2019.06.19

ボクスホール コンボライフを解説、 日本未発売LAVの概要やスペック、販売価格、並行輸入情報も掲載。

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ボクスホール コンボライフ(2018)

2017年8月、GMからPSAグループへ完全に譲渡されたボクスホール/オペル。そのシナジー効果が十分に発揮されたモデルが、今回ご紹介するボクスホール/オペル コンボライフ(Vauxhall/Opel Combo Life)です。

コンボライフは、LAV(Leisure Activity Vehicle)と呼ばれるジャンルに属します。これは、小型商用車、LCV(Light commercial vehicle・小型商用車)をベースとした乗用モデルで、代表的な車種であるカングーを中心に、欧州では多くのモデルがリリースされています。

今回はボクスホール/オペルのLAV、新型コンボライフについて解説します。後半では並行輸入の方法についても合わせて紹介します。

モデルの概要

ボクスホール/オペル コンボライフは、2018年にフルモデルチェンジされた小型商用車、4代目コンボ(オペルとしては5代目)をベースとした乗用モデルです。LAV(Leisure Activity Vehicle)と呼ばれるカテゴリーに属し、このカテゴリーでは、ルノー カングーが日本で高い人気を得ています。

PSAグループのシトロエン ベルランゴ(Citroen Berlingo)と、プジョー リフター(Peugeot Rifter)の兄弟車であり、プラットフォームは、2代目プジョー パートナーのリアセクションと、最新のEMP2のフロントセクションを組み合わせたものです。なお、同じEMP2プラットフォームを使用するモデルには、ボクスホール/オペル グランドランドXなどがあります。

シトロエン ベルランゴ(XTRオプションパック装着車)

シトロエン ベルランゴ(2018)

プジョー リフター Allure

プジョー リフター (2018)

コンボの歴史を遡ると、Cセグメントモデルのオペル カデット(後のアストラ)をベースとした、1986年デビューのオペル カデットコンボに辿り着きます。1.3Lガソリンと、1.7Lディーゼルエンジンを搭載し、ボクスホール版はアストラマックス365(Astramax 365)の名で販売されていました。

オペル カデット コンボ(1985)

オペル カデット コンボ(1985)

ボクスホール コンボ(1993)

ボクスホール コンボ(1993・コンボB)

コンボBと呼ばれる2代目モデル(1993年デビュー)と、コンボCと呼ばれる3代目モデル(2001年デビュー)は、初代と異なりBセグメントのコルサ(日本名:ヴィータ)をベースとしました。エンジンの排気量に変化はなく、1.3L〜1.6Lのガソリン、もしくは1.7Lのディーゼルというラインナップでした。

ボクスホール コンボ(2001)

ボクスホール コンボ(2001・コンボC)

オペル コンボ ツアー(2011)

オペル コンボD ツアー(2011・コンボD)

4代目モデルで大きな変化が訪れます。2011年にデビューしたコンボDと呼ばれる4代目モデルは、フィアット ドブロ(Fiat Doblo)のOEM車となりました。ドブロはそれまでのコンボより大きく、それまで1,685mm程度だった全幅は一気に1,800mmを超えました。

そして、最新のコンボE(2018年デビュー)ではシトロエン ベルランゴ/プジョー リフターと兄弟車となり、全幅は1,900mmを超えました。しかしコンボC以降、実は全長に大きな変化はなく、欧州車のサイズ変化のトレンドがよくわかる事例のひとつといえます。

ハイライト

エクステリア

3兄弟の中で最もシンプルでおとなしいデザイン

先代モデルが、ほぼフィアット ドブロのままだったことを考えると、5代目となる現行モデルは、ボクスホール/オペルらしさが感じられるデザインに変化しました。

ボクスホール コンボライフ(2018)

ボクスホール コンボライフ(2018)

ボクスホール コンボライフ(2018)

ボクスホール コンボライフ(2018)

基本的なシルエットは、シトロエン ベルランゴ/プジョー リフターと共通ですが、フロントマスクはコンボのオリジナルとなっており、そのデザインはボクスホール/オペルの他モデルとの共通性を感じさせるものです。また、偶然ではあるものの、、テールランプのデザインは往年のアストラワゴンとの共通性を感じさせます。

