シトロエングループのトップブランド“DSオートモビル”の小さなオープンカー、DS3カブリオ(Citroen DS3 CABRIO)。ヨーロッパ仕様車には日本未導入のハイパフォーマンスエンジンやクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルが用意されています。もちろんトランスミッションはMTも選択でき、さらに DS3レーシングの後継であるDS3パフォーマンスもラインアップされています。
今回は、そんなDS3カブリオの、日本でも運転しやすい右ハンドル・イギリス仕様車を徹底解説します。日本未導入のパワフルなエンジンの仕様を並行輸入してみませんか?
この記事の目次
シトロエン DS3カブリオの特徴
シトロエンの基幹車種である C3/4/5などの“Cライン”とは一線を画す高級車シリーズとして誕生した“DSライン”の最初のモデルとして、2009年にフランクフルト・モーターショーで発表されたDS3。その“DSライン”がDSオートモビル(DS AUTOMOBILES)として独立し、それにあわせてマイナーチェンジを受けたモデルが現行の DS3です。
DSオートモビルはフランス製高級車の復権という高い目標を掲げ、そのデザインテーマは「アバンギャルド」(前衛的)であると言われます。DSオートモビルのDS3/4/5は共通のデザインテーマである「DSウィング」を採用しており、DS3カブリオもこのデザインテーマに準じて更新されています。
今回紹介するDS3カブリオは DS3のオープンモデルです。DS3カブリオはキャンバストップとオープンの中間のような一風変わったオープンルーフを採用しています。このオープンルーフは屋根部分だけでなく、リヤウィンドウまでをたたみ込んで開け放つことができますが、オープン時でもサイドパネルは残ったままなのが特徴です。そのため、クローズ状態で側面から見ると DS3とほとんど同じに見え、しかもこの構造のおかげで重量増は最小限(DS3と比べて20〜30kg増)に留まっています。
オープンモデルでありながら、フォルムも走りもハードトップのDS3と遜色ないのがDS3カブリオの特徴です。
DS3/DS3カブリオ 2016″バーチャル”ジュネーブショー(約50秒)
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DSウィング採用でフロントマスクが精悍に
DS3カブリオは、DSオートモビル全車に共通するデザインモチーフである 「DSウィング」と呼ばれるフロントグリルを採用しています。これまでDSラインのフロントグリルはシトロエンのダブルシェブロンをモチーフにしていましたが、それを廃することにより完全に別ブランドであることを印象づけています。
組み合わされるキセノンLEDヘッドランプ(一部グレードに標準装備)は、流行の多眼式ヘッドランプと、流れるように点灯する LEDウインカーランプが組み合されています。リヤは奥行きを感じるLEDテールランプを採用しDS3の個性を主張しています。
DS3のサイドパネルがそのまま使用されているため、シャークフィンと呼ばれるBピラーや、ルーフが浮いて見える処理などの特徴が DS3カブリオにも引き継がれています。さらに、ソフトトップはルーフカラーとコーディネートされた3種類の布地(ブルー、ブラック+モノトーン柄)から選択可能です。
クールでシックなインテリアはカスタマイズメニューが豊富
インテリアは基本を抑えながらも、DSらしい前衛的なデザインイメージが採用されています。黒をベースとしたインテリアカラーに、クロームで縁取ったステアリングや3眼式メーターが備わるコックピットは、クールかつシックな印象となっており、ポップなテイストのインテリアを採用するシトロエンの通常モデルとは一線を画します。
また、シート表皮は3種類、ダッシュボードやシフトレバーにはカーボンやレザーの素材も用意されているので、インテリアでも個性を演出できます。
燃費とパワーを両立した最新のダウンサイジングターボエンジン
2016年現在、日本仕様のDS3カブリオは、PureTech110(数値がそのエンジンの馬力(PS)を表す)と呼ばれる 直列3気筒ガソリンターボエンジンとEAT6と呼ばれるアイシン精機製の6速ATの組み合わせのみの販売となっています。
対して欧州仕様のDS3カブリオには、
・直列3気筒1.2L ガソリンターボ 2種(PureTech82、PureTech110)
・直列4気筒1.6L ガソリンターボエンジン3種(PureTech130、THP165、THP210)
・直列4気筒ディーゼル1.6L ディーゼルターボ2種(BlueHDi100、BlueHDi120)
と多彩なエンジンが用意されており、豊富なラインナップからエンジンを選択できます。
組み合わされるトランスミッションは、すべてのエンジンで 5速または 6速のMTを選択できます。一方で6速ATはPureTech110との組み合わせのみとなるところは、日欧の自動車文化の違いとして興味深いところです。
DS3カブリオの燃費性能経済性は?
