2020.09.25

ホンダ シビックを解説、日本未発売グレードの概要やスペック、販売価格他、追加導入の可能性や右ハンドル車の並行輸入情報も掲載。

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久々に日本市場に帰ってきたホンダ シビック。クルマ好きならついハイパフォーマンスモデルのタイプRに目が行きがちになりますが、ノーマルモデルもタイプRに準じた出来の良さであると評判のようです。今回のモデルではシビックで初採用となるダウンサイジングターボが話題になりましたが、まだ日本市場に導入されていない「さらにダウンサイジング」されたコンパクトなパワーユニットがあるのを御存知ですか?

今回はホンダを代表するモデルであるシビックのノーマルモデルについて、英国生産の日本未導入パワーユニットを中心に解説します。後半では並行輸入の方法についても掲載します。

モデルの概要

シビックは、言わずと知れたホンダのCセグメントモデルですが、初代モデルのデビューは1972年。これまでの本田宗一郎の思想が色濃い複雑なメカでハイパワーな空冷モデル「ホンダ 1300」から一転、一般的な水冷エンジンを採用する一方、コンパクトなボディに広い室内空間などユーティリティ性を追求した2ボックススタイルのモデルでした。この初代モデルで一番のトピックは1973年のCVCCエンジンの搭載。1970年代のアメリカで、環境問題改善のために施行されることが発表された「マスキー法」はあまりの厳しさに世間では対応が不可能であると言われていたぐらいでしたが、いち早くホンダは排ガス浄化システム「CVCC」で規制をクリアしました。元からコンパクトで燃費が良いと評判のシビックに、環境にも優しいというイメージも加わり、「インテリジェンスなクルマ」として認知され米国だけでなく世界でヒットに。実際に大型のモデルからのダウンサイジング的な乗り換えも多く、ひとつのムーブメントになりました。ボディタイプは当初クラシックミニのようにトランクが独立した2ボックスでしたが、後にハッチバックが追加されています。

このシビックの大ヒットが、過去の不振から四輪市場存続も危ぶまれた同社を救ったのと同時に、ホンダの4輪車で代表するモデルになりました。

ホンダ シビック(初代モデル:1972年)

ホンダ シビック(初代モデル:1972年)

ホンダ シビック(3代目モデル:1983年)

ホンダ シビック(3代目モデル:1983年)

シビックはその後モデルチェンジを重ね、次のトピックは1983年にデビューした3代目モデル。「ワンダーシビック」の愛称で親しまれたこのモデルは、「MM(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)思想」というパワーユニットをはじめとするメカ部分を小さくするぶん、室内空間を広く取るという初代から続くユーティリティ性に対するポリシーをさらに追求したコンセプトでした。これに加え、室内空間を確保しつつも全般的に低く構えたデザインはとてもスタイリッシュで、自動車では初のグッドデザイン賞受賞や、ホンダ初のカー・オブ・ザ・イヤー受賞など受けて大ヒットになりました。ルイ・アームストロングの曲が使われていたシビックのCMを覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ホンダ シビック(7代目モデル:2000年)

ホンダ シビック(7代目モデル:2000年)

ホンダ シビック ハイブリッド(8代目モデル:2005年)

ホンダ シビック ハイブリッド(8代目モデル:2005年)

その後、可変バルブタイミング機構VTECの採用や、セダンモデルにフェリオのサブネーム追加、アメリカ生産のクーペ導入、スポーツ性を極めたタイプR追加など80年代から90年代を駆け抜け、21世紀突入直前の2000年にデビューしたのが7代目モデルです。ハッチバックとセダンのフェリオがラインナップされ、途中でハイブリッドモデルも追加されました。しかし、2001年にデビューしたコンパクトハッチバックのフィットが大ヒットしたこともあり、その後シビックの販売台数は減少傾向に推移。2005年にデビューした8代目モデルは日本市場ではセダンのみとなり、9代目モデルは限定導入されたタイプR以外のノーマルモデルは、とうとう日本市場に導入されませんでした。

