フォード マスタングを解説、日本再導入の可能性や並行輸入車の情報も掲載

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フォード マスタング(欧州仕様 2018)

フォード マスタング(Ford Mustang)は、長い歴史を持つ、北米を代表するスポーツカーの1台です。日本などの例外を除けば北米専売に近かったマスタングですが、現行モデルから、日本やイギリス、南アフリカなどの右ハンドル圏のために、マスタングの歴史の中ではじめて、右ハンドルモデルが設定されました。今回は、最新のマスタングの魅力と、並行輸入の方法について解説します。

モデル概要

マスタングは1960年代、当時フォードの副社長だったリー・アイアコッカが開発の指揮を取り、1964年のニューヨーク万博で発表されました。瞬く間に大ヒットしたマスタングは、スポーツカーとしての枠を超えてアメリカの自動車文化を体現するクルマとなり、現在に至るまでに多くの銀幕を飾りました。

1970年代のオイルショックによる小型化や、1980年代の前輪駆動車への転向の検討(このプロジェクトは別のスポーツカーのフォード プローブとして結実しました)など、時代の波に飲まれそうになった時期もありましたが、2005年に登場した6代目は、シド・ラムナレースによる原点回帰したデザインで、再び高い注目を浴びました。

初代 フォード マスタング(1964)

初代 フォード マスタング(1964)

フェイスリフト前の7代目 フォード マスタング(2015-2017)

フェイスリフト前の7代目 フォード マスタング(2015-2017)

今回ご紹介する最新の7代目モデルは、2013年末に発表、2014年からアメリカ本国を皮切りに、世界中での販売が始まりました。伝統的な大排気量エンジンに加えて、ダウンサイズターボエンジンをラインアップに追加、また伝統のリアのリジッドサスペンションを廃して欧州車のようなマルチリンクサスペンションへの転向を敢行するなど、6代目同様の原点回帰したデザインを継承しつつも、より世界に通用するスポーツカーとしての深化を図っています。ボディタイプは伝統に則り、クローズドボディのファストバックとオープンボディのコンバーチブルの2種類を用意。2018年にはフェイスリフトが行われ、フロントマスクを中心にデザインの小変更が行われています。

尚、マスタングは1969年に登場した、いわゆるマスタング2を2代目としてカウントすべきか否かが、しばしば議論になります。フォード自身は現在はマスタング2を初代のビッグマイナーチェンジモデルとして扱い、最新のマスタングを6代目としてカウントしていますが、ここでは多くの日本語情報に倣い、マスタング2を2代目として、最新のマスタングを7代目として表記しました。

フェイスリフトが施された、フォード マスタング ファストバック&コンバーチブル(欧州仕様 2018)

フェイスリフトが施された、フォード マスタング ファストバック&コンバーチブル(欧州仕様 2018)

ハイライト

エクステリア

アメリカン・マッスルカーらしい個性的なデザイン

エクステリアのデザインは、2代目フォード Kaのインテリアや、3代目フォード フォーカスのエクステリアを担当した、ドイツ人デザイナーのケマル・チュリッチ(Kemal Curić)が手掛けました。スタイリングは初代マスタングをモチーフとしており、フォードの各モデルのデザインの共通言語であるフォード・ニューグローバル・ランゲージは採用されていませんが、先代と異なりブラックアウトされたBピラーなどがサイドビューに伸びやかな印象を与え、どこか欧州車の香りを感じさせます。

フォード マスタング (欧州仕様 2018)

フォード マスタング (欧州仕様 2018)

フォード マスタング (欧州仕様 2018)

フォード マスタング (欧州仕様 2018)

インテリア

使い勝手のよいスイッチ配置と、評価の高いシート

ダッシュボードは、ダブルブロウと呼ばれる左右対称で重厚感のあるデザインが採用されています。3本スポークのステアリングの向こうに覗くインストルメントパネルは、タコメーターとスピードメーターの間に、走行モードなどを表示するインフォメーションディスプレイが備わります。

センタークラスターは上段から、エアベンチレーター、SYNCシステムの操作を行なうディスプレイオーディオ、オートエアコンの操作パネル、そして走行モード変更やハザードなどのトグルスイッチと、エンジンのスタートボタンが分かりやすく配置されています。また右ハンドル仕様では下段のスイッチの配置が左ハンドル仕様とは反転します。

大ぶりなフロントシートの乗り心地は、非常に良い評価がされています。リアシートのスペースは補助席の域を超えないものの、しっかりとしたものが備わっており、ファストバックではリアシートバックを倒すことで、トランクの容量を拡大することも可能です。またシートの表皮色はボディーカラーに合わせて最大3色から選択できます。

フォード マスタング インテリア (欧州仕様 2018)

フォード マスタング インテリア (欧州仕様 2018)

フォード マスタング コンバーチブル リアシート (欧州仕様 2018)

フォード マスタング コンバーチブル リアシート (欧州仕様 2018)

パワートレイン

2.3L 直4ターボと5.0L V8を搭載、2018年モデルから10速ATを採用

右ハンドル仕様のマスタングのエンジンは、伝統の自然吸気のV8エンジンと、ダウンサイズされた直4ターボエンジンの2種類が設定されています。

フォードの他モデル同様にEcoBoost(エコブースト)を名乗る直4の直噴ツインスクロールターボエンジンの排気量は2.3Lで、基本設計はフォード フォーカスRSと同一です。ただマスタングの性格に合わせて、またレギュラーガソリン用とするためにチューニングは異なり、フォーカスRSに比べてスペックは控えめです。またエンジンマウントには回転数に合わせて特性が変化するアクティブ制御のものが搭載され、車内に伝わる振動を抑制しています。