最新のDS3カブリオは、ダウンサイジングターボとディーゼルエンジンの採用により、ガソリンエンジンで21.2km/L(PureTech110)、ディーゼルエンジンで 27.8km/Lという良好な燃費性能をマークしています。同クラスのライバルにまったく引けを取りません。
シンプルながら熟成された足回り
DS3カブリオの足回りはベースとなるDS3と共通で、フロント=マクファーソンストラット、リヤ=トーションビームという、ごく一般的でシンプルな構成です。デビュー後も熟成が進められており、当初は堅めと言われていた乗り心地も改善されています。
また前述のとおり、サイドパネルを残したルーフトップを採用することで、DS3からの重量増を20kg〜30kg程度に抑えています。走りの面で DS3とほぼ遜色ないパフォーマンスを発揮することも、セリングポイントのひとつです。
総評:気軽にオープンにできるおしゃれな相棒
DS3のデビューは2009年。少々年数が経ってはいるものの、エクステリアデザインのアップデートにより今なおその魅力は薄れていません。人目を惹くエクステリアデザインや、好みに合わせてカスタマイズオーダー可能なインテリアはもちろん、キャンバストップに近い構造を採用することで、デザインのバランスを損なうことなくオープン化に成功していることは、DS3カブリオの大きな魅力です。
開閉のためには停車させたり、速度を大きく落としたりしなければいけない通常のオープンカーと異なり、120km/h以内ならいつでもサンルーフ感覚で屋根の開閉ができるDS3カブリオは、日本のように天候が変わりやすい土地で乗るオープンカーに最適です。オープンカーに憧れを抱きつつも敷居の高さを感じられていた方は、是非 DS3カブリオでオープンカーの世界を覗いてみてはいかがでしょうか?
DS3/DS3カブリオ 2016 PV(約85秒)
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DS3カブリオのライバルと評価・評判は?
Bセグメントのオープンモデルには、フィアット500やMINIコンバーチブルなどがあります。
フィアット500はDS3カブリオに近い構造のルーフを採用しています。DS3カブリオと比べてひと回り小さいキュートなデザインは、フィアット500ならではの魅力ですが、4名乗車でドライブを楽しむには少々窮屈かもしれません。
MINIコンバーチブルは DS3カブリオと違いフルオープンにできます。トップのみが開くタイプとは比較にならない開放感が魅力ですが、ハードトップモデルとの剛性感の違いや、重量増によるパフォーマンスの低下とのトレードオフになります。また後席利用時は、風の巻き込みなども気になるところではないでしょうか。
ライバルと比較して DS3カブリオは、オープンカーとしての楽しさを4名乗車でも楽しみやすいという点がポイントになりそうです。
DS3カブリオの装備とオプション
DS3カブリオは「Apple Carplay」と「Android Auto」に対応した、新世代の7インチタッチパネル式のインフォテイメントシステムを搭載しています。スマートフォンとの連携が簡単に行え、例えばナビゲーションシステムはスマートフォンのものを利用することができます。まだ登場して日の浅いシステムですが、今後の対応アプリケーションの充実も楽しみなところです。
また、レーザーセンサーを使って5〜30km/hで自動ブレーキをかける ActiveCityBrakeを搭載するなど、安全面の装備も最新の水準を満たしています。
DSレーシングから、DSパフォーマンスへ
シトロエンは2011年からDS3でWRCに参戦しています。そのため DS3にはモータースポーツを意識したDSレーシングというモデルが販売されたこともありましたが、現在は DSパフォーマンスと名称を変えたハイパフォーマンスモデルが設定されます。
とくに DS3カブリオパフォーマンスブラックは、マットブラックのボディに、ゴールドのミラーカバーやダッシュボードパネルを装備したグレードです。シートも専用のバケットシートとなるなど、DSレーシングがレースカーの雰囲気を市販車に反映した位置づけであったのに対して、DSパフォーマンスは、スポーティーさのみならず、プレミアム性でも通常のDSモデルに飽きたらないユーザーの願望を満たしてくれることでしょう。
DS3 DSパフォーマンス BRMクロノグラフのPV(約55秒)
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DS3カブリオを買うならPrestage以上がおすすめ
Chic、Elegance、Prestage、UltraPrestage、Performanceの5グレード構成ですが、ATに関してはEleganceのみでしか選べません。
Eleganceでも十分装備が充実していますが、Prestage以上のグレードには、アルカンターラの内装やレザーのドアトリムが奢られ、選択できるエンジンも高出力のもの(PureTech130、THP165、BuleHDi120)となり、エキゾーストも2本出しになります。もしATを選択する必要がないのであれば、Prestage以上をおすすめしたいところです。
DS3カブリオを日本に並行輸入した場合の乗り出し価格は?
