フィアット 500Cを解説、日本未導入モデルや並行輸入の情報も掲載

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今回紹介するのは、フィアットの小型オープンモデル 500Cです。コアカーズでは以前 500(チンクエチェント)を紹介していますが、500と500Cの違は「屋根が開くこと」です。「それだけなの?」思うかもしれませんが、その違いこそ500Cの魅力であり、500とは違うキャラクターとしてうまく棲み分けされています。

500Cは日本にも導入されていますが、日本未導入の組み合わせもありますので、紹介していきます。

モデルの概要

500Cはフィアットの小型オープンモデルで、Cはカブリオレの略です。フィアットの歴史を遡ると、戦後間もない頃にも500Cというモデルが存在しました。これはトポリーノの愛称で親しまれた初代500をマイナーチェンジしたモデルに付けられた名前で(初代モデルは500→500B→500Cとマイナーチェンジしました)、カブリオレを意味するものではありません。屋根が開くモデルもありましたが、Cの意味はカブリオレの意味ではなく、現在の500Cとの直接の繋がりはありません。

フィアット 500C(1949年)

フィアット 500C(1949年)

この500Cにも屋根あ空くモデルがありました

この500Cにも屋根あ空くモデルがありました

現在販売されている500Cは、2007年に復活した3代目500のバリエーションのひとつとしてデビューしました。500と同様にレトロなデザインを纏ったフォルクスワーゲン ビートルやミニにもカブリオレモデルがラインナップされており、オープンモデルの登場は自然な流れと言えるでしょう。

カブリオレと名乗っているものの、完全なフルオープンではなく、B、Cピラーを残してオープン化しており、一見500のキャンパストップモデルのようにも見えます。

NUOVA500にはキャンパストップが標準装備

NUOVA500にはキャンパストップが標準装備

ある意味500CがNUOVA500の現代版かも知れません

ある意味500CがNUOVA500の現代版かも知れません

500がノーマルモデル、500Cが派生車種のように感じますが、モチーフとなったNUOVA500(2代目)はリアエンジンの騒音を逃すためにキャンパストップが標準で装備されていました。アニメ「ルパン三世」のなかで、NUOVA500のキャンパストップからキャストが身を乗り出しているシーンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?そう考えると、500CはよりNUOVA500に近く、500CこそNUOVA500の現代版とも言えるかも知れません。

日本市場には500と共に日本にも導入されており、可愛く手頃な価格のオープンモデルとして人気を得ています。

フィアット 500C/500 紹介動画(約3分)

ハイライト

エクステリア

屋根が開いてもキュートなデザインはそのまま

フィアット500最大の魅力は、ひと目惚れしてしまいそうなキュートなエクステリアデザインでしょう。500CはBピラーとCピラーを残しているため、オリジナルのキュートなボディラインを損なわずにオープン化しています。布製の幌は、リアガラスを残して屋根部分のみオープン/すべてオープンと二段階に電動で開きます。

幌のカラーは3種類。レッド、ブラック、アイボリーが設定されており、ボディカラーに合わせたコーディネイトが可能です。

オリジナルのデザインはそのままにオープン化

オリジナルのデザインはそのままにオープン化

幌はレッド、ブラック、アイボリーの3色

幌はレッド、ブラック、アイボリーの3色

インテリア

おしゃれで開放的なインテリア

インテリアも500と大きく変わりません。おしゃれなボディ同色インパネやシート表皮のバリエーションも同じです。オープン化による機構をリアに収めているものの、頭上空間は大きくスポイルされてはおらず、居住空間はノーマルと大差ありません。

500で選べる装備やオプションは、500Cにもひと通り設定されており、ポルトローナ・フラウ社製のレザーを使用したインテリアや、Beatsブランドの高音質なオーディオシステムも選択可能です。

500Cのインテリア

500Cのインテリア

オープン化されてもリアに2人しっかり座れます

オープン化されてもリアに2人しっかり座れます

 

パワートレイン

日本仕様にないエンジン、トランスミッションを選択可能

パワートレインのラインナップは500と共通で、ガソリン/ディーゼルの両方が用意されています。(★は日本仕様に設定されているユニット)

  • 直列4気筒 1.2L Fire8V 69PS(★)/69PS ECO仕様(ガソリン)
  • 直列2気筒 0.9L ターボ TwinAir 85PS(★)/105PS(ガソリン)
  • 直列4気筒 1.3L ターボ MultiJet 95PS(ディーゼル)

ガソリンエンジンは、熟成の域にある可変バルブタイミング付き1.2L Fire8Vユニットと、ダウンサイジングターボの0.9L TwinAir。ディーゼルは、欧州複合で35.3km/Lの低燃費を誇る1.3L MultiJetの設定です。

