日本市場ではミニバンを含むMPVがとても人気がありますが、「タフなMPV」というとどのようなクルマをイメージされますか?4WDで悪路に強い三菱 デリカD:5のようなミニバン、もしくはフォルクスワーゲン クロストゥーランのようなSUVスタイルのモデルでしょうか?
今回は、商用車であるトランジットコネクトをベースにした、「たくさん積めて、たくさん遊べるタフなMPV」、フォード トルネオコネクト(FORD TOURNEO CONNECT)を徹底解説します。
残念ながら正規輸入車として日本に上陸することはなさそうなモデルですから、イギリス仕様の右ハンドルモデルを並行輸入してみませんか?
この記事の目次
フォード トルネオコネクトの特徴
欧州でベストセラーを誇る商用車”トランジット”シリーズに、乗用車としての要素を追加したモデルがトルネオシリーズです。
ボディサイズの大きい順からトルネオカスタム、トルネオコネクト、トルネオクーリエの3車種があります。それぞれ商用車である、トランジットカスタム、トランジットコネクト、トランジットクーリエがベースとなっています。
欧州フォードには、 B-MAX/C-MAX/S-MAXの”MAXシリーズ”もありますが、MAXシリーズはスタイリッシュなミニバン、トルネオシリーズはタフでヘビーデューティーなレジャーアクティビティヴィークル(Leisure Activity Vehicle)として棲み分けされています。
現在販売されている2代目のトルネオコネクトは、商用車版であるトランジットコネクトとともに 2012年のパリモーターショーで発表されました。生産はS-MAXと同じスペインのバルセロナ工場で行われており、フォードグローバルCプラットフォームを使用しています。このプラットフォームを使用する車種には、C-MAX、フォーカス、エスケープ、クーガなどがあります。
ボディタイプは2種類あり、2列シート5人乗りの”トルネオコネクト”と、3列シート7人乗りのロングホイールベース版”グランドトルネオコネクト”がラインナップされています。リアドアは日本でも人気の高い両側スライドドアです。
ボディサイズは、全長4418(4818)mm×全幅1966mm×全高1852(1845)mm(括弧内はグランドトルネオコネクト)と、やや幅が広いものの、日産 NV200バネットや、ルノー カングーに近いサイズです。
グレード構成は、ベースグレードのスタイル(Style)、標準グレードのゼテック(Zetec)、充実装備のタイタニアム(Titanium)の3種類となっています。
大容量の室内空間を実現するボクシーなエクステリア
トルネオコネクトのデザインは、フォードのデザイン言語である”キネティックデザイン(Kinetic Design)”を取り入れつつも、使い勝手を最優先に考えられたボクシーなエクステリアが特徴です。
近年、欧州フォードでは ”フォード ニュー グローバル デザイン ランゲージ(Ford New Grobal Design Language)”と呼ばれるデザイン言語の採用を進めており、乗用車はもちろん、商用車であるトランジットシリーズも例外ではありません。そのため、今後トルネオコネクトにも新たなデザインが採用されるかもしれません。
シンプルで”道具感”のあるインテリア
インテリアは、ベースとなるトランジットコネクトとほぼ同じです。近年の欧州フォードのトレンドに違わず、SYNCシステムを中心としたデザインとなっています。
インパネは一体成型のプラスチックで MAXシリーズに比べると質感が劣りますが、汚れた場合でも簡単に拭き取れる素材なので道具としてガンガン使うのにぴったりです。
また、インテリアのシンプルさはコストパフォーマンスにも貢献しています。実際、トルネオコネクトのボディサイズはC-MAXに近いですが、価格はもうひと回りコンパクトなB-MAXと同程度に抑えられています。
ボクシーなデザインの恩恵で、後部座席は大型サルーン顔負けの広さを誇ります。両側スライドドアのため乗り降りしやすく、北米ではタクシーとして採用されているほどです。
後席は6:4分割可倒式で、3列目シートは床下に収納可能です。すべてのシートを折り畳めば2410L(グランドトルネオコネクトは2620L)という広大な荷室が出現します。自転車やサーフボード、長尺のフィッシンググッズなども積載可能ですので、趣味のトランスポーターとしても活躍してくれます。大型のオーバーヘッドコンソールも装備されていますから、細かいアイテムの収納場所にも困りません。
フォード グランドトルネオコネクト シートアレンジ解説動画(約50秒)
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フォード トルネオコネクト シートフォールディング解説動画(約50秒)
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パワーユニットはダウンサイジングターボとクリーンディーゼルから選べます
パワーユニットは以下のラインナップです。
・1.0L直列3気筒ガソリンターボ
・1.5L直列4気筒ディーゼルターボ(100PS)
・1.5L直列4気筒ディーゼルターボ(120PS)