9代目シビックで唯一日本にも限定導入されたタイプR

 9代目シビックで唯一日本にも限定導入されたタイプR

9代目シビックには魅力的なツアラー(ワゴン)もありました

9代目シビックには魅力的なツアラー(ワゴン)もありました

現在販売されている10代目モデルのデビューは2016年。10代目のトピックは、主に北米、欧州、日本と仕向地により異なるボディを与えていたのを、全世界で共通のグローバルボディとなりました。日本市場にも2017年にハッチバックとセダンが導入開始。これは8代目モデルデビューから12年ぶりとなり、さらにハッチバックとセダンが両方ラインナップされるのは、7代目モデル以来17年ぶりの復活です。生産は世界各国で行われていますが、日本市場に導入されているハッチバックは英国のホンダマニュファクチャラーズUKで生産されたものを輸入し、セダンは日本の寄居工場製のものが販売されています。今回紹介する英国仕様はハッチバック、セダンともに英国生産です。

ホンダ シビック ハッチバック CM動画(約30秒)

ハイライト

エクステリア

低く構えたスタイルが印象的

シビックのボディタイプは、英国仕様の場合は日本仕様と同じく2種類。5ドアハッチバックと、4ドアセダンがラインナップされています。旧モデルにあった3ドアはラインナップされていません。

ホンダ シビック 5ドアハッチバック(フロント)

ホンダ シビック 5ドアハッチバック(フロント)

ホンダ シビック 5ドアハッチバック(サイド)

ホンダ シビック 5ドアハッチバック(サイド)

デザインテイストは、クラリティや北米向けアコード、3代目インサイトなど最近のホンダ車に共通する、しっかりと主張するフロントセクションが印象的なもの。5ドアハッチバックはよりワイドアンドローになり、ライバルと比べても低く構えた姿が印象的。この雰囲気はかつて大ヒットしたワンダーシビック(3代目モデル)を彷彿とさせるものがあります。4ドアセダンはトランクの張り出しが少なく、流麗なルーフラインと相まって、まるでクーペのような美しさが魅力です。

ホンダ シビック 4ドアセダン(リア)

ホンダ シビック 4ドアセダン(リア)

ホンダ シビック 4ドアセダン(サイド)

ホンダ シビック 4ドアセダン(サイド)

ボディカラーは全7色が設定。これに加え、ドアミラーやサイドスカートにブラックやオレンジの差し色が入った「BLACKLINE」や「ORANGELINE」があり、さらにウィンドーラインやドアミラーをはじめとする各所にクロームパーツを組み込み、専用アルミホイールを装備した「SILVERLINE」も設定されています。

ホイールは、グレードにより16インチもしくは17インチのものが標準で設定され、オプションでは17インチもしくは3種類の18インチアルミホイールが設定されています。

インテリア

このクラスでは珍しく低い着座位置

シビックのインテリア

シビックのインテリア

シビックのインテリアでまず感じるのが着座位置の低さ。これはスポーティな運転感覚に一役買っていますが、だからとは言え狭いわけではありません。これは旧型で採用されていたセンタータンクレイアウトを一般的なリアに移設し低床化することで、居住性を損なわずにこのドライビングポジションを実現しています。シートトリムはグレードによりベーシックなファブリックと、ブラックレザーが設定されています。

インパネは、8代目/9代目モデルで印象的だった特徴ある2階建てメーターナセルは配置が見直され一般的なものになりました。デジタルメーターの採用と合わせて視野性が向上しています。

シビックのシート

シビックのシート

インフォテントシステムのHONDA CONNECT

インフォテントシステムのHONDA CONNECT

インフォテントシステムは、一部グレードを除きHONDA CONNECTと名付けられた7インチタッチスクリーンを装備し、Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応。スマートフォンのナビ画面などをミラーリングすることが可能です。オプションでは、スマートフォンを置くだけで充電できる「WIRELESS PHONE CHARGER」や、プレミアムサウンドシステムの「HONDA 3D Sound Kit」も設定されています。

ホンダ シビック HONDA CONNECT説明動画(約1分50秒)