日本仕様よりもエンジンやグレードの選択肢が増えながらも右ハンドルで乗りやすい、DS3カブリオのイギリス仕様の販売価格は、おすすめグレードのPrestage THP165/MTで£21,595です。イギリスより並行輸入した場合の日本国内の乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。
DS3カブリオはプジョー・シトロエン・ジャポンで正規輸入車として導入されていますが、お好みの仕様を入手するために、並行輸入も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?
既に生産終了、あるいは新型・後継モデルが発表済のモデルです。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。ご対応ができない場合もございます。
※輸入国からの輸送料、各種税金、検査費用、登録諸費、納車費用(大阪近郊)は全て含まれています。
※正式なお見積り、遠方への納車費用など、改めてご提示いたしますのでお問い合わせください。
金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスしてください。
ムスケティアによるカスタムやチューニングはいかがでしょうか?
世界最大級のプジョー・シトロエンチューナーのムスケティアは、DSオートモビルにも多数のカスタムパーツを供給しています。
これから新車でDS3/DS3カブリオを購入される方はもちろん、すでにDS3/DS3カブリオにお乗りの方も、スポーティーな雰囲気を演出するムスケティア製品で、自分だけの1台を作ってみてはいかがでしょうか。
スペック表
DSオートモーティブ DS3カブリオのスペックは以下をご確認ください。+ボタンで詳細が表示されます。
車名 | DSオートモーティブ DS3カブリオ / DS3 CABRIO |
エンジン、サンプルグレード | Prestage 1.6 THP165 |
英国販売価格 | £21,595 |
型式 | – |
初度登録 | 国内未登録新車 |
車検 | 受け渡し |
走行距離 | – |
ハンドル | 右 |
ドア数 | 3 |
カラー | スポーツイエロー(標準色) ポーラホワイト(OP/MTL) ルビーレッドメタリック(OP/MTL) アーキテックシルバーメタリック(OP/MTL) インクブルーメタリック(OP/MTL) ポーラホワイト(OP) シャークグレーメタリック(OP/MTL) ベリーレブルーメタリック(OP/MTL) パールホワイト(OP/PAL) ※OP:有料オプション ※MTL:メタリック塗装 ※PAL:パール塗装 |
全長x全幅x全高 | 3965 x 1715 x 1460 mm |
ホイールベース | 2455 mm |
トレッド(前/後) | – / – |
車両重量(推定) | 1200kg |
乗車定員 | 5名 |
トランスミッション | 6MT |
エンジンタイプ | 水冷直列4気筒DOHC 16Vターボ |
総排気量/内径x行程 | 1598cc/77mm×-85.8mm |
圧縮比 | 10.2 |
最高出力 | 121kW(165ps)/6000rpm |
最大トルク | 240Nm(24.5kg-m)/1400-3500rpm |
燃料タンク容量 | 50L |
燃費 | 約17.8km/L(欧州複合基準) |
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク/ディスク |
タイヤ/ホイール | 205/45R17 |
最高速度 | 217km/h |
0-100km/h加速 | 7.6秒 |
特記事項 | ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。 |
車両詳細画像ギャラリー
DS3カブリオをもっと知りたい方はこちら
・シトロエン英国 DSオートモビル DS3カブリオ オフィシャルサイト(CITROËN UK)
・シトロエン英国 DS3カブリオのコンフィグレーションサイト(CITROËN UK)
・シトロエン英国 DS3カブリオのカタログダウンロード(CITROËN UK)
※本記事は2016年3月19日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。