ガソリンエンジンには、エコブースト(EcoBoost)と呼ばれるダウンサイジングターボユニットが搭載されています。この 1.0L直列3気筒エコブーストは、2012年から3年連続でエンジンオブザイヤーを受賞している傑作ユニットです。同社のフラッグシップモデルであるモンデオから、商用車のトランジットクーリエまで幅広いモデルに採用されています。
ディーゼルエンジンは、TDCiデュラトルク(Duratorq)と呼ばれるクリーンディーゼルターボで、チューンの違う2種類が用意されます。トルネオコネクトに搭載される 1.5L直列4気筒デュラトルクは新開発で、従来の1.6Lデュラトルクよりパワー、燃費ともに向上しています。なお、グランドトルネオコネクトはディーゼルエンジンのみとなります。
トランスミッションは、5速と6速のマニュアルのほか、2ペダルのゲドラグ製デュアルクラッチトランスミッションである6速パワーシフト(PowerShift)が用意されています。組み合わせは以下の通りです。
・1.0L直列3気筒ガソリンターボは5MTのみ
・1.5L直列4気筒ディーゼルターボ(100PS)は6MTのみ
・1.5L直列4気筒ディーゼルターボ(120PS)は6MTもしくはパワーシフトが選択可能
欧州メディアをうならせた優れたハンドリング
サスペンションは、フロントはマクファーソン・ストラット、リアにはトランジットコネクト譲りのリジットを採用しています。プロユースで支持される、タフで実用性重視のセッティングです。そのハンドリングについて欧州メディアからは「いかなる状況でも安定感があり、完璧といっても過言ではない」と高い評価を受けています。
総評:「たくさん積めて、たくさん遊べるタフなMPV」
広大な室内空間をもつ商用車トランジットコネクトをベースに、人とレジャーの道具をたくさん積みこんで、快適に目的地まで移動できるMPVとして仕立てたのがトルネオコネクトです。
ユーザーのヘビーデューティーな使用に耐えられるタフさと、最新の高効率なエンジン、ハイレベルなハンドリングを併せもつモデルは稀といえます。ロングホイールベース版の グランドトルネオコネクトであれば、最大で7人乗れて、ミニバンユーザーの期待にも応えます。
まさに「たくさん積めて、たくさん遊べるタフなMPV」と言えるでしょう。
トルネオコネクトのライバルに対するアドバンテージは?
トルネオコネクトのライバルは、日本でも人気のルノー カングー/グランカングーや、フィアット ドブロが挙げられます。これらは商用車をベースとしたMPVモデルで トルネオコネクトと生い立ちが近い車種です。
カングーは乗り心地の良さに定評のあるルノーのモデルだけあり、長距離走行時の快適性は一級品です。フィアット ドブロは内装の質感の高さにアドバンテージがあります。トルネオコネクトは内装の質感こそ商用車ライクなものの、使い勝手、乗り心地、走行性能、それぞれが高いレベルでバランスされていることが魅力です。
もちろんカングーやドブロもそれぞれに個性があり魅力的なモデルです。日本に正規輸入されていない3列シート7人乗りのグランカングーや、ドブロを並行輸入で乗るのも面白いのではないでしょうか。
多数のオプションから、ライフスタイルにあった一台を
商用車をベースにするトルネオコネクトですが、衝突被害軽減ブレーキ”Active City Stop”(タイタニアムには標準装備)や、車線逸脱を防ぐ”レーンキープアラート(Lane Keeping Alert and Lane Keeping Aid)”などの安全装置はしっかり用意されています。
快適装備ではデュアルゾーンオートエアコンや(タイタニアムには標準装備)、前席ヒーテッドシートなども設定されていますし、エクステリアではスポーティな17インチアルミホイール(5スポーク/10スポーク ゼテック以上にオプション)も選択できます。
ほかにも、スーリー(Thule)のルーフボックスや、専用自転車キャリア(Thule bike carrier Pro Ride)、キャンピングトレーラーやボートトレーラーを牽引するためのヒッチメンバーなど、レジャーで使えるオプションが多数設定されているので、自分だけのお気に入りの一台を作り上げることが可能です。
お勧めはグランドトルネオコネクト、1.5Lデュラトルク搭載のタイタニアム、パワーシフト右ハンドルモデル
いざとなれば 7人乗れる”グランドトルネオコネクト 1.5TDCiデュラトルク タイタニアム”を、2ペダルのパワーシフトと右ハンドルの組み合わせで乗られることをおすすめします。渋滞の多い日本の道を考えるとやはり2ペダル仕様が快適ですし、1.5L直列4気筒ディーゼルターボ(120PS仕様)は税制面でも有利です。デュアルゾーンオートエアコンが標準装備になるタイタニアムであれば、寒暖差の大きい日本の気候でも快適に使えます。
小回りの効く標準ホイールベースモデルや、よりベーシックなスタイル(Style)やゼテック(Zetec)などのグレード、1.0LガソリンエコブーストやMTモデルも魅力的ですがら、好みや用途に応じて選ばれてはいかがでしょうか。
フォード トルネオコネクトを日本に並行輸入した場合の乗り出し価格は?
