2019.06.19

インフィニティ Q70を解説、日本未導入モデルの概要やスペック、価格他、正規輸入の可能性や並行輸入情報も掲載。

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日産の高級車専門ブランドの「インフィニティ」、そのなかでもフラッグシップのQ70とはどんなモデルなのでしょうか?日本でも近いモデルが販売されていますが、手に入らない魅力的なモデルも用意されています。

今回はインフィニティ Q70を紹介、並行輸入の方法についても合わせて記載します

モデルの概要

Q70はインフィニティのフラッグシップモデルですが、かつて「インフィニティM」として販売されていました。最初のモデルはインフィニティブランド立ち上げ時にラインナップされたM30。これは日本で日産レパード(2代目モデルF31型)として販売していたモデルのインフィニティ版で、2ドアクーペとレパードにはないコンパーチブルがラインナップされていました。

インフィニティ M30コンパーチブル(初代モデル:1990年)

インフィニティ M30コンパーチブル(初代モデル:1990年)

インフィニティ M45(2代目モデル:2003年)

インフィニティ M45(2代目モデル:2003年)

初代のM30以降は10年近くブランクが開き、2003年に復活した2代目インフィニティMはクーペではなく、日産セドリック/グロリア(Y34型)をベースにした4ドアセダンになりました。フラッグシップを担うQ45の弟分的なポジションで、エクステリアはセドリックに近いものでしたが、インパネデザインはQ45に近いものになっていたり、セドリックにはないV8エンジン搭載モデル(M45)もありました。2代目以降はクーペモデルの設定はなく、この役割はインフィニティGクーペ(現在のQ60)にバトンタッチしています。

3代目モデルのデビューは2005年、ベースモデルのセドリックがフーガに生まれ変わったのに合わせてインフィニティMもフルモデルチェンジしました。インフィニティのスポーティさを具体化したような力強いデザインを纏った2代目モデルは、主要市場である北米で大いに支持された結果、上級モデルQ45のシェアを食ってしまい生産終了するまでになりました。これ以降は代わってインフィニティMがインフィニティのフラッグシップを担っています。

インフィニティ M35(3代目モデル:2005年)

インフィニティ M35(3代目モデル:2005年)

インフィニティ M37(4代目モデル:2009年)

インフィニティ M37(4代目モデル:2009年)

現在販売されている4代目モデルは2009年にデビューしました。2014年にはインフィニティのネーミング規則変更に伴いQ70になり、それに合わせてマイナーチェンジを行っています。現在は北米だけでなく、アジア/オセアニア圏をはじめ欧州や右ハンドル地域の英国市場でも販売されています。さらに仕向け地によってはロングホイールベースのQ70Lも用意されています。生産はすべて日産自動車の栃木工場で行われており、Q70は生粋の「メイドインジャパン」のモデルです。

日本市場では2代目モデルと同じくフーガ(ロングホイールベース版はシーマ)として販売されています。最新モデルではインフィニティのCIマークを付けて販売されていますが、あくまでフーガでありインフィニティQ70としては販売されていません。

インフィニティ Q70 CM動画(約15秒)

ハイライト

エクステリア

かつてのQ45に近い堂々としたボディ

インフィニティ Q70(フロント)

インフィニティ Q70(フロント)

エクステリアのデザインは曲線を巧みに重ね合わせた有機的なもの。アグレッシブで抑揚の効いたラインが印象的です。そのなかでもAピラーを2代目モデルよりも後退させることでロングノーズが強調されたシルエットになっています。

ボディサイズは全長:4,980mm×全幅;1,845mm×全高:1,493mmと、かつてのQ45に近いサイズ。抑揚の効いたデザインを採用していることもあり、Q70は名実共にインフィニティのフラッグシップとして相応しい堂々としたものになっています。

インフィニティ Q70(サイド)

インフィニティ Q70(サイド)

インフィニティ Q70(リア)

インフィニティ Q70(リア)

