今回は、アウディA4及びそのハイパフォーマンスバージョンであるS4について紹介します。
ドイツの3大自動車メーカーのひとつであるアウディから販売されているDセグメントのモデルがA4です。このカテゴリーは激戦区のひとつとして、様々な自動車メーカーがしのぎを削っています。
A4は1994年に初代が誕生し、日本国内への輸入が開始されたのは翌1995年と、四半世紀以上にわたる長い歴史をもっています。またA4をベースにしたS4は、1999年に初めて国内導入されました。
A4/S4にはセダンやアヴァントなど様々なボディが存在しますが、高級感と走りにこだわる姿勢はいずれにも共通しています。2020年10月にはA4/S4いずれもマイナーチェンジが実施され、最新の開発技術が導入されています。
アウディが最先端の技術を結集させ、激戦区のDセグメントに投入したのがA4/S4です。ここではA4/S4のセダンモデルを中心に、その外観や走行性などを紹介することで、どんな点が注目されているのかを詳しく説明します。
この記事の目次
モデル概要
アウディA4は80や90の後継モデルとして、1995年に初代が日本国内に導入開始されました。
A4はDセグメント・以前でいうところのミドルクラスに属する車種です。このセグメントは各メーカーが最も力を入れているカテゴリーのひとつで、A4にもアウディの自動車開発技術の粋が詰め込まれています。またS4はA4のハイパフォーマンス仕様にあたり、走行面を中心に様々な点が強化されています。
アウディのA4/S4には、様々なボディバリエーションが存在します。A4では通常の4ドアセダンに加え、アヴァントとよばれるステーションワゴン・さらにはオールロードクワトロとよばれるクロスオーバータイプがあります。またS4にはセダンとアヴァントのボディタイプが用意されています。
A4の欧州仕様にはディーゼルエンジンモデルも設定されていますが、日本国内には導入されていません。また欧州向けには、様々な出力のエンジンと装備を組み合わせたグレードが多数存在しますが、日本国内向けとしては売れ筋が見込まれるグレードを中心に輸入されています。
A4の駆動方式は、ベーシック~中級グレードまではFFが中心、上級グレードやS4になるとクワトロとよばれるアウディお得意の4WDシステムが採用されています。欧州仕様にはMTモデルも存在しますが、日本にはS-tronicもしくはティプトロニックというツインクラッチのセミAT仕様のみが輸入されています。
Dセグメントに属するアウディ車として、A4/S4は装備も充実しています。外見上のアクセントになるものから手で触れて高い質感を感じるものに加え、様々な運転支援機能や衝突安全性能・予防安全性能の装備も十分で、オーナーに高い満足感と安心感を提供しているのです。
また今回紹介するA4及びS4に加え、更なる高性能バージョンとしてRS4もラインアップされています。
ほかにもA4/S4ならではの特徴は数多くあります。エクステリアやインテリア・走行性能など様々な角度から、アウディA4/S4のもつ個性を掘り下げていきましょう。
ハイライト
A4/S4のエクステリア
高級感が凝縮されたアウディブランドならではの美学
最新型のA4ではワイド&ローの印象がさらに強調され、シャープなLEDヘッドライトや立体的なエアインテークのあるバンパーなどが、フロント回りをより精悍な顔つきに変えています。
またA4は、躍動感にあふれたスポーティさももちあわせています。水平基調のリヤデザインにあわせた立体的なLEDリヤコンビネーションランプ・リヤディフューザーが、スタイリッシュな印象を引き出しています。
一方ベースはA4と同一ながら、S4のエクステリアはよりダイナミックなデザイン・引き締まった流麗なスタイルに仕上げられています。フロントエンドにはアルミニウムルックインサートが施されたハニカムメッシュデザインのシングルフレームグリルが装着され、洗練された印象を受けます。
加えてボンネット先端には、レース界を席巻したAudi quattroを彷彿とするスリットがあしらわれています。さらにクローム仕立てのダブルエキゾーストパイプやセダンに配するリヤスポイラーなどが、S4特有のスポーティな雰囲気をより高めています。
A4/S4いずれのモデルにもアウディならではの高い美学が追究されており、特徴的なスタイルはあらゆる人を魅了しているのです。
