ボクスホール インシグニアを徹底解説。オペル インシグニアのイギリス仕様を右ハンドルで並行輸入します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
ボクスホール インシグニア

ボクスホール インシグニア(Vauxhall Insignia)は、Dセグメントに属するミドルサイズの5ドアハッチバックモデルです。

「ボクスホール」という名前は、日本ではあまり耳慣れないかもしれませんが、創業から100年を超えるイギリスの老舗メーカーであり、古くからゼネラル・モーターズ(GM)とも繋がりがありました。現在はGMの子会社であるドイツのオペルが、イギリス市場向けにリリースするモデルのブランド名となっています。

インシグニアはボクスホールとオペルの最上級セダンに位置するモデルです。上質でありながら値段は手頃なところがポイントとなっており、イギリスはもちろん、欧州全域で人気を博しています。また、その品質や内容は高く評価されて、2009年にはボクスホール|オペルとしては22年ぶりとなるヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー2009を受賞しました。

しかし日本市場ではオペルが2006年に撤退したため、発表前だったインシグニアは一度も正規輸入されることなく現在に至ります。そこで今回は、インシグニアの5ドアハッチバックモデルを徹底解説します。インシグニアをボクスホール版のイギリス仕様右ハンドルで並行輸入してみませんか?

インシグニアの歴史と特徴

ボクスホール ベクトラ

ボクスホール ベクトラ

ボクスホール インシグニアは、セダンのベクトラと、ハッチバックのシグナムを統合したモデルとして2008年にデビュー。GMグループのイプシロンIIプラットフォームを採用した最初のモデルとして登場しました。

インシグニアの生産はドイツにあるオペルの工場で行われ、オペル版では4ドアセダン、5ドアハッチバック、2009年に追加されたワゴンの3タイプのボディが用意されていますが、ボクスホール版は、英国市場で好まれる5ドアハッチバックと「スポーツツアラー」とよばれるワゴンボディの2タイプのラインナップとなっています。

ボクスホール シグナム

ボクスホール シグナム

エクステリアはインシグニアの登場から大きく傾向が変わり、それまで直線的でフラットだったデザインは、曲線的で張りと丸みのあるマッシブなボディに。かつてのフラッグシップセダンであった2代目オメガのフロントマスクを彷彿とさせるような、重厚感を感じさせるアピアランスを持っています。

インシグニアのデビュー以降は、ボクスホール|オペルの他のモデルもインシグニアのテイストを引き継いだデザインへ順次変更されていきました。また、インシグニアからは、ボクスホールのVの字をモチーフにしたこれまでの専用デザインを廃止し、オペル版と共通デザインのフロントグリルになりました。オペルとボクスホールの識別点がそれぞれのマークエンブレムのみとなってしまったのは、少し寂しい気もします。

ボクスホール インシグニア スポーツツアラー

ボクスホール インシグニア スポーツツアラー

2013年のマイナーチェンジでは、フロントマスクに全体的な変更を受けました。ヘッドランプのデザイン変更に始まり、フロントバンパーサイドにあるインテーク部分はシャープな形状に変更され、加飾メッキパーツとフロントグリルは、それぞれ大型化した上で、立体感のあるものに変更されています。それまでのシンプルで小顔な作りから、ロー&ワイドで、かつ高級感のある印象に変わりました。

リア周りはフロントほど大きく変更されていませんが、リアコンビネーションランプはトランク側に灯体を追加したのと合わせて、逆L字のグラフィックも全面変更されてシャープな印象に。ヘッドランプ内部にあるデイタイムランプで採用された、逆L字のグラフィックと対になっているデザインの反復がより強調されています。左右のリアコンビを繋いでいる大型のメッキガーニッシュはワイドで安定感のある印象を与え、大型化されたフロントグリルとのデザインを反復したものとなっています。

その後も新エンジンの投入や安全デバイス追加など、最新の技術トレンドに合わせた装備内容の変更やグレード構成の変更は適宜行われています。

 

エクステリア

空力特性を追求した流麗なデザイン

ボクスホール インシグニア

ボクスホール インシグニア

インシグニアのエクステリアを見ると、流麗なキャビンに目を奪われるでしょう。ボンネットの端から徐々に盛り上がった造形は、Aピラーに接続して立ち上がり、勢いを保ったまま弓のような美しい弧を描きながら、リアデッキの手前ギリギリまで伸びたCピラーまで連続し、彫りの深い造型が施されたダックテール形状のリアスポイラーと一体化するように収束しています。