パワートレイン

日本未導入のコンパクトな1.0L VTECターボが魅力

パワートレインはガソリン/ディーゼルそれぞれ設定されています。ガソリンが1.0Lと1.5Lの2種類。ディーゼルは1.6Lの1種類です。

  • 直列3気筒 1.0Lガソリン VTECターボ 126PS(P10A2)
  • 直列4気筒 1.5Lガソリン VTECターボ 182PS(L15C)
  • 直列4気筒 1.6Li-DTECディーゼル 120PS(N16)

ガソリンは自然吸気エンジンを中心とした旧型モデルから、全て新世代パワートレイン技術「EARTH DREAMS TECHNOROGY」を採用したダウンサイジングターボに刷新されました。L15Cと呼ばれる1.5L VTECターボは日本にも導入されていますが、注目はP10A2と呼ばれる1.0L VTECターボ。排気量だけでなく気筒数も減らすことで物理的なサイズ自体も大幅にコンパクトにした最新鋭のユニットです。まだ日本には導入されていませんが、欧州複合で25km/Lの低燃費を実現しています。ちなみにホンダの直列3気筒1.0Lエンジンは、初代インサイトのハイブリッドシステムに組み合わされたECA型ユニット以来です。

「ホンダらしさが詰まった」ダウンサイジングターボ 1.0L VTECターボ

「ホンダらしさが詰まった」ダウンサイジングターボ 1.0L VTECターボ

今までホンダは他社と比べてターボエンジンよりも自然吸気エンジンで高性能化することに力を入れてきましたが、このP10A2ではボルグワーナー製の小型軽量のターボーチャージャーを採用することで、VTECの機能性をスポイルせず性能向上を図っています。ある意味このユニットは「ホンダらしさが詰まった」ダウンサイジングターボユニットと言えるでしょう。実際に現地では、1.5Lよりパワーは少ないが、心地よい回転感覚を持つ「元気なユニット」と評判のようです。

駆動方式はFFのみ。トランスミッションは全車6速MTが標準、2ペダルはガソリンにはCVT、ディーゼルには9速ATが組み合わされ、どちらもパドルシフトが装備されています。

ホンダ シビック 低燃費技術と走行性能紹介動画(約1分35秒)

サスペンション

ニュルブルクリンク仕込みの走る喜び

サスペンションは、フロントはマクファーソンストラット、リアは旧型のトーションビームからマルチリンクになりました。これに加え一部グレードにはフロント/リア共にアダブティブダンパーシステムが装備されています(EX、Sport Plus、Prestigeグレード)

メーカー自身が、Cセグメントいちばんの「走る喜びの追求」をコンセプトにしているとアピールしていますが、上質な乗り心地と確実なハンドリングが両立しておりメーカーの思惑を実現できているようです。

プラットフォームはタイプRと共通。かつてのタイプRは標準モデルに対して強化する方法で開発されましたが、今回はノーマルモデルも同じものとして開発。そのためエンジンパワーに対してたっぷりと余裕がある贅沢なものになりました。ニュルブルクリンク仕込みのこのプラットフォームが走る喜びの実現に大きく寄与しています。

ほかにも先進安全技術として、衝突軽減ブレーキや、アダプティブクルーズコントロール機能のあるHONDA SENSINGをを標準で搭載しています。

ニュルブルクリンク仕込みの走る喜びを実現しました

ニュルブルクリンク仕込みの走る喜びを実現しました

参考スペック

HONDA CIVIC 5DOOR EX 126PS VTEC Turbo 6MT


寸 法 ▶︎全長×全幅×全高=4,518×1,799×1,434mm
ホイールベース:2,697mm トレッド前/後 1,537 x 1,565mm
エンジン▶︎水冷ガソリンターボ 直列3気筒 フロント横置き
     988cc -mm x -mm -.0:1 126PS(95kW)/5,500rpm 200Nm(20.3kgm)/2,250prpm
駆動方式▶︎FF  6MT
懸架装置▶︎前:マクファーソン・ストラット
▶︎後:マルチリンク
ブレーキ▶︎前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク
タイヤ ▶︎前:235/45R17 後:235/45R17
燃料容量▶︎46L 車両重量▶︎1,275kg 最高速度▶︎-km/h 0-100km/h加速▶︎11.2秒
燃 費 ▶︎25.0km/L(欧州複合基準)-km/L(JC08モード日本仕様参考値)
価 格 ▶︎23,805ポンド(イギリス仕様車)