A4/S4のインテリア
高級メーカーらしさが随所にあふれる快適空間
A4/S4のインテリアは、先進テクノロジーや機能性・デザインが高い次元で調和しています。
フロント周りを包み込むように広がるダッシュボードの造形は水平基調で、センターコンソールとの分離やセンタークラスターレイアウトの工夫などにより、軽やかさやスポーティさが強調されています。静粛性の高さも特徴のひとつで、会話やオーディオを心地よく楽しめます。
A4/S4のインテリアがもつもうひとつの特徴として、バーチャルコックピットプラスの採用があります。解像度の高い12.3インチカラー液晶フルデジタルディスプレイに、スピードメーターやタコメーターはもちろん、マップの表示や再生中メディアの情報などを、必要に応じ切り替えて表示できます。
またA4/S4では先進的なインターフェースにより、複雑で多岐にわたる機能を直感的かつ簡単に操作できるようになっています。MMIナビゲーションシステムはタッチスクリーン式を採用しており、様々なエンタテイメントや機能を直感的にコントロールできます。
A4/S4は、もちろん実用車としての使い勝手のよさももちあわせています。またラゲージスペースはセダンでも460Lを確保しており、アヴァントやオールロードクワトロではシートアレンジを工夫することで495-1,495Lという大容量を誇ります。
A4/S4に搭載されるパワートレイン
ローエミッションを追求したダウンサイジングターボとマイルドハイブリッド
アウディのA4/S4には、2L直列4気筒ターボや3LV型6気筒ターボなど、グレードによって様々なエンジンが使い分けられています。ディーゼルターボは環境に配慮し優れた燃費性能を誇りますが、日本には導入されていません。
A4/S4のターボも他のメーカーと同様、近年のトレンドであるダウンサイジングターボとよばれるものです。低排気量ながら高排気量の自然吸気エンジンと同様のトルクを発生させ、大気汚染に配慮するとともに扱いやすい特性をもちあわせています。
またA4/S4には新たな低燃費技術として、革新的な12Vマイルドハイブリッド(MHEV)ドライブシステムが搭載されています。減速時の回生エネルギーを走行用の動力として活用することで、駆動時の効率を高めています。また回生エネルギーによりモーターのトルクアシストをするとともに、約55~160km/L間のコースティングといわれる慣性走行時にはエンジン停止の状態での走行も可能です。そのため優れた燃費性能を誇ります。
A4/S4の走行性能
高い走行性能を実現させるため技術の粋を集めたA4/S4
A4は激戦区のCセグメントに送り込まれたアウディ車として、その走行性能もとことん追求されています。その証拠が、高トルクを発生させるダウンサイジングターボエンジンや快適な走行性能も実現させる12Vマイルドハイブリッドシステム、そして新開発の4WDシステムのクワトロです。特にクワトロシステムは、走行シーンに応じて瞬時にトルク配分を切り替えるため、より幅広い範囲で安全なドライビングを楽しめます。
またA4/S4の走行面における機能としては、「アウディドライブセレクト」があります。これは走行状況やシーン・ドライバーの好みにあわせ走行特性を変えられる機能です。オート・インディビジュアル・エフィシェンシーの各モードがあり、パワーステアリングのアシスト量やエンジン・ギアチェンジの特性を設定することができます。これにより、スポーティな走りから快適・高効率な走りまで、それぞれのドライビングスタイルに合わせることができ、自分好みにA4/S4を操ることができるようになります。
トランスミッションは、日本国内向けとしてはA4に7速のS-tronicというデュアルクラッチのセミATが、S4には8速のティプトロニックが採用されます。いずれもスムーズな変速や高い効率性・レスポンスに優れるという特性をもち、高い加速性能や静粛性が高く低燃費な走りを実現させています。もちろん欧州仕様にはMTモデルもあり、自分の意のままに車を操る楽しさももちあわせています。
A4/S4には、現代の車に要求される安全性能も高いレベルで備わっています。衝突回避を支援するアウディプレセンスシティや、後方からの追突に備え乗員の安全を確保するアウディプレセンスリヤ、車間距離を自動的にキープするアダプティブクルーズコントロールなど様々な機能があります。これらの安全機能により、ドライバーはより集中して運転することが可能になるのです。