ボディサイズは全長4,842mm x 全幅1,856mm x 全高1,498mm x ホイールベース2,737mmとなっており、Dセグメントカーらしい堂々としたサイズだからこその伸びやかさとも言えます。このデザインは4ドアセダンでも変わらず、5ドアHBと識別するのは近くでも難しいほどです。

見た目のスタイルの良さ以外にも、空力特性を大きく向上させることが主眼であり、ルーフの勢いをそのままリアウィンドウまで連続させ、かつリアエンドまで持っていくことで空力特性を向上させる手法は、古くからありました。近年はハイブリッドカーなどの開発における空力研究の中で導き出された最適解として洗練され、今や多くのメーカーがこの手法を用いています。

年毎に大きくなるCO2排出量の削減要求を受けて、今やスタンダートとなったダウンサイジング・エンジンはひとつの鍵になっています。しかし、かつての排気量で実現していたエンジン性能を維持するために、過給器だけに頼っていては燃費とのバランスに限界がきてしまいます。それを補うために、ボディの空気抵抗を可能な限り減らすことは重要であり、空気抵抗を示すCd値が小さければ小さいほど空気抵抗による速度低下が抑えられ、その結果、低燃費性能に直結するのです。そのため、自動車メーカー各社はこの数値を0.01でも小さくすべく、日夜開発に勤しんでいます。

ボクスホール インシグニア

ボクスホール インシグニア

特にボクスホール|オペルは空気抵抗に関しての取り組みに長く力を入れてきたブランドで、1990年にリリースしたクーペモデルのカリブラが出したCd値は0.26であり、「究極の空力ボディ」として当時の自動車業界を大いに驚かせました。「エアロダイナミクスのオペル(ボクスホール)」という先駆者としての伝統はインシグニアにも脈々と受け継がれています。

インシグニアのCd値はさすがにカリブラの0.26には及ばないものの、ボディ全体でパネルの合わせ精度や隙間を小さくした結果、0.27を達成しています。この数値は2008年にデビューした、居住性を重視したモデルしては相当に優れた数字です。

 

インテリア

最新のインフォテイメントシステムを採用

ボクスホール インシグニア インテリア

ボクスホール インシグニア インテリア

インシグニアのインテリアは、T字型のインパネがドアトリムまで溶け込むような包まれ感のあるデザインです。2013年のマイナーチェンジでは、インテリアに4.2インチカラーディスプレイ付のインフォテイメントシステムが導入され、ボタンが多く煩雑な印象のあったセンタコンソールのパネルが大幅に簡素化されました。残っている物理的なボタン類のレイアウト変更も行われ、操作系がシンプルで使いやすいものに変更されました。

ステアリングのデザインも変更を受け、エアバッグを内蔵するセンターパッドの小型化、水平スポークに配置されたマルチファンクションボタン、サラリとした手触りのシボに変更された革巻きグリップの採用など、しっかりとトレンドをおさえたモダナイズがされています。

ボクスホール インシグニア メーターパネル

ボクスホール インシグニア メーターパネル

メーターパネルにはカラー液晶のマルティディスプレイが導入され、表現力と情報量が向上しました。グレードによっては8インチの大型液晶パネルがオプションで設定されており、タコメーターや燃料/水温計はアナログですが、スピードメーターはディスプレイ表示に変わり、表示切り替えによってはナビ画面も表示可能です。

 

パワートレイン

バリエーション豊富なエンジン構成

ボクスホール インシグニア エンジンルーム

ボクスホール インシグニア エンジンルーム

インシグニアに搭載されるエンジンは下記の通り、ガソリンエンジン3種と2種類のディーゼルエンジンです。

【ガソリンエンジン(ECOTEC)】

  • 1.8L NA 140ps/175Nm & 6MT
  • 1.4L ターボ 140ps/200Nm & 6MT
  • 2.0L ターボ 250ps/400Nm & 6MT

