2019.06.19

新型フォード トランジット クーリエを解説、日本未発売LCVの概要やスペック、販売価格他、正規輸入の可能性や右ハンドル車の並行輸入情報も掲載。

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欧州LCVのなかでも長年不動のベストセラーを誇るフォード トランジット。トランジットには、中型サイズのLCVのとなるトランジット カスタムをはじめ、小型サイズのトランジット コネクト、そして最もコンパクトなのがトランジットクーリエと、これらを擁するトランジットファミリーを構成しています。以前からコアカーズではトランジットファミリーのかわいい末っ子、トランジット クーリエに目を付け紹介しておりましたが、欧州でも人気のこのモデルがマイナーチェンジでさらに進化しました。

今回はトランジット クーリエを進化も含めてあらためて解説します。合わせて後半では並行輸入の方法についても記載します。

モデルの概要

トランジット クーリエは、冒頭の通り欧州ベストセラーLCVであるトランジットをトップとしたファミリーのなかでも、最もコンパクトな末っ子的な存在のLCVです。

フォード トランジットを並行輸入いたします。日本未販売の商用モデル、イギリス仕様の右ハンドル。

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初代モデルのデビューは2013年のジュネーブモーターショーで発表、翌2014年に販売開始されました。そもそもこのクーリエの名前は、1990年代に欧州フォードが販売していたフルゴネット、「フォード クーリエ」のリバイバルネームになります。これは同社のコンパクトカーであるフィエスタMk3をベースにBピラー以降を荷室にしたモデルでした。

フォード クーリエ(1992年)

フォード クーリエ(1992年)

フォード トランジット クーリエ(MC前モデル:2014年)

フォード トランジット クーリエ(MC前モデル:2014年)

トランジット クーリエも同じく、プラットフォームをフィエスタと共用するフォードB3プラットフォームを採用。ほかにもこのプラットフォームを採用する車種にはプチバンのB-MAX(既に生産終了)がありました。他のトランジットファミリーと同じく、乗用モデルとして「トルネオ クーリエ」が欧州左ハンドル圏市場向けに導入されていますが、英国市場には導入されていません。生産はトルコのフォード・オトサンの工場でトランジットファミリーのモデルと一緒に行われます。

日本市場には、フォードの商用車は導入されなかったのに加え、フォード・ジャパンが撤退してしまったため、正規輸入で導入された実績はありません。

ハイライト

エクステリア

よりシャープに進化したエクステリア

フォード トランジット クーリエ(リア)

フォード トランジット クーリエ(リア)

ボディサイズは、全長4,157mm×全幅1,764mm×全高1,770mmと、コンパクトで日本の狭い路地でも丁度良いサイズです。

デザインは、以前からフォードの最新デザイン言語である、ニュー グローバル デザインランゲージを採用したものでしたが、マイナーチェンジで、フロントグリルやバンパーなどの形状が新設計され、より精悍な雰囲気になりました。新設計のフロントグリルは、一部グレードにアクティブグリルシャッターを装備。これはエンジン始動直後の低温時はシャッターを閉じることで暖気を早めるのに加え、空気抵抗を減らし低燃費を実現するアイテムです。

フォード トランジット クーリエ(フロント)

フォード トランジット クーリエ(フロント)

側面のパネルは大きなキャンパスとしてアピールできます

側面のパネルは大きなキャンパスとしてアピールできます

後席ドアやバックドアはスチールパネルが標準になっています。ここは、お店のロゴの配置やトランスポーターの場合はグラフィックのペイント入れてみるなど個性を表す大きなキャンバスとしても有効です。

インテリア

再設計されたインパネとインフォテントシステムがポイント

トランジット クーリエのインテリア

トランジット クーリエのインテリア

インテリアで目を引くのが新しくなったインパネです。これはドライバーを中心に、人間工学に則り再設計されました。これは長時間の乗務も想定される商用車の用途を考慮したものです。

