリングを持っていましたが、RS3 セダンやTT RSでは、さらに官能的なフィーリングを付加したチューニングが施されています。

トランスミッションにMTの設定はなく、デュアルクラッチトランスミッションの7速 S Toronicのみとなります。電光石火のギアチェンジでドライバーの期待に応えます。

アウディ RS3 セダン の心臓部 2.5L 直列5気筒 ターボエンジン

アウディ RS3 セダン の心臓部 2.5L 直列5気筒 ターボエンジン

5気筒のガソリンエンジンは、現在ではアウディのみが採用する珍しいレイアウトです。かつては、アウディ/フォルクスワーゲン以外にもボルボやフィアット(ランチア/アルファロメオ)をはじめ、国産車ではホンダも採用していました。RS3の5気筒エンジンの優れたパフォーマンスは、1970年代に2代目アウディ100にはじめて5気筒エンジンを搭載して以来、40年近くに渡って積み重ねてきたノウハウの結晶です。

 

サスペンション

クワトロシステムにより確かな走りを実現

駆動方式はAWDのクワトロのみで、A3セダンに用意されているFFはありません。

RS3 セダンのクワトロシステムは、電子油圧制御式の多段クラッチを通して、前輪/後輪のパワーを路面状況に応じてリアルタイムで可変配分します。ステアリング特性だけでなく、エンジン制御、ギア変速プログラム、エクゾースト制御などを、「アウディ ダイナミック ドライブセレクト」により統合制御しており、高速走行時の安定性や、ワインディングでの優れたハンドリング性能など、幅広いシチュエーションでドライバーに対して確かなドライビングプレジャーを提供します。

サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット、リアに4リンクを採用し、それぞれRS3セダン専用のチューニングが施されています。車高はRS3スポーツバックと同じく、標準モデルより25mm下げられています。タイヤは255/35R19サイズに専用アルミホイールを組み合わせています。RS3スポーツバックと比べてハイパワー化されたため、これを受け止めるブレーキも強化した専用品が装着されています。

アウディ RS3 セダン パワートレイン(透視図)

アウディ RS3 セダン パワートレイン(透視図)

アウディ RS3 セダン 専用ホイール&ブレーキ

アウディ RS3 セダン 専用ホイール&ブレーキ

 

参考スペック

Audi RS3 Sedan 2.5 TFSI quattro 7-speed S tronic


寸    法  ▶︎全長x全幅x全高 = 00 x 00 x 00 mm
               ホイールベース:00mm   トレッド:前/後 00 mm/ 00 mm
エンジン▶︎2.5L 直列5気筒ガソリンターボ
     2,480cc 400 ps/5,850-7,000 rpm 480Nm/1,700-5,850 rpm
駆動方式▶︎ AWD(全輪駆動)7速デュアルクラッチトランスミッション
懸架装置▶︎前:マクファーソン・ストラット
               後:4リンク
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク
タイヤ   ▶︎前:235/35 R19 後:235/35 R19
燃料容量▶︎55L   車両重量:1,515kg   最高速度:249km/h   0-100km/h加速:4.1 秒
燃    費  ▶︎16.66km/L(欧州複合基準) -m/L(JC08モード日本仕様参考値)
価    格  ▶︎44,910ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください

 

ライバルモデル

RS3セダンのライバルには、メルセデスベンツ CLA45AMGと、スバル WRX STIの2台を挙げます。

CLA45AMGは、FFモデルのセダンであるCLAクラスをベースに、メルセデスベンツのスペシャルモデルを手掛けるAMGが手掛けたハイパフォーマンスモデルです。駆動方式はAWDで、直列4気筒2.0Lターボエンジンは360PS(日本仕様の場合)を発揮します。400psのRS3には及ばないことと、クーペのようなデザインと引き換えに後席の頭上空間が狭く、トランク容量もRS3に及びませんが、価格がRS3セダンよりも若干低く設定されていることと、全体的なバランスや剛性感に優れていることは魅力的です。

メルセデスベンツ CLA45AMG

メルセデスベンツ CLA45AMG

スバル WRX STI

スバル WRX STI

ハイパフォーマンスモデルに興味がある方なら誰もが知っているであろうスバル WRX STIは、以前はインプレッサ  WRXとして、ボクサー(水平対向)エンジンとシンメトリカルAWDの組み合わせに拘り、走りを徹底的に磨いてきました。このポリシーは、クワトロに拘るアウディとも通ずる部分があると言えます。WRX STIに搭載されている2.0Lツインスクロールターボエンジンは308PSを発揮。これにスバル得意のAWDシステムを組み合わせた走行安定性は折り紙付きです。

バイヤーズガイド

RS3 セダンはモノグレードですが、カーボンセラミックブレーキや、RSスポーツサスペンション with マグネティックライドなど、走りを楽しむためのオプションを組み合わせる楽しみがあります。アウディ・エクスクルーシブ・ペイントにより多彩なボディカラーを選択できることも、嬉しい要素です。

街からワインディング、高速道路からサーキットまで、走る道も、天候にも、用途にも左右されにくいRS3 セダンは、オールラウンドプレイヤーとして、その実力を遺憾なく発揮してくれることでしょう。

アウディ RS3 セダン

アウディ RS3 セダン

 

2017年現在のアウディ RS3 セダン 日本導入について

2017年12月現在、RS3セダンは日本で販売されていませんが、アウディ ジャパンのウェブサイトでは「coming soon」となっていることから、いずれ発表されるものと思われます。

 

並行輸入という選択肢

日本市場に正規輸入されていないモデルも、並行輸入を行えば日本で所有できます。一例としてコアカーズを運営する並行輸入車販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したアウディ RS3 セダン 2.5 TFSI クワトロ(7速 S tronic)の乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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関連リンク

現地法人公式サイト・コンフィギュレーター

アウディ 英国 RS3 セダンのオフィシャルサイト(AUDI UK RS3 SALOON)

アウディ 英国 RS3 セダンのコンフィギュレーター(AUDI UK RS3 SALOON)

※本記事は2017年12月29日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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