フィアット ドブロ(Fiat Doblo)は、イタリアのフィアットが販売するLCV(Light Commercial Vehicle)です。日本で人気のルノー カングー(Renault Kangoo)と同じジャンルのモデルで、ヨーロッパで人気の一台です。
この記事では、フィアット ドブロ(Fiat Doblo)について解説します。また、日本で乗るための並行輸入情報も掲載しています。
この記事の目次
モデル概要
ドブロは、当時販売されていた商用車のフィオリーノの後継モデルとして2001年にデビュー。フィオリーノは運転席部分までは乗用車のままで、その後ろにハイルーフの荷室をくっつけたような形状でしたが、ドブロはカングーと同じように運転席からハイルーフにした現在のLCVの標準的なスタイルで登場しました。
2009年にデビューした2世代目モデルは、初代と同様のボディ形状を踏襲しつつも、より直線的でボクシーなボディシェイプになっています。2015年にはフェイスリフトが行われ、初期型のファニーフェイスから、より現代的でスマートなフロントマスクに改められました。
また、貨物専用のドブロ カーゴ(Doblo Cargo)も用意されており、ホイールベースを350mm伸ばしたストレッチ版や、室内高1,550mmのハイルーフ版、貨客両用で5名乗車が可能なドブロ コンビ(Doblo Combi)などがラインアップされています。
フィアット ドブロ プロモーションビデオ「Fiat New Doblo (約36秒)
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ハイライト
エクステリア
四角いカタチをスタイリッシュに見せるデザインの力
スペース効率を求めたスクエアなボディ形状に対して、左右に半円形に広がるラジエターグリルや、アーモンドのようなカタチのヘッドライトで構成され、丸みを帯びたフロントマスクは、デザイン的な遊びを感じさせる部分です。また、A~Cピラーをブラックアウトさせスタイリッシュにまとめたボディサイドや、縦長のテールランプを中心としつつも商用車的な雰囲気を廃したリアセクションも、フィアットのデザインに対する力量を感じさせます。
バックドアが大きすぎて車庫などで開くスペースがないという場合は、左右非対象の観音開きドアもオプションで選択可能です。
インテリア
オプションで7人乗りも選択可能な広々とした車内
運転席周りは使い勝手を優先したオーソドックスな設計です。ステアリングとシフトノブが近く、運転に集中できる環境が整っています。シンプルなインパネに対し、トリムやシートにハッキリとした色を使い、明るい雰囲気に仕上げているのはイタリア車らしい部分です。
スクエアなデザインの恩恵で室内は広々としています。2列目シートが独立した3人掛けなっており、オプションのファミリーパックを選択すると3列目に2座席プラスされます。3列目シートは跳ね上げて収納できるほか、完全に取り外すこともできるため、積載容量を重視したい場合に便利です。なお、積載容量は最大で3,200Lとなっています。
パワートレイン
1.4Lガソリンと2タイプの1.6Lディーゼルを用意
エンジンはガソリンとディーゼルの両方を用意しています。
ガソリンエンジンは最高出力95hpを発生する1.4L 直列4気筒DOHCユニットで、5速MTとの組み合わせです。「ポップ(POP)」と「イージー(Easy)」に設定されます。
1.6Lマルチジェット・ディーゼルは、最高出力95hpと120hpの2種類のチューンを用意しており、どちらも6速MTと組み合わせられます。「イージー(Easy)」「ラウンジ(Lounge)」「トレッキング(Trekking)」で選択可能です。
気になる燃費は、95hpマルチジェット仕様の場合で、欧州複合基準値で約19.2km/Lと公表されています。燃料タンクは60Lですので、単純計算で約1,152kmの航続距離になります。
サスペンション
専用設計のリアサスペンションが優れた走行性能を発揮
このクラスのLCVのリアサスペンションは軽量でシンプルな構造のトーションビームが主流ですが、ドブロでは耐荷重を重視してより大柄なLCVで主流のトレーリングアームが採用されました。スプリングはコイル式で幅広い条件で適切なダンピング性能を発揮し、優れた乗り心地と高い操縦安定性を確保しています。
また、貨物専用のドブロ カーゴには1,000kg容量のマキシバージョンも用意されます。マキシバージョンの場合は縦方向のトレーリングアームやクロスバーがプラスされる強化仕様となっており、高荷重時の安定した走行性能に寄与します。いずれもカタログではバイリンクサスペンションと表記されています。
なお、フロントはマクファーソン・ストラットが採用されています。