フォード グランドトルネオコネクトのイギリスでの販売価格は、グランドトルネオコネクト 1.5TDCiデュラトルク タイタニアムで23,015ポンドです。イギリスより並行輸入した場合の日本国内の乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。
既に生産終了、あるいは新型・後継モデルが発表済のモデルです。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。ご対応ができない場合もございます。
※輸入国からの輸送料、各種税金、検査費用、登録諸費、納車費用(大阪近郊)は全て含まれています。
※正式なお見積り、遠方への納車費用など、改めてご提示いたしますのでお問い合わせください。
金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスしてください。
スペック表
フォード トルネオコネクトのスペックは以下をご確認ください。+ボタンで詳細が表示されます。
車名 | フォード グランドトルネオコネクト / FORD Grand Torneo Connect Duratorq TDCi 120 |
サンプルグレード | Titanium / MPS6 PowerShift |
英国販売価格 | £23,015 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | フローズンホワイト(標準色) ブラザーブルー(標準色) レースレッド(標準色) ムーンダストシルバー(OP/MTL) テクトニックシルバー(OP/DBC) ソーラー(OP/DBC) ディープインパクトブルー(OP/MTL) シャドーブラック(OP/MTL) マグネティック(OP/MTL) ※OP:有料オプション ※MTL:メタリック塗装 ※DBC:デザインボディーカラー |
全長x全幅x全高 | 4818× 1835 × 1845 mm |
ホイールベース | 3062 mm |
トレッド(前/後) | 1568mm / 1585mm |
車両重量(乾燥) | 1512kg |
乗車定員 | 7名 |
トランスミッション | MPS6 PowerShift |
エンジンタイプ | 水冷直列4気筒DOHC 16V 直噴インタークーラー付きディーゼルターボ |
総排気量/内径x行程 | 1498cc/73.5×88.3mm |
圧縮比 | 16.0:1 |
最高出力 | 88kW(120PS)/3600rpm |
最大トルク | 300Nm(30.6kg-m)/1750rpm |
燃料タンク容量 | 60L |
燃費 | 約20.0km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク/ディスク |
タイヤ/ホイール | 16インチホイール |
最高速度 | 167km/h |
0-100km/h加速 | 12.9秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車名 | フォード トルネオコネクト / FORD Torneo Connect EcoBoost 100 |
サンプルグレード | Zetec / 6MT |
英国販売価格 | £16,065 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 5 |
カラー | フローズンホワイト(標準色) ブラザーブルー(標準色) レースレッド(標準色) ムーンダストシルバー(OP/MTL) テクトニックシルバー(OP/DBC) ソーラー(OP/DBC) ディープインパクトブルー(OP/MTL) シャドーブラック(OP/MTL) マグネティック(OP/MTL) ※OP:有料オプション ※MTL:メタリック塗装 ※DBC:デザインボディーカラー |
全長x全幅x全高 | 4418× 1835 × 1852 mm |
ホイールベース | 2662 mm |
トレッド(前/後) | 1568/1585 mm |
車両重量(乾燥) | 1407kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 6MT |
エンジンタイプ | 水冷直列3気筒DOHC12V 直噴インタークーラー付きターボ |
総排気量/内径x行程 | 999cc/71.9×82.0mm |
圧縮比 | 10.0:1 |
最高出力 | 74kW(100PS)/6000rpm |
最大トルク | 170Nm(17.3kg-m)/1400rpm |
燃料タンク容量 | 60L |
燃費 | 約17.8km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク/ディスク |
タイヤ/ホイール | 16インチホイール |
最高速度 | 164km/h |
0-100km/h加速 | 14.0秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車両詳細画像ギャラリー
フォード トルネオコネクト/グランドトルネオコネクトをもっと知りたい方はこちら
・フォード英国 トルネオコネクトのオフィシャルサイト(FORD UK TOURNEO CONNECT)
・フォード英国 トルネオコネクトのカタログダンロード(FORD UK)
※本記事は2016年3月2日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。