古き良きアメリカンマッスルカーの伝統を継承する5.0L V8″コヨーテ”エンジンは、441馬力と542Nmを発揮します。自然吸気のポート噴射式ですが、DOHCで可変バルブタイミング機構を採用するなど、現代的な設計が取り入れられています。

変速機はいずれのエンジンでも、フォード内製の6MTと、2018年からは6ATに変わり10ATが選択できるようになりました。ATはステアリングにパドルシフトも備わります。

フォード マスタング 2.3L エコブーストエンジン

フォード マスタング 2.3L エコブーストエンジン

フォード マスタング 5.0L V8 コヨーテ エンジン

フォード マスタング 5.0L V8 コヨーテ エンジン

サスペンション

伝統のリジットからマルチリンクに変更したリアサスペンション

マスタングのリアには伝統的にリジッドサスペンションが採用されてきましたが、今回 新たに5リンク式のマルチリンクサスペンションが採用されたことが注目されています。一方フロントサスペンションは従来通りのマクファーソン・ストラットを継承していますが、ロアアームを2分割してダブルボールジョイント式が採用され、キングピンオフセットを最小化しています。こちらの設計手法もBMW的です。

組み合わせられるタイヤは 255/40R19という大径・高扁平なもので、強烈なトルクを受け止めるV8エンジンではリアタイヤの太さが 275に拡大されます。ステアリングは先代途中から採用されたラックアシスト式の速度感応電動パワーステアリングで、ノーマル、コンフォート、スポーツの走行モード変更に伴い、アシスト特性も変化します。

フォード マスタング (欧州仕様 2018)

フォード マスタング (欧州仕様 2018)

参考スペック

Ford Mustung Fastback 2.3L EcoBoost 6MT(イギリス仕様2018年モデル)


寸     法 ▶︎全長x全幅x全高 = 4,784 x 1,916 mm x 1,381
                     ホイールベース:2,720 mm トレッド:前/後 1580mm / 1645mm
エンジン▶︎2.3L 直列4気筒 直噴ターボ EcoBoost エンジン
     317ps/5,500 rpm  432Nm/-rpm
駆動方式▶︎RWD(後輪駆動)6速マニュアル・トランスミッション
懸架装置▶︎前:マクファーソンストラット
                     後:マルチリンク(5リンク)
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッド・
ディスク 後:ディスク
タイヤ   ▶︎前:255/40 R19 後:255/40 R19
燃料容量▶︎59 L   車両重量▶︎1,655 kg    最高速度▶︎230
km/h    0-96km/h加速▶︎5.8 秒
燃     費 ▶︎12.5 km/L(欧州複合基準)-m/L(JC08モード日本仕様参考値)
価     格 ▶︎33,645 ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(関連リンク)をご覧ください

ライバルモデル

フォード マスタングのライバルとして真っ先に挙げられるのは、永遠のライバルとも言うべき、シボレー カマロです。一時期モデル自体が廃止されたものの、2010年にはマスタングに対抗するようにクラシカルなデザインで復活し、注目を集めました。クラシックなテイストを織り込みつつも、より洗練された外観を持ち、ボクスホール/オペル 車種などで採用されている直4ターボのエコテックエンジンが搭載されるなど、方向性も極めてマスタングに似ています。

永遠のライバルである シボレー カマロ

永遠のライバルである シボレー カマロ

他にも、BMWの6シリーズクーペや4シリーズクーペ、レクサス RCなどもライバルとして挙げられるかもしれません。精密機械のようなフィーリングを持つBMWや、圧倒的な高品質で魅せるレクサスに比べると、グローバルカーに転向したとはいえ、マスタングには機械的にも走りの上でも、鷹揚とした雰囲気が強く残ります。それこそが、アメリカ育ちのマスタングならではの魅力といえます。

フォード UK グッドウッド走行動画(約2分10秒)

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バイヤーズガイド

右ハンドル仕様のマスタングに搭載される直4とV8のエンジンは、いずれも甲乙付けがたいものがあります。

フォード フィエスタなど、多数のダウンサイズターボエンジンを紹介してきたコアカーズでは、直4のエコブーストエンジンを搭載したグレード”MUSTANG”(これがそのままグレード名となっています)をおすすめします。十分なパフォーマンスと良好な経済性は、これまで近寄りがたかったマスタングの存在を、一気に身近にしてくれました。またアメリカ車といえばATで優雅に走るイメージがありましたが、ダウンサイズターボの特性を活かしてMTでのドライビングを楽しむのも良いかもしれません。

もちろんV8エンジンを積んだ”GT”グレードの豪快なドライビングを楽しむのも良いでしょう。伸びやかな自然吸気には、最新ダウンサイズターボとは異なる魅力があります。ボディタイプは好みですが、剛性や実用性の面ではファストバックの方が有利、非日常感や開放感を楽しめるのはコンバーチブルです。

フォード マスタング コンバーチブル (欧州仕様 2018)

フォード マスタング コンバーチブル (欧州仕様 2018)

2018年現在のフォード マスタング日本再導入の可能性

2016年に日本からフォードが正式に撤退し、再び日本で展開するという話は今のところ聞くことができません。そのため、フォード マスタングが日本で正規販売される可能性は残念ながら極めて低いでしょう。

並行輸入という選択肢

日本市場に正規輸入されていないモデルも、並行輸入を行えば日本で所有できます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入車販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したフォード マスタングの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

  • 車名
  • 2年保証付き
    国内乗り出し価格目安

  • (税込・諸費用込)

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

また並行輸入に関しては、関連記事も併せてご覧ください。

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関連リンク

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※本記事は2018年2月13日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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