新型フォルクスワーゲン ティグアンを徹底解説。MT、ディーゼルなどお好みの仕様で並行輸入します。

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フォルクスワーゲン ティグアン

フォルクスワーゲン ティグアン(Volkswagen Tiguan)は、Cセグメントに属するSUVモデルです。初代ティグアンは2007年に登場し、好評を博しました。

現在、コンパクトSUV市場は世界中で最も活況を呈しており、いまやCセグメントの市場規模に比肩するほどの勢いがあります。その重要な市場を担うにあたり、フォルクスワーゲンは、ティグアンにゴルフⅦと同じ最新のプラットフォームを投入。2016年4月に最新世代へのモデルチェンジを行いました。

新型ティグアンは、エクステリアデザインからも、洗練された仕上がりであることが一目で分かります。数多のライバルに打ち勝ちコンパクトSUV市場での磐石なポジションを手中に収めるべく、開発陣が相当に力を入れたモデルであろうことが伺えます。

今回は、そんな新型ティグアンを徹底解説します。最新のデザインと安定のメカニズム、両面において大きな成長を遂げた新型ティグアンの英国仕様の右ハンドルを、MT仕様やディーゼルエンジン搭載モデルなど、お好みの仕様で並行輸入してみませんか?

フォルクスワーゲン ティグアンの歴史と特徴

フォルクスワーゲン ティグアン(初代)

フォルクスワーゲン ティグアン(初代)

初代のフォルクスワーゲン ティグアンは、2007年のフランクフルトショーでデビュー。ゴルフVのシャシーをベースに、旗艦SUVであるトゥアレグに続く、フォルクスワーゲンのSUV第二弾として登場しました。

車名である「Tiguan」の由来は、トラを意味する「Tiger(ドイツ語でティガー)」と、イグアナを意味する「Leguan(ドイツ語でレグアン)」を掛け合わせた造語で、「ダイナミックなトラと力強いイグアナ」をイメージして命名されています。

ティグアンは、主に欧州に向けたCカテゴリーのSUVとして投入されたため、北米市場メインのトゥアレグと比較するとかなりコンパクトです。使い勝手のよいサイズ感が好評を得て、全世界で260万台あまりを売り上げたベストセラーモデルに駆け上がりました。

フォルクスワーゲン ティグアン(2代目)

フォルクスワーゲン ティグアン(2代目)

2代目は2015年のフランクフルトショーで概要発表を行い、2016年4月にドイツ市場を皮切りに正式販売が開始されました。シャシーはゴルフⅦと同じMQBと呼ばれるモジュール設計の最新プラットフォームに刷新され、ボディを大型化させつつも、先代比で50kgの軽量化に成功しています。今やすっかりVWの屋台骨のひとつになりつつあるティグアンだけに、開発陣も腕をふるった印象がひしひしと伝わってきます。

フォルクスワーゲン 新型ティグアン コマーシャル動画(約23秒)

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シャープなラインと抑制の効いた面で構成されたエクステリア

高いベルトラインがキャビンを小さく見せる

高いベルトラインがキャビンを小さく見せる

まずは、新型ティグアンのディメンションからみていきましょう。カッコ内は先代比です。

  • 全長:4,486 mm (+60 mm)
  • 全幅:1,839 mm (+30 mm)
  • 全高:1,643 mm (-60 mm)
  • ホイールベース:2,681mm (+77 mm)

新型ティグアンのボディサイズは、CセグメントSUVにおけるスタンダードな位置にあるものの、「より長く、より幅広く、より低く」なっています。世代交代によってボディサイズが拡大されるのは、ある程度順当ではあるのですが、目を引くのは全高が60mm低くなった点です。

彫刻的なキャラクターラインが印象的

彫刻的なキャラクターラインが印象的

先代に比べ、全高は下げられたものの、ベルトラインの位置は高くなっているため、数値以上に低くスタイリッシュに見えます。ディメンションの変化が、ボディ全体の凝縮感として反映されており、全高を下げた効果は絶大と言えます。

「線との対話」をキーワードに、丸みが強くボリューム感のあった初代からは一転して、非常にシャープなラインと、抑制の効いた面で構成され、見た目の印象はガラリと変わりました。力強さを表現するために、曲線や面の膨らみに抑揚をつけて丸みの強いデザインを採用するライバルが多い中で、直線的でシンプルな新型ティグアンのデザインはとても目を惹きます。