ガソリンエンジンは、1.8Lの自然吸気エンジンと1.4Lと2.0Lのターボエンジンで構成されており、全て直列4気筒です。また、これらに組み合わされるトランスミッションは全て6速MTのみで2ペダル仕様はありません。

1.8Lの自然吸気はエントリーグレードのデザインをはじめ、リミテッドエディションとSRi、計3グレードのみの設定となります。1.4Lターボは、これらの3グレードに加えて、SEとテックラインという上級の2グレードを合わせた計5グレードに幅広く設定です。

過給器付きのダウンサイジングエンジン全盛のこの時代に、1.8Lクラスの自然吸気エンジンの設定があるというのは、かえって新鮮に見えますが、マニュアルトランスミッションを駆使して排気量なりの自然なパワーとトルク特性を好む方には嬉しい選択肢と言えるでしょう。

またインシグニアにおけるスポーツモデルの「VRXスーパースポーツ」を除くと、シリーズ最高出力となる250psの2.0LガソリンターボエンジンはSRi VX-Lineというスポーティーグレードにのみ設定されている専用エンジンとなっています。

【ディーゼルエンジン(CDTi)】

  • 1.6L ecoFLEX 136ps/320Nm & 6MT
  • 1.6L 136ps/320Nm & 6MT/6AT
  • 2.0L ecoFLEX 170ps/400Nm & 6MT
  • 2.0L 170ps/400Nm & 6MT/6AT

ディーゼルエンジンは2015年に新しく導入された1.6L(136ps)と2.0L(170ps)の2種類に集約されており、いずれも直列4気筒のターボエンジンです。またトランスミッションもそれぞれで6速MTと6速ATが選択可能です。ただしMTモデルには、いずれの排気量でも「ecoFLEX」という仕様が設定されており、グレードとの紐付けは少し複雑です。

まず、6速ATはいずれの排気量でも、すべてのグレードで選択可能です。また、6速MTでも2.0Lの場合はecoFLEX仕様がすべてのグレードで選択可能です。一方、1.6LのecoFLEXは上級のSRi VX-Lineで選択不可、1.6LのecoFLEXなしはSRiとSRi VX-Lineのみの設定、2.0LのecoFLEXなしはSRiのみの設定となっているなど、組み合わせに制限があります。

この「ecoFLEX」とは、低燃費とCO2の低排出化を極限まで実現するための環境テクノロジーを付加した特別なモデルの名称です。VWならば「BlueMotion」のようなもので、いわゆる「環境スペシャル」仕様と言えます。

環境スペシャルというと、数値目標達成のために快適装備もエンジン性能もいろいろと削ぎ落とされたイメージを持たれるかもしれませんが、ecoFLEXは可能な限りドライバーに我慢や妥協を強いることなく、目標とする環境性能を実現するクルマを開発することをコンセプトに掲げています。

インシグニアのecoFLEXでは、

  • エンジン制御プログラムの最適化(燃焼制御マップの最適化など)
  • トランスミッションのギヤ比最適化(ハイギヤード化)
  • ボディの空力性能強化(アンダーカバー追加等)
  • アクティブエアロシャッター(状況によってラジエター前を塞ぎ、空力向上)
  • 転がり抵抗値の低いタイヤの採用
  • アイドリングストップ機構
  • 回生ブレーキシステム 
  • シフトインジケーター(燃費効率の良いタイミングで変速を促す)

などが採用されています。概ね他のメーカと技術内容は同じですが、インシグニアのATはコンベンショナルなトルクコンバーター式のため、VWのようにデュアルクラッチトランスミッション(DSG)のようなMTに近い効率を得られない関係からか、ecoFLEX仕様車はMTモデルに限定されています。

 

インシグニアの足回り

マイナーチェンジでセッティングを変更

ボクスホール インシグニア

ボクスホール インシグニア

インシグニアの足回りは、フロントがマクファーソン・ストラット、リアが4リンク式のマルチリンクサスペンションとなっています。登場時、ややハードであると指摘されたリアサス周りのセッティングは、2013年のマイナーチェンジで大幅な改良が施され、より快適な方向性に変更されました。

また、スポーティーグレードの「SRi VX-Line」に標準装備されている「FlexRide」とよばれるシャシーコントロールシステムは、ダンパーやスロットルコントロール、ステアリングレスポンスなどを最適化して統合制御するもので、インパネにあるボタンによって通常モードから「スポーツ」または「ツアー」モードを選択できます。

