アウディ A1を徹底解説。日本未導入のMT、右ハンドルのイギリス仕様を並行輸入します。

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アウディ A1

ドイツのプレミアムメーカーと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、やはりメルセデス・ベンツ、もしくはその永遠のライバルであるBMWではないでしょうか?

そして近年、ドイツのプレミアムブランド御三家のひとつとして定着したのがアウディです。知的な雰囲気のエクステリア、クワトロをはじめとしたハイテク装備群、そしてそれらがもたらす卓越した高性能が、世界中のハイエンドオーナーに支持されています。

今回はそんなアウディの最小モデル、アウディ A1(AUDI A1)のなかでも、もっともベーシックな1.0L TFSIのMTモデルを中心に徹底解説します。「小さいことは、インテリジェントだ」と感じさせるアウディ A1を、日本に正規輸入されていない組み合わせで並行輸入してみませんか?

アウディ A1の特徴

アウディ 50(1974年)

アウディ 50(1974年)

アウディ A1は、アウディのボトムレンジを担うBセグメントのコンパクトモデルです。2007年の東京モーターショーでワールドプレミアされた「メトロプロジェクト クワトロ」や、2008年のパリサロンでワールドプレミアされた「A1スポーツバックコンセプト」としてコンセプトモデルが参考出品され、市販モデルは2010年のジュネーブショーでワールドプレミア、同年に販売が開始されました。ボディサイズ、エンジンサイズ共に最小で、名実ともにいちばん小さなアウディです。

A1はフォルクスワーゲン ポロをベースにしています。プラットフォームはフォルクスワーゲンA05(PQ25)です。兄弟車にはベースとなったポロ以外にも、同じフォルクスワーゲングループのセアト イビサが挙げられます。また同じセグメントに位置するシュコダ ファビアの存在もありますが、こちらは設計年次が新しく、PQ26、PQ25、MQBという複数のプラットフォームの混合で設計されています。

A1としては初代モデルですが、アウディのコンパクトモデルとしては、1970年代にラインナップされていたアウディ 50があります。コンベンショナルな水冷直列4気筒エンジンを搭載し、FFレイアウトを採用したこのコンパクトカーは、後に初代フォルクスワーゲン ポロのベースとなったり、同じく水冷直列4気筒FFレイアウトを採用したゴルフの開発にノウハウが生かされ、フォルクスワーゲンが長年悩まされていたビートルの後継モデル移行とメカニズムの近代化のきっかけとなった重要なモデルです。

アウディ A2(1999年)

アウディ A2(1999年)

それからアウディのコンパクトモデルはしばらくブランクがありましたが、1999年に登場したA2は、初代A8と同じくオールアルミボディであるASF(アウディ・スペース・フレーム)を採用したり、超低燃費の1.2L TDIディーゼルを搭載し、100kmを3Lの燃料で走る(約33km/L)ことを目標として開発された「3Lカー」をラインナップしたりと、非常に革新的なモデルでした。

A1は、技術的アドバルーン要素が高かったA2の後継というよりも、年代的なブランクこそあるものの、アウディ50の方が位置づけとして近いように感じます。

2012年にはハイパワーのターボエンジンとクワトロシステムで武装したホットモデル「A1クアトロ」が333台限定で販売され、コレクターズアイテムになりました。このA1クワトロは、近いスペックのモデルが後にアウディS1としてカタログモデルになっています。

ほかにもコンセプトカーとして、レンジエクステンダー(発電機用エンジン)としてコンパクトなロータリーエンジンを搭載した電気自動車のA1 e-tronなどが発表されています。

2015年には大きめなマイナーチェンジが行われ、エクステリアだけでなく、後述する1.0L TFSIエンジンの採用など大きく進化しています。

日本にも正規輸入されており、ヨーロッパ市場で発売から1年後の、2011年より販売されています。日本でも人気を得ているA1ですが、今回紹介するMTや、クリーンディーゼルのTDIモデルは販売されていません。

A1 コンセプト動画(約1分50秒)

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エクステリア

プレミアムとポップをあわせもつデザイン

アウディ A1スポーツバック

アウディ A1スポーツバック

A1のボディタイプは3ドアハッチバックの”A1″と、5ドアハッチバックの”A1 スポーツバック”の2種類がラインナップされています。基本的にリアドアの有無以外はエクステリアに大きな違いはありませんが、乗車定員が4人の3ドアに対して、5ドアでは5人になります。