水平基調でシャープなフロントマスク

水平基調でシャープなフロントマスク

ボディサイドに走るエッジの深い彫刻的なキャラクターラインや、ヘッドライトの真上からフロントフェンダーを通り、ベルトライン直下にかけて走る、極端に段差が浅く細い線に見えるラインなどは、フォルクスワーゲンの持つ非常に高度なプレス技術はなければ不可能なデザイン手法であり、この鋭いプレスから生み出される強いコントラストは、他のメーカーでは容易には出せない個性的なものです。

また、プレスラインの真上に沿って取り付けられたアウタードアハンドルは、側面の角度をプレスラインの下向きの角度と合わせてあるため、影になる部分の色味が揃います。これにより、遠目ではドアハンドルの存在を目立たなくする視覚効果を生み、プレスラインを綺麗に見せるようにするなど、実に巧みな処理が施されています。地味に感じる部分ですが、こういった緻密なデザイン処理は、伸びやかさなどの感覚的な全体のフォルムに大きな影響を与えますので、少しでも伸びやかにキャラクターラインを通して見せたいというデザイナーの拘りを感じる部分です。

平行四辺形のリアコンビネーションランプ

平行四辺形のリアコンビネーションランプ

初代にもあった「フロントマスクはパサート系、リアエンドはゴルフ系」というコンセプトは、二代目にも継承されています。前後デザインにおけるデザインの鍵は水平線の使い方です。ヘッドライトまでをひとつのグリルとして一体化させたような、水平でワイド感の強いフロントマスクは、パサートとのデザイン的な繋がりを想起させます。

リアコンビネーションランプはゴルフⅦに似た平行四辺形タイプですが、サイドパネルからのプレスラインをそのままランプの上まで回り込ませ、出っ張っているレンズ面とのコントラストによって独特の表情を出しています。ランプユニット本体は初代同様にフルLED化されており、LED特有の発光面積の小ささをデザインに生かしてレンズ面に凹凸をつけ、レンズ面そのものにコントラストで表情をつける処理は欧州メーカー各社に見られる最近のトレンドです。

 

上質に仕上げられたインテリアは広さも十分

フォルクスワーゲン ティグアン インテリア

フォルクスワーゲン ティグアン インテリア

インテリアの印象もかなり変わりました。先代のインパネは、ゴルフプラスから流用した左右対称で厚ぼったいものでしたが、新型ではティグアン専用のものが与えられ、傾斜の強いドライバーオリエンテッドな左右非対称のデザインに変更されています。

エクステリアと連動するように、面の張りを抑えたスマートでシャープなデザインに改められており、これだけでも前席足元空間の広々感はかなり改善されています。インテリア全体としてのデザインテイストは、最新のフォルクスワーゲンのデザイン言語に沿ったもので、随所にメッキパーツやグロスパネルをアクセントにして上質に仕上げられています。

メッキパーツを随所に配置して高級感を演出

メッキパーツを随所に配置して高級感を演出

全長とホイールベースを拡大した恩恵はインテリアにも及び、室内長は先代よりも26mm広くなり、後席ニールームは29mm増加しています。長尺物の積載に対応させた助手席シートバックの前倒し機能や、60:40分割のリアシートもリクライニング可能で左右独立してスライドできるなど、使い勝手の良い部分は初代から継承されています。また、初代で容量不足を指摘されていたラゲッジルームは、先代比で+145Lの615Lに大幅に拡大され、さらにリアシートを倒せば、最大1655Lの荷室を確保できます。

 

経済性に優れたエンジンと最新の4WDシステム

フォルクスワーゲン ティグアン パワートレイン(透視図)

フォルクスワーゲン ティグアン パワートレイン(透視図)

ティグアンに搭載されるエンジンは、下記の通り「TSI」と呼ばれるガソリン3種類と、「TDI」と呼ばれるディーゼル4種類の合計7種類あり、全エンジンがダウンサイジング・ターボによってトルクフルなエンジンに仕上がっています。

【ガソリンエンジン(TSI)】

  • 1.4L TSI 125ps/200Nm & 6MT
  • 1.4L TSI 150ps/250Nm & 6MT
  • 2.0L TSI 180ps/320Nm & 6MT / 7DSG

1.4Lのガソリンエンジンは、初代ティグアンのEA111型から、日本仕様のゴルフやパサートにも搭載されている新世代のEA211型に変更されました。エンジンブロックはEA111の鋳鉄製からアルミ製に変更、また前方吸気・後方排気に改められ、軽量化とパッケージングの最適化に貢献しています。125PS仕様はエントリーグレードのS専用、150PS仕様はSに加えて、中間グレードのSEとSE Navで選択可能です。駆動方式はFFのみで、変速機は6MTのみです。