※その他の仕様のスペック詳細はカタログ情報(リンク)をご覧ください

ライバルモデル

Cセグメントのシビックのライバルとして、フォード フォーカスとルノー メガーヌを挙げます。

新型フォード フォーカス

新型フォード フォーカス

ルノー メガーヌ

ルノー メガーヌ

フォーカスは、コアカーズをご覧の方ならお馴染みの欧州フォードのCセグメントモデルであり、フォルクスワーゲンゴルフと共にベストセラーの座を奪い合っている一台です。フォーカスは代々ほかの欧州フォード車と同じく走りの良さを魅力としており、性格としてはシビックに近いと言えるでしょう。ハイパフォーマンスモデルのRSが用意されているのも同じです。ベストな操舵感のハンドリングに、低燃費のEcoBoostエンジンの組み合わせは市場で大きな支持を得ています。2018年にフルモデルチェンジを行い商品性を上げてきましたのでシビックとの対決が楽しみです。

メガーヌも同じく、ルノーのCセグメントモデルであり、ハイパフォーマンスモデルとしてR.S.があるのもシビックやフォーカスと同じです。そもそもニュルブルクリンクを舞台にしたFFハッチバックのタイム戦争を最初に仕掛けたのはメガーヌです。ライバルと比べて1.0L級のコンパクトなダウンサイジングターボはありませんが、メガーヌR.S.譲りのしっかりとしたプラットフォームによる走りの良さとルノー車に共通する乗り味の良さは魅力的です。

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バイヤーズガイド

グレード構成は、ベースモデルとなる「SE」をはじめ、17インチアルミホイール、リアパーキングカメラなど装備を充実させた「SR」、レザーインテリアやシートヒーターなどが装備された上級モデルの「EX」の3つがハッチバック/セダンともに設定されています。さらにハッチバックには17インチアルミやデュアルエクゾースト、アルミペダルなどを装備したスポーティな装いの「Sport」、ヒーテッドシートやパノラマグラスルーフを装備した「Sport Plus」、デュアルゾーンオートエアコンなどをさらに装備した最上級グレードの「Prestige」が設定されています。

シビックを選ぶなら、5ドアハッチバックのEXグレードに1.0L VTECターボと6MTの組み合わせはいかがでしょうか?プレミアムな上級グレードのEXに日本未導入の1.0L VTECターボの組み合わせは、進化を続けるにつれCセグメントのプレミアムモデルシフトしつつあるシビックのいまを感じられる装備に、低燃費で環境に優しいエンジンと運転の楽しい6MTのチョイス。これはある意味、エコでプレミアムなCセグメントとして「分かる人には分かる」という、かつて初代モデルがムーブメントを起こした「インテリジェンスなシビック」のイメージに近いのではないでしょうか。

ほかにも4ドアセダンの組み合わせや、1.0L VTECターボに2ペダルのCVTの組み合わせも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

久々の日本導入で市場でも好評価の10代目シビックですが、さらに環境に優しい「インテリジェンスな選択」で、街行くシビックとちょっと違う一台を手に入れてみませんか?きっとオーナーの期待に応えてくれるはずです。

シビックの未導入パワーユニットなどの日本導入の可能性

シビックハッチバック/セダン共に1.5L VTECターボユニットが日本市場にも導入されていますが、未導入の1.0L VTECターボやセダンのMTモデルの追加導入は、英国からの輸入車となるモデルもあることからラインナップを簡単に増やしづらいと考えられるため、日本導入の可能性はあまり高くないと予想されます。

並行輸入という選択肢

日本市場に導入されていないシビックの組み合わせも、並行輸入を行えば日本で所有することができます。

一例としてコアカーズを運営する並行輸入者販売店のYMワークスでは、最新の為替レートを反映したホンダ シビック 5DOOR EX 126PS VTEC Turbo 6MTモデルの乗り出し価格を案内しています。下記表では最新の為替レートに基づいた価格を表示しています。

  • 車名
  • 2年保証付き
    国内乗り出し価格目安

  • (税込・諸費用込)

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

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