上級モデルと同じくシングルフレームグリルが印象的なフロントマスクや、ボディ先端からリアまで続くはっきりしたショルダーラインが、A1がアウディファミリーの一員であることを主張します。今回のマイナーチェンジでは、このシングルフレームグリルが大型化されたり、フロント/リア共にライトが新デザインになるなど、全般的によりシャープなものに進化しました。

そしてボディカラーは、ピラーとルーフを別色で塗り分けた2トーンも選択可能です。比較的クールなイメージのあるアウディのなかで、A1はプレミアムなイメージだけでなくポップさも持ち合わせています。

前述したA2とは違い、高価なオールアルミボディの採用は見送られました。しかし、軽量かつ高剛性な超高張力鋼板を使用することで、ボディの剛性アップと軽量化を両立。アルミでなくても同様の効果を発揮しています。

 

インテリア

見て触れてわかる上質な誂えが魅力

A1のインテリア

A1のインテリア

インテリアもアウディの一員らしい仕立ての良いものになっています。航空機のジェットエンジンをモチーフとしたエアコン吹き出し口をはじめ、手触りの良いインパネ素材や操作感の良いスイッチなど、すべてが一般的なコンパクトカーに比べワンランク上質です。本革素材やウッドパネルなどを用いた分かりやすい高級感の演出はありませんが、実際に見たり触れたりすると分かる上質さは、アウディならではといえるでしょう。

シートもコンパクトカーのなかでは大きめで、体格の良い方でもしっかりと受け止めてくれます。少し固めのシートは、優しく体を受け止めるようなフランス車のシートとはまた違いますが、長距離ドライブでもしっかりと体をサポートするため疲れ辛く、分かりやすい「ドイツのいいクルマのシート」であると感じてもらえると思います。

 

パワートレイン

注目は低燃費の3気筒1.0L TFSIエンジン

A1のパワートレインは、ガソリン2種類とディーゼル1種類が用意されています。

【ガソリンターボエンジン(TFSI)】

  • 直列3気筒 1.0L 95PS
  • 直列4気筒 1.4L 125PS

【ディーゼルエンジンは1種類】

  • 直列4気筒 1.6L 116PS

またこれ以外にスペシャルモデルのS1専用に、231PSというハイパワーな直列4気筒2.0Lターボが用意されています。

特筆すべきは、マイナーチェンジで追加になった直列3気筒1.0 TFSIエンジンです。このエンジンはフォルクスワーゲンでは1.0 TSIと呼ばれ、日本にもup!で導入されている直列3気筒1.0 MPIエンジンをベースに、ターボチャージャーを組み合わせたものです。

このエンジンは、Aセグメントのup!から、Cセグメントのゴルフにまで幅広く搭載されています。搭載される各車のチューンは異なり、A1の95PS仕様は、ゴルフ1.0TSI(115PS)に次ぐハイチューンとなっています。燃費も欧州複合で22.9km/Lとアウディでもっとも低燃費です。1.0Lのダウンサイジングターボと言うと、エンジン・オブ・ザ・イヤーを連続受賞したフォードの1.0 EcoBoostが有名ですが、1.0 TFSIはこれに迫る低燃費かつハイパワーなユニットです。

アウディではこれが初の3気筒エンジン搭載モデルとなります。今日のアウディの前身であるアウトウニオンには、1960年代に3気筒エンジン搭載モデルがありましたが、これは排気ガスのエミッションコントロールの難しい2サイクルの3気筒エンジンであったことを考えると隔世の感があります。

この1.0L TFSIエンジンは回転が滑らかで振動が少なく、3気筒エンジンのネガティブな面を払拭しています。このエンジンであればプレミアムモデルと組み合わせても違和感ないと判断したことが、長いブランクを経てアウディが再び3気筒エンジンを採用した理由かもしれません。

組み合わされるトランスミッションは、1.0 TFSIと1.6 TDIは5MT、1.4 TFSIには6MTが用意され、さらに2ペダルのデュアルクラッチミッション、s toronicも各モデルに用意されています。日本には、1.6 TDIエンジン以外は正規で導入されていますが、トランスミッションはs toronicのみで、MTモデルは導入されていません。