2.0Lのガソリンエンジンは、初代ティグアンのモデルライフ途中から採用されたEA888型がキャリーオーバーされていますが、SUVとしてのティグアンの性格に合わせて、やや低回転型に改められ、トルクも40Nmほど増強されました。こちらは上級グレードのSELとR-Line専用のエンジンとなっています。駆動方式は4MOTIONと呼ばれる4WDのみとなっており、変速機は6MTと、デュアルクラッチトランスミッションの7DSGから選択可能です。ティグアンの7DSGは、強大なトルクに対応するために、湿式多板クラッチが採用されています。

 

【ディーゼルエンジン(TDI SCR)】

  • 2.0L TDI SCR 115ps/310Nm & 6MT
  • 2.0L TDI SCR 150ps/340Nm & 6MT / 7DSG
  • 2.0L TDI SCR 190ps/400Nm & 7DSG
  • 2.0L BiTDI SCR 240ps/500Nm & 7DSG

ディーゼルエンジンは、初代ティグアンの中期から採用され、またフォルクスワーゲン T6などにも使われているEA288がキャリーオーバーされています。また初代ティグアンのモデル末期に採用された、SCRと呼ばれるNOxを分解するための尿素水還元方式も、継続採用されています。

115PS仕様はエントリーグレードのS専用で、駆動方式はFF、変速機は6MTのみとなります。150PS仕様はSに加えて中間グレードのSE、SE Navで選択可能で、駆動方式はFFと4MOTION、変速機は6MTと7DSGが選択可能となります。190PS仕様はSEとSE Nav専用、240PS仕様は上級グレードのSELとR-Line専用となっており、これらは駆動方式は4MOTION、変速機は7DSGのみとなります。

特に240ps仕様は、ツインターボによる過給により、500Nmという5Lの自然吸気ガソリンエンジン並みの巨大なトルクを誇ります。

 

フォルクスワーゲン ティグアン 4MOTION セレクター

フォルクスワーゲン ティグアン 4MOTION セレクター

2.0TSIと、150PS以上の2.0TDIで選択できる「4MOTION」は、ゴルフⅦに搭載されているものと同じ第5世代のハルデックス・カップリング採用のアクティブ・オンデマンド方式を採用しています。通常は前後100:0に近いトルク配分で走行することで燃費に配慮し、滑りやすい路面では自動的に後輪にトルクを配分させてトラクションを確保します。さらに、電子式のディファレンンシャルロックシステムである「EDS」や、コーナリング時に内輪にブレーキを掛け回頭性を向上させる「XDS」などの走行デバイスと高度に連携することで、いかなる路面状況でも安定した走行を実現しています。

また、新機能として搭載された「4MOTION アクティブコントロール」は、センターコンソールにあるセレクターで「オンロード、オフロード、オフロード(個別設定)、雪道」というプリセットされた各モードをから、路面状況に応じた駆動制御を選択できます。さらにに全車に標準装備されている「エコ、ノーマル、スポーツ」などの各走行モードの設定も、アクティブコントロールのスイッチから呼び出し可能で、センターパネルのディスプレイに表示させて設定が可能になっています。

 

路面を選ばない頼れる足回り

路面を選ばない快適な走りもティグアンの魅力

路面を選ばない快適な走りもティグアンの魅力

新型ティグアンのサスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラットで全車共通、リアは駆動方式によって異なり、FFはトーションビーム、4MOTIONはマルチリンクとなっています。初代ではリアサスペンションも駆動方式に関係なくマルチリンク式のみでしたが、MQBプラットフォームではコンセプトや駆動方式によって、リアサスペンションの形式を最適なものに変える設計思想に基づき、新型ティグアンもリアサスペンションの種類が複数あります。

どの形式も、フォルクスワーゲンとしては多くの車種に採用している手慣れたサスペンション形式であり、初代は乗り心地とハンドリングの両方で好評を博しました。新型は標準で17インチから最大20インチまでの大径タイヤを装着していますが、これらを履きこなすだけのセッティングはぬかりなくされていることでしょう。実際に新型ティグアンの乗り心地は、先行導入されている海外でも評価が高く、VWらしいフラットな乗り心地に対する期待を裏切らないものになっています。

 

