ランドローバー レンジローバー スポーツを解説、日本未導入のエンジンや並行輸入の情報も掲載。

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ランドローバー レンジローバー スポーツ

レンジローバー スポーツは、イギリスのランドローバー社がポルシェ カイエンにインスパイアされて開発したモデルと言われています。日本仕様と本国仕様では、エンジンの種類や出力が異なりますので、この記事ではイギリス仕様を中心に解説するとともに、それらを日本に並行輸入する方法もご紹介します。

モデル概要

ランドローバー レンジローバー スポーツは、2013年にフルモデルチェンジを果たした2代目(L494)が現行型に当たります。初代レンジローバー スポーツ(L320)は、レンジローバーのラインナップの中で最もスポーティでSUVらしからぬ走りを売りにしたモデルでしたが、2代目はよりラグジュアリー志向に転換しています。レンジローバーより150mm短い全長で取り回しを良くしながら、ホイールベースはレンジローバーと同じ2,920mmを確保し、ゆったりした居住性を持っています。

ランドローバー レンジローバー スポーツ(初代)

ランドローバー レンジローバー スポーツ(初代・L320)

ランドローバー レンジローバー スポーツ(2代目)

ランドローバー レンジローバー スポーツ(2代目・L494)

レンジローバーと大きく異なる点は、5+2となるサードシートを装着できるところです(SVR以外でオプション)。短時間であれば7名乗車も可能なシートを補助的に装着できることは、多人数で移動する機会が多い方には心強い点でしょう。

日本仕様では3.0L V6のガソリンとディーゼル、5.0L V8のガソリン2種と合計4種類のエンジンが用意されていますが、イギリス仕様では8種類ものエンジンがあり、日本と同じ排気量でも出力が異なります。グレードは「HSE」「HSE DYNAMIC」「AUTOBIOGRAPHY DYNAMIC」「SVR」の4構成で、日本のエントリーグレード「SE」はイギリスにはありません。

ハイライト

エクステリア

大柄ながら躍動感を感じさせるデザイン

現行ランドローバー車はすべて統一されたデザインコンセプトを採用しており、レンジローバー スポーツも同じコンセプトに則っています。レンジローバーよりひと回りコンパクトとは言え、全長4,850 x 全幅1,985 x 全高1,800mmの体躯は、国産だとトヨタ ランドクルーザープラドと近い大きさです。現行レンジローバー スポーツは、ルーフがリアに向かってなだらかに下がり、逆にショルダーラインが上がることで、躍動感を感じるデザインに仕上げられています。

ランドローバー レンジローバー スポーツ

ランドローバー レンジローバー スポーツ

ランドローバー レンジローバー スポーツ

ランドローバー レンジローバー スポーツ

イギリス仕様のホイールは、HSEが20インチ、HSE DYNAMICとSVRはそれぞれ異なるデザインの21インチ、AUTOBIOGRAPHY DYNAMICは22インチとなり、ホイールはすべて日本仕様とは違うデザインとなっています。また、ヘッドライトも日本と異なり、HSE・HSE DYNAMIC・AUTOBIOGRAPHY DYNAMICがマトリクスLED、SVRはピクセルLEDとなり、全車LEDデイライト付きです。先進のピクセル・レーザーLEDは全車オプションとなっています。このほか日本仕様と異なるのが、AUTOBIOGRAPHY DYNAMICにスライディング・パノラミックルーフが標準で装備されるほか、ブラックコントラストルーフがAUTOBIOGRAPHY DYNAMICとSVRに標準となっています。なお、SVRは前後バンパーが専用となるのは日本と同じですが、ボンネットがカーボンになっています。

インテリア

自分好みに仕立てられる上質で贅沢な空間

レンジローバー スポーツのインテリアは、レンジローバー譲りの上質さに溢れており、自分好みにカスタマイズできるのも魅力のひとつです。レザーやトリムのカラーの組み合わせが多いので、選ぶ楽しさを存分に味わえます。また、ダイヤル式のギアセレクターではなく、レバー式を採用しているのもレンジローバー スポーツの特徴のひとつです。ギアレバーやステアリング奥のパドルシフトで任意のギアチェンジも可能です。