攻めたデザインのベルランゴ、SUVクロスオーバー風のリフターに比べると、グッとおとなしいデザインで、それがボクスホール/オペルらしい部分でもあります。とはいえ、骨太でスクエアなデザインは現代的なもので、野暮ったいものではありません。

全長4,403mmの標準ボディと、4,753mmのロングボディがふたつが用意されており、それぞれに5人乗り・7人乗り仕様が設定されています。

ボクスホール コンボライフ 標準ボディ(2018)

ボクスホール コンボライフ 標準ボディ(2018)

ボクスホール コンボライフ ロングボディ(2018)

ボクスホール コンボライフ ロングボディ(2018)

インテリア

大型モニタを中心に据えたインパネと質実剛健なインテリア

シトロエン ベルランゴと共通の、大型モニタを中心とした乗用車ライクなインパネを採用しています。(i-Cockpit採用したプジョー リフターとは細部のデザインが異なります)

シートなどの素材は、ドイツ車、そして往年のオペル/ボクスホールらしい実用重視の色使いと模様で、フランスメーカーの兄弟車たちとは雰囲気が異なります。ボクスホール/オペルに馴染みのある方には、安心感のあるインテリアかも知れません。

ボクスホール コンボライフ インテリア(2018)

ボクスホール コンボライフ インテリア(2018)

ボクスホール コンボライフ リアシート(2018)

ボクスホール コンボライフ ロングボディ リアシート(2018)

シート配置は、2列5人乗りが2-3、3列7人乗りは2-3-2。標準ボディの3列目足元スペースはミニマムなので、6人以上で乗車する機会の多い方は、ロングボディを選ぶとよいでしょう。また、ロングボディは荷室容量597Lで、リアシートを折り畳めば2693Lまで拡大できるため、荷物を多く積む方は5人乗りのロングボディも面白いかもしれません。

パワートレイン

PSAグループの主力&新世代ユニットを搭載

ボクスホール コンボライフ(2018) エンジンルーム

ボクスホール コンボ(2018) エンジンルーム

パワートレインはガソリン1種類、ディーゼルは同ユニットの出力違いで2種類が用意されています。

  • 直列3気筒1.2Lガソリンターボ(110PS)
  • 直列4気筒1.5Lディーゼルターボ(100PS)
  • 直列4気筒1.5Lディーゼルターボ(130PS)

1.2Lガソリンターボエンジンは、プジョー版ではPureTech 110と呼ばれる、日本でも馴染みのあるものです。当初はプジョー 208に搭載されて日本へ上陸しましたが、現在ではボクスホール/オペル クロスランドXや、プジョー5008などにも搭載されている、PSAグループの主力ガソリンユニットです。

ディーゼルエンジンは、2017年にデビューしたばかりのPSAグループの新世代ユニット。プジョー 308に搭載されてデビューしたユニットで、現在ではボクスホール/オペル グランドランドXなどにも搭載されています。

組み合わされるトランスミッションは、1.2Lガソリンが6MT、1.5Lディーゼル(100PS)が5MT、1.5Lディーゼル(130PS)は6MTもしくは、アイシン製トルクコンバーター式8ATとの組み合わせとなります。

サスペンション

悪路での走破性を向上させるインテリグリップを採用

サスペンション形式は兄弟車と同様、フロントがマクファーソン・ストラット、リアはトーションビームを採用しています。LCVをベースとしていますが、リア・サスペンションにリーフサスは用いられず、多くの欧州製小型乗用車と同じ、定番の組み合わせとなっています。

また、インテリグリップと呼ばれる、ESPを応用して走破性を高めるシステムも用意されました。ノーマルの他にマッド(泥)・サンド(砂)・スノー(雪)モードを備え、FFでありながら優れたトラクション性能を確保しています。レジャーのパートナーとなる機会の多いであろうLAVには嬉しい機能。オールウェザーパックを選択することで装備されます。

オペル コンボライフ(2018)

オペル コンボライフ(2018)