ボディカラーは全8色、このクラスでは多めの設定です。足元は18インチのアルミホイールを基本に、スポーティグレードのQ70Sには迫力ある20インチアルミホイールが設定されています。

インテリア

匠が仕上げた美しいインテリアトリムを設定

各部のフィニッシュレベルが高く上質な印象のインテリアには、Q45譲りのアナログクロックが受け継がれています。フラッグシップモデルとしてリアシートの快適性も重視されているのはもちろん、走りにこだわるインフィニティらしくフロントシートの快適性も優れたものです。

Q70のインテリア

Q70のインテリア

ノーマルホイールベースでも快適なリアシート

ノーマルホイールベースでも快適なリアシート

英国仕様にはロングホイールベースモデルの設定はありませんが、ノーマルホイールベースでもレッグルームには余裕があり広々していると評判です。

掛け心地の良いシートは全車レザーが標準装備。ストーン、ジャワ、グラファイトの3色から選択可能です。インテリアトリムは、スポーティなブラックラッカーと、プレミアムなホワイトアッシュウッドの2種類を設定。特に銀粉を散りばめた美しいホワイトアッシュウッドは熟練の匠が手作業で仕上げた逸品。Q70の高級感の演出に一役買っています。かつてQ45の初代モデルには、インパネに金粉蒔絵施した漆塗りパネルを採用したことがありますが、Q70もこの系譜を受け継いでいると言えるでしょう。

匠が仕上げるホワイトアッシュウッドパネル

匠が仕上げるホワイトアッシュウッドパネル

Q45から受け継がれるアナログクロック

Q45から受け継がれるアナログクロック

快適性に花を添えるBOSE製のオーディオシステムは全車に設定可能です。そのなかでもPremium Tech/Sports Techには、5.1チャンネルのアクティブノイズコントロール機能付き16スピーカーシステムが設定されています。

パワートレイン

日本にはないクリーンディーゼルを設定

パワートレインには、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドそれぞれが設定されています。

  • V型6気筒 3.7Lガソリン VQ37VHR 320PS
  • V型6気筒 3.5Lガソリンハイブリッド VQ35HR+HM34 306PS+68PS システム合計 365PS
  • 直列4気筒 2.2L直噴ディーゼルターボ OM651 170PS

ガソリンとハイブリッドは日本仕様のフーガに搭載されているものと同一のユニットです。可変バルブタイミング機構(VVEL)を備えたVQ37エンジンはレスポンスの良さが魅力。ハイブリッドはシステム合計350PSを超えるパワフルさですが、低燃費も合わせて実現します。

低燃費のメルセデスベンツ製2.2L ディーゼルターボエンジン

低燃費のメルセデスベンツ製2.2L ディーゼルターボエンジン

そして一番の魅力は2.2Lディーゼル。欧州ではQ50にも設定されるメルセデスベンツ製ディーゼルエンジンは、フーガには設定されていません。レスポンスもよくハイパワーなこのエンジンは欧州複合燃費で20.8km/Lという低燃費を実現します。遮音対策も十分にされており、フラッグシップに求められる静粛性を損なうことは勿論ありません。

トランスミッションは全車7速ATが組み合わされています。駆動方式は全車FRとなり、AWDモデルは設定されていません。

サスペンション

インフィニティならではの走りへのこだわり

サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンクを採用しています。Q70Sの一部グレードには専用のスポーツチューンドサスペンションや4輪操舵(4WAS)が装備されています。スポーツチューンドサスペンションは硬めのセッティングがされていますが、大型セダンらしく快適性にも配慮がされています。

さらにエンジンを旧型モデルよりフロントミッドシップ気味の位置に搭載し、よりバランスの良い運動性能を実現しています。

大柄でも走りが楽しめるのはインフィニティならでは

大柄でも走りが楽しめるのはインフィニティならでは

「大柄なボディでもドライバーがスポーティな走りが楽しめる」。かつてのフラッグシップ、Q45が代々守り続けてきたこのポリシーは、ここでもしっかりQ70にも受け継がれています。