ディーゼルエンジンは尿素水(AdBlue)が必要に

ガソリン、ディーゼルともに経済性は良好

ガソリン、ディーゼルともに経済性は良好

前述のとおり、新型ティグアンのエンジンはガソリンとディーゼルの両方があります。

それぞれ代表的な仕様の欧州におけるカタログ燃費は欧州複合モードで、ガソリンエンジンの1.4L TSI、150ps仕様で17.2km/L、ディーゼルエンジンの2.0L TDI、150ps仕様の6MTモデルで20.9km/Lとなっています。燃費面で不利な全高の高いボディと、1.5tを超える車重を考慮すると、十分な低燃費と言えます。

なお、ティグアンのディーゼルエンジンでは初代のモデルライフ末期の2015年5月からSCRが採用されていました。これにより、走行によって消費する尿素水(AdBlue)を定期的に補充する必要があります。尿素水は1〜1.5L/1,000km程度のペースで消費され、ティグアンの尿素水用タンクは13Lなので、おおむね8,600〜13,000kmでタンクが空になる計算です。ティグアンでは一定の距離を走行すると段階的に補充を促す警告がメーターパネルに表示され補給を促してくれますが、完全に空になるとエンジン始動ができなくなってしまうので、補充サイクルの目安としては5,000kmごとに5L程度の補充を行うと、余裕を持って走行できるようです。

絶対的な燃費の数値はディーゼルが有利で、尿素水の価格も軽油とハイオクガソリンの差額を埋めるほど高額ではありませんが、手間などを考慮すると、ガソリンエンジンにも十分な魅力がありそうです。

尚、フォルクスワーゲンでは排ガス不正問題に対する対策や、更なる環境規制の強化に対応して、今後は全ての車種でSCRの導入を進めていく予定です。

 

可能性の扉を一緒に開いてくれる生活のパートナー

新型ティグアンのエクステリアは、パリッとアイロンの効いた、仕立てのよいシャツのようなシンプルでクリーンなデザインです。このまとまりの良さは、フォルクスワーゲンならではの緻密で上質なもので、この独特なソリッド感が気に入ったなら、あとは心配無用です。メカは同じDNAを持つ偉大なる「先輩達」がきっちりと仕上げてくれていますから、どこへ乗っていっても、どこを走っても、きっと大きな満足を得られることでしょう。

手に入れたクルマによって、自分の行動原理、趣味や音楽の好みなど、生活の流れが変わってしまうことがあります。場合によっては性格や、人間関係にまで影響が及ぶ、そんな運命の人との出会いのようなことが、クルマでも起こるのです。新型ティグアンを手に入れたら、今まで行ってみたことがないような場所へ足を踏み入れにいこうと思うかもしれません。今までやってみようと思いつつ、踏ん切りがつかなかった趣味を本気で始めるきっかけになるかもしれません。ただの移動手段ではなく、共に生活するパートナーとして、自分の新しい可能性の扉を一緒に開いてくれる…。そう思わせてくれることこそが、新型ティグアンの魅力です。

シンプル&クリーンなデザインと、確かな基本性能がティグアンの美点

シンプル&クリーンなデザインと、確かな基本性能がティグアンの美点

 

ティグアンのライバルは?

今や世界中の自動車メーカーが、この市場で確固たる地位を築くために鎬を削り合っています。そんな中で、新型ティグアンと渡り合う好敵手をピックアップしてみましょう。

まずは日本車勢としては、日産キャシュカイ、マツダ CX-5、レクサスNXが挙げられます。

日産 キャシュカイ

日産 キャシュカイ

日産 キャシュカイはこのセグメントにおける現在のブームの火付け役の一台なので、やはり外せません。日本へは初代がデュアリスとして輸入され、好評を博したものの、残念ながらエクストレイルへ一本化され、現在は日本で販売されていません。2代目となった現行モデルも評判が良いだけに惜しいです。

マツダ CX-5は日本でも好調なセールスを記録しており、日本における乗用車用クリーンディーゼル普及の立役者でもあります。実用性とデザインのバランスがよく、デザインにおける欧州最新トレンドを日本市場に持ち込んだことも大きな功績です。

レクサス NX

レクサス NX

レクサス NXは、独特なデザインで目立ちますが、不思議と日本の街の中でも溶け込んでいます。ディーゼルの代わりにハイパワーなガソリンエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせたのはトヨタならではといえます。レクサスブランドのため、お値段はハッキリと高めで、プレミアムモデルとしての位置づけです。