スポーツモードではダンパーの減衰力を高めるのと同時に、ステアリングレスポンスもシャープに変化させ、ツアーモードでは高速走行時の直進安定性と乗り心地を重視した快適なセッティングに変えることができます。

FkexRideシステムは、一部ガソリンエンジンや2.0Lディーゼルエンジン仕様にもオプションで追加装備可能です。

 

経済性

ecoFLEXと連携したディーゼルエンジンに注目

ボクスホール インシグニア

ボクスホール インシグニア

インシグニアのディーゼル仕様をピックアップして燃費性能を見てみましょう。日本におけるJC08モードに近いといわれる「欧州複合モード」のカタログ燃費は、1.6Lの6MT仕様で26.3km/L、2.0Lの6MT仕様で23.2km/Lという、大変良好な低燃費性能です。

なお、これらの数値はecoFLEXなしのモデルに比べて1〜2km/L程度良好な数値です。

ecoFLEXは、燃費以上に距離あたりのCO2排出量日本の毎年の自動車税に

税金面以外で「環境スペシャル」によるメリットはあるといえます。

 

グレード構成と主要装備

非常にきめ細やかなグレード設定

インシグニアのグレード構成は、全7グレードと数が多く、装備内容も細分化されています。各グレードごとの特徴をベーシックモデルから簡単に説明していきますが、詳細については、是非カタログもご覧ください。

まずベーシック仕様として”デザイン”が設定されています。デザインでは全車標準装備のみを搭載しており、デザイン専用装備は存在しません。ホイールも17インチのスチールホイールとなるなど、コスト重視というコンセプトが伺えるモデルです。

リミテッドエディションは、デザインをベースとしなたらも、上級スポーティーグレードのSRi VX-Lineのような外観にエクステリアを仕上げたお買い得仕様です。現地のテレマティクスサービスの「OnStar」に標準対応しており、このサービスの普及を目論むグレードとも言えます。ホイールは18インチのアロイホイールが奢られています。

SRiは隠れスポーツ仕様ともいうべきグレードです。ベースはやはりデザインで、17インチのアロイホイールが採用されているなど外観は控えめですが、実はローダウンサスとスポーツシートなどを備えており、「羊の皮を被った狼」的な素養を持ちます。2.0Lのガソリン以外全エンジン選択可能なのもポイントです。

SRiが控えめだったのに対して、SRi VX-Lineは見た目もスポーツ仕様。SRiをベースにエアロパーツと19インチの大径ホイールを装着し、内外装をドレスアップしています。エンジンも高出力のものが組み合わせられ、本格的なスポーツモデルのVXRには及ばないものの、その片鱗を味わえます。

ここまではスポーティーなグレードが続きましたが、快適性を重視する需要にももちろん対応しています。

SEはデザインをベースに、自動防眩ミラーや後席パワーウィンドウなど日常快適装備を追加。価格上昇を抑えながら快適性を向上させています。

テックラインはデザインをベースにナビを標準装備としました。全グレードの中でナビが最初から標準装備されているのは、このテックラインが唯一です。

エリートは豪華装備仕様という位置づけで、SEをベースに左右独立オートエアコンなどの快適装備を多数追加しています。非スポーツモデルでは、最上級モデルと呼ぶべきグレードで、エンジンは高速巡航性に優れたディーゼルのみの組み合わせとなっているところからも、その性格が伺えます。

こうしてみると、複雑で数多く見えるグレードも、実は必要に応じてそれぞれのポジショニングがしっかりされているのがわかります。

インシグニアは会社から決められた予算枠の中で、使用者が車種を選択できるカンパニーカー制度を利用して購入されることも多いモデルです。ただし税金は車両の金額(みなし所得)に対して課税されるため、車両の価格を抑えるために必要な装備だけを厳選してグレードを選定するのが通例となっています。インシグニアの多彩なグレード構成は、こういった事情を反映しています。

もし、必要な装備が足りなければオプションで対応することになりますが、それはエクストラコストになりますし、時間もかかります。できるだけ追加オプションをオーダーせずに済むよう、予め必要な装備と乗り手の好みを満たすグレード構成になっているのです。