ランドローバー レンジローバー スポーツ インテリア

ランドローバー レンジローバー スポーツ インテリア

ランドローバー レンジローバー スポーツ フロントシート

ランドローバー レンジローバー スポーツ フロントシート

イギリス仕様のシート素材は、HSE・HSE DYNAMICがウインザーレザー、AUTOBIOGRAPHY DYNAMICがセミアニリンレザー、SVRがウインザーレザーのスポーツシートとなります。全車にフロント&リアシートヒーターが標準で、AUTOBIOGRAPHY DYNAMICにはフロントシートにクーラー機能も備わります。+2のサードシートは前述の通りSVR以外でオプション装着が可能です。エアコンはHSE・HSE DYNAMICが2ゾーン、AUTOBIOGRAPHY DYNAMIC・SVRが3ゾーンのクライメートコントロールです。オーディオはMeridianサウンドシステムを搭載し、AUTOBIOGRAPHY DYNAMIC・SVRはサラウンド機能が追加されています。リアシートエンターテイメントは全車オプションです。

パワートレイン

全部で8種類存在する日本仕様と異なるエンジン

レンジローバー スポーツのイギリス仕様に用意されているエンジンは全部で8種類。日本仕様とは出力も異なるため、ここではイギリス仕様のエンジンを主にご紹介します。ちなみに、イギリスでは馬力の表記を「PS(仏馬力)」ではなく「HP(英馬力)」で表示します。1HP≒1.01PSですのでほとんど違いはありません。

まずディーゼルは3種類。2.0L 直4ターボのSD4が240HP/500Nm、3.0L V6ツインターボのSDV6が306HP/700Nm、4.4L V8ツインターボのSDV8が339HP/740Nmとなっています。

ガソリンは、2.0L 直4ターボのSi4が300HP/400Nm、3.0L V6スーパーチャージドが340HP/450Nm、5.0L V8スーパーチャージドは525HP/625Nmと575HP/700Nmの2種類あり、計4種類。さらにP400eと呼ばれるプラグイン・ハイブリッドもありますが、充電規格が日本と異なるため割愛します。これら合計8種類のエンジンが用意され、グレードによって選べるエンジンが異なります。

日本に導入されていないのは、2.0L 直4ディーゼルターボのSD4と、4.4L V8ディーゼルツインターボのSDV8、2.0L 直4ガソリンターボのSi4、そしてプラグイン・ハイブリッドのP400eです。3.0L V6ツインターボのSDV6も、日本仕様が258ps/600Nmですのでパワーが2割程度異なっています。これはレンジローバーが搭載する3.0L V6ディーゼルと同じ「TDV6」ですので、エンジン自体異なるものです。

これらに組み合わせられるトランスミッションは全車ZF製8速オートマチック。副変速機はSD4・SDV6・Si4がシングル、その他がツインとなっています。駆動方式は全車フルタイム4WDで、SDV8と5.0L V8スーパーチャージドにはトルクベクタリンク機構と電子制御アクティブディファレンシャルを採用しています。

ランドローバー レンジローバー スポーツ エンジンルーム

ランドローバー レンジローバー スポーツ エンジンルーム

サスペンション

俊敏な走りと悪路走破性、オンロードの快適性も万全

レンジローバー スポーツ(イギリス仕様)の足回りは、2.0L 直4ディーゼルターボのSD4がコイルサスペンション、その他が電子制御式エアサスペンションとなります。サスペンション形式はフロントがホイールの可動域を広く取ったダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクです。オールアルミモノコックボディを採用したことで大幅な軽量化を果たし、ハンドリングや加速性能などの俊敏性が高まると同時に、乗り心地も向上しています。