A4でもアウディに求められる走行性能を高い次元で確保していますが、S4ではさらに走行性能に磨きがかけられています。中でもクワトロシステムはS4のハイパワーを的確に路面に伝え、確実なトラクションを確保することで優れた加速性能を実現させています。
さらにS4は、車高を低めたSスポーツシャシー・ダンピングコントロールサスペンション・リヤスポーツディファレンシャルなどの装備が、俊敏なハンドリング性能を実現させています。S4ではこれら専用の装備により、スポーティなドライビングが思うまま楽しめるとともに、ドライバーとの心地いい一体感を体感できるのです。
総評
アウディA4は、各自動車メーカーが特に力を入れているカテゴリーであるCセグメントに投入されたモデルとして、高級感や走行性能が追求されています。またS4はA4のハイパフォーマンス仕様として、エンジンパワーだけでなく様々な箇所に手が加えられ、より高い次元でのドライビングが可能になっています。
2020年10月時点において、日本国内に導入されるA4/S4は、装備の充実した買い得グレードを中心としたラインアップです。エントリーグレードでは500万円を切る価格で購入できますが、エンジンパワーは控え目で、駆動方式もFFに限定されます。アウディの代名詞であるクワトロモデルが欲しい人はさらに費用をかける必要があり、S4で各種オプションをつけると、価格は900万円を超えてしまいます。
さらに日本には、最上級グレードのVorsprungが輸入されていません。よりゴージャスなA4/S4に乗りたい人は、並行輸入による購入を検討してみる価値もあるのではないでしょうか。
参考スペック
車名 |
Audi A4( Salooon) |
搭載エンジン、サンプルグレード |
Vorsprung 45 TFSI quattro S tronic |
国内販売価格(オプション無) |
51,880GBポンド(約7,063,000円) |
型式 |
- |
ハンドル位置 |
右 |
ドア数 |
4 |
乗車定員 |
5名 |
全長x全幅x全高 |
4,770mm×1,845mm×1,410mm |
トレッド(前/後) |
1,565mm/1,550mm |
車両重量 |
1,570kg |
最小回転半径 |
5.5m |
最高出力 |
195kW(265PS)/5250-6500 1984 |
最大トルク |
370Nm/1600-4500 |
燃料タンク容量 |
58L |
燃費性能(WLTCモード) |
13.6 km/L |
タイヤ・ホイール |
245/35R19・19インチ軽合金 |
0-100km/h加速 |
5.5秒 |
最高速度 |
250km/h |
A4/S4のライバルとなる車種はどんなものがあるのか
アウディA4/S4は各メーカーがひしめく激戦区のDセグメントに属するモデルです。そのためライバル車は様々な自動車メーカーに存在します。
同じドイツ車のライバル車としては、長年にわたりライバル関係にあるメルセデス・ベンツのCクラスやBMWの3シリーズがあげられます。高級感という面では前出のブランドに多少見劣りはしますが、フォルクスワーゲンのパサートもDセグメントの車です。
他の欧州車で同格として考えられる車種には、イギリスのジャガーXEやイタリアのアルファロメオ・ジュリアなどもあります。
輸入車に加え、もちろん国産車のDセグメント車も存在します。単にボディサイズを大きくしただけでなく、欧州のライバル車を強く意識して素材や走りの質感が高められているのが特徴といえます。
具体的な車種としては、ホンダのアコードやマツダのアテンザ・レクサスIS・日産スカイラインなどがあげられます。
各メーカーの主戦場であるDセグメントには、それぞれの開発技術の粋が注ぎ込まれ、ライバル車同士がしのぎを削っているカテゴリーといえます。
バイヤーズガイド
2020年10月時点において、日本国内に導入されているA4/S4としては、セダンモデルのA4・アヴァント・オールロードクワトロ・S4・S4アヴァントのボディタイプがあります。
このうちA4セダンに関しては、35TSFI・35TSFIアドバンスト・35TSFI S-ライン・45TSFIクワトロアドバンスト・45TSFIクワトロS-ラインが国内に輸入されています。