なお、デザインを含む全てのグレードには、下記の装備が標準装備されます。

【エクステリア】

  • カラードバンパー
  • カラードドアミラー(電動調節付)
  • ヒーテッドドアミラー(タイマー付)
  • カラードドアハンドル
  • クローム・メッキグリル
  • タッチセンサー式トランクオープナー
  • ティンテッドガラス
  • リア濃色ガラス
  • ハイマウントストップランプ
  • LED式テールランプ
  • ウォッシャー付リアワイパー
  • リアウィンドウデフォッガー(タイマー付)

【インテリア】

  • チルト&テレスコピックステアリング
  • 革巻きステアリング
  • マルチファンクションディスプレイ(カラー液晶)
  • メータパネル照度調整
  • 運転席4wayリクライニング&高さ調整付きパワーシート(ランバーサポート付)
  • リモコン集中ドアロック
  • 電気式サイドブレーキ
  • 照明付きバニティミラー(前席)
  • ドア連動カーテシーランプ
  • マップランプ
  • 読書灯(後席)
  • フットランプ
  • アンビエントランプ
  • ラゲッジルームランプ
  • リア12Vアクセサリーソケット
  • 60:40分割可倒式リアシート

【快適装備】

  • クルーズコントロール
  • シングルゾーンオートエアコン
  • オートライト
  • パワーウィンドウ(フロント)

【オーディオ/コネクティビティ】

  • デジタルラジオ(カラー液晶パネル付)
  • CDプレーヤー(MP3対応)
  • Bluetooth接続
  • 外部入力用USB端子

【安全装備】

  • 6エアバッグ(運転席&助手席&サイドx2&カーテンx2)
  • ESP (横滑り防止装置)
  • TRC (トラクションコントロール)
  • ABS (アンチロックブレーキ)
  • BA (ブレーキアシスト)
  • 緊急時ブレーキアシスト
  • コーナリングブレーキコントロール
  • ヒルスタートコントロール
  • LED式デイタイムランニングランプ
  • アダプティブブレーキランプ
  • タイヤ空気圧モニター
  • ペダルリリースシステム
  • フロント合わせガラス
  • サイドインパクトビーム
  • パンク修理キット

標準装備一覧を見てみると、基本的にはベーシックグレードである「デザイン」でも十分な内容を備えていることがわかります。ここを基点に不足している装備がどれかを見極めてからあらためて見直すと、それらを備えたグレードに目が止まるはずです。更にグレードによるエンジンの選択肢との組み合わせもあるので、一見複雑に見えるラインナップですが、絞り込むのはさほど難しくはないと思います。

 

オススメのオプション装備

ACCなどのメーカーオプションに注目

インシグニアの純正オプションは大変に多くのバリエーションがあり、全てを紹介するには難しいので、ここでは車両注文時にしかオーダーできないオプション装備の一部をご紹介します。

約330ポンドのデュアルゾーンオートエアコンは、左右独立で温度設定ができるオートエアコンで、最上級のエリートでは標準装備されている装備です。SEとテックラインは単体オプションですが、それ以外のグレードは自動防眩ルームミラーや雨滴検知式オートワイパーなどとセットになった「プレミアム・センソリーパック」という412.5ポンドのパックオプションでの対応となります。

約920ポンドのアダプティブクルーズコントロールはフロントカメラで捉えた前走車と一定距離を保ちつつ速度を維持するタイプのもので、国産車でも採用例が増えてきています連続走行の疲労軽減に効果がありますので、長距離の高速移動が多い方にオススメの装備です。

約742ポンドのインテリジェント・アダプティブ・フォワード・ライティング+(AFS+)は、ヘッドランプにハロゲンに代わってバイキセノン仕様が採用され、さらに光軸と配光エリアを状況に応じて可変できるヘッドライトシステムです。単純なハイ/ローの自動切り替えではなく、速度によって低速時は横方向へワイドに、高速域には幅を狭めて遠くを見通せるように照射範囲を変えてゆくなど、優れたビームコントロールによって夜間走行のサポートを行います。エリートには標準装備されています。