油圧コントロールによってコーナリング時のロール量を抑制し、操縦安定性を高める「ダイナミックレスポンス」は、ガソリンとディーゼルのV8エンジンに標準装備。フロントとリアを個別に制御することで、低速時の俊敏性と高速時のステアリング精度、安定性をより高めています。

ランドローバー レンジローバー スポーツ

ランドローバー レンジローバー スポーツ

ランドローバー レンジローバー スポーツ

ランドローバー レンジローバー スポーツ

SD4とSi4(ともに2.0Lエンジン)以外に標準装備される「ダイナミックレスポンス」は、車体の動きを1秒間に500回モニタリングして車体の動きとドライバーの操作に瞬時に対応し、連続可変ダンパーのダンピング量を調整。オンロードにおける操縦性と快適な乗り心地につながるのはもちろん、オフロードでも路面状況に応じて最適なダンピングで安定した走行を実現しています。テレインレスポンスやATPCは、エンジンによって標準装備とオプションに分かれていますので、必要な機能を選択することができます。

参考スペック

ランドローバー レンジローバー スポーツ AUTOBIOGRAPHY DYNAMIC 4.4L SDV8 8速AT(339HP)


寸    法  ▶︎全長x全幅x全高 = 4,850 x 1,985 x 1,800 mm
              ホイールベース:2,920mm     トレッド:前/後 1,690 mm/ 1,685 mm
エンジン▶︎4.4L V8ディーゼルターボ
     4,367cc     339HP/3,500rpm     740Nm/1,750-2,250rpm
駆動方式▶︎フルタイム4WD     副変速機付8速ATオートマチックトランスミッション
懸架装置▶︎前:ダブルウィッシュボーン(電子制御エアサスペンション)
              後:マルチリンク(電子制御エアサスペンション)
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク     後:ベンチレーテッドディスク
タイヤ   ▶︎前:275/40 R22     後:275/40 R22
燃料容量▶︎86L     車両重量:2,443kg(5人乗り)     最高速度:225km/h     0-96km/h加速:6.5 秒
燃    費  ▶︎11.9km/L(欧州複合基準) -m/L(JC08モード日本仕様参考値)
価    格  ▶︎89,950ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください

ライバルモデル

レンジローバー スポーツのライバルには、BMW X5、メルセデス・ベンツ GLE、VW トゥアレグ、ポルシェ カイエン、ジープ グランドチェロキーなどが挙げられます。

BMW X5は、BMW初のクロスオーバーSUVとして2000年に誕生し、現行モデルは3代目です。3.0Lディーゼルと3.0Lガソリン、4.4Lガソリンエンジンに2.0Lのハイブリッドと日本でもエンジンラインナップが多彩ですが、イギリス仕様には「M50d」の3.0L V6ディーゼルツインターボ(381HP/740Nm)や「40d」(313HP/630Nm)3.0L V6ディーゼルターボも存在します。またMモデルの「X5 M」(575ps/750Nm)も存在するなど、価格帯、パワー、ボディサイズがレンジローバー スポーツとかなり競合しています。

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メルセデス・ベンツ GLEは、以前の「Mクラス」の後期モデルとして2015年に登場しました。2018年現在、日本で正規販売されているのはGLE 350d、AMG GLE 43、AMG GLE 63Sとスタンダードモデルは1種類のみになっています。イギリスではこのほかに、2,143ccのディーゼル(204HP)を搭載する「GLE 250d」やプラグインハイブリッドの「GLE 500e」も販売されています。

メルセデス・ベンツ GLE 350d 4MATIC クーペ

メルセデス・ベンツ GLE

フォルクスワーゲン トゥアレグ

フォルクスワーゲン トゥアレグ

2018年1月現在、日本で販売されているVW トゥアレグは2代目の後期に当たり、3.6L V6ガソリンエンジンのみの設定ですが、イギリス仕様は逆に3.0Lのディーゼルエンジンのみの設定で、204psと262psの2種類が用意されています。2018年中にも3代目へのフルモデルチェンジが行われると期待されています。