トランスミッションも500と同様のラインナップとなっており、日本仕様には用意されていない 5速MTを基本として、TwinAirの105PS仕様には6速MTを設定。1.2Lの標準仕様と、0.9L TwinAirの85PS仕様には、日本仕様に設定されている 2ペダルのAMT、デュアロジックも用意されています。

フィアット 500 0.9L TwinAirエンジン

フィアット 500 0.9L TwinAirエンジン

サスペンション

500と比べて落ち着いた乗り心地

サスペンションは500と共通で、フロント:マクファーソンストラット、リア:トーションビームというオーソドックスな設計です。ホイールベースの短さから少々ピッチングがある500と比べると、カブリオレ化に伴う重量増が功を奏し、落ち着いた乗り心地になっているとも言われています。

オープン化に伴う剛性低下も少なく、クローズドボディに近い剛性を実現しています。そのため、500Cは元気いっぱい走ってもボディのユルさをあまり感じさせないことも魅力です。

元気いっぱい走っても十分なボディ剛性です

元気いっぱい走っても十分なボディ剛性です

参考スペック

FIAT 500C LOUNGE 1.3 MultiJet 85PS Manual


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=3,571×1,627×1,488mm
     ホイールベース:2,300mm トレッド前/後 1,413 x 1,407mm
エンジン▶︎水冷ディーゼル 直列4気筒 直噴ディーゼルターボ フロント横置
     1,248cc 69.6mm x 82.0mm 16.8:1 70kW/4000rpm 200Nm/1500rpm 
駆動方式▶︎FF  5速MT
懸架装置▶︎前:マクファーソン
    ▶︎後:トーションビーム
ブレーキ▶︎前:ディスク 後 ドラム
タイヤ ▶︎前:175/65 R14 後:175/65 R14
燃料容量▶︎35L 車両重量▶︎1,020kg 最高速度▶︎179km/h 0-100km/h加速▶︎10.7秒
燃 費 ▶︎35.3km/L(欧州複合基準)-m/L(JC08モード日本仕様参考値) 
価 格 ▶︎18,515ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

 

ライバルモデル

コンパクトな500Cのライバルモデルとして、ミニカブリオレとDS3カブリオを挙げます。

ミニ コンパーチブルは、500Cと同じく、ちょっとレトロなヘリテイジラインのミニをベースにしたカブリオレモデルです。ミニ譲りの見た目の可愛らしさと、BMW製品らしいキビキビとした走りが魅力といえます。コンパクトな印象ですが、Cセグメントに迫るボディサイズとなっており、Aセグメントに属する500Cと比べるとかなり大柄です。

ミニ コンパーチブル

ミニ コンパーチブル

DSオートモビル DS3カブリオ

DSオートモビル DS3カブリオ

DS3カブリオは、シトロエンから独立したプレミアムブランド、DSオートモビルのなかでも最もコンパクトなカブリオレモデルです。DS3カブリオの魅力は、高品質で艶やかなインテリアや、まるでフランス製高級バックのようなテクスチャが入った幌をはじめとする、DSオートモビルがもつアヴァンギャルドさにあると言えるでしょう。

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バイヤーズガイド

グレード構成も500と同様です。ベーシックなPOP、充実装備のPOP STAR、上級グレードのLOUNGEをはじめ、クロームパーツを多用したMIRROR、スポーツグレードの500Sのほかに、特別仕様車のANIVERSARIOがあります。

500Cを選ぶなら1.3LのMultiJetディーゼルのLOUNGEに5速MTの組み合わせはいかがでしょうか。

500ではPOPグレードの素の良さをおすすめしましたが、装備の充実したLOUNGEグレードと、燃費が良く航続距離も長いMultiJetの組み合わせは、小さなグランドツアラーとしてオススメできる組み合わせです。ちなみにオプションで用意されているポルトーナ・フラウ社製のレザーシートもよく似合うはずです。

4シーターカブリオレは数あれど、このサイズで4人全員が開放感を楽しめるカブリオレはそうそうありません。500との違いは屋根が開くことだけかも知れませんが、太陽をいっぱいに浴びて走れる開放感、洒落たインテリア、そして、他に似たクルマのない可愛らしいデザインこそが、500Cの魅力なのです。

この開放感が最大の魅力です

この開放感が最大の魅力です

MTモデルやMultiJetディーゼルの日本導入の可能性

現在500シリーズでMTが用意されているのは、ノーマルボディのスポーティグレードである500Sのみ。あくまでスポーティな要素としてMTが導入されているため、500Cへの設定は望みが薄いものと思われます。ディーゼルエンジンについても、FCAジャパン全体が導入に消極的なため、同じく期待は持てそうにありません。

ピラーに入る500Cのエンブレム

ピラーに入る500Cのエンブレム

並行輸入という選択肢

日本市場では販売されていないフィアット 500Cのディーゼルエンジン搭載車やMTモデルも、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したFIAT 500C LOUNGE 1.3 MultiJet 85PS Manualモデルの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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※本記事は2018年1月26日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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