参考スペック
フィアット ドブロ ラウンジ(Fiat Doblo Lounge) 16V MultiJet 95hp / 6MT
(イギリス仕様2017年モデル)
寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,406× 1,832 × 1,845 mm
ホイールベース:2,755 mm トレッド前/後 1,510mm / 1,530mm
エンジン▶︎水冷直列4気筒DOHC16V 直噴ターボ フロント横置
1,590cc – mm x – mm - 90ps/4000rpm 290Nm/1500rpm
駆動方式▶︎FF 6速 MT
懸架装置▶︎前:ストラット
▶︎後:バイリンク
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッド・ディスク 後 ドラム
タイヤ ▶︎前:195/60 R16 後:195/60 R16
燃料容量▶︎60L 車両重量▶︎- 最高速度▶︎158km/h 0-100km/h加速▶︎15.4秒
燃 費 ▶︎19.2km/L(欧州複合基準)
価 格 ▶︎19,145ポンド(イギリス仕様車)
※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください
ライバルモデル
ルノー カングーとシトロエン ベルランゴの2モデルは、ドブロの購入を考えた際にまっ先にあげられるライバルでしょう。そのほか、プジョー パートナー、フォード トルネオ コネクトなども魅力的なモデルです。さらに、フォード S-MAX、ボクソール/オペル メリーバといった小ぶりなミニバンも候補に上がるかもしれません。
スクエアなボディによる優れたユーティリティや、バイリンク・サスペンションが支える安定した走行フィールなどが、ドブロがライバルに勝る部分と言えそうです。
バイヤーズガイド
目的地まで快適に走れる走行性能と、優れた燃費、さらに明るく広々とした室内空間をもちあわせたドブロは、個人でのレジャーユースに最適なモデルといえそうです。
乗用バージョンのドブロには、ベーシックな「ポップ(POP)」「イージー(Easy)」「ラウンジ(Lounge)」のほかに、クロスカントリーテイストの「トレッキング(Trekking)」もラインアップされています。この中で唯一2ペダルのモデルが用意されているのが「ラウンジ(Lounge)」です。
基本的な装備は充実しており、ベーシックなポップでも、ASR(駆動輪空転防止機能)/ MSR(エンジンブレーキ・トルクコントロール)、ESC(横滑り防止装置)、ヒルホールドアシスト、EBD付きABSが標準装備され、ラウンジではさらに16インチアルミホイール、リアパーキングセンサー、マニュアルエアコンが追加されています。
2017年現在のドブロ日本導入の可能性
2017年6月現在、日本へ正規輸入されているフィアットのモデルは、確実なセールスが見込める500シリーズと、定番モデルであるパンダのみです。大型の商用モデルであるデュカトの導入も検討されているようですが、あくまでキャンピングカーなどのベース車両として、乗用車とは異なる販路で検討されているようです。過去の実績から考えても、ドブロが日本に正規輸入される可能性は低いと言わざるを得ません。
並行輸入という選択肢
前述のように正規輸入の可能性が低いドブロですが、並行輸入を行えば日本で所有することができます。
一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したドブロの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格の一例を表示しています。
現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。
※国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。
また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。
車両詳細画像ギャラリー
関連リンク
カタログダウンロードページ
・フィアット 英国 ドブロ カタログダウンロード(Fiat UK Doblo)※要登録
現地法人公式サイト・コンフィギュレーター
・フィアット 英国 ドブロ オフィシャルサイト(Fiat UK Doblo)
・フィアット 英国 ドブロ コンフィグレーター(Fiat UK Doblo)
※本記事は2017年6月27日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。