375ポンドのフロント/リア パーキングセンサーは目視しにくい場所にある障害物との距離を音で知らせて車庫入れをサポートしてくれるのが、このパーキングセンサーです。同じくオプション設定のリアビューカメラと共に、全長4,800mmを超える大柄なボディと、なだらかに傾斜したCピラーをもつインシグニアにはオススメの装備です。リミテッドエディションとエリートには標準装備されています。

インシグニアのオプションには他にも豊富に用意されていますので、ぜひカタログでご確認ください。

 

総評

進化を続けるフラッグシップモデル

インシグニアは、2016年時点でデビューから既に8年が経過し、次世代モデル登場の噂も出ていますが、未だに新スペックのエンジンを投入するなど、細かな仕様変更を続けています。その開発姿勢は、ボクスホールの旗艦モデルとして作り手が今も大切に育てていることを感じさせるものです。

昔から日本ではなかなか定着しなかった5ドアHBですが、マルチパーパスモデルが増え、クルマの使い勝手に対する目が肥えた今こそ、普通の4ドアセダンとはひと味違う流麗なスタイルと、ワゴンに迫る積載性の良さを併せ持った5ドアHB車の魅力を、ボクスホール インシグニアで味わってみてはいかがでしょうか。

ボクスホール インシグニア

ボクスホール インシグニア

 

インシグニアのライバルは?

フォード モンデオ

フォード モンデオ

インシグニアのライバルにはどのようなモデルがあるのでしょうか?今回はインシグニアの中でも、5ドアハッチバックモデルに絞ってピックアップしてみましょう。

フォード モンデオは、インシグニアのライバルとして真っ先に思い浮かぶモデルです。最新世代の4代目は2013年デビュー。流麗な5ドアハッチバックと見分けがつかないほど似ている4ドアセダンと、ステーションワゴンをラインナップに持つのもインシグニアと共通です。インシグニアより大きなボディサイズで1.0Lという驚異の小排気量エンジンを据えていることを除けば、ガソリンやディーゼルエンジンのラインナップも近いということで、やはり最大のライバルはモンデオとなるでしょう。

シュコダ シュパーブ

シュコダ シュパーブ

シュコダ シュパーブも有力なライバルです。シュコダはVWのグループ企業で、チェコにあるメーカーです。日本には正規輸入されていないので、ボクスホールと同じようにあまり耳慣れない名前かもしれませんが、ボクスホールと同じように創業から100年を超える歴史のあるメーカーです。

3代目シュパーブは、VWの最新MQBプラットフォームをベースに、Dセグメントモデルとして2015年にデビュー。セダンに見えて実は5ドアハッチバックというデザインが特徴で、他にステーションワゴンも用意されています。どことなくVWやアウディとの関係を感じる雰囲気がありますが、シュコダとしてのデザインアイデンティティはしっかりとあり、シャープでカッチリとしたデザインが印象的です。

 

インシグニアのオススメグレードは?

インシグニアのラインナップからおすすめグレードを選ぶなら、1.6L CDTi 136ps & 6速AT を搭載した「SRi」もしくは「SE」をおすすめいたします。

SRiは、シリーズ中でもっともエンジンの選択肢が多く、設定されていないのはハイパワーなガソリン2.0Lターボ(250ps)のみです。逆に、ecoFLEX非搭載の「2.0L CDTi 170ps & 6MT」というディーゼルエンジンは、SRiにしか設定がありません。エンジンのバリエーションが豊富というのは、それだけニーズが集中していることを意味しますから、売れ筋グレードの証と言えます。

SRiには、主にフォグランプやリア3面プライバシーガラス、ローダウンスポーツサスペンションに加え、フロントはスポーツシートに変更され、リアドアのパワーウィンドウが標準装備されています。SRiのエアロ版である「SRi VX-Line」のように大径ホイールやエアロパーツなどの派手な装備はないので、「見た目は普通、中身はスポーティ」な仕立てがお好みであれば、SRiがオススメです。

悩ましいのは「SE」の存在です。スタート価格はSRiと同じですが、雨滴検知式オートワイパーや自動防眩ルームミラー、ドアメッキモールの追加、オートライトはセンサーが賢くなって陸橋の下を通過して一瞬暗くなってもヘッドライトが点灯しないタイプに置き換わったりと、主にセンサー系の自動装備が充実していて、便利な仕様になっています。そのかわり、SRiの装備はリアパワーウィンドウ以外のものは、SEには装備されません。

以上の点をまとめると、「スポーティに走りたいならSRi、上級寄りで便利機能重視ならSE」といったところでしょうか。

他のグレードも大きく変わった内容のものはありませんが、選択できるエンジンのバリエーションはグレードによって異なりますので、詳細はカタログをご覧ください。

 

ボクスホール インシグニアの日本での乗り出し価格は?