ポルシェ カイエンは2017年12月、3代目となる新型の受注が日本で開始されました。3.0L V6ガソリンターボで340ps/450Nmを発揮する「カイエン」、440ps/550Nmの「カイエン S」、4.0L V8ガソリンターボから550ps/770Nmを発揮する「カイエン ターボ」の3モデルが日本で販売されており、今後グレードやエンジンも追加されるでしょう。

ポルシェ カイエン(2017)

ポルシェ カイエン(2017)

ジープ グランドチェロキー

ジープ グランドチェロキー

ジープ グランドチェロキーは、ジープブランドのトップモデルとして1993年に登場し、現行型は2011年デビューの4代目に当たります。3.6L V6ガソリンエンジンは290ps/347Nmを発揮。6.4L V8 HEMIを搭載するSRT8は468ps/624Nmというパワーを誇ります。イギリス仕様は3.0L V6ディーゼルターボとV8 HEMIというラインナップになっています。

これらのモデルは、すべて独自の4WD機構を備え、オンロードとオフロード性能の両立をうたい、インテリアの高級感にもこだわったモデルばかりです。レンジローバー スポーツをこれらのライバルと比較すると、SUV専門ブランドであるランドローバー社が長年に渡り熟成させてきた悪路走破性能、レンジローバーでどこよりも早く確立したプレミアム性と本物のラグジュアリー感が一歩抜きん出たレベルにあります。ドイツ・プレミアムブランドとは異なるテイストのインテリアやおもてなし感満載の様々な装備、全高をしっかりとった居住性などが特徴です。ユーザーの多様なニーズに応えるためにエンジンラインナップを増やしているのも、レンジローバー スポーツならではと言えるでしょう。

バイヤーズガイド

エクステリアの雰囲気が似通ったレンジローバー・シリーズの中で、レンジローバー・レンジローバー スポーツ・レンジローバー ヴェラールの3モデルで悩んでしまうかもしれません。

レンジローバーは全長5,005mm、ロングになると5,205mmに達しますので、車庫入れなど日常の取り回しにおいて不安を感じる方は、ひと回りコンパクト(全長4,850mm)なレンジローバー スポーツがおすすめです。

レンジローバー ヴェラールはデビューしたばかりの最新モデルで、スタイリッシュなデザインが最も特徴的です。メルセデス・ベンツ GLEクーペのような位置づけと言えばわかりやすいでしょうか。全高1,665mmとスポーツに比べ135mm低くなるため、特に後席の居住性を重視する方、+2シートを求める方にはヴェラールよりスポーツがおすすめです。

イギリス仕様のレンジローバー スポーツの中では、日本未導入の4.4L V8ディーゼルターボをおすすめしたいと思います。このエンジンを選べるグレードはAUTOBIOGRAPHY DYNAMICのみです。レンジローバー・シリーズ中、最もパワフルなディーゼルエンジンで、1,750回転で740Nmというビッグ・トルクを発揮します。BMW X5MやメルセデスAMG GLE63Sと比肩するトルクフルな走りをぜひ体験していただきたいと思います。

ランドローバー レンジローバー スポーツ

ランドローバー レンジローバー スポーツ

2018年現在のレンジローバー スポーツ 4.4L V8ディーゼルターボエンジン 日本導入の可能性

日本では、高性能なトップグレードはガソリンエンジンであるべきというイメージがあり、実際にレンジローバー スポーツも、トップグレードには5.0L V8スーパーチャージドガソリンエンジンが搭載されています。4.4L V8ディーゼルターボは、このエンジンをトルクで60Nm上回っているため、モデル内で競合が起きる恐れがあります。ディーゼル比率が高いヨーロッパでは問題ありませんが、日本では導入される可能性は低いと言わざるを得ません。

並行輸入という選択肢

日本市場に正規輸入されていないモデルも、並行輸入を行えば日本で所有できます。一例としてコアカーズを運営する並行輸入車販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したレンジローバー スポーツ AUTOBIOGRAPHY DYNAMIC 4.4L (339HP – 8速AT)の乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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※本記事は2018年1月30日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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