そして中央にセッティングされるインフォテントシステムも新しくなりました。FORD SYNC3と呼ばれるこのシステムは、こちらも人間工学に則り再設計されています。ボタンが多く煩雑な印象のあったSYNC2システムから一転、小さなボタンを減らすだけでなく、6インチのフルカラータッチスクリーンディスプレイは、タブレットのようにピンチイン/アウトやスワイプジェスチャーに対応する進化を遂げました。

再設計された「SYNC3」インフォテントシステム

再設計された「SYNC3」インフォテントシステム

新採用された耐久性の高いインテリアトリム

新採用された耐久性の高いインテリアトリム

さらにインテリアトリムも合わせて進化。マイナーチェンジ前と比べて新採用されたトリム素材は、非常に高い耐久性を備えており、商用車として過酷なキャビン環境でも耐えられるタフなものになっています。

小さいボディでも広い荷室

小さいボディでも広い荷室

観音開きのバックドアが標準装備

観音開きのバックドアが標準装備

トランジットファミリーの中では最も小さなトランジット クーリエですが、積載性は十分。大きなユーロパレットを軽々飲み込む荷室は、最大約600キロの積載量です。これは一回りボディサイズが大きい日産NV200バネットとほぼ同等になります。荷室と運転席を仕切り、乗員を守るバルクヘッドは、強固なフルスチールのものが標準装備。ほかにもオプションでガラスウィンドウ入りのタイプや、シンプルなネットタイプも用意されています。

パワートレイン

全車6速MT採用でさらに低燃費を実現

パワーユニットは、ガソリン、ディーゼルそれぞれ設定されています。

  • 直列3気筒1.0L ダウンサイジングターボ EcoBoost 100PS
  • 直列4気筒1.5L ディーゼル TDCi Duratorq 75PS/100PS

ガソリンは、ダウンサイジングターボの1.0L EcoBoostユニット。フィエスタに搭載され、かつて日本にも導入されていたこのユニットは、排気量は小さくてもハイパワーで気持ちの良い回転感覚が魅力。欧州では2012年から2014年までインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの大賞受賞だけでなく、1.0L以下部門では2012年から2017年まで6年連続受賞したフォードの傑作ユニットです。今回のマイナーチェンジでも引き続き採用され、今なお魅力は衰えません。

ディーゼルは、1.5L Duratorqユニットに2つのチューニングがラインナップ。ハイパワー版はマイナーチェンジで5PSパワーアップされています。そして各ユニットには燃費性能を向上させるアイドリングストップとなるStart-Stopシステムが設定されています。

組み合わされるトランスミッションは、マイナーチェンジで従来の5速MTから全車6速MTに進化しました。ギア数が増えたことで、さらなる低燃費性能を実現しています。さらに全てのパワーユニットで、欧州の最新環境基準、Euro6.2をクリア。動力性能だけでなく、環境性能も進化しています。

サスペンション

フィエスタのキビキビ感とトランジットの耐久性を両立

サスペンションはフロント:マクファーソン・ストラット、リア:リジットを採用。フロントはベースを共有するフィエスタ譲りの粘り強く安定したものに対して、リアはトランジット譲りのバンとしてのヘビーデュティな要求にもしっかりと答える頼もしいもの。両者の特徴が融合したトランジット クーリエは、「積極的にドライビングが楽しめるバン」と言えるでしょう。

走りも楽しめるのがトランジット クーリエの魅力

走りも楽しめるのがトランジット クーリエの魅力

駆動系はFFのみで、AWDの設定はありませんが、滑りやすい路面でも安定性を上げるトラクションコントロールを含む、ESC(Electric Stablity Control)を全車に標準装備しています。

参考スペック

FORD TRANSIT COURIER Sport 1.0EcoBoost Start-Stop 6MT(ドイツ仕様)