なお、A3 e-tron(プラグインハイブリットモデル)は既に実用化されていますが、2016年10月現在未発売です。

 

足回り

妥協のないしなやかな走り

アウディらしい走りが味わえるA1

アウディらしい走りが味わえるA1

A1は全車FFで、アウディ得意のクワトロ(AWD)はS1にのみ設定されています。サスペンションにはフロントはマクファーソン・ストラット、リアはトーションビームを採用しています。この組み合わせは欧州コンパクトカーでは一般的な組み合わせですが、アウディの名に恥じない妥協ないセッティングがされています。

サスペンションをはじめとする足回りのチューニングは、硬めでありながらも、しなやかさを失わないものです。剛性感の高いボディと相まって「これぞドイツ車」と納得できる安定した走りと、快適な乗り心地を両立しています。敢えてインチサイズが小さい15インチアルミホイールのグレードを選ぶと、一層深みのある乗り味を堪能できるかも知れません。

 

グレード・主な装備とオプション

アウディらしい充実した構成

A1のグレードは基本的に以下の3つで構成されます。

  • 標準グレードのSE
  • スポーティグレードのSports
  • 専用サスペンションなどを備えたS-Line

これらのほかに、ハイパワーなスペシャルモデルのS1があります。

装備は、標準グレードでも15インチアルミホイールや、AUX端子とSDカードスロットを備えるオーディオが装備されるなど充実しています。オプションでは、BOSEサウンドシステムが選べたり、グレードによって本革やアルカンターラコンビシートなども選択可能となっています。

パックオプションは、ドライバーズインフォメーションシステムや、クルーズコントロール、パーキングセンサーなどがセットになったコンフォートパックや、プライバシーガラスと、解放感に優れたパノラマサンルーフをセットにしたデザインパックなどが設定されています。

ほかにもオプションが用意されていますので、必要なものをライフスタイルに合わせて選択してみてください。

 

総評

小さいことを生かした、インテリジェントなアウディ

A1はデザイン、質感、走り、すべてにおいて、上級モデルのプレミアムさをBセグメントのボディに詰め込んだ、いちばん小さなアウディです。

コンパクトなボディは全長の短さから渋滞を軽減するとも言われ、最新の素材を惜しまず使用した軽量なボディは優れた燃費性能に貢献します。こうした独りよがりでない、環境のことも考えた性能は、知的なイメージをもつアウディに相応しいものです。

値段が高く、大きく、ハイスペックで豪華なモノだけがプレミアムとは限りません。冒頭で述べたとおり「小さいことは、インテリジェントだ」という考え方もあるのです。コンパクトでベーシックでありながら上質さも兼ね備えたアウディ A1、特にその最小エンジンモデルを選ぶことは、今の時代に相応しいインテリジェントな選択ではないでしょうか。

 

A1 マイナーチェンジ紹介動画(約1分)

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プレミアムコンパクト、A1のライバルは?

今回紹介したA1のように、”ちょっとシンプルでプレミアムなモデル”は多くなく、基本的にはライバル不在のように感じます。

その中でも強いて挙げるならば、アルファロメオ ミトと、DSオートモビル DS3(シトロエン DS3)がライバルになりそうです。

アルファロメオ ミト

アルファロメオ ミト

アルファロメオ ミトは、スポーティなイメージの強いアルファロメオでもっとも小さなモデルです。ミトはフィアットのコンパクトカーであるプントをベースにしていますが、スポーティで少しクラシカルなエクステリアデザインや内装など、しっかりアルファロメオのマインドを感じさせる仕上がりです。A1よりデビューが早いこともあり、基本設計がやや古く、モデル末期との噂もありますが、低燃費ディーゼルのMultiJetや、フィアット500でも人気の2気筒ガソリンエンジン TwinAir搭載モデルもラインナップされています(ともに日本未導入)。しかしA1と比べると、3ドアモデルのみで、ベースとなったプントにある5ドアモデルはラインナップされていません。

シトロエン DS3

DS3(画像はシトロエン時代のもの)