欧州メーカーでは、アウディ Q3、BMW X1、プジョー3008ルノー カジャールセアト アテカなどが挙げられます。さすがに本場だけあって、ライバルには事欠きません。

アウディ Q3

アウディ Q3

同じグループのアウディQ3は、先代ティグアンとは基本設計を共有する兄弟車の関係で、もっとも近い存在です。Q3は2011年デビューですから、モデルライフ後半に差し掛かっており、次世代ではティグアン同様に最新のMQBプラットフォームを用いたものになると予想されています。またQ3はQシリーズの末っ子でしたが、新しい末っ子のQ2が今年デビューしました。

BMW X1は、2015年に2代目がデビューし、ミニ系と同じFFのプラットフォームに生まれ変わりました。FFベースになったことでティグアンとはより激しく火花を散らしてゆくライバルとなるでしょう。

ルノー カジャール

ルノー カジャール

プジョー 3008は2016年に第2世代が発売されていますが、発売は秋以降の予定です。初代のハイブリッド併用の4輪駆動が廃止され、前輪駆動に集約されていますが、間違いなくティグアンとは鍔迫り合いをすることになりそうです。ティグアンとはテイストの異なる、プジョーらしいデザインが魅力です。

もうひとつのフランス勢からのライバルが、ルノー カジャールです。これは2015年にデビューしたばかりの、日産キャシュカイ/エクストレイルとの血の繋がりがあるモデルで、4輪駆動も日産が開発した本格的なものが採用されています。エクステリアは最近のルノーファミリーに共通した抑揚の大きなもので、筋肉質な面構成が印象的です。

セアト アテカ

セアト アテカ

最後はスペインのセアト アテカです。実は、アテカもティグアンとは血縁関係があって、今年デビューした点も、MQBプラットフォームを使っている点も同じですから、今後比較されることが多いかもしれません。グリルやヘッドライトなど、外形線角を丸めずにシュッと鋭角的に処理するのがセアトらしい部分です。

 

各グレードの主要装備とオプション

UK仕様のティグアンには、ベーシックグレードのS、中間グレードのSEとSE Nav、上級グレードのSELとR-Line、計5つのグレードが設定されています。上で言及したとおり、グレードとパワートレインはある程度紐付けられているので、例えば高出力のエンジンを選ぼうとすると、必然的に上級グレードを選ぶことになり、また1.4LのTSIを選ぼうとすると比較的ベーシックなグレードを選ぶことになります。

各グレードはエクステリアで差別化が行われ、各グレードごとに個性が加わっています。エントリーグレードのSは加飾を抑えて、シンプルでSUVらしいテイストとなっています。SEとSE Navでは、フォグランプが追加され、サイドウィンドウ周りやサイドモールにクロームが追加されるほか、後席の各ウィンドウもプライバシーガラスとなり、ややプレミアム性を増した雰囲気となります。さらに上級のSELでは、SEに加えてLEDヘッドランプやフロントバンパーのクローム加飾も加わり、パサートやトゥアレグにも通じる雰囲気となります。R-LineはSELをベースにエアロパーツが装備され、かなりアグレッシブで、押し出しを強調したスタイルとなります。また、Sで17インチ、SEで18インチ、SELで19インチ、R-Lineで20インチと順に大きくなるホイールも、各グレードごとの個性を引き立たせます。

インテリアはシートのデザインが異なり、SEL以上のグレードではシート形状がよりエルゴノミクスに配慮されたものとなり、表皮素材も合成皮革が標準で採用されています。さらに、SE以上のグレードではオプションで本革シートの選択も可能です。

エアバッグや追突防止自動ブレーキなどの安全装備、オートライトや雨滴検知付きオートワイパーなどはグレードを問わず装備されていますが、クルーズコントロールやフルオートエアコンはSE以上、レーダークルーズコントロールや、メータークラスター内が全画面液晶となっている「アダプティブインフォディスプレイ」はSEL以上での装備となります。

ティグアンにはまた、いくつかのメーカーオプションも設定されています。

日本車でも普及が進んでいる、車体直上から周囲360度を見渡したような映像を表示する£815のエリアビュー、車線変更時に後方から接近してくるクルマがいた場合に、その存在をドアミラーハウジング内側にあるインジケーターで警告してくれる£385のサイドスキャンなどは、おすすめのオプションです。

 

ティグアンのオススメグレードは?