ボクスホール インシグニアのイギリスでの販売価格は、SRiに1.6Lのディーゼルターボエンジン、6ATの組み合わせで24,029ポンドです。日本に並行輸入した場合の日本国内乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。

2006年のオペルの日本市場撤退により、インシグニアの正規輸入の可能性は殆どなくなっているので、日本での入手は並行輸入が現実的な選択肢です。ご希望に応じて左ハンドル仕様のオペルブランドでの輸入も承ります。お気軽にご相談ください。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

 

スペック表

ボクスホール インシグニアのサイズやカラーなどスペックは以下をご確認ください。+ボタンで詳細が表示されます。

ボクスホール インシグニア SRi 1.6 136ps CDTi 6AT £24,029
車名 ボクスホール インシグニア / Vauxhall Insignia
エンジン、サンプルグレード SRi 1.6 136ps CDTi 6AT
英国販売価格 £24,029
型式
初度登録 国内未登録新車
車検 受け渡し
走行距離
ハンドル
ドア数 5
カラー ロイヤルブルー(標準色/SOL)
ラーヴァレッド(OP/BL)
サミットホワイト(OP/BL)
ソブリンシルバー(OP/MTL)
フリップチップシルバー(OP/MTL)
コスミックグレイ(OP/MTL)
シャイニーロック(OP/MTL)
オーラムグリーン(OP/MTL)
ミネラルブラック(OP/MTL)
マカダミア(OP/P)
ダークシーブルー(OP/P)
エメラルドグリーン(OP/P)
※OP:有料オプション
※SOL:ソリッド塗装
※MTL:メタリック塗装 £454
※BL:ブリリアント塗装 £229
※P:パール塗装 £454
全長x全幅x全高 4,842 x 1,856 x 1,498 mm
ホイールベース 2,737mm
トレッド(前/後) – mm / – mm
車両重量 2,040kg(車両総重量)
乗車定員 5名
トランスミッション 6速オートマチックトランスミッション
エンジンタイプ 1.6L CDTi 136ps I-4
総排気量/内径x行程 1,598cc / – x –
圧縮比 未発表
最高出力 100kW(136ps) / 3,500-4,000rpm
最大トルク 320Nm / 2,000rpm
燃料タンク容量 L
燃費 約20.3km/L(欧州複合基準)
ブレーキ形式(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ/ホイール 225/55R17
最高速度 199km/h
0-100km/h加速 10.9sec
特記事項 ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。

 

車両詳細画像ギャラリー

ボクスホール インシグニアのカタログダウンロード

ボクスホール英国 インシグニアのカタログダウンロード(VAUXHALL UK INSIGNIA)

 

ボクスホール インシグニアの現地法人・ディーラーリンク

ボクスホール英国 インシグニア のオフィシャルサイト(VAUXHALL UK INSIGNIA)
ボクスホール英国 インシグニアのコンフィギュレーター(VAUXHALL UK INSIGNIA)

 

※本記事は2016年11月21日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

並行輸入・逆輸入・輸入代行に関する無料相談

コアカーズを運営するYMワークスでは、海外で販売されている日本未導入モデルの欧州車の新車をはじめ、海外市場で流通する高年式中古車を独自ルートによる直接並行輸入でご提供しています。もちろんディーゼル、左ハンドル、逆輸入車、ラリーカーやクラシックカーなど、メーカーを問わず幅広くお取り扱いしています。こだわりのモデルやクルマがある方は、まずはご希望をお聞かせください。安心の保証制度と全国規模の整備ネットワークでこだわり輸入車ライフをサポートします


自動車輸入の流れを見る

Facebook・Twitterでもご購読できます。

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

フェイスブックで最新情報をお届けします


Twitterでフォローしよう

おすすめの関連記事

【コメント募集中】ご意見・ご感想はこちらからどうぞ

この車を並行輸入したい方
コアな車の購入方法を解説