またA4アヴァントはクワトロS-ラインを除きセダンと同様のラインアップ、A4オールロードクワトロ・S4セダン・S4アヴァントは単一グレードの展開です。
国内輸入されているのは以上のグレードで、セダン(英国ではサルーン)最上級のグレードであるVorsprungは輸入されていません。またディーゼルエンジン車・MT車も国内未導入です。確実な売れ筋グレードを中心に輸入されているといえます。
イギリスで販売されているA4の最上級グレードであるVorsprungには、様々な豪華装備が標準で装着されます。マットチタニウムの19インチアロイホイールや電動サンルーフ・ドライバーアシスタンスパック・専用のオーディオシステム・マルチカラーのLEDインテリア照明などが、いっそう高級車ブランドとしてのアウディを引き立たせています。
エンジンはそれぞれ3種類のガソリンターボとディーゼルターボが選べますが、1984ccのガソリンターボを積んだVorsprung 45 TFSI quattro S tronicは195kW(265PS)の最高出力を誇り、高級車にふさわしい走行性能をもちあわせています。またS4やS4アヴァント・RS4でもVorsprungが選べるというのが嬉しいところです。
日本国内に導入されているA4でも、オプション装着などで同様の装備を付けることもできますが、控え目な出力のガソリンエンジンやディーゼルエンジンのVorsprungは選べません。より個性的なグレードが欲しい人は、並行輸入を利用しVorsprungをあえて購入することを選択肢に入れてもいいでしょう。
日本市場におけるA4/S4の今後の展開について(2020年現在)
アウディのA4/S4は、各メーカーの自動車開発技術がひしめくDセグメントのクラスにおいて、ライバルにも引けを取らない高級車としての確固たる地位を築いています。
また2020年10月にはマイナーチェンジされたばかりでもあり、その魅力にますます磨きがかかっています。2種類のダウンサイジングターボエンジン・装備の違いによるグレード構成により、自分のドライビングスタイルや使い方にあったグレードを選ぶことができます。
豊富なバリエーションを誇るアウディのA4/S4ですが、全てのモデルが輸入されるわけではありません。日本国内に導入されていないグレード、特にディーゼルエンジン車が欲しいという人は、並行輸入を検討してみるしかありません。しかし個人輸入では煩雑な手続きを必要とし障壁も高いので、並行輸入を専門に扱っている業者に依頼すれば満足度の高い買い物ができるでしょう。
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並行輸入という選択肢
日本市場に正規輸入されていないモデルでも、並行輸入を行えば日本で所有できます。
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また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。
車両詳細画像ギャラリー
関連リンク
カタログダウンロードページ
https://catalogue.audi.co.jp/catalogue_audi/my20_1_A4_di/
公式サイト・コンフィギュレーター
https://www.uk.audi.com/uk/web/en/models/a4/a4-saloon/trim-line.html
https://www.audi.de/de/brand/de/neuwagen/a4/a4-limousine/linien-pakete.html
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また、並行輸入に関しては、並行輸入の一連の流れをまとめた「並行輸入車をご購入いただく場合の流れ」と、お客様からよくご質問いただく質問をまとめた「欧州車の並行輸入に関するよくあるご質問(FAQ)」等のページをご用意しております。お問い合わせいただく前に、併せてご利用ください
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※本記事は2020年10月31日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。