DS3は、シトロエンのプレミアムブランド、DSオートモビルのもっとも小さなモデルです。シトロエン C3の先代モデルをベースに、シトロエンが得意とする前衛的なデザインや上質な内外装を纏っており、販売ブランドがモデルライフ途中でDSオートモビルに移行したという経緯を持ちます。。最近はシトロエン自体がプレミアムな方向に舵を切っていますが、DSは別格として位置付けられており、DS3もコンパクトカーとは思えないような上質な仕上がりになっています。しかしA1と比べると基本設計の古さは否めません。そしてボディタイプはDS3も3ドアのみです。しかし、A1にないセミオープンモデルのDS3カブリオの存在は、プレミアムなコンパクトモデルとして魅力的です。

 

おすすめはA1 1.0 TFSI SE manual

A1を選ぶなら、A1 1.0 TFSI SE manualをおすすめします。

この組み合わせは、アウディ全車種のなかでもっともベーシックな組み合わせです。パーソナルな3ドアボディと、燃費の良い1.0 TFSIエンジンに、必要十分な装備を持ったSEは、15インチアルミホイールを標準し、しなやかな乗り味を実現しています。そしてトランスミッションは、小さなエンジンを適切なギアで操る5速MTをおすすめしたいです。必要十分な装備のグレードを選び、そこに必要なオプションを組み合わせていくのも賢い選択ではないでしょうか。

この組み合わせ以外にも、さらに低燃費なTDIディーゼルエンジンなども並行輸入できますので、お気軽にお問い合わせください。いちばん小さく、インテリジェントなアウディで、ひとあじ違うプレミアムなカーライフを送ってみませんか?

アウディ A1(サイドから)

アウディ A1(サイドから)

 

アウディ A1の日本国内での乗り出し価格は?

アウディ A1のイギリスでの販売価格は、日本に正規輸入されていないA1 SE 1.0 TFSI manualで13,845ポンドです。イギリスより並行輸入した場合の日本国内乗り出し価格は、下記の表を参考にしてください。コアカーズを運営する並行輸入者販売店YMワークスでの最新の為替レートに基づいた諸経費込みの販売価格を表示しています。

A1のMTモデルは、正規輸入されていないので、入手するには並行輸入が現実的な方法です。

現在、英国内のグレード整理・価格改定に伴う調整作業中です。日本国内での乗り出し価格の目安はお問い合せ下さい。

国内乗り出し価格目安は、ご覧の時点での為替レートにて算出しております。 金額が表示されない場合は、しばらく経ってから再度アクセスをお願いします。

 

スペック表

アウディ A1のスペックは以下をご確認ください。+ボタンで詳細が表示されます。

AUDI A1 SE 1.0 TFSI manual £13,845
車名 アウディA1 / AUDI A1
サンプルグレード SE 1.0 TFSI / 5MT
英国販売価格 £13,845
型式
初度登録 国内未登録新車
車検 受け渡し
走行距離
ハンドル
ドア数 3
カラー シェルホワイト(標準色)
ブリリアントブラック(標準色)
フローレットシルバー(OP/MTL)
スキューバブルー(OP/MTL)
グラシアホワイト(OP/MTL)
ナノグレー(OP/MTL)
ミサノレッド(OP/MTL)
デイトナグレー(OP/MTL)
ユートピアブルー(OP/MTL)
ミトスブラック(OP/MTL)

※OP:有料オプション
※MTL:メタリック塗装

全長x全幅x全高 3,973× 1,749 × 1,416 mm
ホイールベース 2,469 mm
トレッド(前/後) 14,77 mm / 1,471 mm
車両重量(乾燥) -kg
乗車定員 4名
トランスミッション 5MT
エンジンタイプ 直列3気筒12Vターボ
総排気量/内径x行程 999cc/-mm×-mm
圧縮比
最高出力 79kW(95PS)/5,000rpm
最大トルク 160Nm(16.0kg-m)/1,500rpm
燃料タンク容量 45L
燃費 約22.9km/L(欧州複合基準)
ブレーキ形式(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ/ホイール 15インチホイール
最高速度 186km/h
0-100km/h加速 10.9秒
特記事項 ※一部推定値、非公式情報を含んでいる場合があります。

 

車両詳細画像ギャラリー

アウディ A1のカタログダウンロード

アウディ A1/A1スポーツバック(AUDI UK A1/A1 SPORTSBACK)

 

アウディ A1の現地法人・ディーラーサイト

※本記事は2016年11月5日時点の情報を元に作成しております。最新の情報に関しては直接ご連絡にてご確認ください。また、記載情報の誤りがある場合はお知らせください。

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