新型ティグアンに乗るならば、どのグレードを選ぶと良いでしょうか?2ペダルが重視され、積雪も考えられる日本では、180PSを発揮する2.0L TSIに7速DSGと4MOTIONの組み合わせが、ちょうど良い選択肢かもしれません。このパワートレインにSE Nav相当の装備を備えたものが、日本仕様として正規輸入されることが想定されます。

一方で折角の並行輸入ならば、積極的に日本仕様にはない設定を選ぶのも有意義かもしれません。そこで今回は、エントリーグレードのSに、125PS仕様の1.4L TSI、6MTの組み合わせを提案してみます。ティグアンとしてはローエンドモデルとなりますが、そこはフォルクスワーゲンらしく、必要十分な装備が搭載されていますし、クロームの装飾を控えめにした外観も、昔ながらのシンプルなフォルクスワーゲンの雰囲気を今に伝えてくれるものです。駆動方式はFFのみとなりますが、十分な最低地上高や電子制御もあり、ある程度除雪された雪道をスタッドレスタイヤで走る上では、満足できる走破性能が期待できます。

もちろんトルクフルなディーゼルエンジンや、4MOTIONとの組み合わせを選んでも良いかもしれません。SEL以上の上級グレードとの組み合わせならば、アダプティブインフォディスプレイやアダプティブクルーズコントロールなど、最先端の装備も楽しめます。

フォルクスワーゲン ティグアン S

フォルクスワーゲン ティグアン S

フォルクスワーゲン 新型ティグアン コマーシャル動画(約60秒)

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注目の並行輸入、新型ティグアンの価格は?

フォルクスワーゲン ティグアンのイギリスでの販売価格は、Sグレードの1.4L TSI 2WD 6MTモデルで£22,510です。イギリスより並行輸入した場合の日本国内の乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。ディーゼル仕様や4MOTIONの並行輸入も承ります。左ハンドルの並行輸入も可能ですので、お気軽にご相談ください。

 

※輸入国からの輸送料、各種税金、検査費用、登録諸費、納車費用(大阪近郊)は全て含まれています。
※正式なお見積り、遠方への納車費用など、改めてご提示いたしますのでお問い合わせください。

金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスしてください。

 

スペック表

フォルクスワーゲン ティグアンのスペックは以下をご確認ください。+ボタンで詳細が表示されます。

フォルクスワーゲン ティグアン S 1.4L TSI BMT 2WD 6MT £22,510
車名 フォルクスワーゲン ティグアン / Volkswagen Tiguan
エンジン、サンプルグレード S 1.4L TSI BMT 2WD 6MT
英国販売価格 £22,510
型式
初度登録 国内未登録新車
車検 受け渡し
走行距離
ハンドル
ドア数 5
カラー ウラノグレー(標準色)
ピュアホワイト(OP)
チタニウムベージュ(MTL)
ルビーレッド(MTL)
カリビアンブルー(MTL)
タングステンシルバー(MTL)
アトランティックブルー(MTL)
ナツメグ(MTL)
ダークモスグリーン(MTL)
インジウムグレー(MTL)
ディープブラック(PAL)
オリックスホワイト(POP)
ハバネロオレンジ(POP)
※OP:特別色、£285
※MTL:メタリック塗装、£560
※PAL:パール塗装、£560
※POP:プレミアムカラー、£995
全長x全幅x全高 4,486 x 1,839 x 1,642 mm
ホイールベース 2,681mm
トレッド(前/後) 1,585mm / 1,576mm
車両重量 1,575kg(参考値)
乗車定員 5名
トランスミッション 7DSG
エンジンタイプ 直列4気筒ガソリン直噴ターボ
総排気量/内径x行程 1,395cc / 76.5 x 75.6 mm
圧縮比 10.0:1(参考値)
最高出力 92kW(125ps) / 5,000-6,000rpm
最大トルク 200Nm / 1,400-4,000rpm
燃料タンク容量 58L
燃費 約16.3km/L(欧州複合基準)
ブレーキ形式(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ/ホイール 215/65R17・7Jx17
最高速度 190km/h
0-100km/h加速 10.5秒
特記事項 ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。

車両詳細画像ギャラリー

 

フォルクスワーゲン 新型ティグアンをもっと知りたい方はこちら

フォルクスワーゲン UK ティグアン オフィシャルページ(Volkwagen UK Tiguan)
フォルクスワーゲン UK ティグアン カタログ/価格表ダウンロード(Volkswagen UK Tiguan)

※本記事は2016年8月16日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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