参考スペック

INFINITI Q70 2.2D Premium


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,980×1,845×1,493mm
ホイールベース:2,900mm トレッド前/後 1,575 x 1,570mm
エンジン▶︎水冷ディーゼル 直列4気筒ディーゼルターボ フロント縦置き
     2,143cc -mm x -mm -:1 125kW/3,200-4,000rpm 400Nm/1,600-2,800rpm
駆動方式▶︎FR  7速AT
懸架装置▶︎前:ダブルウィッシュボーン
▶︎後:マルチリンク
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後 ベンチレーテッドディスク
タイヤ ▶︎前:245/40 R19 後:245/40 R19
燃料容量▶︎74L 車両重量▶︎1,906kg 最高速度▶︎248km/h 0-100km/h加速▶︎8.9秒
燃 費 ▶︎20.8km/L(欧州複合基準)-km/L(JC08モード日本仕様参考値)
価 格 ▶︎34,260ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

ライバルモデル

インフィニティQ70のライバルとしてプレミアムセダンのBMW5シリーズとアウディA6を挙げます。

BMW 5シリーズ

BMW 5シリーズ

アウディ A6

アウディ A6

BMW5シリーズは、このクラスのなかでも特に走りを重視したドライバーズオリエンテッドなラグジュアリーセダンです。この性格はBMWのメーカーとしてのスタンスをよく表しています。お家芸とも言える直列6気筒ガソリンエンジンは言わずもがな、4気筒ディーゼルエンジンのフイーリングが良いと評判です。「走りとエコの両立」これが魅力と言えるでしょう。

アウディA6も同じくラグジュアリーセダンのなかでは走りの喜びを求めた一台です。どんな路面状況でも安定したドライビングを約束するAWDのクワトロシステムも魅力的ですが、2018年のフルモデルチェンジでは、ガソリン/ディーゼル問わず全てのモデルに48Vのマイルドハイブリッドが設定され、高い環境性能も魅力です。

バイヤーズガイド

グレード構成は、ラグジュアリーなPremiumとスポーティなQ70S Sportがあり、それぞれ装備を充実させたTechグレードが設定されているため、合計4グレードが用意されています。

Q70を選ぶなら、Premiumグレードに2.2Lメルセデスベンツ製ディーゼルエンジンの組み合わせはいかがでしょうか?

Q70Sやガソリン/ハイブリッドモデルも魅力ですが、これらは近い組み合わせが日本仕様のフーガでも選べますし、何より低燃費のディーゼルエンジンは、ハイブリッドと比べてもトータル燃料コストが大幅に低くなるのも魅力です。ディーゼルでもSportグレードは選択できますが、18インチアルミホイールのPremiumグレードは乗り心地のコンフォートさを重視したチョイス。コンフォートと言ってもドライビングが楽しめるインフィニティのモデルのため、Premiumグレードでも十分走りの楽しさを味わえ、オーナードライバーも満足していただけるでしょう。

かつて日産には「セドリック ブロアムディーゼル」がありました。日本ではめずらしい直列6気筒ディーゼルを積んだこのモデルは、ディーゼルとは思えないぐらいシルキーな回転で燃費も良い一方、ブロアムグレードは高級車としての装備も充実しており、まさに「エコノミーとラグジュアリー」さが両立した高級車でした。このようなモデルがラインナップされていない今、Q70のディーゼルはこれの現代版的解釈と言っても過言ではないかも知れません。

Q70の日本導入の可能性

Q70に近いモデルとして日産フーガが日本市場で販売されていますが、今回紹介した2.2Lディーゼルモデルはフーガにはありません。フーガやスカイラインを見ると、インフィニティブランドとしての導入の可能性が低いのに加え、最近の日産自動車は低燃費のモデルとして、ディーゼルよりもe-Powerをはじめとするハイブリッドにシフトしつつあるため、ディーゼルモデルが追加になる可能性はやはり低いと言えるでしょう。

並行輸入という選択肢

日本市場では販売されていないQ70ですが、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したQ70 2.2D Premiumモデルの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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※本記事は2019年6月19日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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