参考スペック

Vauxhall Combo Design XL 1.2L (110ps) 6MT


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,753×1,921×1,880 mm
ホイールベース:2,977 mm トレッド前/後 1,553 x 1,567mm
エンジン▶︎水冷ガソリンターボ 直列3気筒 フロント横置き
     1,199cc -mm x -mm -:1 110PS(81kW)/5,500rpm 250Nm(25.4kgm)/1,750rpm
駆動方式▶︎FF  6MT
懸架装置▶︎前:マクファーソン・ストラット
▶︎後:トーションビーム
ブレーキ▶︎前:ディスク 後:ディスク
タイヤ ▶︎前後:-
燃料容量▶︎61L 車両重量▶︎-kg 最高速度▶︎175.4 km/h 0-100km/h加速▶︎ 12秒
燃 費 ▶︎18.18km/L(欧州複合基準)-km/L(JC08モード日本仕様参考値)
価 格 ▶︎20,510 ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

ライバルモデル

欧州では多くのLAVが販売されていますが、その中で、コンボライフのライバルとして以下の4車種を挙げます。

まずは、兄弟車であるシトロエン ベルランゴと、プジョー リフターです。基本的にコンボライフと同じクルマで、内外装のデザインが異なります。この中で唯一のドイツメーカーの車種となるのがコンボライフだけあって、最も質素な雰囲気があります。ベルランゴはシトロエンらしい華やかさやポップなデザインが魅力で、プジョー リフターは流行りのSUVクロスオーバー風のエクステリアや、斬新なインパネが特徴的です。この3車種はデザインの好みで選んでよいでしょう。

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ボクスホール/オペルと同じドイツメーカーのLAVであるフォルクスワーゲン キャディ ライフ。現行型は2004年にデビュー、2010年にフェイスリフト、2015年にビッグマイナーチェンジを行っており、十二分に熟成されています。ロングホイールベース版のキャディ マキシライフも用意されており、こちらは7名フル乗車しても人数分の荷物を積み込む余裕があります。コンボライフのロングボディにとって最大のライバルといえるでしょう。

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他にも、先代コンボのベースとなったフィアット ドブロは今も現役ですし、定番のルノー カングーも見逃せません。なおカングーは現在すでに在庫のみの販売となっており、新型の登場が待たれています。

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バイヤーズガイド

ボクスホール コンボライフのグレード展開は、廉価なグレードから順に、デザイン、デザインXL、エナジー(5人もしくは7人乗り)、エナジーXL(5人もしくは7人乗り)となっています。XLがつくモデルはロングボディです。なお8ATは、5人乗り・標準ボディ・ディーゼル(130PS)の組み合わせに限られ、7人乗りとロングボディはMTのみとなります。

自身のライフスタイルが、5人乗りと7人乗りのどちらに合っているかによって、選ぶモデルが変わってきます。ですが、3兄弟のなかで、右ハンドル仕様のロングボディ・5人乗りが選べるのはコンボライフだけということを踏まえて、その仕様を狙ってみるのも面白いかもしれません。

右ハンドル仕様のロングボディ・5人乗りを選ぶと、選択できるのはベーシックなデザインXLグレードのみとなります。もし日本に正規輸入されたとしても、到底導入されないであろうベーシックグレードを手に入れるのも、欧州車を平行輸入する醍醐味のひとつでしょう。パワーユニットは、より安価で軽量、かつ環境性能にも優れた、1.2Lガソリンと6MTの組み合わせをおすすめします。

キャンプなどレジャーの荷物をたっぷり積んで、海へ山へと走り回るのも楽しそうです。その場合、インテリグリップが装備されるオールウェザーパックをオプションで装着するのをおすすめします。

オペル コンボライフ ロングボディ(2018)

オペル コンボライフ ロングボディ(2018)

コンボライフ日本導入の可能性

オペルは2006年に日本から完全撤退しています。PSAグループはプジョーとシトロエンを日本で展開しており、ユーザー層もバッティングするため、オペル(ボクスホール)が日本で再び展開されることは考えにくいというのが実情です。そのため、コンボライフが日本に正規導入される可能性も、極めて低いと思われます。

並行輸入という選択肢

日本市場に導入されていないコンボライフでも、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したボクスホール コンボライフ Design XL 1.2L (110ps) 6MTモデルの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

  • 車名
  • 2年保証付き
    国内乗り出し価格目安

  • (税込・諸費用込)

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

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