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,157×1,764×1,770mm
ホイールベース:2,489mm トレッド前/後 - x -mm
エンジン▶︎水冷ガソリン 直列3気筒ターボ フロント横置き
     999cc -mm x -mm -:1 100PS(74kW)/6,000rpm 170Nm(17.3kgm)/1,400-4,000rpm
駆動方式▶︎FF  6MT
懸架装置▶︎前:マクファーソン・ストラット
▶︎後:リジット
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後 ディスク
タイヤ ▶︎前:- 後:-
燃料容量▶︎-L 車両重量▶︎-kg 最高速度▶︎-km/h 0-100km/h加速▶︎-秒
燃 費 ▶︎18.5km/L(欧州複合基準)-km/L(JC08モード日本仕様参考値)
価 格 ▶︎価格未定(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

ライバルモデル

トランジット クーリエのライバルとなる、Bセグメントクラスをベースにした小型LCVはなかなか少なく、プジョー ビッパーシトロエン ネモ、フィアット フィオリーノの3兄弟がありましたが、フィオリーノ以外は既に販売終了しラインナップから外されています。

プジョー ビッパー

プジョー ビッパー

シトロエン ネモ

シトロエン ネモ

今のところ3兄弟のモデルチェンジはアナウンスされておりません。唯一、販売されているフィオリーノ※もモデル末期で、新規制のEuro6.2への対応もまだなことから、今後の販売は微妙なところです。これより、2018-2019年におけるこのクラスはライバル不在となり新型トランジット クーリエの独壇場になるため、UK仕様の早期発売が望まれます。

※YMワークスではフィオリーノの1.3L Multijetディーゼルモデル(80HP)のガス検を取得しておりますので、いましばらくは安価でご提供できます。

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バイヤーズガイド

イギリス仕様のマイナーチェンジ後モデルは、2018年8月現在まだ正式には発表されておらず、今のところグレード展開は不明です。

しかし、既にマイナーチェンジモデルが発表されているドイツでは、概ねマイナーチェンジ前のグレード体系を踏襲しているようです。参考としてドイツ仕様のグレードは、バン仕様の最もベーシックなBasis、をはじめ、充実装備のTrend、そしてTrendをベースに、LimitedとSportがあります。

Limitedは今回のマイナーチェンジで追加になった上級グレード。標準でカラードバンパーや、パーキングセンサー、SYNC3インフォテントシステムなどが装備されています。そしてトランジット クーリエのなかでも魅力なのはSPORTの存在。鮮やかなボディカラーや、レーシーなストライプをはじめ、ブラックアウトされた専用16インチのアルミホイールなど、まるでフィエスタSTがそのままバンになったかのような迫力を持ったグレードです。

新型トランジット クーリエ SPORT(ドイツ仕様)

新型トランジット クーリエ SPORT(ドイツ仕様)

これらバンモデルに加え、2列目シートを追加した貨客共用のKombiもラインナップされています。

トランジット クーリエを選ぶなら、やはりSPORTグレードに、キビキビ走れる1.0L EcoBoostの組み合わせはいかがでしょうか。迫力のあるスポーティなこの組み合わせは、趣味のトランスポーターとしての用途だけでなく、お仕事の相棒としても使えるチョイスです。日本の商用バンにはないSPORTの雰囲気は、きっと街行く人々をクールに魅了するでしょう。小さい末っ子でも魅力は大きい、トランジット クーリエは頼もしい存在です。

新型トランジット クーリエの日本導入の可能性

歴代トランジットをはじめ、トランジット クーリエを含むフォードの商用車が日本に正規導入された実績がないのに加え、フォード自体が日本市場から撤退してしまったため、トランジット クーリエが日本に正規導入される可能性は、残念ながら低いでしょう。

並行輸入という選択肢

日本市場に導入されていない新型トランジット クーリエも、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

乗り出し価格については、2018年8月時点で英国仕様の価格が発表されていないため、発表され次第あらためてご紹介します。

  • 車名
  • 2年保証付き
    国内乗り出し価格目安

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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※本記事は2019年6月19日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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